異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
ミストヴォルグ光学迷彩で姿を隠し、海中から回り込んでデモゴディ巨大化からのドロップキック。
50mの大怪魚と18mのデモゴディ。
圧倒的な体格差があるが、後ろ足で立ち上がってバランスの悪い状態であれば横倒しにするくらいはできる。
『ここは俺が抑えます! 皆さんは慌てずに避難してください!』
広場にいる人に呼びかけたのだが、返ってきた答えは何と言うか、俺の予想と随分かけ離れていた。
というか大ブーイングだった。
「空気読め!」
「使えねえな!」
「引っ込め馬鹿野郎!」
「俺達のガイガーさんになんてことしてくれてんだ!」
「お邪魔虫はあっち行ってろ! 俺はあの方の戦うところが見たいんだ!」
ええええええええええ。
ガイガーさんもこれは予想外だったようで、眉を寄せている。
「間男は消えろ!」
「お願い、アタシのガイガーさまに剣を振らせてぇ!」
あ、俺に話しかけてきた赤いレザーアーマーの女剣士だ。
いい年のベテラン女戦士って感じだが、それが今はウルウルと目を潤ませて、まるで推しアイドルを追っかける女子高生みたいな顔してる。
場を暖めすぎですよガイガーさん!
というか、デモゴディであいつを食い止める間にガイガーさんも避難すると思ってたのに、俺が目を離した隙に何やってたんです!?
いやまあガイガーさんならあの大怪魚でも何とかできそうな感はありますけど!
・・・というか俺がやっちゃっていいんです? 交代しましょうか?
そんな期待を込めてガイガーさんを見ると、首を振って剣を収めた。
後ろのギャラリーから上がる悲鳴のような声。
「鉄人形! てめえのせいでぇ!」
「塩水ひっかぶって錆びちまえ!」
ガイガーさん人気過ぎやろ。
まあ剣士から見たら神様みたいに見えるのはわかる・・・
『GBBBBBBBBB!』
ぐお、油断した!
体勢を立て直した大怪魚が跳躍して体当たりをかけ、気をゆるめていた俺はまともに食らって転倒した。
上がる水しぶき。
盛上がるギャラリー。
「いいぞ、やっちまえ!」
「鉄クズ野郎をブッ飛ばせ!」
「ガイガーさまのお相手を奪った寝盗り男に応報の鉄槌を!」
そう言う話なの!?
と言うか俺あんた達のために戦ってるんだけどなあ!
ええい明鏡止水だ明鏡止水。
罵詈雑言も聞き流す曇り無き鏡の如き心を身につけるのだ。
見えた! 水のひとしずくっ! いや早々開眼できるわけ無いのだが気分的にね?
『GWWWWWWWWWW!』
立ち上がった俺に、うなり声を上げて再度突進してくる大怪魚。
デモゴディが人間の十倍の巨人なら、こいつは三十倍。
感覚的には虎やヒグマを越えて象だ。
だが象がどうした!
今の俺は人間じゃない! 超人だ! 鋼の魔神、デモゴディΣだ!
『ガオオオオオオン!』
喉から漏れる声。
人間ではない、機械の魔神の咆哮。
突進してくる大怪魚に、正面からぶつかる。
「止めたぁっ!?」
ギャラリーがどよめいた。
数百メートルの「空のピラミッド」のコ□ニー落としを止めたデモゴディだ!
たかだか100メートルにもならん程度のサカナがどの程度のもんだってん、
『だぁっ!』
怪魚の頭をカンヌキに抱え、持ち上げる。
「?!?!」
もはやギャラリーの叫びは声にもならない。
そのまま真っ逆さまに砂浜に突き刺す、垂直式ブレーンバスター!
砂浜が揺れる。島が揺れる。
比喩ではなく、遠巻きにしていた人々が数センチ浮いた。
頭を地面に突き刺してもがく大怪魚。
俺は素早く立ち上がり、揺れる大木のようなそれを海へ向けて力一杯蹴っ飛ばす。
砂が盛大に吹き上がり、それと共に大怪魚の巨体が宙に舞う。
数秒遅れて、数百メートル先に盛大な水柱が上がった。
さて、どうしよう。
取りあえずこの島の人達から引き離すために蹴っ飛ばしたが、デモゴディは基本的に陸戦ロボだ。水中用装備が無いわけではないが、それほど得意ではない。
というか今のうちに避難して欲しいんだが・・・と、ちらりと見る。
「うおおおおおおおおお!」
「やるじゃねえか鉄錆人形!」
「フッ、悪くねえ・・・だがまだまだだ」
全員腕を振り上げて興奮してて、逃げようって気は欠片も見えない。
後最後の奴、上から目線なのは何なんだ。聞こえてるんだからな!
「ハヤトッ!」
そんなことを考えてるとガイガーさんの叱責が飛んだ。
『!?』
ムチのような何かが海中から飛び出し、俺の足に巻き付く。
反応も一瞬遅く、俺は海中に引きずり込まれた。
ごぼがぼごぼ。
いや、今はデモゴディなので呼吸は必要ないんだけどな。
それでも口から泡は漏れる。
『ウイングカッター!』
腕から生える翼のような刃。
それをロケットパンチの強化パーツではなく、白兵武器として鎌のように振るう。
ハオー来訪者! いやむしろ究極生物カース様!
それはともかく、超合金Σ製の刃は俺の足に巻き付いたそれを容易く切断した。
切り離されたそれはビクビク動きながら沈んでいく。
なんだこれ・・・蛇みたいだけど、魚の尻尾か? ウツボとかリュウグウノツカイとか。
『!』
200mほど先、怪魚がいた。
シュルシュルと引き戻されていくのは切断された尻尾。
怪魚の尾に繋がっている。
伸縮自在って訳か。
カチッ!
ガスコンロに火をつけるような音がしたと思った瞬間、デモゴディの全身を衝撃が襲う。
なんだ、クリック音って奴か?
それが攻撃手段になってる!
実際周囲では魚や他の海の生き物が全身から血を吹き出して海面に向けて浮かんでいく。
ガチンコ漁は法律で禁止されてんぞこの野郎!
まあここ日本じゃないから多分そう言う法律ないけどね!
そんなツッコミをしてたら、もう一度カチッ!と来た。
海底の砂が震動し、ゆらゆら揺れる。
『Gbbbbbbbbbbbbbb……』
奴が戸惑ったようにこちらを伺う。
当たり前だ。
超合金Σで全身を覆った無敵の機神、デモゴディΣが!
この程度の衝撃波でどうにかなるか!
今度はこっちの番だぜ!
『ルイントルネード!』
『GWッ!?』
猛烈な水流が俺の口から飛び出す。
滅びの魔風、ルイントルネード。
水中では分解液が拡散して効果はないが、この猛烈な水流は使える。
『Gbbbbbbbb……?』
猛烈な水流は海底の泥や砂を巻き上げ、視界を遮る。
カチッ!
数瞬戸惑った後に大怪魚が再びクリック音の衝撃波を放つ。
イルカやクジラがやるように、ソナーでこちらの位置を掴もうとしたのだろう。
だが数瞬の混乱だけで十分だった。
『GQッ!』
慌てて振り向こうとする怪魚。
恐らく奴に表情筋があれば、最大限の驚愕の表情を浮かべていただろう。
実はデモゴディは泳げる。
大ジャンプに使う足裏のロケット、同じ所に水中移動用のロケットも装備されているのだ。
俺は海底の泥を巻き上げて視界を遮った瞬間、それを全開にして奴の後ろに回り込み、奴が振り向くより早く奴の胴体にしがみついたのだ。
『GGGGGGGG!』
もがき、吼える大怪魚。
だがもう遅い。
豪子力ビームは水中では絞りが甘くなる。
ルイントルネードは使えない。
他の武器も水の抵抗があるから威力は落ちる。
だが密着すれば話は別だ。魚は焼き魚が一番うまいんだよ!
『ブレストヴォルケイノ!』
ゼロ距離からの熱線攻撃が奴の体を灼いた。
>ハオー来訪者!
ジョジョの作者の「バオー来訪者」。
リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン!
意訳すると「皮固くした剣現象」(多分)w
ジョジョ第二部のラスボスカーズ様も似たような武器持ってます。
>ガチンコ漁
水中で石をぶつける、あるいはハンマーで水中の石を叩いて衝撃波で魚を気絶させる漁法。
爆薬を爆発させて浮いてきた魚を集めるダイナマイト漁も、理屈としては同じ。
いずれも日本では禁止されていますw