異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
「そう言えば警邏とか軍とか出動は要請していないんです?
そっちに任せましょうよ、調査は!」
あぶねえ、危うく丸め込まれるところだった!
そうだよ、いくら人手が足りないからって、調査はまずそう言う人達に任せておけばいいじゃんか!
「え?」
「いやいやいや」
「あー、なるほど。まあしょうがありませんね」
え、何その反応。
レヴィータさんとステフさんはきょとんとしていて、クロエさんは納得したように頷いている。
メガネの位置をキュッと直して説明を始める。むむむ、何か女教師っぽい。
「まず修行やダンジョンアタックなどによって自分を鍛えた人間は、《加護》を抜きにしても常人より遥かに高い戦闘能力を獲得します。これはよろしいですね?」
ええまあ。俺もイレマーレのダンジョンでかなり「レベルアップ」したし。
「当然ですが、修行やダンジョンアタックを繰り返しても、その域に達することの出来る人間はそう多くはありません。
冒険者の等級で言えば、警邏や軍の大半はもっともランクの低い赤等級。
青等級の人間は数が少ないですし、私どものように緑等級ともなれば宝石よりも貴重です」
自分で言うのも何ですが、と咳払いをするクロエさん。
ちょっと顔が赤い。うーん眼福。
「・・・ハヤトさま」
何にも言ってないじゃないですかあ!
「言ってるも同然です」
「ここまでわかりやすいやつ、初めて見たよ」
しみじみというな、そこ!
「こほん、それはともかく。敵にも当然そう言う人材はいます。そうなると一般の兵士や警邏を偵察のために突っ込ませても、彼らを無駄死にさせるだけに終わるわけです」
・・・あー、確かにそうなるか。
巨大ロボは巨大ロボじゃなくちゃ倒せない論理とちょっと似てるな。ともかく無駄死にを出さないためにそう言う時は強い人間を強行偵察に出すと。
「はい。ハヤトさまはご自身がお強いですから、そうした感覚が薄いかも知れませんが・・・」
いや、これは返す言葉もない。確かにそう言う視点が欠けていた。
しかし・・・。
「しかし?」
それを差し引いても、今のところ唯一の王位継承者が先陣切って怪しいところに飛び込んでいく理由にはならないと思うんですがどうでしょう。
「・・・」
「・・・」
ジト目でお姫様を見下ろす二人の護衛。
「・・・(にっこり)」
視線の集中したレヴィータさんは、可憐な笑みを浮かべてごまかした。
「実際軍や警邏はどうなんです? 待機とかしてないんですか?」
忍び足で移動しながら、小声で会話する俺達。
驚くべきことに、一番静かなのはお姫様だ。
どういう訓練受けてきてるんだよ。
「親衛隊の中に隠密行動の達人がいらっしゃいまして・・・面白半分に姫様に教えたらこのようなことに・・・」
うーん大惨事。
「あー、軍や警邏の部隊の話だったな。もちろん配置しているぞ。
もよりの城門近くと、下水道の入口にそれぞれ五十人ほど、巡回の体を装ってな。
念話で合図を送ったら、城門の部隊は遺跡の地上部分に展開し、下水道入口の部隊は私たちの後を追って突入してくる手はずだ」
この下水道とか遺跡、探知系の魔法を弾くんですよね?
もしここの遺跡にあの
「念話の術も妨害されますが、会話は難しくとも合図を送る程度であれば。
最悪の場合は私が直接連絡に参ります」
そう言えば神行法というか加速装置というか、そう言う《加護》の持ち主だったなこのひと。
まあ俺が皆さん腹に入れて、ジェッターII(ツー)で地上まで掘り進んでもいいしな。
「期待させて頂きますわ」
「便利な奴だなあ。親衛隊に入らないか?」
きみ いいからだ してるね!
いえ俺は芸人やってたいので。
「それは残念」
!
振り向いて唇に指を当てる。
黙り込んだ三人に手を出すようジェスチャーで示し、手を重ねる。
(アローアロー。皆さん聞こえますか)
「!?」
ステフさんが目を丸くするが、かろうじて声を出すのは踏みとどまった。
もっとも、驚愕の度合いで言えば他の二人も変わらない。
(頭で考えて下さい。通じますので)
(え、ええと、こうですの?)
(はい、そうです)
(これは・・・これも貴方の《加護》ですか?)
(まあそんなところで)
(本当に便利な奴だな・・・)
ふっふっふ、これぞ「唇の触れあい回線」!
体を触れさせていれば意志を疎通できるという《ロボットアニメの加護》の奥義である!
いやそんなご大層なものじゃなくて、いわゆる接触回線ってやつなんだけどね。
電波を発信すると傍受されるので、接触して直接通信するという。
それだけの話なんだが・・・誰だこんな通称考えたの。
あちらの扉の先から足音が聞こえます。
定期的に遠ざかったり近づいたりしているので多分巡回しているものと。
(少なくともここに人がいるというのは確実になりましたわね)
(軍と警邏を動かすタイミングかと)
(ですね。こんなところに人がいると言うだけで間違いなく黒です)
(うーん・・・)
うーん。お姫様も唸ってるが、ちょっと引っかかるんだよな。
(と、申しますと?)
もしここに人がいるとしたら、そして歩哨なんか置いているとしたら、
しかし、
(ですね)
(それが何か?)
ここ、地表は森か何かでしたよね。
人の往来はそれなりにあります?
(む・・・そうだな。頻繁ではないが、手入れのものや薪拾いなどがそれなりに入っているはずだ)
水族館の魔法装置は、痕跡から考えると最低でも縦横10mはあったはずだ。
つまり秘密の入口があったとして、分解したにしろそんな大きなものを運び込んでいたら、どうしても人目に付くはずだ。
城壁から見下ろせる場所でもあるし。
(どういう事ですか?)
つまり秘密の出入り口・・・ひょっとしたら海から直接あれこれ搬入できるトンネルか何かあるかも知れません。
(((!)))
三人が同時に驚愕の思念を発した。
銀鯰尾兜は戦国武将蒲生氏郷(前田利長も)の愛用した兜。
跡継ぎなのに軍の先頭に立って「氏郷、吶喊します!」する人で、父親が家臣に「あいつより遅れて走るな! いいな?!」って命令するくらいの猪武者だったそうですw
>唇の触れあい回線
元ネタはガンダムの「お肌の触れあい回線」。
ホント誰だこんな通称考えたのw