異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第二章「スーパードクターJ」
第九話 ER緊急治療室


「降伏はする。しかし、ガンダムは渡せん」

 

     ――新機動戦記ガンダムW――

 

 

 

「ええい、全くバカが多すぎるわ! あれか、最近は酒飲まんでも殴り合うのか!」

 

 ぼさぼさつんつんヒゲの白髪ジジイが愚痴っている。

 おじいさん、でも老人、でもない。

 「ジジイ」ってのがぴったりのふてぶてしい爺さんだ。

 

「おいお前、目を離すんじゃない。くれぐれも焦げないように注意せい」

「・・・」

 

 包帯を火に当てながら(多分消毒のためだ)無言で頷くガイガーさん。

 

「調合終わりましたよー」

「ふむ・・・よし、良いあんばいじゃの」

「昔取った杵柄という奴でして」

 

 言いながら、布にすり潰した薬草を乗せ、打撲傷の上から当てて湿布にするオブライアンさん。

 手際を見てうむうむと頷く老医師。

 

「そっちのお前はもっと細かくすり潰せ。丁寧にな。粒も繊維も残らんくらいに丁寧にじゃ」

 

 うーっす。

 頷く俺は小鉢で薬草や何かの種をすり潰している。

 扉が開いて、のほほんとした助手の女性が顔を出す。ちなみに黒髪ストレートロング目隠れで身長190cmのぱっつんぱっつんである。

 お姉さん、属性は一つ二つでええんやで?

 

「何の~ことでしょう~? それより先生~~~、顔をパンパンに腫れ上がらせた人が二人・・・」

「またか! 取りあえず井戸水でもぶっかけとけ!」

「はい~~~」

 

 目隠れのほほんさん(仮)が顔を引っ込めると、先ほどからの愚痴が再開する。

 

「まったく、近頃はどいつもこいつも気軽にケガしおって・・・誰が治すと思ってるんじゃ!」

 

 くどくどと愚痴を言いつつも、老医師はミシンのように正確に指を動かす。

 針で縫っているのは、ばっさり切り裂かれた重傷者の腹。

 みぞおちから下腹部に至る傷が見る見るうちに綺麗に閉じられていく。

 練達の技に感嘆しつつ、俺は機械的に薬草をすり潰していた。

 ・・・俺、なんでこんなことやってんの?

 

 

 

 事の始まりは、男五人で出かけたことだったと思う。

 興行が終わった後、アーベルさんが「たまには野郎だけで出ようぜ!」とか言って、ラファエルさんも同意。

 俺とガイガーさん、オブライアンさんも「まあたまには」ってことでお付き合いしたのだ。

 

「ところでどこへ行くんです?」

「なぁに、いいとこよ、いいとこ」

「ですぞですぞ」

 

 ニヤニヤする駄目な大人二人(アーベル・ラファエル)

 超絶下戸のガイガーさんがいるんだから酒場じゃないよなあ。

 まさかエッチぃところか? ・・・いや、ガイガーさん誘うんだから多分それもないな。

 ヘタにそんなところに連れてったら、アーベルさんでも命が危うい気がする。

 

 すると「飲む打つ買う」って言う通り博打かな?

 まあ小遣いの範囲内でやるなら楽しく遊べそうだけど・・・アーベルさんがいるからイカサマは大丈夫そうだし、荒事になってもこの面子に勝てるヤクザ者は早々おらんじゃろ。

 

 でもアーベルさんとラファエルさんが連れてってくれるんだから、俺の想像もつかないものかもしれない。

 そんな感じで不安半分、期待半分でついていってたのだが、二人がどこに連れて行こうとしてたのか、結局わからなかった。

 

「キェェェェイッ!」

「チェストォォォォッ!」

 

 と言うのも、裏通りの方から裂帛の気合と鋼のぶつかる音が響いてきたからである。というかこっちの世界でも示現流の猿叫ってあるのかい。

 慌てて駆けつけてみると真剣勝負が丁度終わったところだった。

 体中から血を流し、頭を割られて気絶している人と、袈裟懸けに斬られて大量出血してる人。

 袈裟懸けの方がこっちに気付いて、弱々しい声で呼びかけてくる。

 

「おお、見れば同志の方・・・いやまさかガイガー殿か・・・?

 このような時でなければ小躍りして喜ぶところだが・・・申し訳ないが、彼を医者に連れて行っては貰えまいか。

 このままでは出血多量で危うい・・・」

 

 いや、内臓はみ出してるアンタもやばいから!

 そう言うわけで俺達は、というか怪力ボボットの力を呼び出した俺がひとりでふたり担いで、怪我人をお医者さんに担ぎ込んだのであった。

 

 

 

「薬草出来ましたよー」

「んー。よしよし、丁寧な仕事だ」

 

 すり鉢の中を確かめて頷く老医師。

 怪我人を担ぎ込んだら、恐らく決闘クラブ関連の怪我人が多数いて、なし崩しに手伝わされることになってしまったのだ。

 まあ骨折とか打撲傷でてんてこ舞いな所に、緊急手術が必要な重症患者二人も担ぎ込んだんだから、そりゃ対処能力がパンクするわな。

 

 そう言うわけで、俺達は大人しくお医者さんの手伝いをしているわけである。

 ちなみにアーベルさんとラファエルさんはいつの間にかちゃっかり姿を消していた。

 あの駄目な大人どもめ・・・!

 

「薬草は取りあえずこれでいい。そこの魚人妖精(オアンネス)、そっちの二人の傷口にそれで湿布を。

 でかいの(ガイガーさん)、そろそろ包帯を火から上げて新しいのをかけてくれ。

 若いの、地下から添え木とか薬草とか取ってきてくれ。

 レリア、案内してやれ」

「わかりました、エッソ先生」

 

 人使い荒いなあ!?

 

「貴様よりわしの方が余程働いておるわ!

 文句があるならわしの代わりに腹を縫ってみるか!」

 

 はい、すいません。

 でもつば飛ばすのはやめて欲しいかな!

 まあこんな風にがなりつつ、刀傷をささっと縫い合わせているのはマジ神業だと思う。

 

 ちなみにオブライアンさんも初歩の回復魔法は使えるのだが、このエッソ先生、それを全部内臓の治療に使わせてた。

 強い蒸留酒を患者のはらわたにぶちまけて消毒、本人が悶絶してるところで内臓の傷をふさぐ。

 「腹を切られるより、内臓の僅かな傷の方が命取りになる」のだそうだ。

 ガイガーさんも頷いてたから多分そうなんだろう。

 でも内臓を消毒された人、ピクピク痙攣するだけで動かなくなったんだけど大丈夫かなこれ・・・

 心配しつつ、俺は助手のお姉さんについて地下に降りていった。

 

 

 

 その後もエッソ先生は俺達をこき使ってくれた。

 ボボットで一抱えもある木箱を運ばされるなどは序の口。

 

「俺のこの手が光って燃える! お前を砕けと轟き唸る! 爆ぁく砕! バーニングフィンガー!

 ・・・ぽちっとな」

 

 ジュッ!

 俺が赤熱化した右手を寸胴鍋に入れると、もの凄い水蒸気が上がった。

 そのまま右手を水につけてると、あっという間に水が沸騰してお湯になる。

 

「お~~~」

 

 パチパチと拍手する目隠れのほほんレリアさん。

 お湯のために水くみと薪割り(どっちも力仕事の重労働である)を命じられたので、水の魔働機士ウォータービートの力で直接水を出し、Gガンボイの主役メカ、バーニングガンボイの必殺技で沸騰させたわけである。

 真っ赤に焼いた石を放り込んで風呂を沸かすみたいな小説を前に観た気がするので、それをパクッたのだ。

 うーん知は力なり。ちょっと違うか。




ちなみに「Jesso」で「エッソ」という脳内設定。

>バーニングガンボイ 爆砕バーニングフィンガー
ゴッドガンダムは海外だと「バーニングガンダム」という名前(多分ビルドファイターズトライのビルドバーニングガンダムもそれを意識している)に変更されてますのでそこからですね。
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