異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
なななななな何でこんなところにお姫様が!
芸人一座にお忍びで(全然忍んでなかったけど)来るくらいならまだしも、ここはシャレにならんとおいどんは思いますたい!
合体ロボの三号機パイロットの如く、思わず薩摩弁になってしまう俺。そのまま思考が混乱して・・・
「っ」
ぴたり、とお姫様の指が俺の唇を押さえていた。
そのまま指を今度は口元に持っていって、一本立てる。
「お静かに」のサイン。
うぐう、良い香りがする・・・
イレマーレのマナさんもお姫様ではあったが、あれは会いに行けるアイドル、一方こちらはガチのハイソオーラの高嶺の花のお姫様。
好みはあるし、もちろんマナさんも最高ではある。メガネだし。メガネだし。
だが親しみやすいマナさんと違って、レヴィータ様は手の届かない空の星。
根が庶民丸出しな俺などはそれだけで体が動かなくなる――!
あれかな、ドラゴンが威圧感だけで人を動けなくするのってこんな感じなのかな。
(多分違うのではないかな)
俺の心の中の子持ち未亡人赤竜が溜息をついたので思考を打ち切る。
まああれだ、人の心に訴えかけるのは血統じゃなくて外見とか雰囲気だってことだ。
アルテだって公爵家のお姫様だが、実際は駄肉だしなHAHAHA。
後が怖そうなのと、何かガイガーさんに睨まれてる気がするので本当にこの辺にしておこう。
しかしまたなんで・・・まさかとは思うけど。
あ、お姫様の目が笑った。
「『まさかとは思うけど、私が黒幕なんだろうか』ですか?」
うぐう。
「ホッチョ・ペッパーさま・・・いえ、ハヤトさまは言葉にせずに内心を伝える事に長けてらっしゃるのですね」
いえ単にサトラレなだけです。ものはいいようだな。
自分でコントロールできればええんやけど、今のところ垂れ流しだしなあ。
「まあそうですね、ある意味ではそうでしょうか」
え、マジで?
「この島は元々王家のものでして。
司祭様に話してみたところ、互いに無理強いしないような戦いの舞台としてであれば喜んで使わせて頂けると」
うーむ脳筋。
武神様ご本人は争いを好まないタイプだったみたいだけど、まあ武神っていうからにはそう言う神官が集まってくるんやろなあ。
「騎士道や武士道を司る神様でもいらっしゃいますからね」
ころころと上品に笑う御姫様。
というか、こっちの世界でも武士道って普通に通じるんだな・・・
そもそもこの人たち何で殴り合ってるんです?
「ハヤトさまとガイガーさまは何かを競い合ったことはありまして?」
えー、それはまあ。
ガイガーさんも軽く頷く。
「人にもよりますし、勝ち負けにもよるでしょうが、それに熱中してはいらっしゃいませんでしたか? それが楽しかったとも」
うんまあそれはある。やってる途中は苦しくもあるんだが、何かに夢中になるだけでもアレは楽しいというべきなんだろう。
「多分それなんだと思います。全力を尽くしてなお及ぶかどうかわからないこと。
それが何より人をひきつけるのではないでしょうか」
うーむ。わからないではないけど・・・。
「まあそんなのは建前ですけど」
おい。
「実際のところはわかりませんわ。殴り合いが楽しいから殴り合ってる、ただそれだけでは?
だからわたくしも、この島を用意させて頂いたのですわ」
え、じゃあマジでこの人たち楽しいから殴り合ってるだけ!?
いやそれは個人の勝手だけど、それで人が死ぬのはどうなんですかねえ・・・
「本人が楽しければそれでよろしいのではなくて?」
思わず絶句した。ガイガーさんすら僅かに眉をひそめてる。
表向きは清楚可憐なお姫様だが、結構・・・いや、メチャクチャロックだなこの人!?
「
まあ大体そんな感じです。
そういう意味で言うならこのお姫様マジで
「どうせなら私も参加したいのですが・・・誰も同意してくれないのです。
ハヤトさま、私と殴り合って下さいませんか?」
勘弁してつかぁさい!(悲鳴)
女の子を殴るだけでも難易度高いのに、お姫様相手とか無理ゲーにもほどがある!
アルテと公爵家絡みの事件で出て来たローズマリーみたいなクソ女ならまだしもだが・・・いや、アレも今だと殴れんかなあ・・・。
あ、ハルギアならいくらでも殴れるわ。
もう実体持ってなくて体はミイラだかなんだかになってるから、今度は仏様を殴っていいのかって話になるけど。
いや、あいつなら仏様でも殴れるな(確信)。
そもそも仏様ならさっさと成仏しとけってんだ!
まああいつに関しては成仏されるとそれはそれでイレマーレの人達が困るが。
「なるほどなるほど」
そんなことを考えていると姫様がうんうんと頷いてた。何です?
「つまりわたくしが許せない罪を犯せば、ハヤトさまも遠慮無くわたくしを殴って下さるのですね?」
そう言う発想やめて!(悲鳴二回目)
「だって、女性の方ってやっぱり少ないですし、その数少ない方にお願いしても首を縦に振ってくださいませんし・・・一応剣も体術も心得はあるのですが」
そらそうよ(死んだ魚の目)。
そうこうしている間に周囲では少しずつ決着がつき始めていた。
素人がポカポカやっているところより、腕の立つ人のほうが早めに決着が付いてる気がする。
この世界だと鍛えれば鍛えるだけ耐久力も上昇するし、防御技術も当然巧みになっていくはずだが、見た感じどうも大半の決闘では双方共に前のめりで、防御を忘れて攻撃一辺倒で戦ってるみたい。
そりゃ早く決着もつくわな。
互いにノーガードで殴り合っても素人同士は攻撃力が低いから中々倒れないんやな。
「そういえば互いに丁度良い実力や武器どうしで戦ってるんですね。
それもルールですか?」
「そのようなものですね。素手の素人と剣の達人が戦っても、一瞬で決着が付くだけでどちらも面白くないでしょう?
暗黙の了解というところですわ」
あーなるほど、こうして島を貸しだしてるのも、まわりに迷惑をかけない為であると同時にマッチングのためでもあるわけか。
道ばたウロウロしてて適当な実力の相手に出会えるとは限らないものな・・・いや、そう言うのも結構いたけど。
「そうなのですか?」
まあそれが理由で・・・あ、これ話しちゃってもいいのかな?
ちらりと見上げるとガイガーさんが頷いた。
では
「あらあら、それは大変でしたわね。
でも断ればそれ以上は食い下がってこなかったのでは?」
まあそうなんですけど、何が起きてるか知らないままだと、いつ暴走する奴が出てくるかわからないし・・・考えてみれば、最初に殴り合い始めた熊男と巨大化マッチョも「決闘クラブ」の会員だったのか?
「ああ、かもしれませんね。でもまわりに迷惑をかけるのはよろしくありませんわね。ルール違反です」
そんなことを話していると、周囲の殴り合いや斬り合いもほぼ終わっていた。
そのタイミングでジャーン!と銅鑼が鳴る。
「お?」
見ると高台になった広場の奥に寺院があり、その門の前に神官衣を着た一人の中年男性が立っていた。
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>合体ロボ三号機の如く
ちなみにコンバトラーやボルテスで三号機が薩摩弁なのは、ぼっけもん監督長浜忠夫氏が薩摩出身だからです(本当)。