異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
『が・・・が』
壁をへこませて床に沈み込んだ
それを成したゴリラ・・・もといアルテは息を荒くしてその場にへたり込む。
『アルテ!』
「私は・・・大丈夫だから! ハヤトは、あいつをブッ倒して!」
良く見たら両手に白い何かがべっとりと付いている。あいつの体組織か!?
心配だけど、ここでやらなきゃ男じゃない。
『ああ、お前の代わりに殴っておいてやるよ! 師匠! アルテを・・・』
銀色の巨人から注意が逸れたその瞬間、巨人が腕を振った。
先端がばらけて飛び散ったのは・・・やばい! ライサムの町で見た粘液炸裂弾!
俺は平気だけど、へたり込んで動けないアルテが巻き込まれたら・・・
「おおっ!?」
「えっ!?」
誰かが叫んだ。
魔法のように、アルテの隣に現れる黒覆面。先ほどの透明化ニンジャ。
まだ生き残りがいたのかと思う間もなく、そいつがアルテを脇に抱えて跳躍した。
瞬間、炸裂する粘液弾。その時にはもう、黒覆面とアルテは燃焼範囲から脱出していた。
「・・・」
そのまま無言でアルテを師匠たちの前にそっと置き、脇を駆け抜けて通路に姿を消す。
・・・何者だったんだ、あれ?
「取りあえずアルテを回収して脱出だ! いいな!」
アーベルさんの声にガイガーさんと師匠がちらりと視線を交わすが、何かを言う事はなかった。
イーサン氏の馬にアルテを乗せ、みんなが走り出したのを確認して銀の巨人に向き直る。
ローズマリー、銀の巨人は立ち上がるところだった。
僅かにふらついているのは、生体ゆえのダメージへの弱さか?
『こ、の・・・』
奴の身長は今の俺の1.5倍ほど。
普段の俺から見ればオーガーくらいのサイズ。
その巨体が拳を振りかぶる。
だが、恐怖は全く湧いてこない。
『げふうっ!?』
みぞおちの辺りに強烈なストレートを突き刺す。
銀色の金属質の表皮がひしゃげ、その下の筋肉が潰れる感覚。
『ぎゃっ! がっ! この・・・ぎひいっ!』
拳が脇腹を穿つ。
前蹴りが膝を砕く。
体勢を崩して、前のめりになったところで渾身のアッパーカット。
銀色の巨人は地響きを立てて倒れた。
『オオオオッ!』
ストンピング。
銀色の腹が大きくへこみ、肉が潰れる。
蹴り。
殴った方と逆の脇腹を派手にへこませて、銀の巨人が床を転がった。
ストンピング。
足が潰れる。
蹴り。
頭がひしゃげて吹き飛ぶ。
ストンピング。
肩が潰れた。
蹴り、ストンピング、蹴り、蹴り、ストンピング、ストンピング・・・
壁に叩き付けて動きが止まったところで、俺はカメラで後方を確認。
師匠たちの姿はとうに見えない。
『く・・・か』
全身プレス機で潰されたスクラップみたいになりながら銀色の巨人がもがく。
ちっ、再生してやがる。
だがこの程度で・・・と思ったところでローズマリーが笑い出した。
『ふふふ・・・あははははは・・・』
何笑ってるんだこいつ。
にしても今気付いたが、こいつ女の子みたいな声で喋るな。
アルテに変身してたからと思ったが、ちょっと違う。これがこいつの素の声か?
まあどうでもいい。
ライサムの町の奴と同じで、これでくたばらないなら丸ごと溶かしてやる。
『やっぱり強いわね。あの何でも溶かす息で私を溶かす気? それともあの火の鉄板かしら?』
『!?』
一瞬驚きで動きが止まる。
銀色のひしゃげたボディに、大きな目が開く。
思い出した! これ、ライサムの町の奴の中にあった、目玉のコア・・・そこで俺は意識を失った。
暗い。
闇の中。
落ちていく・・・いや、浮き上がっていくのか?
映像が見える。
子供の時、近所のおばちゃんにバナナ貰ったこと。
小学校で百点取ったこと。
運動会でビリになったこと。
流れるように無数の映像が通り過ぎていく。
中学、高校、そしてこの世界に召喚されて、ロンドでクソ王の融合した融合獣を焼き、吸血鬼ルイスを大回転ロケットパンチで撃墜し、魚のホラ話の中で赤竜に乗って黒い蠍と戦い、ダンジョンに潜って金剛石の龍や混沌の巨神と戦った。
『!』
脳髄を貫く琥珀色の輝き。
そこで視界が点滅して、周囲の闇が消えた。
『なっ!?』
気付くと、俺は白い肉の塊に首から下を包み込まれていた。
端々に銀色の装甲板というか表皮のかけら。
ローズマリーかこれ! 気持ち悪い!
『豪子力バリアー!』
『きゃあっ!?』
全身から波動がほとばしり、まとわりついていた肉塊を吹き飛ばす。
はじけ飛んだ肉塊は素早く床の上を滑って合体し、また人型を取る。
『・・・!?』
その時に気付いたが、俺はいつの間にか手にムラマサを握っていた。
どういうことだ?と考えて覚醒前の琥珀色の輝きを思い出す。
タリエシンの宝珠か? 大魔術師が使えば森羅万象を見通し、混沌やその他の魔法から身を守ってくれる効果もある・・・よくわからんが多分そうだ。
詳しい事は後で師匠に訊けばいい! 今はこいつをぶちのめすことだ!
『ルイントルネード!』
滅びの魔風が口部のスリットから吐き出される。
ライサムの奴と同様のあれであれば、これで・・・
次の瞬間、破砕音と共に俺の思惑は砕け散った。
奴め、施設の壁材を剥ぎ取って盾にしやがった!
さすがに真なる魔法文明時代の素材、ルイントルネードにもある程度は耐えてる!
だがそれでも完璧に防ぎきるほどじゃない。
徐々に溶解して・・・くそ、壁の内部に入り込んだ!
さすがにこの施設だと、デモゴディの火力でも構造物ごととは・・・
『そんなぬるいことをすると思ってる? 残念、こうするの』
!
くそっ、人の心を読むんじゃない! デモゴディなんだからサトラレはされないはずだろ!
それとも口に出してたのか!
そんなことを考えてる間に、「こうする」が目の前に立っていた。
『これならいい感じじゃない?』
『・・・』
全身銀色、体長30mは前と同じ。いびつな体型のツギハギの巨人。
だが体をよろうのは体表を硬化させた程度の装甲じゃない。
真なる魔法文明の生み出したマテリアル、デモゴディの攻撃でも一撃では破壊できない構造材だ!
『耐久力だけじゃなくてよ!』
ツギハギ巨人の巨大な左目が赤く光る。
反射的な反撃。
『豪子力ビーム!』
俺の目からほとばしった豪子力の光芒と、奴の目からほとばしる赤い光線。
それが数秒ほど拮抗し、なんだと、押し戻される!?
『ぐわっ!』
豪子力ビームが撃ち負け、奴の赤いビームが俺の顔面を直撃する。
くそっ! 貫通はしてないが装甲が赤熱化してる!
連続して喰らったら超合金Σでもやばいって事か!
『まだよ!』
ビーム! ビーム! ビーム!
くそっ、施設の機材か何かを流用してるのか!?
ライサムの時のチャージビームと威力は変わらないくせに連射速度が桁違いだ!
だがいくら装甲板が頑丈でも、物質が三万度の熱に耐えきれるか!
『マシンフォース・スタートアップ!』
『なっ!?』
豪子力の輝きに全身包まれるデモゴディ。こいつは初見だったな! 冥土の土産に持っていけ!
『ブレストヴォルケイノ・スペシャル!』
赤熱の熱線が奴を襲う。
僅か数秒で奴の全身が赤熱化し、融解する。
ドロドロの溶岩と化した奴が溶け落ちるのと、俺の体を包んでいた豪子力の光が消えるのが同時だった。
『ふう・・・』
大きく息をつく。
よく見ると足首から下だけ残ってるから、一応こっちも溶かしてとどめを刺しておいたほうがいいかもしれないな。
『ほほほ、ほほほほほ!』
!?
あの笑い声が響く。
ベキベキと音を立てて、また別の壁面が変形し、人型を取っていく。
その中に垣間見えるのはあの白い肉片。足首から下が合流し、一つになる。
『ほほほ、ほほほほほほほほほほほほ!』
響く高笑い。
数秒後、そこにはさっき倒した奴とほぼ同サイズの銀色のツギハギの人型が立っていた。
タイトルは特に意味はありません。
「GEAR戦士電童」とGロボ/横山漫画の「大暴れ天童(暴れ天童)」から。
いやハヤトくんが暴れてるから何となく。
>ブレストヴォルケイノ・スペシャル
元ネタはアンソロジーで桜多吾作先生が描いてた奴。
甲児君も弓博士も、主要キャラ全員クローンが用意してあるから何度死んでもOKよ!
ってひっでえ設定の漫画だったwww
光子力研究所はαコンプレックスだったんだよ!
ちなみにツギハギ巨人のイメージキャストは「アルジェントソーマ」のフランケンシュタインエイリアン・フランク。
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