異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三章「フェイク・ゴールド」
第二十話 危険なSILVER


「いつまでも あると思うな 親と金」

 

     ――詠み人知らず――

 

 

 

 話し合いの結果、ザナさんはしばらくウチの一座で預かることになった。

 まあラファエルさんの婚約者だし、問題はないだろう。

 いじられはするだろうが(主にラファエルさんが)。

 

「しかし、アダインさんって普通にえらい人ですよね」

「・・・まあな」

「それでわざわざ俺達に預けるって、つまりあなたの部下や同僚も信用できないってこと?」

 

 ラファエルさんやザナさんが目を見張る。

 一瞬、表情を堅くした後でアダインさんが溜息をついた。

 

「その通りだ。君も見かけによらず鋭いな」

 

 あのねえ!

 どうしてみんな俺を褒めるときは「見かけによらず」とか「意外にも」って枕詞つけるんですかねえ!

 よく知ってる人ならまだしも、たいして面識のないアダインさんにまでぇ!

 

「す、すまない」

「単なる事実なのですぞ。ハヤトは切れるときは切れますが、普段まったくもってそう見えないのは100%自業自得なのですぞ」

 

 バイオリンを弾きながらラファエルさん。

 じゃかまっしわあ!

 

「それはそれとして、お前達は今後どう動くつもりだ」

 

 表情をまじめなものに戻してアダインさん。

 多分暗に「お前達と協力してもいい」って言ってるんだな、これは。

 

「それですがですぞ・・・」

 

 ラファエルさんがこれまでに集めた情報をお兄さんに伝える。

 岩窟劇場の厳しい反闇酒姿勢、カブライさんの怪しい行動、話を聞いた直後の火災など。

 

「そう言えばあの火事って何が原因だったんですか?」

「それが・・・今に至るまで原因は不明だ」

 

 まさか、カブライさんやジェニーさんの口封じの可能性がある?

 

「考えすぎだとは思うが・・・否定はできんな」

「すぐ施療院に行きましょう。出来ればお二人もウチで預かれば」

「そうだね。用心してしすぎることはない。先手先手だ」

 

 ゲティさんが頷いて、話は決まった。

 

 

 

 幸い施療院は無事だったし、カブライさんとジェニーさんも無事だった。

 というか、ジェニーさんとお茶してやに下がってた。

 

「心配して損したのですぞ」

 

 ラファエルさんの冷たい目に、カブライさんが怯む。

 

「お、お前だってザナちゃん連れてるじゃないか!」

「これはそう言う話では・・・」

「はいそこまで」

「あいたっ!」

 

 ゲティさんが二人の頭に軽く拳骨を落とす。まあ今はコントしてられる状況じゃない。

 経緯説明(かくかくしかじか)

 

「そう言うわけだから、アンタたちをハヤトくんの一座に移すよ。いいね?」

「は、はい」

 

 説明を受けたジェニーさんが不安そうな顔で頷いた。

 美人と言うよりはちょっとかわいい、という感じの人だ。

 くすんだ赤い髪を腰の辺りまで伸ばしている。

 ドワーフからしたら美人なのか、それとも単にカブライさんが恋は盲目状態なのか。

 ともかくもこの人がひょっとしたら手掛かりかも知れないし、急いで保護しないと。

 

 ちなみに退院はあっさり認められた。

 二人ともまだそこそこの火傷が残っているのだが、何せ治癒術師は数が少ない。

 生死に関わるような重傷患者が優先で、ある程度治療したら薬塗って寝かせるのがデフォ。

 ウチの一座に治癒術師がいると話すと、むしろそちらで治療して貰えるとありがたいと言われたくらいだ。

 閑話休題(それはさておき)

 

 

 

「お、お前らか。おえらいさんとこ行ってたらしいな、お疲れ。そっちの連中は?」

 

 一座に戻ったのはすっかり夜も更けた頃。

 同様に戻ってきたアーベルさんと合流して、宿に向かいながら簡単に情報交換。

 

「派手にやってんなあ・・・だが、その二人を連れて来たのはいい判断だったかもしれんぜ」

 

 どういう事です?

 

「実はな・・・岩窟劇場支配人のウルヴァが行方不明になっている」

「本当か!?」

 

 これはアダインさんにも初耳だったらしい。

 

「おう。少なくとも家にゃいないし、娘も行き先を知らねえ」

「"花火師"のヴィレリか。氏族の戦士隊で名を上げた術師だし、身を守ることは出来るだろうが・・・危険がある事を伝えておいた方がいいかもしれんな」

 

 ちなみにアダインさん、ここに来るまでに通行人を捕まえて、自分とこのオフィスに伝言を届けてる。

 そつがないなあ。

 

 

 

「オッケー、そう言う事なら三人ともウチで預かろうじゃないか」

「お世話になります。何から何まで・・・」

「乗りかかった船さ。気にしなさんな・・・って、ドワーフだとこう言う言い回しはしないか」

「大体意味はわかりますよ。ドワーフだと『渡り始めた石橋』等と言いますね」

 

 頭を下げるゲティさんと、笑い飛ばす座長。

 

「おにいちゃん、お帰りなさい!」

 

 もう寝てる時間かと思ったが、リタが抱きついてきた。

 俺達を待っててくれたらしい。

 

「ああ、ただいま。お迎えありがとう」

 

 頭を撫でてやると、にぱっと笑う。ああ、かわええんじゃ~。

 そして聞こえるガイガーさんの鍔鳴り。ですからそういう意味ではございません!

 

「では情報交換と行こうかい。リタもおねむじゃから、手早くな」

 

 微笑む師匠の言葉で、俺達も車座になった。

 リタはあぐらをかいた俺の膝の間にごく自然に入り込む。

 だから、娘に何も言えないからって俺を睨まないで下さいお父さん!

 閑話休題(それはさておき)

 

 まずは俺達が火災について、ジェニーさんとカブライさんの裏通りでの買い物について、ゲティさんの家での襲撃と、二人の保護について話す。

 それに補足して、岩窟劇場支配人のウルヴァさんの行方不明をアーベルさんが。

 そこで、黙って聞いていたジェニーさんがおずおずと手を上げた。

 

「その・・・私がカブライくんに買い物に行って貰ってたのは。

 喉の薬もそうなんだけど、支配人に頼まれた分もあったんです」

「そうなの!?」

 

 勢いよくカブライさんが振り向く。

 

「う、うん。

 男だと買いづらいし、娘さんにも言いづらい薬だって言ってた。

 まあその、お年を召した男性だし、そう言う事もあるのかなって・・・」

 

 そのまま赤くなって俯いてしまうジェニーさん。あっ(察し)。

 うんまあそのなんだ、歳を取ると色々衰えるよね!

 気遣いしてしまうのもしょうがないよね!

 

「ふむ・・・」

 

 俺はそう思ったし、ジェニーさんもそう思ったようだが、どうやら師匠は違うようだった。

 その眼が僅かに細まる。

 

「支配人に頼まれた薬の名前は覚えておるか?」

「毎回メモを貰うので、余り覚えてはいないんですが、確か・・・」

 

 たどたどしく、いくつかの名前を挙げるジェニーさん。

 師匠の表情が次第に曇っていった。

 あんま聞きたくないけど、何かありそうですね。

 そう言ったらしかめっ面で頷いた。

 

「これらはな、ある種の薬品の精製に使う触媒じゃ」

「・・・ヤバい薬かい?」

「いや、真っ当な薬や錬金術の実験に使うものが大半じゃ。

 そういう意味ではご禁制でもなんでもない。

 ただ・・・」

 

 ただ?

 

「麻薬の精製にも使えるんじゃよ、これが」

「・・・!」




タイトルの元ネタは勇者特急マイトガイン前期ED「危険なGOLD」。
歌自体はそれほどでもないのですが、フィルムと合体するとメチャクチャ雰囲気いいんだこれが。
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