異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
遺跡のトンネルを見えない影が疾駆する。
諜報ロボ・ミストヴォルグにシノビウォリアー・ヒエイ。
神出鬼没の忍者ロボを二つ重ね、光学迷彩や隠密装備をフル稼動させた現在の俺は、よほどの達人か大術師でもなければ感知できない。
時折すれ違う「
(素晴らしいですわね!)
(貴人の護衛を任じる身としては、空恐ろしくもありますが・・・)
(同感です)
俺の腹の中で無邪気に感心しているのがお姫様。
ちょっと顔を青くしているのがお付きの二人。ブロイザーの力は解除したので、彼女らはミストヴォルグのサブマシン及びヒエイのコクピットに収納している。
まあ王族に仕える身からすれば、このレベルの隠身能力が存在するという事それ自体が悪夢だろう。
感知されなきゃ暗殺でも誘拐でもやりたい放題だ。
それこそアルテを狙って来た「
ちなみにヒエイの力を宿した俺であるが、別にコントロール不能になって経験値泥棒をしたり、「最終的に全機撃墜すればいいのだ!」とばかりにアイドル歌手をスレイしたりはしない。
あれはあくまでゲームにおけるネタである。原作にその様な事実は存在しない。いいね?
(こんなところに・・・!)
(いったいここは?)
多分浄水槽とかそういうのだったんだろう。
手すりのついた通路の下に100mを越す広い空間が複数あり、そのうちの一つに20m四方ほどの、これも巨大な何かの装置が据え付けられている。
天井からケーブルとかチューブみたいなのが繋がっていて、低い唸りを上げていた。
何十人もの人間が装置に取り付いたり周辺を警備したりしており、海底水族館にあった銀色の作業ロボも何機か姿が見える。
(ハヤトさま! 右奥の!)
!
言われて気付いた。
右奥の隅でふんぞり返っている奴。
ゾンクの屋敷にいた「
今は冒険者っぽい服装で剣を下げているが、偉そうな態度であれこれ指示を出している。
どうやらもう少ししたらエネルギーがたまって、新しい幻刻を生み出せるらしい。
いっそここで一掃して・・・とも思ったが、ここは依頼主の意向を聞かねばなるまい。
どうします?
(・・・トンネルを優先しましょう。ここ以外にも構成員がいる可能性は低くありません)
わかりました。
俺は少し考えると、浄化槽へ飛び降りてそのまま奥へ進んで行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ビンゴ!
例の魔法装置も悠々通れそうな広いトンネル。
ミストヴォルグの嗅覚センサーに潮の匂いが香る。
これ、間違いなく海直通のトンネルだ。
(おお・・・)
(さすがですわハヤトさま!)
さすハヤ! もっと言ってくれ! でもキモウトならぬキモヒメにはならないでね!
(何のことだかわかりませんが、そこはかとなく姫様が侮辱された気がします)
すいません、つい(平謝り)。でもしょうがないんや! おたくのSa・Gaなんや!
(お気になさらず。悪意で言っているのではないことはわかりますわ。
しかしどうしてお気づきになったんですの?)
いやまあ種明かししてしまうと簡単な話でして。
あれは汚水を処理する下水施設ですよね?
だったら綺麗にした水はどこかに流さないといけないじゃないですか。
(なるほど!)
(それであのからっぽの池から続く道を探したと)
そう言う事です。
洪水の時に備えてある程度広い水路を確保してるだろうから、それを辿っていけば・・・と考えたら大当たり。お目当ての秘密トンネルに出たというわけだ。
おそらく埋もれてた出口を水族館のウォーカーマ●ンで掘り出して、魔法装置を海から直接搬入したんだろう。
それはともかく、ここ埋めますよ。いいですね?
確認するとレヴィータさんが頷く。
(塞ぐと同時に、軍と警邏の部隊に合図を出します。やってください)
了解!
スロットチェンジ! 天命踏破・紅蓮羅漢!
「この穴掘りハヤトに掘れない穴は無いっ! サークルバーストォ!」
体から発射される無数のドリル触手。
それらが古代の建材を円形に穿ち、螺旋状のエネルギーが走る。
次の瞬間天井は粉々に砕け、通路は盛大に崩落した。
(!)
赤いシグナル、非常のサイレン。
非常事態を知らせる警告音と赤ランプが通路に充満する。
早いな! 気付かなかったが監視カメラとかあったか!
通路は完全に崩落して塞がっている。銀ロボを使っても数時間はかかるだろう。
レヴィータさん、合図は?
(双方通じました。すぐに展開するはずです。私どもは先ほどの空池に!)
了解!
「さぁくれつ! ガイアスマッシャー!」
「「「「うわあああああああああああああ!?」」」」
浄水槽に戻った俺達。
全員警戒態勢になっているとは言うものの、俺のダブル隠形を見破れる奴がいないのでは同じ事。
不意打ちの捕縛ガイアスマッシャーで、銀ロボ含めほとんど全員が動けなくなる。
・・・おおっ!? ふんぞり返ってたエージェントとその護衛、素早く回避しやがった!
幹部なのは伊達じゃないか!
「彼らはわたくしどもが! ハヤトさまは残りと、増援に対処して下さいまし!」
俺の腹から飛び出た姫様たちが駈け寄っていく。
まあレヴィータさんと護衛の二人なら問題はないだろ!
上のキャットウォークにはまだ何人かいるし、増援の足音も聞こえる。多数に対処できる俺をそっちに回すのは正解だ。
「ぎゃっ!」
「ぐわっ!」
戦闘自体はあっさり終わった。
増援はそこそこいたが青板クラスが何人かいた位で残りは雑魚だったし。
エージェントと護衛もそれなりには強かったが、ヤクザ屋敷で暴れん坊タイクーンしたレヴィータさんや護衛の二人の敵ではなく、多少手こずらせた程度でお縄となった。
「お疲れさまです」
「ハヤトさまこそお見事でしたわ」
やれやれ、取りあえずこれで・・・と思った瞬間、魔法装置が動き始めた。
なんだこれ!?と思ったら捕縛されたエージェントが笑い出した。
「はははは! 今魔法装置を通して指令を送った!
今まで生み出した幻影の水獣達が一斉に目覚めて暴走を始める!
計画には少し足りないが、偽りの繁栄を打ち砕き、王を名乗る圧制者の奴隷にされた民衆を解放するには十分だ!
見よ、破壊から真の理想郷が・・・」
「!?」
鈍い音が響いた。
ブチ切れた俺が、エージェントの顔を思いっきり蹴り飛ばした音。
お姫様もお付きの人達も唖然としている。
すいませんね、我慢が出来なかった。
「・・・いえ、私の代わりに不埒者の口を塞いでくれて感謝いたしますわ」
顎を砕かれ、ピクピク痙攣している男を見て、にっこりと笑うお姫様。
やっぱいい根性してるわこのひと。
「ともかく俺は行きます。ここはお願いできますか」
「わかりました。ご武運を」
レヴィータさんが真摯な顔で頭を下げる。
「チェーンジ・ジェッターII(ツー)! スイッチ・オンッ!」
俺は元祖ドリルロボの力を呼び出すと、ロケットを吹かして跳躍。
天井に穴を開けて地表に飛び出した。
実はこの回、データが吹っ飛んで記憶から再生しております。(二回目)
なので多分、オリジナルに比べると色々抜けがあるかと。サーセンw
「水になれ」はブルース・リーの名言。
宮本武蔵も同じような事を言っています(なお五輪の書はリーの愛読書でした)。
>シノビウォリアー・ヒエイ
忍者戦士飛影。
普通にかっこいい忍者ロボなのだが、スパロボでは「経験値泥棒」「ランカスレイヤー」などのあだ名が定着して久しい。
原作前半は「主人公たちがピンチに陥るとやってくる謎の助っ人」だったから、スーパーロボット大戦的に表現すると「勝手に出て来て敵を倒す、ありがた迷惑NPC」になってしまう悲劇。
スパロボの敵は限られた資源だからね、しょうがないね。まるでザナドゥだ!
なお飛影は三体のサポートメカと合体変形するのが売りのロボだが、作者は素の飛影本体が一番好きなため、イベント以外ではほぼ合体させたことがなかったりする。
空魔のマップ兵器は非常に使いやすいし、水竜っぽい海魔のデザインも結構好きなんだけどね。
>Sa・Ga
魔界塔士でもロマンシングな方でもゾンビでもお好きに。
なお作者が一番好きなのはGB第二作の秘宝伝説。
システムも好きだけど秘宝を全て見つけて世界を救った後に、今度は三種の神器を求めて旅に出る主人公一家、という落ちが最高w
>天命踏破・紅蓮羅漢
天元突破グレンラガン。
ドリルロボの極北、とにもかくにもドリルを回せば何とかなるアニメ。
こっちの世界ではたぶんネーミング的に仏教要素が絡んでる。
まあグレンラガンもだいたい石川賢の虚無戦記だからね! しかたないね!(ぉ
>サークルバースト
グレンラガンのトロイデルバースト。意味は概ね同じ。
敵の周囲をドリルで円形に掘り、大きな穴を作って崩落させる技。