異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
翌日。
俺達はスノスレス郊外の海岸に来ていた。
夏には水遊びする人々で賑わう場所だそうだが、今は真冬。
岩場の方に物好きな釣り人がいるくらいである。
あ、遠くの方に
「準備はいいか貴様ら?」
号令をかけるのはエッソ医師。
体にフィットした軽い革鎧に弓と短剣、ピッキングツールや種々の盗賊道具らしきもの。
アンタ盗賊だったんかい!?
「冒険者だったと言ったじゃろう。この体格で戦士であるわけがなかろうが」
そういうエッソ医師は結構小柄である。態度はでかいが。
・・・あ、そうか!? シルヴィアさんが酒好きなの知ってて珍しい酒用意したり、俺がロボットもの好きだって知ってて人型兵器の話したりしたのは、盗賊の情報網とかで調べ上げたんだな!?
「おう、意外と鋭い奴じゃな。ぼんやりした顔してる癖しおって」
うるせえな! だからどうしてどいつもこいつも意外とかつけるんだよ!
「まあそう見えるからしょうがないんじゃない?」
後で覚えてろよ魚野郎。
とは言え医者なんかやってたし、てっきり僧侶かと・・・いやこの世界、僧侶でも癒しの術を使える訳じゃないんだっけ?(小声)
「ああ、お前も『神官なら回復魔法を使えるだろう』と思ってるクチか。
本職の坊主の前でそれ言うと嫌がられるから気を付けろよ? まあ魔術使える坊主自体そうはおらんがな」
あ、こっちの世界でもそう言う人いるんだ。
神官じゃない術師でも治療魔法を使える人は少ないらしいけど。
「大体自前で回復魔法が使えるなら毎日あんな苦労はしとらんし、わざわざ治療器具を取りに行こうとも思わんわ」
ごもっとも。
「ですよねー」
笑うオブライアンさんは鎧と言うほどではないが革の胴着。それなりに頑丈で動きやすい格好だ。
イレマーレのダンジョンの時もこんな感じだったな。
「と言うかお前も
俺の姿を眺め回したエッソ医師が言う。
今の俺は先生と同じような革鎧に短剣と弓、そしてムラマサという姿だ。
イレマーレで盗賊スレイザックさんの依頼をこなしたときに貰った物である。
ポーションや魔力結晶、毒無効の護符や魔法のロープ、逃げ足のブーツなども持ってきている。
念のため、水中呼吸と耐寒の術だけ全員師匠にかけてもらっていた。
冬の海に落ちたら、息が続くとかそう言う以前の話で死ぬ!
「ああ、これはかくかくしかじか」
「やはりの。装備だけ見れば練達の斥候じゃが、小僧はそんな雰囲気は欠片もないからの」
へいへい、その通りですよっと。
一応忍び足や隠れ身の初歩くらいはアーベルさんから習ってるけど。
「まあそうくさるな。そっち方面に期待して連れて来たわけではないからな!」
がっはっはと笑うじいさん。
・・・それで。何で助手さんまでついてきてるんです?
「私は~先生の助手ですので~」
黒髪目隠れぱっつんぱっつんのほほん巨女お姉さん系看護婦さん、レリアさんはなんとガッチガチの板金鎧に身を固めて大盾と両手剣を背負ってる。
どこに出しても恥ずかしくない前衛重装戦士だ。俺の目から見ても結構使えそうに見える。
(それ以上の属性山盛りは)まずいですよ!
というか、今から水中行くんですよ? せめて革鎧くらいにしたほうが・・・
「お気遣い無く~。私~板金鎧でも~普通に泳げるんですよ~」
凄いな。魔法か? それともそう言う《加護》か?
「いえ~、古式泳法です~」
すげえな古式泳法!
ざばん、と俺は飛び込みのポーズで海に飛び込んだ。
そのまま手足を動かさず、まっすぐ伸ばした状態で水中を猛スピードで進み始める。
オブライアンさん、エッソ医師、レリアさんはXブロイザーの力で腹の中。
そして水中を進む俺はいつもの水中戦形態ジェッターIII(スリー)・・・ではなく。
「チェンジフレーム・ブルーガラタック!」
結構マイナーよりのマグネットロボシリーズ、その第三作「超力戦隊ガラタック」の主役ロボガラタック水中戦形態である。
ロボというか、ほぼ頭の付いた潜水艦。
いや、水中用ロボって意外とパワータイプが多くて、その分スピードが犠牲になってるのが多いのよね・・・。ジェッターIII(スリー)なんて典型的。
デモゴディシリーズ第三作(一応)、宇宙ロボガッタイザーみたいに追加パーツ付けて水中活動してる奴もいるが、その手のは水の抵抗を考慮してないのであんまり高速移動できるイメージがない。
もちろん設定的にはそれなりの高速移動が出来るのだが、イメージ的にはやっぱり難しい。
というわけでこれである。
マグネットロボというのは磁力でパーツがくっつくので、玩具ではジョイント部分をいくらでも別のパーツとくっつけて色々な遊びが出来た。
親父の超合金をいじってた俺が言うんだから間違いない。
話を戻すと、そういう風に色々合体するロボなので、パーツ組み替えで色々な形態に合体変形できるのが売りなのだ。
このガラタックはマグネットシリーズ最終作だけあって、その合体変形が一番豪快というか、ほぼ人間の形をとどめてない。
例えばこのブルーガラタックなら、戦艦か潜水艦にロボットの頭が乗っかってるような感じになる。
アカシマの合体ロボシリーズかよ! ちょっと・・・いや割とかっこわるいよアム□!
まあそれはともかく、ブルーガラタックも全体的には流線型をしてるので、水の抵抗を大きく減じることが出来る。俺はエッソ医師の指示に従い、高速で水中を進んで行った。
あからさまに60年代~70年代の火☆ロボ的な頭がちょこんと乗っかってるのはこの際見なかったことにしよう。いや俺の頭なんだけど。
深度400メートル。
人間の目ではもう何も見えない真っ暗闇だが、俺は水中用センサーがあるので問題なく活動できる。
すげえな、40気圧だぞ?
魔法駆使したとは言え、この深さに探索に来れたエッソさんのパーティもすげえな。
古い地図とにらめっこしていたエッソさんが顔を上げた。
「当時どうしても必要なものがあっての。
全財産はたいて、そちら方面の術師やら
あ、もうちょっと針路左じゃな」
取り舵オーラーイ。
ちなみに腹の中に俺の見た映像を投影できるので、リアルタイムで指示を貰えている。
いつの間にか出来るようになってたが・・・まあ細かい事は考えるまい。
考えるな、感じるんだ。
それから更に一時間ほど真っ暗な海中を進み、俺達は海中の神殿にたどり着いた。
「うおっ・・・」
「わぁ~」
「懐かしいのう」
「ふむ、
四者四様の感想。
ちなみに上から俺、レリアさん、エッソ医師、オブライアンさん。
青白い燐光を放ち、海底の暗闇に浮かぶ白亜の巨大建築物。
ギリシャの神殿と前衛芸術建築を組み合わせたような美しいラインの建物だ。
「らしいの。わしも詳しくはないが・・・ああ、そこの玄関口から入れ。空気があるし、水が入ってこない」
うっす。
玄関口の前、船着き場に入るといきなり空気があった。
気圧も地上なみだし、普通に呼吸できるな・・・
それを確認してから俺は三人を外に出し、人間形態に戻る。
何があるかわからないので、力は消さないまま待機状態だ。
「こっちじゃ」
エッソ医師に続いて入口の扉をくぐった瞬間、俺は思わず戦闘態勢に入る。
巨大な水竜の瞳が俺達を見下ろしていた。
>超力戦隊ガラタック
マグネロボシリーズ第三作、超人戦隊バラタック。
作中で書いた通りの微妙なデザイン。
これでシリーズ終わった所を見ると、多分売れなかったんだろうな・・・
>宇宙ロボガッタイザー
UFOロボグレンダイザー。
ちなみにあんな事を書いたが、こいつの水中戦形態は40ノット、時速72km。
スーパーロボットとしてはさすがに遅くない?
>アカシマの合体ロボシリーズ
元ネタはプラモ会社のアオシマ。
大スケールのプラモの販売許可が取れなかったので、
「ならバラバラにした各部パーツを単独メカっぽく仕立てて、(原作無視で)合体させればええやん!」
という狂気の発想のもと生まれた代物。
頭や手足に車輪や翼が生えて単独メカになっていて、それを全部集めると原作通りの巨大ロボになる。
一号機は車や飛行機にロボの頭だけ生えてるのがお約束だった。
>火☆ロボ
火星大王。
60年代から70年代にかけてヒットしたブリキ製のロボのおもちゃ。
サイバーパンク格闘漫画「銃夢」にもゲスト出演している(本当)