異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第二十七話 俺を誰だと思ってやがる

 ラ●ダーブレイクッ!

 

「ほげぶぎゃあああああ!」

 

 バイクに変形したまま、ミストヴォルグの光学迷彩をかけて洞窟に突入した俺。シルヴィアさんは操縦席をフルで覆う風防でカバー。

 ザナさんに手を伸ばしたヤクザドワーフをはねた後、追い打ちのひき逃げアタック!

 派手にタイヤの跡が付いてるが、ぴくぴく動いてるからまだ生きてるだろう。多分。

 まあそんなことはどうでもいいっ! ザナさんの前でターンしてバイク形態を解除!

 

「やっちまいな!」

「はいっ!」

 

 曲刀を抜いてザナさんのカバーに入るシルヴィアさん。

 雑魚を掃討するのは俺の仕事だ!

 

「天よ地よ、風よ雷よ。我に力を貸し与えたまえ――天空風雲剣、真空竜巻!」

 

 バイク化を解除し、腰のムラマサを抜いて顔の前に構えた。

 空気が渦を巻く。

 レミンジャー公爵家の時と違い全力で放たれた竜巻は、台風の目にいる俺達四人を除き、その場の全てのものを巻き上げ、飲み込んだ。

 

 

 

 竜巻がやんだとき、その場はひどい有様だった。

 工事現場の資材置き場みたいなところだったと思うのだが、砕けた石材とか折れた金属製のパイプ足場がそこかしこに散乱している。

 ゴロツキドワーフどもがその合間に倒れてたが、まあうめき声上げてるんで死んではおるまい。多分。

 

「シルヴィアさん、そっち大丈夫です?」

「大丈夫、元から死ぬほどの怪我じゃないよ」

 

 ポーション(ダンジョン攻略のときに買い込んだ奴)をザレロに飲ませながら座長。

 ザナさんは心底安堵した顔。手遅れにならないでよかったなあ・・・さて。

 

「えーと」

 

 周囲をキョロキョロと見渡す俺。

 目当ては例の中年ヤクザドワーフだ。

 危ないところだったから思わず「ハヤト突貫します!」しちゃったが、たぶんアレがこの場のトップだろう。

 宿に連れてって、師匠に頭クチュクチュしてもらわないと・・・(義務感)。

 

 しかし、洞窟の中は本当に惨状である。

 学校の校庭くらい広い上に竜巻に巻き込んだからどこに誰がいるかわからなくて、その上破片とスクラップと人体と、更に分厚い土ぼこりが降りつもってて、どこに誰が、ではなくてどこに何があるかレベルでマジわからん。

 誰だこんなメチャクチャやったの! 俺だよ!

 

 ノリツッコミしつつ、しょうがないのでゴロツキドワーフたちを、一人ずつほこりを払って確認する。

 ピクピク痙攣しててちょっとキモいんですけど。

 それもお前がやったことだって? まあそれはそう。

 

「お。こいつ・・・だったか?」

 

 それでも半分くらい探したところでそれっぽい奴が見つかった。

 服装や顔はうろ覚えだが、タイヤの跡が付いてるから間違いあるまい。

 持ち上げようと抱き起こすと、ヤクザドワーフの喉がごぼり、と鳴った。

 

 やな感じの咳だな。

 土ぼこり吸い込んじゃったか・・・そう思った瞬間、ドワーフの左胸から尖ったものが生えた。同時に口から、噴水のように血が吹き出す。

 この尖ったもの、どこかで見た!

 

 反射的に後ろに飛び下がった俺の目の前で、地面から何かが生えてくる。

 右手から血をしたたらせて全身を現したそれは、謎の異次元島で俺達を襲ってきた青みがかかった銀色のオブジェ人間だった。

 

「ぎゃっ!」

「がっ・・・」

 

 あちこちから悲鳴が聞こえる。

 

「このっ!」

「シルヴィアさん!」

 

 座長が足元から生えてきたオブジェ人間の腕を切り払った。

 全速で飛び戻る。

 

「ジェッタードリルッ!」

 

 左腕のドリルを地面に突き込むと同時に、地面から生えた腕がびくん、と痙攣する。

 緑青(ろくしょう)・・・錆銅色の腕は、そのまま動かなくなった。

 こいつはやっつけたみたいだが・・・!

 

 周囲を見渡すと、20近いオブジェ人間たちが地面から生えてきていた。青銀じゃなくて錆銅色の雑魚どもだ。

 ゴロツキドワーフの人達は・・・これ全滅かな。

 シルヴィアさん、これ穴掘って出て来てるんじゃなくて、岩床すり抜けてきてますよね?

 

「アタシの目にもそう見えるねえ・・・厄介な」

 

 あの時とは違ってシルヴィアさんの手には武器がある。正面からなら遅れは取らないだろうけど、足元から攻撃が来たらヤバい。

 なら空に逃げる・・・と行きたいところだが、リーダー格の青銀オブジェには一度俺を殺しかけたムチがある。あれ結構射程が長いし、シルヴィアさんたち三人抱えて飛んでたらまずかわしきれない。

 雑魚の錆銅どもだって、同じような攻撃が出来ないとは限らん。

 幸いミストヴォルグには地中レーダーセンサーもある。原理は知らんがこの際使えればいい。

 地面をすり抜けてくるオブジェ人間どもには心許ないが、ヘタに飛び上がるよりは、これで地面の下を警戒しつつ、周囲の敵に備えるのがベターだろう。

 

「おい、そこの銀色の。あんたら何の用があってアタシらの前に現れるんだい?

 人間や妖精じゃないみたいだけどさあ、あんたらも考える頭があるんだろ?

 それとも単に金が欲しいのかい?」

 

 シルヴィアさん、こんなオブジェに何話しかけてんの・・・と思ったが、少なくとも隊長格の銀色は会話が出来たな。

 この人なら何か引き出せるか・・・?

 

「オ前たチが知る必要ハなイ」

「そう言いなさんなよ。さすがにこのまま何も知らずに死ぬのは寂しいんだよ」

「知らヌ。オ前たチはこコで死ネ」

 

 しゅるり、と青銀の腕が延びる。

 

「つれないねえ。アンタの兄弟がどうやって死んだか知りたくはないかい」

 

 返事はない。

 きいいん、と甲高い振動音。

 青銀の立てるそれに応じて他の錆銅オブジェが周囲を囲むように動き始める。

 アレがあいつらの「言語」なのかもしれない。

 

 足元に集中。

 地中レーダーには感無し。とは言え自信はない。

 あくまでこれは地中を掘り進んでくる奴を感知する奴だからな。

 ちらり、と座長と視線を交わす。

 

「ヤれっ!」

 

 青銀が叫んだ瞬間、周囲の錆銅色が動く。

 青銀もムチ状の腕を、俺の目に止まらない速度で振るう。

 そして地面からは鋭いトゲのような錆銅色の鋭鋒。

 やっぱり下から迫ってきてたか!

 だがそれ位はお見通しよぉ!

 デモゴディから半世紀、数百のロボットアニメ作品の力をもってすれば、対応できない局面などないっ!

 

「メガドリライズ・マキシマムッ!」

 

 その瞬間、俺の全身から無数のドリルが飛び出した。

 指一本分の太さと、数十メートルの長さを持つ細長いそれは周囲の、座長たち以外全てを穿つ。

 オブジェ人間も、イカゲソみたいな銀の鞭も、瓦礫も、岩壁も、俺のドリルは全てを貫くドリルだ!

 無論地面の中のオブジェ人間どもも!

 

 手応えあり!

 地下の岩盤だけでない、オブジェ人間の手応え!

 ドリルを引き戻すと、周辺と地中で錆銅オブジェどもが動かなくなる。

 それと同時に鋭い金属音。

 座長たちの影になって攻撃できなかった錆銅オブジェたちを、シルヴィアさんがはじき飛ばした音だ。

 

「・・・」

 

 穴だらけになり、イカゲソムチを弾かれながらも、青銀は立っていた。

 満身創痍ながらも僅かに笑う気配。

 まあそう思うだろうな。

 だが見当外れなんだよ、それは。

 

 俺達の頭上、天井から落ちてくる数体の錆銀。

 俺のドリルが届かない、この洞窟の高い天井に潜んでいたやつら。

 

「サンダースウォォォォォドッ!」

 

 だが奴が勝利を確信したその瞬間、破魔の雷光が空中を薙ぎ払う。

 

「ばカ・・・なっ!」

「燃える男の火の玉キィィィックッ!」

 

 直上にジャンプしてから物理法則を無視して斜め下に落下した俺の飛び蹴りが、青銀の頭を吹き飛ばしてとどめを刺した。




>ライダーブレイクッ!
「仮面ライダー(新)」、いわゆるスカイライダーより。
あれOPと劇中でほぼ毎回、バイクで壁突き破ってるんですよね。
多分バイクを一番活用してた仮面ライダーの一人だと思うw

>金属製のパイプ足場
はいはいオリジナルのせい、オリジナルのせい。
多分アグナムだと竹足場とか発達してる(ぉ

>メガドリライズ・マキシマム
>燃える男の火の玉キック
双方ともにグレンラガンより。
頭を外して投げつけようかと思ったけど自重したw
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