異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第五話 ゆけゆけハヤトどんとゆけ

 ジャングルの中を歩く俺達。

 気分は木曜スペシャル○○ヒロシ探検隊。

 なお「ヒロシ」だと元祖になって、「ヒロシ、」だと二代目になる。

 ああ素晴らしき無駄知識。

 閑話休題(それはさておき)

 

「空は飛んでいかないんですか」

「あれってアンタは隠せるけどアタシが掴まって飛んだらアタシの方は隠せないんだろ?

 この島に何かがいるとしたら、ともかくもバレないのが大事さね」

 

 なるほどそりゃそうだ。

 それに気付いてしまったが、この島にカオルくんや師匠はいない可能性が高い。

 カオルくんならサンダースウォードで雷を打ち上げて合図してくれるし、数十キロくらいなら師匠の魔術で俺達を捜したり念話を飛ばしたり出来るはずだ。

 

「あー、そうなるか・・・もしくは自由を奪われてるか、だね」

 

 その可能性もあるかあ・・・まあ用心に越したことはないってことですね。

 

「・・・」

 

 ちょっと、今何か言いかけてやめたでしょう。

 どうせ「普段の鈍さに見合わず良く気付くなあ」とか思ってたんじゃないですか!

 

「いじけた奴だねえ。あたしゃ何にも言ってないよ?」

 

 顔に書いてあるんですよ!

 

「なるほど、ハヤトもついに相手の顔を読めるようになったってことか。

 いやあ、めでたい」

 

 そりゃ毎回毎回言われてりゃあな!

 

「それにしてもめでたい。ご褒美にキスしてあげようか?」

 

 いらんわ!

 

「やだねえ、照れちゃって。ほーれほれ、顔出しな」

 

 だから近寄るな! 頭を抱え込むな! くそ、やっぱ力強ぇ!

 そんな馬鹿な事をやりつつ、俺達はなだらかな傾斜を登っていった。

 

 

 

「・・・変ですね」

「変だねぇ」

 

 歩きながら頷き合う俺達。

 数時間歩いた後に気付いたのだが、いくら歩いても太陽が傾かない。

 ずっと中天にある。

 

 転移される直前は夕やけで転移された後は真昼なのは遠くに転移されたから、という可能性もあったが、ここまで太陽が動かないとなると多分魔法的な閉鎖空間かなにかだ。

 イレマーレのダンジョンの七階みたいな。

 

「あー、沢山の別空間が重なりあってた、んだっけ?

 ばーさんの説明聞いてもよくわからなかったけど」

「そんな感じですね。差し渡し数キロのとても大きな部屋が沢山あって、それが重なり合って存在してるみたいな」

「説明はいいよ。そう言うの聞いてると頭が痛くなる」

 

 本当に頭痛をこらえるように額に手をやる座長。

 

「まあとにかく、ここがなんか変な場所だってことだね」

「ええ。あるいは精霊の隠れ里みたいなところかもしれませんけど」

「ウラリマのウォータードラゴンキャッスルかい」

「それそれ」

 

 浦島太郎の竜宮城である。似たような話はこちらにもあるそうだ。

 

「三百才のばあさんになるのはぞっとしないね」

「師匠なら大丈夫でしょうけどねえ。後三百才歳取ってもきっとあのままですよ」

「違いない」

 

 二人して笑う。師匠が聞いてたら多分思いっきり杖で殴られるな。

 ・・・あれ?

 

「えっ?」

 

 突然ジャングルが途切れた。

 

「え、ええええ・・・・・・?」

 

 目の前の光景が信じられず、座長と二人してぽかんと口を開ける。

 

 ザザーン・・・ザーザザン・・・ ザザーン・・・ザーザザン・・・

 

 白砂青松。

 南国の太陽の下、どこまでも透き通った紺碧の海が目の前に広がっていた。

 

 

 

「・・・あたしら、まっすぐ山に向かって歩いてたよね」

「太陽の方角はちょくちょく確認してましたよね、二人で」

 

 飛び上がって確認してみたが、地形からして多分島の反対側だ。

 山を挟んでほぼ正反対に、最初に目を覚ました浜辺がある。

 

「まいったね、こりゃ。ばあさんがいないとお手上げだ」

「それは取りあえずおいといて、今は休みましょう。

 さすがにくたびれたし腹が減った」

「そだね・・・」

 

 太陽が動かないからわかりづらいが、多分数時間は歩いてる。

 どれだけ気を失ってたかはわからないが、とっくに晩飯の時刻は過ぎてるし、多分元の場所で言えば真夜中近いだろう。

 

「・・・」

「・・・」

 

 ちらっ、と互いの顔を見る。座長も気付いたかな。

 

「取りあえず年長者からどうぞ」

「そう言う時は嘘でもレディファーストっていいな」

「はいはい、それじゃ『れでぃーふぁーすと』で」

「むかつくツラしてんねえ」

 

 自分でレディちゃうゆーてたやん。

 

「それはそれ! これはこれ!

 ・・・まあいいさ。今更気付いたんだけどここの森、動物いないよね。虫も鳥も。

 遺跡の辺りで何か動いてるって言うから失念してたけど、ここに来るまでに何か動いてるもの見たかい?」

 

 ですよねえ。

 

「それにさっきちらっと見ただけだけど、海の中にも動くものはいなかったみたいだし」

 

 後でジェッターIII(スリー)で確認してはみるけど、多分そうだろう。

 

「それで、アンタの方は?」

 

 動物、魚がいないのもそうなんですけどね。綺麗な浜辺ですよね。

 

「だねえ。用がなければ2、3日ここで水遊びでもしてたいくらいだ」

 

 浜辺なのに流木とか海藻とか流れ着いてないの、おかしくありません?

 

「!」

 

 それこそ南国なら椰子の実でも流れ着いてないとおかしいはずなのだ。

 海流とかのあれこれで流れ着かない場所もあるだろうけど、島の正反対の場所にある浜辺が、両方ともこんな綺麗なのは変だろうと思う。

 

「・・・」

「・・・」

 

 しばらく考えてたが、やがて座長が頭をボリボリかいて溜息をついた。

 

「ああ、考えるのは後々! 今は飯だ! そして寝床だ!」

 

 まあごもっとも。俺も結構腹減ってる。そして疲れてるし眠い。

 

「んじゃ俺は海の中の捜索兼ねて魚探してみましょう。

 座長はその辺で食べられそうな果物でも探して下さい。あそこの木のでかい奴とか」

「オーケイ」

 

 海の中には、やはり何もいなかった。

 海藻やサンゴは生えてるんだけど、ウニやヒトデすらいねえ。

 サンゴってあれで動物だったはずだけど・・・まあカラだけかもしれん。

 専門家じゃない俺にはわからん事だ。

 

 海から上がると、座長がサルみたいに木に昇ってはラグビーボールくらいの実を次々叩き落としていた。

 登る姿はサルだが、実を落とすのはヤシガニみたいだな。

 ヤシガニ・・・うっ、なんだろう、触れてはいけないような・・・




>○○ヒロシ探検隊。
>なお「ヒロシ」だと元祖になって、「ヒロシ、」だと二代目になる。
水曜スペシャル川口浩探検隊と藤岡弘、探検隊。
仮面ライダー一号こと藤岡さんはアメリカ映画「SFソードキル」に出演した時に「藤岡弘」から「藤岡弘、」に改名してらっしゃいます。
「立ち止まって見つめ直す人生の区切り」「我未だ完成せず」みたいな意味を込めているのだとか。
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