異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十九話 立ち上がれガンダム

「ジェッタードリルッ!」

 

 ドリルを全力回転させ、地上に飛び出す。

 周囲は森。

 武装した兵士達がそこかしこに展開している。

 

「なんだっ!?」

「『王に叛くもの(アンティゴネー)』かっ!」

「攻撃してはならん! あれはレヴィータ様の手の者だ!」

 

 ざわめく兵士達をスルーして、上空に飛び上がる。

 

「オォープンジェェットッ!

 チェェェェェェェンジ、ジェッタァァァァァァ、ゥワンッ! スイッチ・オンッッッ!」

 

 そのまま空戦形態に変形、一キロ離れた王都へ全速飛行。

 王都の片隅から一筋、煙が上がるのが見えた。

 

(師匠! そっちどうなってます!)

 

 念話で呼びかける。

 僅かに間を置いて返信。

 

(身長20メートルほどの、二本脚で歩くワニが出て来ておる!

 周囲のものを凍結させるので、ガイガーも攻めあぐねておるが・・・

 カオルやアルテもおる事じゃし、問題はなかろう)

 

 二十メートルのワニって何だよ。怪獣かよ!

 というか冷気攻撃って自分が冬眠しちまうだろ! どうなってるんだ変温動物!

 

(どうやら冷気を放射するのではなく、周囲の熱を吸収するタイプのようじゃの。真冬に動いておれるのも恐らくそれじゃ)

 

 ああそういう・・・というかあそこ、やっぱり水族館の皮を被った生体兵器開発施設だったんじゃないか?

 と考えて、ふとあることに気付く。

 

(幻刻って魔法で作った幻影ですよね? カオルくんのサンダースウォードだったら、解呪分解できません?)

(既に一体はそれで解呪した。が、真なる魔法文明時代のものとしてもかなり高度な術式での。出てくるのを片端から解呪しておったら、カオルもわしも到底もたん。

 ラファエルとオブライアンから搾り取るにしても、追加で一体か二体くらいじゃな)

 

 ドワーフのラファエルさんと、術師のオブライアンさんでもか。

 カオルくんができないって言うなら本当に出来ないんだろうな。

 そんなことを考えている内に城壁を通過し、下町で暴れている幻刻を発見した。

 

(それじゃこっちも戦闘に入ります! 師匠たちも気を付けて!)

(うむ。小僧も注意せえよ)

 

 念話を切り、改めて俺は暴れる幻刻に注意を向けた。

 

 ・・・15mくらいのペンギンがヨタヨタ歩きながら、ヒレで木造家屋叩き壊しとる・・・

 

 余りにシュールな光景に一瞬くらっと来るが、足元で逃げ惑う人達を思うと放って置くわけにもいかない。

 冷凍怪獣ペ●ラみたいに冷気吐かないだけましかな!

 

「ジェッターバトルホゥゥクッ!」

 

 両肩から射出・展開するジェッター合金製のバトルアックス。

 それを二つ合わせて変形融合し、巨大な一本の大斧に変える――!

 

「ビッグホーク! ファイナルダイナミックマキ割りスペシャル!」

 

 刃渡り3mの巨大斧が、ペンギン幻刻の頭を叩き割った。

 

 

 

「むう」

 

 絶命というか、活動停止と同時にすうっと消えるペンギン怪獣。

 ヤクザ屋敷のホバー亀と同じ消え方だな。やっぱりあいつも幻刻だったか。

 

「うおおおお!」

「すげえ、魔法使いだ!」

「いや、勇者様だろ!」

 

 市民たちの歓声にちょっと手を振って応えると、俺は再び上空に舞い上がる。

 怪我をしてる人も結構いるのだが、俺には対応できない。

 すまん、エッソ先生のところで何とかしてくれ。

 

 

 

「ジェッタァァァァァァビィィィィィイィィィィィンムッ!」

 

 足が百本くらいある巨大タコの頭(胴体)を緑色の閃光が貫く。

 丸い頭を破裂させ、青い体液をまき散らしてタコの姿がすうっと消えた。

 これで三体目!

 

 しかしこのタコ、足で捕まえてたのが10才くらいのロリから40手前くらいの色っぽい未亡人、80くらいのお婆さんまで、女性ばっかりだったのはどういう事だ。

 まさかこいつの設定、オリジナル冒険者族が絡んでないよな・・・?

 鉄棒ぬらぬらとかいう伝説のHENTAI絵師の名前が脳裏によぎるが、それを打ち消して俺は次の戦場に飛んだ。

 

「お?!」

 

 次に見つけたのは足の差し渡しが20mくらいになろうかというタカアシガニ。

 だが今までと違うのは、その周囲に人が群がっていること。

 

「キェェェェェイッ!」

 

 裂帛の気合いと共に、「何か」が宙を疾る。見えないそれと交叉した瞬間、タカアシガニのハサミが片方斬られて落ちた。

 え、ちょっと待って、今の・・・ロウブさん!? 危ない!

 

『Gitititititi!!』

 

 ギチギチッ!と鳴き声を上げながら、もう片方のハサミでロウブさんを叩きつぶそうとするタカアシガニ。

 ロウブさんは大技を放った後の虚脱か、回避が間に合わない。

 

「ジェットシャックル!」

 

 間一髪のところで俺の鎖手錠が彼の体を捉え、上空に引っ張り上げた。

 

「大丈夫ですか!」

「おお、ハヤトどのか・・・かたじけない」

 

 と言うか今の飛ぶ斬撃ですよね? 《剣の加護》を極めた人間だけが放てるという。

 

「先祖がオリジナルのサムライと言っただろう? 代々継承されてきた奥義でな。

 だがそれがしは未熟ゆえ、一度放つとこのザマだ。連発はできぬし、しばらくは気息を整えねばろくに動けん。未熟の限りよ」

 

 うーん、ヘタに勝負に応じなくて良かった。

 調子に乗って上空から火力投射してたら、これでズバッとやられる未来が、見える見えるゼブラのボールペンやで。

 

「何の話だ・・・? まあともかく、こやつは任せてくれ。

 貴殿の魔力も無限ではあるまい。ここは(それがし)どもだけで何とかしようほどに」

 

 下に目を向ける。

 ロウブさん以外にもタカアシガニに群がってるのは・・・あれ、ひょっとして決闘クラブの参加者たち!?

 良く見たらその周囲で人間同士で戦ってる。警邏っぽいのもいるけど・・・これも決闘クラブか? ロウブさんと違って一般人の人達っぽいけど!

 

「『王に叛くもの(アンティゴネー)』と言うのであろう。この騒動の黒幕と聞いた。

 あの怪物に我らが向かっていくのを妨害しようとしたので、同志のうちで怪物に挑むほどの力がないもの達が足止めしてくれているのだ」

 

 「王に叛くもの(アンティゴネー)」の構成員たちは明らかに冒険者や兵士風の、武装してて戦いの心得がある連中だ。

 それを一般人の、商人や職人にしか見えない人達が棒やナイフで押しとどめている。中にはモップやフライパンを振り回している人すらいた。

 明らかに危険な犯罪者に対して、町を守るために普通の人々が立ち向かっている。ちょっと胸が熱くなった。

 

「そろそろ下ろしてくれ。やはりそれがし抜きではきつそうだ」

 

 ・・・ご武運を。

 

「貴殿もな」

 

 そう言って、ロウブさんはひどく魅力的な、男臭い笑みを浮かべた。





タイトルはガンダム主題歌の一節から。
ジークアクス最終回で流れるかと思ったがさすがになかったw

>冷凍怪獣ペギラ
ウルトラQ出典。
ウルトラシリーズの元祖冷凍怪獣。
ペンギンが放射能で突然変異を起こした怪獣らしいが、ペンギンの面影は全くない。

>バトルホーク
ゲッターロボと同じく、永井豪原作・石川賢コミカライズの特撮ヒーローもの。
多数の武器の中の一つとして使うのではなく、徹頭徹尾斧だけで戦う極めて珍しい特撮ヒーロー。
ただし見栄えが悪かったのか、後半はトマホーク剣が必殺武器になった。
打ち切り食らってるので多分結構不評だったものと思われる。
マキ割りスペシャルの技名はロマンシングな佐賀から。

>鉄棒ぬらぬら
日本が世界に誇る浮世絵師、葛飾北斎のエロペンネーム。いやマジで。
巨大タコが女性に絡みつく絵なんて描いてたと知った時には頭がクラクラしたw

>見える見えるゼブラのボールペン
まあ昔そう言うCMがありましてw
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