異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十五話 仄暗い水の底から

「おい、どういう事だ?」

 

 そこにやぐらみたいなものが十二個あるでしょう。

 この前来た時はそこに六機のロボ・・・俺の使う巨人みたいなのがいたんですよ。

 

「少なくとも小僧たちがここを探索してから今日までの間に、ここに立ち入ったものがおると言う事じゃな」

 

 というか、最初から違和感はあったんだ。

 やぐら・・・ハンガーが十二台あるのに、機体は六機しかなかった。

 ここが放棄された時に何かあったのかと思ったが、これでそうじゃないことがはっきりした。俺達以外に出入りしてた人間がいるんだ。

 

 一応お尋ねしますけど、昔ここを探索したお仲間が出入りしてるってことは・・・

 そう聞くと、エッソ先生は首を横に振った。

 

「わからん。ワシらは四人パーティだったが、うち二人は死んでおるし、最後の一人は行方不明じゃ」

 

 エッソ先生のパーティは、既に亡くなられた戦士と司祭、斥候のエッソ先生、そして現在消息不明の魔法使いで構成されてたらしい。

 死んだ人の持ってた資料が散逸したってこともありうるし、そっちの方面から探るのは無理そうかなあ。

 

「資料の散逸はないと思いますけどぉ~、魔法使いの人はわかりませんねえ~」

「ですね。その、少々問題のある人だったそうですし」

「ん・・・まあなあ・・・」

 

 レリアさんとレヴィータさんの発言に、ちょっと目をさまよわせるエッソ先生。

 仲間だから擁護したいけどできない感じだな。

 まあとにかく、今はもう一つの目的の方だ。と言うかこっちがメインだ。

 

「そのメインとは、一体何なのでしょう? ハヤトさまとペトロワさまには確信がおありのようですが」

 

 それなんですけど・・・ほら、俺が倒した亀が生身の生物でもダンジョンのモンスターでもないという話。

 

「それがどうかしたの・・・あっ!?」

 

 気付いたのか、カオルくんが目を見張る。

 

「そうじゃ。入口ロビーにあった幻影の水竜。

 小僧の倒した、そして王に叛くもの(アンティゴネー)の用意しているとおぼしきテロの道具は、あれと同じものである可能性がある」

 

 部屋に沈黙が落ちた。

 

 

 

 スタッフオンリーの区画を奥に進む。

 念入りに施錠してあるせいか、こちらには面白生態系は繁殖していない。

 時折管理用の銀色の球体とすれ違う程度で、モンスターとは遭遇せずに俺達は進んだ。

 そしてある部屋。

 

「やはりのう」

 

 やっぱりかー。

 師匠曰く「幻影動物展示発生装置」みたいな表示のある大きな部屋。

 大きな出口のあるその部屋には、何か大きな装置が安置され、そして取り外された痕跡があった。

 

「ここに幻影の・・・なんだ? とにかくモンスターを作る魔道具があって、それをここから運び出した」

「さっきの格納庫にあったって言うロボットを使ったんでしょうね」

「綺麗に取り外してあるのう。知識のあるものが作業を行ったのは間違いない」

 

 日本には動く彫刻で動刻ってのがあったが、幻影の動刻で幻刻とでも言うべきか。

 まあそれはどうでもいい。師匠、ここから魔力の痕跡とかたどれません?

 

「難しいな。海底を引きずって移動したならともかく」

 

 地面と違って海水は常に移動しているので、痕跡が散ってしまうのだそうだ。

 その後、腹の中に入って貰ってシャッターから水中に出てみたが、やはり師匠の術でも痕跡は追えない。

 追跡を断念すると、俺達は海上に出てそのまま野営地に帰還した。

 

「みんなー! こんにちわー!」

「「「「こんにちわー!」」」」

 

 リタがお客さんに挨拶する声を聞きながら、レヴィータさんやエッソ先生たちを交えた臨時の作戦会議。

 

「つまり、敵はその装置をどこかに据え付けて、あの亀なりなんなりを量産しているのですね?」

「恐らくはの。あの部屋に残った機器を調べてみたが、恐らく装置の場所に生み出すだけではなく、事前の準備があれば遠隔地にでも幻刻――わかりやすいからそう呼ぶが――を発生させられるはずじゃ」

 

 専門的な話はわからないがそう言う事らしい。何でも焦点具とか誘導ポイントとか言ってたが、とにかく遠距離にデータ送って、3Dプリンターで怪獣を作れるって事だ。

 Wi-Fiかよ! 便利だな!

 

「恐らくヤクザの屋敷におった亀も、そうして遠距離発生で作り出したんじゃろうな」

「どう考えてもあんな大きなものを運び込むような入口はございませんでしたからね・・・」

「救いなのは準備にある程度時間がかかることじゃな。思ったよりは余裕があるやもしれん」

 

 なるほど。まあ愚痴っててもしょうがない。何か手掛かりないですかね?

 

「難しいのう。何度も言っておるが《失せもの探し(センス・ロケーション)》の術は術者がそれを見ていないとろくに機能せん。魔道具と言うだけではさすがに無理じゃ」

 

 うーん、何かないか何か・・・映画とかだと電力会社をハッキングして、電力消費が急に上がった地域を探したりするけど。

 

「それだ! それだよハヤトくん!」

 

 え、どゆこと?

 

「それだけ大がかりなものなら、それに応じた電源・・・魔力源が必要ですよね、先生?」

「うむ・・・なるほど、それには魔力を練れる多数の人間か、古代の魔力炉があるところが必要になるのう」

「確かに遺跡から持ってきたあれも結構魔力を消費するから、やりくりに苦労しとるな」

 

 ペトロワ師匠の言葉に頷くエッソ先生。

 

「つまり、大規模な術師の移動か、古代遺跡を探せば、それがある可能性が高いのですね」

「そう言う事じゃ。武神の島のことを考えると、それも恐らくは海辺か沿岸の島にでもある可能性が高い」

 

 海から上がってきたもんな、あいつ。

 そう言えばヤクザの屋敷にいた王に叛くもの(アンティゴネー)のエージェントらしき男、あの警邏の能力でも見つからなくて、古代遺跡にいるのかも?って話があったな。

 

「確かに!」

「パズルのピースがだんだんはまってきた感じだね」

「それも含めてそちらで捜して貰えるかの」

「はい。ステフ、警邏に伝達を。大至急です。その後は南西のデラダの入口から合流しなさい」

「かしこまりました」

 

 レヴィータさんのお付きの一人が一礼すると姿を消す。

 比喩でなくマジで。

 多分凄いスピードで走り去ったと思うんだが、影しか捉えられなかった。神行法とか加速装置とか、その手の《加護》なんだろうな。

 

「おー」

 

 さすがに驚いたシルヴィアさんに向き直るお姫様。

 

「それで、引き続きハヤトさまをお貸し願えませんでしょうか。申し訳ないのですが、出番までにお返しすると確約はできません」

「まあ・・・しゃーないですね、この状況じゃ。ハヤト、きっちり片付けてきな。

 公演に邪魔が入らないようにね」

 

 うっす。

 それでレヴィータさん。今度はどこへ行くんですか? 心当たりがありそうですけど。

 そう言うと彼女は太陽のような笑顔でにっこりと笑った。

 

「下水道です」

 

 またかよぉぉぉぉぉ!?




タイトルは海底と下水道のダブルミーニングです(ぉ


>神行法
水滸伝の神行太保戴宗の兄貴が習得している術。
一日に八百里を走れる。
この人こんな凄い術を使えるのに何で木っ端役人なんかやってたんだろう。
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