異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
「まさか本当に帰ってくるとは思わんかったなあ・・・」
「出番には戻るって条件で俺達が貸し出されてるんだから文句言わない」
海中を進む俺。腹の中でぼやくエッソ先生。
「まあ~、しょうがありませんね~。元からそう言うお約束でしたし~」
本当に戦闘時以外はのほほんしてるレリアさん。
大剣ぶんまわし始めると無表情な殺戮マシーンになるのだが、普段は一分の隙もなくぽわぽわした目隠れ癒し系巨女お姉さんである。いやほんと属性過多だなこの人。
それはさておき、ハスキー一座は午前と午後の二回興行をやる。
午前の部の出番を最初に回して貰って、次の出番は午後の部の最後一つ前。
その間の時間で海底水族館を探索しろってことだ。何か昔そんなCMがあったな。あれは温泉旅館の海中風呂だったか?
「ふん、女の尻に敷かれおって。
姐さん女房は金の靴を履いても探せとは言うがの」
そう言う関係じゃないから(真顔)。
まあ怒らせると怖いのは間違いない。俺の代わりに処刑されてくれるならそれでもいいが。
「つつしんでお断りしておくよ。
わしはまだまだ長生きしたいんじゃ」
ですよねー。
そんなとりとめないことを話しつつ、俺は水面に浮上した。
上陸後はガラタックをミストヴォルグに切り替え、光学迷彩かけて野営地まで飛んでいく。
そこそこ余裕を持ってセーフ!
診療所に戻るお二方と別れ、俺達は楽屋に入った。
「で、探索の方はどうだったんだい」
公演終了後、夕食の席。
あー、酷使された体にアルテの料理がすーっと効く。
海沿いの町だけあって、ブイヤベース風の魚介類シチューがうまい。スプーンが止まりまへんで!
探索については
「なんだ、お宝目の前に戻って来ちまったのか。半端なコトしてるな」
世の中には最終回で魔王の部屋までたどり着きながら『やっぱりやーめた』で帰っちゃったアニメもあるんですよ。
「何の話?」
「いや、ボクもわからない」
いやまあ俺も実際に見た事は無いのだが。
それにまあ、興行に穴開けたくはないし。一斗缶で頭を叩くだけで三十分場をもたせるようなまねはさせたくない。
「うーん、ハヤトは本当にいい子だねえ。アーベルには見習って欲しいとこだよぉ。
ご褒美上げちゃう? 上げちゃう?」
後ろからおっぱいで俺の頭を抱え込んでくるシルヴィアさん。
食べづらいんで離れて貰えます?
「くそ、反応が淡泊になりやがって・・・」
慣れましたので。
反応返さなきゃつまんなそうな顔して離れていくのを最近ようやく学習した。
俺にもプラナリア並みの学習能力はあるのだ! 自慢にもならんが。
それはそれとして、探索に失敗するのとシルヴィアさんを怒らせるのと、選べるならどっちを選びます?
「そう言う事ならもちろん前者だな」
「でもその場合、前金返せって言われない?」
「そうなったらその前にダトロッケン全部一気飲みするだろうな」
「意地汚いですからねえ・・・」
「あんたら、アタシのことをなんだと思ってんのさ?!」
怒るシルヴィアさんだが、味方は一人もいない。
日頃の行いですよ、日頃の。
「カオル、昨日の幻は良かったよ。今日はもうちょっと稲妻を派手にしてみておくれな」
「わかりました」
「オブライアン、水は用意できたかの?」
「バッチリです」
「ねえ、舞台で使う鉄の重りどこに移動させたの?! 見あたらないんだけど!」
「あのようなもの、アルテ嬢以外に動かせる人間はいないのですぞ。
ハヤトならわかりませぬがですぞ」
舞台裏は戦場だ。
化粧や衣裳のチェック、小道具や大道具の準備、音楽の演奏、タイミングを見計らっての幻影エフェクトの発動。
本当にやることはいくらでもあるし、気を抜けるタイミングはほとんどない。
午前の出番はアーベルさんの軽業+道化芸の後。手品が終わった後は素早く革鎧に着替えて出発準備だ。
これ一瞬で装着変身とかできないかな。ロボットアニメでも等身大で強化スーツとか瞬着する奴はあるし・・・まあそれは暇な時の宿題だな。
「それじゃ行ってきます!」
「気を付けてねー!」
「いってらっしゃーい!」
手を振ってくれるアルテとリタ、カオルくんたちに手を振り返しつつ、オブライアンさんと一緒に楽屋を出る。
トイレにでも行ってたのか、出口でアーベルさんとばったり出くわした。
「よう、ご出勤かい。じいさんたちそこで待ってたぜ」
うっす、ありがとうございます。
「それと・・・」
ちょっと考え込んで、アーベルさんは言葉を途切れさせた。
「いや、なんでもない。気を付けてな」
なんでもないって、アーベルさんにそう言うのやられると凄く気になるんですが!?
「俺にだって気のせいって事もあらぁな。さ、行った行った。できれば今日で決めてこい」
うーん、何かフラグが立った気がする・・・
昨日と同じく、水中用ブルーガラタックとXブロイザーを組み合わせ、エッソ医師達を腹の中に収めて海底神殿に向かう。
場所は大体わかったので、水族館直上までは空中を飛んでいき、そこからまっすぐ沈降するルートを取ることにした。
水の中移動するより空中の方がどうしたって早いからな。
場所なんてちゃんとわかるのかって?
大丈夫、《加護》を発動させれば、ナビっぽいものが俺の脳裏に浮かぶから!
ちなみに前回時間を確認したのも、計器類の時計である。ちゃんとこの世界の時間に合わせてくれてるみたいなんだが、どういう理屈なんだろう。
魔法にも現在時刻を正確に計測するものがあるから、そういうものなんだろうか?
つくづく便利な《加護》である。
大体のところで海中に入って沈降。
海中水族館はおぼろげに光ってるので、水中用センサーを備えたブルーガラタックなら簡単に見つけることができる。
この前は海中進んで行ったから、岩とかで見えなかったんだよな。
というわけで、この前よりやや時間を節約して俺達は遺跡に到着した。
「でけえなおい!?」
目的である医務室。透明化と飛行を駆使して、俺達はあっさり到着していた。
昨日、出くわした巨大化動物たちを片っ端から駆除していったのも無関係ではないだろう。
それはそれとして、この治療機器である。
高さ60センチくらいの広い台座にモニタや屋根、十本以上のマジックアームが付いており、ぱっと見だと医療機器と言うより自動車工場のオートメーション機械に見える。
ガンボイエッジのエッジシステムかな?
つーかCTスキャンの機械くらいかと思ったら、縦横高さ5mくらいあるんですけどぉ!?
そりゃ運び出せないはずだよ!
というかこれ先生の医院のどこに置くの? 確かまわりが結構密集地域って言うか、ヘタすると道幅よりでかいよこれ!
「その辺はボチボチ・・・というか、ここまででかいとは思わなかったのう。記憶ではもうちと小さかったはずなんじゃが」
おいボケ老人。
「ええい、とにかく何とか運びださんか。
何なら建物ぶっ壊しても構わん」
まだ生きてる貴重な遺跡をぶっ壊すと?
「人間の命に優先される物事などそうはないわい」
そりゃそうですがねえ・・・というかこれ人間用なの?
「トドやイルカの治療に使ってたようじゃが、まあ大丈夫じゃろ」
獣医さん用かよ。ちょっと不安・・・。
とは言え今はもっと重要なことがある。
「うん? なんじゃ?」
「何か~、ありましたっけ~?」
この遺跡の奥にあるってロボット兵器だよ!
俺はそれを見に来たんだからな!
「貴様、人の命より自分の情欲を優先すると言うか!?」
だから情欲じゃねえ!
タイトルはガンダムAGE当時存在したマッドビデオ。
マジでよく似合ってたw
>最終回で魔王の部屋までたどり着きながら『やーめた』で帰っちゃったアニメ
94年の魔法陣グルグル。
13話分の話をすっ飛ばしていきなり最終回を放送したレイズナーや、老婆の「・・・という話だったのさ」で全部流したドラゴンクエストと並んで、「アレな最終回」という話になると必ず挙げられたアニメの一つ。
>一斗缶で頭を叩いて三十分場をもたせる
「大阪名物パチパチパーンチ!」で有名な故・島木譲二さん。
道路が混んで出演予定の芸人さんが遅れたところで、この芸だけで三十分持たせたそうです。伝説やなあw
>ガンボイエッジ
>エッジシステム
ガンダムAGEとAGEシステム。
入力すれば勝手に新兵器を設計製作してくれるという夢のようなシステム。
後半は余りクローズアップされなかった気がする。