異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第六話 ワープダンジョンは面倒だ

 ヤシの実(似てるだけの別物っぽいが、まあ気にしない)に穴を開けて果汁をすすり、パカッと割って果肉を食う。シャクシャクしてて甘くて結構うまい。

 俺は手をドリルとか丸ノコに変えられるから簡単なもんだが、座長はナイフ一本で器用にこなしてる。

 

「慣れてますね?」

「まあ色々とね。割ったら果汁じゃなくて酒が出てくる木の実とかありゃいいのに」

 

 笑いながら果汁をすする座長。

 

食神(バーテラ)のグルメダンジョンでも探せばいいんじゃないですかね」

 

 実際にあるらしい、そういうの。俺としてはジュースが出てくるような奴がいいけど。

 

「おこちゃまだねえ。そろそろ酒の味を覚えてもいいころじゃないか?」

 

 知りませんよ。飲みニュケーションとか時代遅れになった世界から俺は来たんだ・・・あっ! いつの間にか本物の酒飲んでる! どこに隠してたんだ! そう言う所だけちゃっかりしてんだから!

 

「大人の女のたしなみさ。あなたに一杯、私に一杯、てね」

「!?」

 

 キスされた!?

 舌入れて・・・これ酒? 口移しで・・・

 

「・・・あれ? おい、ちょっと? ガイガーじゃあるまいし、ホントだらしないねえ・・・」

 

 座長のそんな言葉を最後に、俺は意識を失った。

 

 

 

「・・・」

 

 すうすう、と寝息。

 柔らかいものに抱きすくめられてる感触。

 

「ん・・・」

 

 ちょっと酒臭い、熱い吐息が顔にかかる。

 南国の太陽の下。

 白い浜辺。

 子供のように無邪気な顔で眠るシルヴィアさん。

 その腕の中の俺。

 

 ・・・この人もこうしてりゃ、普通に凄い美人なんだけどな・・・

 そんなことを考えつつ、俺はまた意識を手放した。

 

 

 

 目を覚ますと、既に座長は起きていた。

 

「起きたか。まあ食べな。腹ごしらえしてから出発だ」

 

 どん、と放り出されるヤシの実。

 そのまま座り込んでナイフで器用に穴を開け始める座長。

 ええい、このBBA昨日のこと全然気にしてないな!

 意識してるこっちが馬鹿みたいじゃないか!

 

「・・・今アタシのこと何つった? 何だったらこのヤシの実とアンタの頭、どっちが固いか試してみるかい?」

 

 せやから何も言うてへん!

 

 

 

 食後。

 

「で、どうすんのさ」

「俺が考えるんですか?」

「自慢じゃないけどこう言う方面で頭使うのは苦手なんだよ。アンタの方がまだ無駄に学があるだろ」

 

 無駄には余計です。

 

「まあそうふてくされなさんな。

 アタシとしちゃあ、アンタに掴まって飛んでいくくらいしか思いつかないけど・・・どうだい?」

 

 んー・・・まあ取りあえずはそれを試してみるべきかなあ。

 空からは普通に見えるわけだし、エルフの迷いの森みたいに森の中を歩いていったら迷うけど、空からなら大丈夫って可能性もあるわけだし。

 オーケー、それじゃそれで行ってみましょう。

 

 

 

 結論から言うとダメだった。

 島の中央部10キロくらいが完全に結界みたいなものに包まれており、その上を通過しようとするといつの間にか向こう側に出ているのだ。

 ジェッターII(ツー)に変形して地中を掘り進んでも見たが、やっぱり同じ。

 こまめに地上に顔を出してもいつの間にか向こう側に出てしまっている。

 どうすんべ。

 

「おし、森焼こう」

 

 ちょっと待てぇぇぇぇぇえ!?

 ナチュラルに放火示唆すんな!

 

「だって、ここ誰かが作った牢屋みたいなとこなんだろ?

 なら燃やしちゃってもいいじゃん」

 

 ・・・そりゃまあそうですけどねえ。

 何なら俺達が見てるジャングルだって、魔法で再現しただけの偽物って可能性はあるし。

 

「動物がいないんだし、何も殺さずに済むと思えば罪悪感もちっとは紛れるだろ?

 万が一他の面子がいても、遺跡の中に逃げ込めば大丈夫さ」

 

 だといいが、うーん・・・手詰まりなのも確かだし・・・

 問題は火に巻かれてこっちがオダブツすることだが・・・

 

「何かあったら飛んで逃げられるし、水も出せるだろ? 問題はないじゃないか。

 それに安心しなよ、アタシは賭け事には強いのさ」

 

 四回も身ぐるみ剥がされてすっぽんぽんで帰ってきた人が何をえらそうに。

 

「うっ・・・あ、あの時はあっちがイカサマやってたんだよ! 

 それがなきゃ連戦連勝さ!」

 

 リタにさえ溜息をつかれてましたが?

 

「分の悪い賭けは嫌いじゃないのさ」

 

 カッコつけて言っても駄目です。座長はやっぱり絶対ギャンブルしちゃいけないひとだ。

 

「うるさいね! やるのか! やらないのか!」

 

 逆ギレした駄目人間に溜息をつく。まあ他に手があるわけでもないしなあ。

 もう一度溜息をつくと、俺は森を焼き払うのに有効そうなロボを脳内で選定し始めた。

 ・・・いや、森を焼き払うのに有効そうなロボって、結構凄い言霊だな?

 

 

 

「アトミックトーチ!」

 

 俺が両手を合わせると、手首から先が融合して火炎放射器のノズルになる。

 そこから放たれる炎がジャングルの木々を舐め始めた。

 なお名前はアトミックだが多分放射能は含んでない。多分。

 

 前にも使ったコン・ヴィクターVの無数の兵装の一つ。なのだが、こいつ、腕に

 指からミサイルと、

 鎖付きクローハンドと、

 火炎放射器と、

 鎖付きドリルと、

 鎖付きトゲ鉄球と、

 剣山ミサイルと、

 ワイヤー付き分銅と、

 熱線砲と、

 必殺技用のドリル先端ユニット

 ・・・を、全部内蔵してる。

 

 肘から先のスペースによくもこれだけ武装詰め込めるな! それとも換装式か!

 でも同じ話の中で複数使ってるから、少なくとも三つか四つは同じスペースに別の武器詰め込んでることになるぞ!

 ワープも出来ない技術レベルで空間でもいじってんのか!

 それともジェッターロボみたいに変形して武装を生み出してるのか!

 それとも豪子力3Dプリンターでその都度作ってるのか!

 

 なお監督の永浜さん(例のぼっけもん監督である)にその辺聞いたら「さあ?」で斬って捨てられたそうである。

 まあ「ブレイバー雷電」でも頭部が体と分離して別々に攻撃したり、最終回で神秘の力で巨大化したけど中の人どうなってんです?ってのも同様に斬って捨てられたそうだし、そういう人と思うしかない。

 恐るべしぼっけもん、恐るべし永浜唯夫。

 閑話休題(それはさておき)

 

 ちなみにこの焼き畑農法、結界の周囲をぐるっと回り、風上に移動してから開始している。

 座長曰く「この風の吹き方だと、多分しばらくは風向きは変わらないよ。お天道様も動かないから、昼と夜とで風が違うって事もないしね」とのこと。

 天候も読めるんだ・・・意外。

 

 なお眉をぴくりと動かしてたのでその思考もダダ漏れらしい。

 鉄面皮の! ポーカーフェイスの能力が欲しい!

 「鉄甲騎兵バタムズ」の主人公とかものごっつ見事な無表情キャラだったし、あれの能力を《加護》でダウンロードできないものか!

 鉄面皮も無感情も能力じゃない? おっしゃるとおりで。

 

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