異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四十話 だが戦いは続く

「ウルトラ! ライデン! キィィィッッックッ!」

「Bigyy?!」

 

 超高空からの、全力降下キックが巨大亀の甲羅を貫通し、街路にクレーターを作る。

 看板とか屋根瓦とか、そう言うあれこれが周囲の建物から落ちて壊れた。

 ほとんどガ●ラみたいな巨大ワニガメ(この前のと違って陸亀だ)は、一言悲鳴を上げて動かなくなった。

 

「うげえ、ひどい目に会った・・・」

 

 幻刻のワニガメがすうっと消える。

 俺の全身を真っ赤に染めた血とか臓物汁とかそう言うのも一緒にだ。

 幻影なのに感触や匂いまで本物なので、正直グロいことこの上ない。

 古代の幻刻製作者さん、ここまでこだわる必要ありましたか!

 

「おう、助かったぜ・・・って、手品の兄ちゃんか! やっぱ俺の目は節穴じゃなかったな!」

 

 肩を叩いてきたのは、ひげ面でやぶにらみのドワーフみたいな警邏のおっさん。

 あーそうか、デモゴディが俺だと知らないから好感度高いままなんだな。

 でも大丈夫かおっさん、かなり血が出てるぞ・・・?

 

「気にするな、そう言う仕事だ。それより早く行ってくれ。ここが最後って訳でもあるまい」

 

 わかった。あんたは下町のエッソ医院に行ってくれ。あそこなら多分治療してくれる。

 

「おう、そっちこそ気を付けてな!」

 

 ニカッと笑って親指を立てるおっさんにサムズアップを返しつつ、俺は再び飛び立った。

 

 

 

「冷凍ビーム!」

 

 最大出力の冷凍ビームが、全長30mの巨大ウミウシを凍りつかせる。

 まー水分が多いから良く凍ること!

 

「これで・・・最後ぉぉぉっ!」

 

 スロットを切り替えると、両手両足に現れた歯車が唸りを上げて高速回転する。

 その高速回転は右腕の三本の角に伝わり、角が渦を巻いて回転を始める。

 

「トライコーンドッズドリル! ファイナルストライク!」

 

 絡み合う竜巻が角から放たれ、凍りついた巨大ウミウシを粉々に粉砕した。

 

「ぜえ・・・ぜえ・・・」

 

 周囲を見渡して、少なくとも王都内には幻刻がもういないことを確認すると、俺は街路に降下して建物の壁際にへたり込んだ。

 あー疲れた・・・30体くらいいたうち、20くらいは一人で倒すはめになったからな・・・逆に言えばウチの一座の面子が倒した分を差し引いても、五体か六体くらいは決闘クラブの人達が倒したって事だ。

 腕利きが多かったのは確かだが、剣や槍で20mサイズの怪獣を倒すとかほんとすげえわ。

 

 なおエッソ医院の近くに出た20mの巨大アザラシは、レリアさんによってはらわたをぶちまけろ!されていた。

 先生の援護があったとは言え、ほんと何者だあの人。

 閑話休題(それはさておき)

 

 胸の中でルイスのヴィラン・コアが唸りを上げて魔力を生産しているのがわかる。

 師匠曰く、ヴィラン・コアはほぼ無限の魔力を生み出すが、一定時間に発生させられる魔力にはある程度の限界がある。

 クッタクタの体に魔力が染み渡っていくのがわかるが、満タンになるのはまだしばらくかかりそうだった。

 

 これで一段落・・・あー、でも「王に叛くもの(アンティゴネー)」の連中がまだ残ってるのか・・・まあそっちは警邏に任せてもいいだろ・・・そんなことを考えていたら、目の前に誰かが立った。

 

「いや、大したもんだね。腕が立つとは思ったけどここまでとは思わなかったよ」

 

 あ、いつぞやの赤い偃月刀(ファルシオン)二刀流のお姉さん。

 彼女もあちこちに生傷があって、偃月刀もところどころ欠けている。

 見た感じ青等級のトップか緑等級の下の方くらいの力はあるみたいだし、俺が来るまで随分と奮戦してたんだろう。

 そちらもお疲れさんです。

 

「幻刻だっけ、もう他にはいないのかい?」

 

 多分。上空から見た限りでは今のが最後です・・・ん?

 

「そっかそっか、お疲れさま。それじゃお姉さんからちょっとしたご褒美をあげようかね」

 

 え?

 お姉さんがかがんで顔を近づけてくる。あれ、これまさか・・・え、ちょ・・・

 唇が触れそうになったその瞬間、下から突き上げるような震動が来た。

 

「こいつぁ!?」

 

 素早く立ち上がり、偃月刀を握り直すお姉さん。

 その顔は既に戦士の表情。

 突き上げるような震動がもう一度。

 

「上から確かめて来ます!」

「頼むよ!」

 

 疲れた身体に鞭打って、高度100mまで一気に飛び上がる。

 サブスロットをミストヴォルグに切り替えて、センサーで周囲を探知。

 王都内部は・・・異常なし。あちこちで騒ぎが再燃しているが、僅かな「王に叛くもの(アンティゴネー)」の残党が抵抗を続けている以外はおかしなところはない。

 

 なら王都の外は? もしかしてあの遺跡か!?

 そう考えて視線をそちらに向けた瞬間、俺は固まった。

 遺跡のある森の先、海の方向。

 武神の島を右に見て、王都の南に広がる海岸線に現れた一つの影。

 

「水竜・・・っ!」

 

 水族館のエントランスにいた、全長100m、頭の高さは40mに達する巨大な水竜。

 それが今、王都を目指して上陸を開始していた。

 

 

 

 センサーを集中させて映像を拡大する・・・これ、水竜だけじゃない!

 水中ではっきりとはわからないけど、数十メートルクラスの影がいくつかある! 大小合わせれば数十体!

 確認はしてないけど、あの水族館に他にも幻刻があったのか!?

 いやむしろ発生装置あったんだから、一つしかない方がおかしいか!

 

「おい! どうなってんだい!」

 

 二刀流のお姉さんの声が聞こえる。

 取りあえず報告か!

 降下して経緯説明(かくかくしかじか)

 さすがのお姉さんが絶句する。

 

「100mの亜竜・・・下手すりゃ真の龍クラスじゃないか・・・参ったねこりゃ」

 

 まあ真の龍って程の圧迫感は感じなかったし、その辺は大丈夫じゃないですかね。

 

「・・・あんた、真の龍を見たことあんのかい?」

 

 あっ、やべっ。いやまあ、お話の中で?

 

「・・・」

 

 メチャクチャ不審がられてる! 嘘は言ってないよ、嘘は!

 

「うーん、確かに嘘は言ってないみたいだけど・・・今のご時世に真の龍なんてどこで見たんだか・・・」

 

 いや、だからお話の中で見たんですってばHAHAHAHAHA。

 

「まあ今はそれで納得しといてやるよ。っていうか、まさかアンタあれとやりあう気かい?」

 

 俺以外に対応出来る人は・・・ガイガーさんならできるかもしれないけど、取りあえずは俺しかいないので行くしかないでしょ。

 

「そうか、アンタガイガーさまの同僚かと思ったけど、お弟子さんか何かかい。それなら大丈夫だね!」

 

 心配そうな顔が一転笑顔に変わるお姉さん。

 この人の中ではガイガーさんはどれだけ絶対的な存在なんだ。

 

「だってガイガーさまだよ、ガイガーさま! 《百神》、いや、《創造の八神》クラスの神様だよ! アンタは身近にいすぎて凄さがわからないのさ!」

 

 アッハイ。まあともかく地響きはまだ継続してるし、急いで・・・!?

 気がつくと、今度こそお姉さんの唇が俺の唇を塞いでいた。

 

「大人のキスだよ。帰ってきたら続きをしようじゃないか」

 

 シチュエーション的にもセリフ的にも、もの凄く魅力的なお誘いですが、遠慮しておきます。

 まだ死にたくはないので。

 

「おや、既に唾つけられてたかい。まあしょうがないね、いい男だし。

 ほら、それならいい男っぷりを見せてきな!」

 

 はいはい。

 俺の背を叩いてはっぱを掛けてくれるお姉さんに苦笑しながら一礼すると、俺はまたしても空に飛び上がった。




>ウルトラライデンキック
「トップをねらえ!」のガンバスターのスーパーイナズマキック。
もっとも口で言ってるだけで、実質的にはその元技であるイナズマキック(こちらはほぼ純粋なロボによる格闘攻撃)に近い。
宇宙一杯に充満した宇宙怪獣を壊滅させるくらいの技を全力再現したら偉いことになるからね! しかたないね!

>「トライコーンドッズドリル! ファイナルストライク!」
「GEAR戦士電童」のユニコーンドリル・ファイナルアタック。+ガンダムAGEのドッズライフル。
電童は両手足の歯車が回る超合金と外付け武器データウェポンの連動アクションが売りのロボだったが、やはり21世紀の子供にロボット超合金は売れなかった。

>大人のキス
>帰ってきたら続き
エヴァンゲリオン旧劇のミサトさんのセリフ。
正直年上好きの私としてはクリティカルなシチュエーションだった。
多分ハヤトくんも。
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