異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
「待てぇ!」
「おんどりゃ、警邏舐め腐ってただで済むと思うなよダボが!」
「ダッテメー! スッゾコラー!」
怖いなあ! アレじゃほとんどヤーさんと変わらんやないか! ホントに警邏かあいつら!
いやまあお巡りさんでも暴力団対策の人達って、ヤクザみたいなコワモテが多いらしいからそう言うものなのかも知れないけど!
ともかくチラリと振り返ると、怒り狂った警邏の人達が大量に俺を追ってきている。
門を越えて、敷地内にだ。
決めつけ
よし、後は・・・!
「超!分離殺法!」
「!?」
銀色に輝く俺の体から、猟犬と鷹の形をしたエネルギー体が分離する。
その正体はバイクとヘリに変形できるミストヴォルグの内臓ユニット、ミストライカとミストソーカル。
今で言えばドローンか。
本来なら合体分離を繰り返して相手を眩惑しつつ攻撃する技だが、今回は攻撃のために分離させたのではない。
外部端末を駆使し、ディディちゃんを探す為だ――おっしゃ、見つけた!
ボスらしい偉そうな奴らと一緒にいる?
うむう、あのチンピラリーダーの言ったこともあながち嘘ではなかったかもだな・・・。
走りながら考えていると後ろが追いついて来た。
「待たんかいっ!」
「今なら金玉潰して耳から手ぇ入れて歯ァガタガタさせる程度で許してやんぞ!」
全然許してないよそれ! 怖いよ! ともかくちゃんとついて来い!
「あっ!」
「クラァ! いい加減観念しやがれ!」
気合一発俺は大ジャンプして、ディディちゃんと親玉たちのいる部屋に飛び込んだ。
ガシャーン!
高価なガラス窓と、緻密な彫刻の施された窓枠が砕け散る。
ええい、悪いコトしてもうけやがって!
「!?」
「ぬおっ!?」
「テメェか、騒ぎの元は! やっちまえっ!」
ディディちゃんと部屋にいたえらそうな奴は二人。
ディディちゃんと裕福な商人風の男は目を白黒させているが、いかにも武闘派やくざ風のおっさんは、飛び込んだ俺に即座に反応してチンピラどもに命令を下す。
反応早いな! 武闘派は伊達じゃないらしい!
「そのガキを・・・」
させるか! レヴィータさん! アジャさん!
「はいっ!」
「は、はいっ!」
念じると俺の腹から二人が転がり出てくる。
「ジェットシャックル!」
「ぐえっ!?」
同時にチェーン付きジェット手錠を飛ばし、ディディちゃんを捕まえていたチンピラを捕縛。
「やあっ!」
「がっ!」
「ディディ!」
「おとうさん!」
レヴィータさんがチンピラを抜き打ちに切り倒し、アジャさんが娘さんと抱き合う。
これで――!?
火花が散る。
ヤクザ・オヤブンの振り回すナタみたいなでかい刃物を、俺はかろうじて両手のクレセントムーンで受け止めた。
「ワリャ、どこのモンじゃ! 芸人風情が『大ナタのゾンク』に楯突いてただで済むと思うがか!」
ひえええ、さすがに本物は怖い!
しかしこいつ強い! 手がしびれる! 少なくとも腕力は緑等級レベルだ!
「ブッ殺せ!」
「生かして返すな!」
若頭っぽいのが叫び、どこにいたのかと思う位ワラワラとチンピラどもが現れる。
くそっ、まずいな! こいつとやりあいながらじゃ・・・
「ご心配なく」
チンピラどもにも臆さず、レヴィータさんが右手のショートソードを一振りする。
と、それは長く延びて、レヴィータさんの身長とほとんど同じくらいの片刃の大剣に変化した。
「!?」
「魔法の剣だ!」
驚きで一瞬動きの止まるチンピラたち。
レヴィータさんが伸びた剣を両手で握り直す。
物理的にありえないはずだが、何故か「チャキッ」という効果音が聞こえた。
どこからともなくBGMが流れてくる。
何かこう、バーサーカー・タイクーンって感じの、ジェッターロボ!とかマスクドライダーとかドラゴンキューブとかタトゥー・ブギョーとか、昭和のアニメか特撮か時代劇か見てたら絶対に聞いたことのある曲調のあれ。
間違いなく幻聴だと思うのだが、俺の耳にははっきりと聞こえる処刑BGMと共にレヴィータさんが無双している。
魔法の剣の威力もあるだろうが、小柄な女性がバッタバッタと、体格のいいヤクザどもを打ち倒す(このお姫様、峰打ちで戦ってるのだ)のは見ていて痛快この上ない。
お姫様、ホントに強かったんすね・・・。
「なっ!?」
さすがの武闘派ヤクザの親分、大ナタの何とかもこれには目を剥く。
隙あり!
「ハンドネット!」
「なっ! 魔法だと・・・あばばばばばばばっ!?」
サブスロットをブロイザーからジェッターワダツミに切り替え、金属製の網で親分を包んで電撃。
「このっ、ダボがァッ!」
うわっ! 網と電撃で動けないはずなのにナタで殴ってきた!
さすがにこのクラスだとちょっとした化け物だな!
やむを得ん、恨むなよ!
「マッシブミサイル!」
ジェッターワダツミの主火力、極太のミサイルを担ぎ上げて直接相手の頭に叩き付ける!
死なば、もろともぉっ!(作品が違う)
大爆発。爆煙が晴れた後、さすがのヤクザ・オヤブンも気絶して床の上に倒れていた。
いやあれで気絶で済むとかすげえな・・・?
「お、親分っ!?」
親玉がやられてヤクザどもが浮き足立つ。そりゃ動揺もするか。
お姫様に半分くらい叩き伏せられていることでもあるし。
「大人しくしろっ!」
そこでなだれ込んでくる警邏と決めつけ
「その不審者三人を捕らえろ! ヤクザどもは放置して・・・」
「控えよっ!」
その場の時間が止まった。
いやほんとに、警邏とかヤクザとか、まとめて動きを止めたのだ。
若頭っぽい奴や決めつけ
かくいう俺もだ。
王族の威厳って言うの? 人に命令し慣れた口調と、良く響く声。そして
圧倒的なカリスマってのは本当に人を縛るものらしい。
「一同、これを見なさい」
「
警邏の誰かが叫ぶ。嘘をつくと赤く光るあれだ。
法執行機関には良く置いてあると聞くから、知ってても不思議じゃない。
「アジャさん」
「は、はひっ!」
豹変したレヴィータさんにビビリながらも、アジャさんが返事を返す。
「あなたは警邏隊長スー・ティグと、この元締めゾンク、そしてもう一名が娼館で密談していたのを見ましたね?」
「・・・はい。もう一人はそこの隅にいる男です」
護衛と共に部屋の隅に退避して様子を見ていた男を指す。卵は光らない。
裕福な商人風の男が舌打ちした。
そこで呆然としていたスー・ティグが我に返る。
「何を馬鹿な事を・・・この女も捕らえろ! そこの芸人ハヤトの一味だ!」
「し、しかし・・・」
だが警邏たちが動く前に、凜とした声が更にそれを上書きする。
サリーのフードを払うと、オレンジ色の見事な長髪がこぼれ落ちた。
「ゼンティル第一王位継承者、マリアンヌ・レヴィス・アルティス・ペドロンである!
控えよ! 頭が高い!」
「「「「「!??!!」」」」」
「は、ははーっ!」
一瞬間を置いた後、ほとんどの人間が一斉に片膝をついた。
警邏どころか、生き残ってたヤクザものたちまで一斉にだ。
「・・・」
本当に時代劇みたいな光景に、俺は呆然と立ちつくすしかできなかった。
>バーサーカー・タイクーンって感じの、ジェッターロボ!とかマスクドライダーとかドラゴンキューブとかタトゥー・ブギョーとか
暴れん坊将軍、ゲッターロボ、仮面ライダー、ドラゴンボール、遠山の金さん。
全て作曲家の菊地俊輔氏の手になるもの。
ドラえもん始め、他にも書ききれないくらい沢山の名曲神曲を作曲したアニメ・特撮音楽の神の一人。
渡辺宙明先生もそうだが、この多作とジャンルの選ばなさと質の高さはなんなのだ(戦慄)。
>ジェッターロボ!
「ゲッターロボ」だと作品名になる。
「ゲッターロボ!」だと主題歌のタイトルになる。
これ豆な(ぉ
>マッシブミサイル
OVA「真!ゲッターロボ世界最後の日」に出てくるゲッターポセイドンのイメージ
ミサイルを発射せずに手でもって、ほとんど質量兵器のように叩き付けて爆発させる。
「死なばもろともぉっ!」はザブングルのウォーカーギャリアの、飛んできた核ミサイルを受け止めて投げ返したシーン。