異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四話 ドラゴンへの道

 あれこれ話し合った結果、いっぺん様子を確かめに行く事にした。

 念のため女性は外して男性陣の、それも腕の立つ人間だけで。

 

 それで、何で俺がその中に入ってるんですかねえ!?

 俺《加護》特化ですよ! オブライアンさんや師匠と同じ枠ですよ!?

 あ、みんな呆れた顔。

 

「だって、木札貰ったのあんただし」

「小僧ならどこに放り込んでも死にやせんじゃろ」

「首はねられても、心臓貫かれても死にませんものねえ。ひょっとしてハヤトくんってアンデッドとか吸血鬼のたぐいなんじゃないの? ほら、砂漠の吸血鬼みたいに」

 

 師匠もそうだがそこのオブライアンさん! 何言ってるんですか!

 どっからどう見ても生身のひ弱な人間ですよ俺!

 

「んー、いやその、ハヤトは結構強いと思う・・・よ?」

「そうだね。イレマーレの迷宮でかなり強くなったし、ガイガーさんに稽古をつけて貰うようになってから技術も身についた。

 真剣にやったらボクも三本に一本くらいは取られるんじゃないかな?」

「お兄ちゃんは強いよ!」

 

 ちょっと顔を赤らめるアルテ。くそう、かわいいじゃねえか牛のくせに。

 カオルくんは真顔。リタは無邪気に俺の事を信じてくれてる感じ。

 嬉しいけど過大評価じゃないかなあ・・・。

 

「牛で悪かったわねっ!」

「へう゛ぉっ!」

 

 そしてノータイムで殴られる俺。誰もフォローしてくれないこの環境よ。

 くそう、うっかり思考もできやしない!

 怒るなら怒るで、口に出したことだけにして欲しいんだが!

 

「同情はしますがそこまでわかりやすいと賛同も出来かねますですぞ・・・

 まあ冗談抜きに、《加護》なしでも今の吾輩よりはハヤトの方が強いと思いますぞ。

 素手ならまあ何とか互角に持ち込める程度ですかな?ですぞ」

 

 そうかあ? ムラマサ持ってればまだしも、普通の剣や木刀程度ではどう考えてもラファエルさんに勝てる気がしないのだが。

 場数や落ち着きがまるで違う。

 

「自己評価が低いのはハヤトの密かな欠点ですぞ。

 確かにそれは事実ですが、吾輩がドワーフと言う事を加味しても、基礎能力ではおおむねハヤトの方が上なのですぞ」

 

 そう・・・なの?

 まあアーベルさんやガイガーさん、シルヴィアさんも頷いてるし、多分そうなんだろうけど実感がないなあ。

 

 ちなみにうちの一座で物理最強なのは当然ガイガーさんなのだが、それに次ぐのがカオルくんとアーベルさん、そして実はシルヴィアさんである。

 カオルくんは魔剣の分のプラスアルファがあるから、それを足すとナンバーツーになるが、シルヴィアさんも何気に強い。純戦闘力なら多分アーベルさんを越えるだろう。

 アルテはいざというときの爆発力は凄いのだが、技術がつたないのでワンランク下。

 ラファエルさんもそのくらい。その下に師匠、オブライアンさん、リタと言った非戦闘員の面々。

 まあ師匠は巨大化変身したり、魔導パワードスーツ召喚して大暴れしても驚かないが。

 

「そんな芸の持ち合わせはないわい。まあ似たような事は出来なくもないが、虎に変身してもせいぜいラファエルと互角かちょっと下程度じゃろうよ」

 

 虎に変身できるだけでも十分凄くはあるけどね・・・

 そう言えば一座に入った時に「虎くらいなら《加護》無しでも殺せる奴、うちの一座だけでもゴロゴロしてんじゃん」ってシルヴィアさんが言ってたな・・・

 

 

 

 冬の短い昼が終わり、太陽がそろそろ西の山に沈む頃。

 俺達は小舟に乗って、沖に浮かぶ小島の武神(ハマン)の神殿に向かった。

 なんか昔のカンフー映画みたい。

 もっとも主役のアクションスターはガイガーさんで、俺は主役のお付きというかおまけというかその程度のポジだろう。

 

 結局メンバーはガイガーさん、アーベルさん、俺の三人。

 武力担当、捜査担当、いざというときのアッシー君というトリオだ。

 ここでもガイガーさんは注目の的で、目ざとい奴は小舟に乗ってるときからこっちに目をつけていた。

 

「おお・・・」

「誰だあいつ!?」

「あの方が・・・」

「来た! 来たぞ!」

 

 ゴロツキや武芸者の視線を一身に集めるガイガーさん。

 その後をひっそり付いていく俺。

 三歩下がって師の影を踏まず、である。

 この場合むしろ死の影を踏まず、かもしれない。

 ガイガーさんがマジで戦うような相手だと、巻き込まれただけでハヤトのコマ切りロースになってしまいかねん。

 修羅場はそれなりにくぐってきたと思うのだが、未だにこう言うところは本能的にびくついてしまう。うーん小市民。

 

「うーむ・・・?」

 

 しかし意外だったのは、武芸者とか傭兵とか喧嘩自慢のヤクザものとか、そう言う連中の集まりだと思っていたのが、結構一般市民っぽい人達もいるってことだ。

 肉体労働してるようなガタイのいい人もいるが、余り鍛えてなさそうな、本当にその辺の露店で野菜売ってそうなお兄ちゃんとか、割とちゃんとした格好の女性も稀には見える。

 

「どういうことっすかねこれ」

「俺も調べてる最中に、裏路地で普通の商人と職人が殴り合いしてたりしたのを何度か見た。

 偶然かもと思ったが、武芸者や腕自慢のたぐいだけじゃなくて、普通の連中もこの流行りに飛びついてるらしいな」

 

 乗るしかない、このビッグウェーブに・・・!

 そう言えばあのビッグウェーブさん(仮)今何してるんだろうな。どうでもいいが。

 

「それじゃ旦那、俺はちょっと聞き込んでくる。ハヤトは旦那に付いてな」

「わかりました」

 

 ガイガーさんと俺が頷くのを確認すると、アーベルさんは人混みに紛れて見えなくなった。

 ホンマ優秀なひとやなー。

 

「うおっ!?」

「・・・」

 

 さらに奥に行こうとしたら、いきなり殴り合いが始まった。

 

「・・・!」

「! ・・・!」

 

 中年のおっさんと、若い男。

 どっちもヤクザとか腕自慢って雰囲気じゃない。

 鍛えてる感じもしない。

 俺から見ても素人同士の、技術も何もない殴り合いだ。

 

「・・・」

 

 目をそらしたくなるが、違和感を感じてもう少し詳しく観察する。

 ・・・そうか、これ相手に対する憎しみとか怒りとか、そう言うのを感じないんだ。

 喧嘩じゃなくて、正々堂々としたボクシングの試合みたいな。

 闘志はあるが憎しみはない。

 

「ウオオオオ!」

 

 気がつくと、あちこちで戦いが始まっていた。

 多いのは素手か木の武器だが、真剣で斬り合っている人達もいる。

 いやマジで殺し合いしてるの!?

 

「あそことあそこの組が使っているのは刃引きの剣だ。骨折はするが死にはしない」

 

 あ、そうなのか。まあそれなら・・・?

 

「当たり所が悪ければ死ぬし、あちらとあっちは本物だ」

 

 ヤバいやん(語彙消失)。

 大体木刀だって事故れば死ぬし、骨も折れるでしょ!

 何やってるんだここの人達は!

 

「それはもちろん、戦っているのですわ」

 

 嘘ぉ。

 いや間違いない、数日前に聞いたばかりのこの声は!?

 

「こんばんわ。レヴィータとお呼び下さいな」

 

 振り向くと目の前に立っていたフードの女性。

 口元をスカーフに覆われて表情は見えないけど、にこにこ笑っているのだろうと想像できる。

 驚く俺達の前で、フードの女性・・・この国のお姫様は軽く一礼した。




>昔のカンフー映画
ブルース・リーの伝説の名作「ドラゴンへの道」ですな。
「闘将!拉麺男」でも、もろにパクッてましたw

>ビッグウェーブさん(仮)
ちょっとググったら今はYoutuberやってるそうですw
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