異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
突然出現し、リタを助けた俺。
種はお久しぶりの「超合身奇術ロボセイウンザー」だ。
とは言っても興行のたびにこれを呼び出して奇術やってるので、ある意味一番使い慣れたロボットアニメ作品ではある。
で、このセイウンザー。実はテレポート出来るのだ。
ただし出撃するときだけで、逃げるときは使わない(もしくは使えない)。
妙に男らしいロボだなおい!
スクランブルだ緊急出動するときに、一瞬で現着できると考えるとそれでも十分便利だが。
俺が使うときは視界内の数百メートルくらいが限界だが、この状況なら十分。
加えてセイウンザーは相手の動きを封じる技も持ってるので、俺はこれで目の前にテレポートして意表を突き、こうしてリタを助けたわけだ。
とはいえリタは助けたものの、まだみんなは拘束されたままだし、オブジェ人間もまだ二十体ほどは残っている。急いで・・・
「ふんっ!」
「サンダースウォード!」
気合い一閃、アルテが力を込めるとその両手両足を縛っていた縄があっさりちぎれ飛んだ。
同時にカオルくんの呼んだ魔剣が雷と共に現れ、両手の縄を焼ききる。
「やれやれ、良くやったぞ小僧」
「ナイスタイミングだぜ」
かと思うと、ペトロワ師匠とアーベルさんの体から、何かメチャクチャ自然に縄が落ちた。猿ぐつわと目隠しもだ。
アーベルさんのは縄抜けとかそう言う奴だろうが、師匠のはなんだ、魔法か?
「まあそんなとこじゃの」
「リタ!」
その一方でガイガーさんは力む様子もなく、ごくごく普通に縄を引きちぎってた。
やっぱこの人身体能力もパねぇな・・・。
「お父さん!」
既にカオルくんたちは武器、あるいは拳を構えて残りのオブジェ人間たちと相対している。師匠の魔術もあるし、少しよそ見しても大丈夫だろう。
と言うかアーベルさん、そのナイフどこに隠し持ってたんですか。武装解除されたんじゃ?
いやまあ、そんなこと考えてる場合じゃない。
取りあえずリタをガイガーさんに・・・
そう思った瞬間、俺の胸が弾けた。
「お兄ちゃん!?」
「ハヤト!」
愕然としたみんなの顔と声。
弾けたのは俺の胸。
正確に言えば背中から銀色のムチのようなものが胸に突き抜けている。
ムチを抜いたら、多分向こうが見えるくらいの大穴が空いてる。
「ごぶっ」
やべえ、血を吐いた。
肺と心臓がまともにブチ抜かれてる。
続けて俺の胸を貫いたムチみたいなものがリタの体に巻き付き、俺達はまとめて空中に持ち上げられた。
「リタ!」
「ハヤト!」
「・・・」
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
泣き叫ぶリタ。俺は動かない。
「ヤれヤれ。ヤはり下級コ体は当てにナらない」
「!」
俺達――正確には俺達の背中を見上げる目。
そこに立つのは、青みがかった銀色のオブジェ人間。
ところどころくぐもってはいるが、他のオブジェ人間より明晰な大陸共通語。
機械的な錆銅のそれに比べ、遥かに人間に近い感情を乗せてすらいる。
「うゴかないよウに。随分トお強イ。今度は簡単に引きちぎれナいよう、てツのカせをはメさせテ頂きまシょう」
「・・・」
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
泣き叫ぶリタの声が響く中、師匠もガイガーさんも動けない。
「イや・・・きケんじンぶつは先にショぶんしておきマしょう。
そこのおおオとこと術師。おンなドわーフも。
このむすメを死なセたくなけレば、素直に死ンでくだサいね」
ヤベえことを言い出す銀色。このままじゃ・・・
「あ・・・ア?」
その瞬間、今度は銀色の胸から剣の切っ先が生えた。
「チェストォォォォッ!」
次の瞬間、俺の手にムラマサブレードが現れる。
気合い一閃、俺とリタを拘束していた銀のムチをムラマサの刃が切り裂いた。
同時に響く声。
「お前達、やっちまいなあ!」
「!」
「おおっ!」
一座のみんなが同時に動いた。
師匠が呪文で俺達を受け止めると同時に、俺の胸の穴の治療を始める。
座長がこっちに走ってくるのが見える。剣を投げたのも彼女だろう。
ホント助かった・・・が、あの距離からよくあれだけの威力で投擲できたな。
投擲用の武器でもないのに・・・と、思ったところで気付いた。
デモゴディブレード、投擲用武器だったわ。
どういう事だキバヤシィ!と思うかもしれない。
いやでもほんとなんだ。
デモゴディブレードはライトニングスマッシャーと並ぶオメガデモゴディの主武器だが、実のところ手に持ってチャンバラするのと同じくらいの頻度で相手に投げつけて使っている。
効果あるのかと思うが、普通に突き刺さるし、投擲で撃破したりもしてるので、あれは投擲武器兼用の白兵武器なのである。そう思うしかない。
師匠が俺の胸に手を当てて呆れた顔になる。
「・・・首をはね飛ばされたときもそうじゃが、お主どうやって動けたんじゃ?
いやそもそも良く生きておったな!」
俺はそれに答えず、グッとサムズアップ。
種は巨大ロボの元祖であるデモゴディより更に古い、ロボットアニメの原型となった祖作品、「鉄神五十一号」。
立山闇深先生が生み出した、シンプル極まりない鉄巨人だが、何度かリメイクされたうちに「月光の使者鉄神51号」というのがある。
こいつが「独立連動システム」というのを身体の各部に搭載していて、つまりメインジェネレーターがやられても身体の各部が自分で動けるだけのエネルギーを供給出来るのだ。
つまり肺も心臓も破壊されても、短時間なら通常時と遜色ない動きが出来るのである。
まあ後数分このままだったらやばかった気がするけど!
なので、死んだようにぐったりしていたのは死んだふりだ。
リタには悪かったけど、勘弁して貰おう。
そして周囲の状況だが・・・武器がないこともあってほぼ全員守勢に回ってるが、カオルくんとゲティさんがバッサバッサ敵を倒してるので、このままなら勝てるだろう。
サンダースウォード持ってるカオルくんはともかく、素手であの金属ボディ砕くとか、あの人本当に生身のドワーフか?
「おのレ! 下衆ニンげンがアッ!」
そして青銀色を相手にしているのはガイガーさん。
手には俺のムラマサ。
いやすげえな、俺の目に見えないレベルで振るわれる銀のムチ(再生した)を、振られる端から切り飛ばしてる。足元には何十本もの銀色のイカゲソ。
使い手も凄いが剣も凄い。これ俺が持ってるのはまさしく猫に小判なんだろうなあ。
でも渡さない! ロマンだから!
まあガイガーさん相手に致命傷喰らってないだけ銀色も相当なものだが、はい、時間切れ。
「エ?」
ガイガーさんの斬撃をかわそうとしたその体が動かなくなる。
背中に突き刺さった剣の柄を駈け寄って来た座長が握ったからだ。
「くたばれクソ野郎!」
「ガァァあァァァァぁァァ!」
剣の柄を力一杯下に押し下げる。
ぶちぶちぶち、と何かがちぎれる音。
その瞬間、動きの止まった銀色の首を、ガイガーさんのムラマサがはね飛ばした。
>デモゴディブレード
もちろんグレートのマジンガーブレードなわけですが、実際投擲武器です。
下手すると投擲の方が多かったかも、と言うレベルw
スパロボでも一回位相手に投げて突き刺す戦闘アニメあったと思います。
>鉄神五十一号
もちろん鉄人28号。
本家はB-29から一個数字を減らして28号らしいので、こっちはB-52から数字を減らして五十一号。