異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
「マシン・オン! ドラグランダー・クロス!」
赤竜の翼を広げ、鋼の魔神がゆく。
最高速度マッハ5に達する真紅の翼はスノスレスと海の間に横たわる森をあっという間に抜け、海岸に俺を運ぶ。
水竜は既に完全に上陸しており、釣り人が数人、必死で逃げているのが見える。
他の幻刻怪獣も上陸を始めていて・・・50mくらいの手足の生えた魚・・・武神の島で俺が倒したのと同じ奴だ!
他にも同じくらいの、四つ足で歩く一角クジラみたいなのがいた。
ウ●トラ怪獣であんなのいたな・・・?
いやそんなことを考えてる場合じゃないな!
水竜と、お供の大型小型取り混ぜて幻刻が五十体ほど。
これ以上王都方面に進ませるわけにはいかない!
『ディバイディング・スコッパァァァァァァッ!』
俺の左手に現れる巨大なムラマサ。それが光を経て巨大なスコップになる。
『!』
水竜が首をもたげてこちらを見る。
それと入れ替わるように水竜の目前に着陸、地面にスコップを突き刺す俺。
『GYAVI!?』
『GGGGGGGGGG!?』
水中にいたものを含めて、全ての幻刻がスコッピングフィールドの中に落下した。
『さあ、こいっ!』
幻刻たちに僅かに遅れてフィールドに降りる。
ディバイディングスコッパーを消し、ファイティングポーズを取る俺。
ここから先には一歩たりとも進ません!
(やべえどうしよう)
・・・と、格好つけてみたはいいものの、俺は内心結構焦っていた。
何しろあのテロリストどもは幻刻を町のど真ん中、人口密集地で暴れさせてくれやがったのだ。
被害を最小限にするためにはマッハで倒さねばならず、エネルギーをセーブした戦い方なんか出来るはずもない。
ちょっとは休めたが、消耗した魔力と体力は全然回復してない。
『・・・』
視線を走らせる。
数百メートルの距離を落ちたにもかかわらず、水竜や大型の幻刻はほぼ無傷。
ジュゴンとかゾウガメとかイルカとか、普通サイズの幻刻は大半落下の衝撃で消滅したようだが、それでも100mサイズの水竜と、50mサイズの大怪魚および一角クジラ怪獣が一体ずつ、他にも10~30mサイズの大型幻刻が合わせて十体ほどは生き残ってる。
例の巨大魚は威嚇のつもりかクリック音を放ち、ウツボと蛇を合体させたような大海蛇がとぐろを巻いてこちらを睨む。
全長30mくらいのチンアナゴっぽいのが地面に穴を掘って潜り始め、直径20mくらいのカツオノエボシがゆらりと空中に浮かぶ。
・・・さっきも言ったけど、当時の幻刻作成者は何を考えてたんですかねえ!
30mのチンアナゴとか20mのカツオノエボシとか水族館の展示に必要なのか!
特に後者! ウル●ラトラウマ怪獣ナンバーワンのあれに似ててこえーんだよ!
あれか! 特撮マニア特攻か! ウチの親父ですらリアルタイムじゃないレベルの古い奴だが!
いかんいかん、疲労で思考がおかしな方向に流れてる。
この世界ならひょっとしたらああ言うのが実在するのかも知れないし、後で師匠ペディアに聞いてみよう。
ともかく相手は遠距離攻撃はそれほど得意ではないはず! 多分!
こう言う時は消耗の少ない技・・・基本にして最強のあれだ!
『ロケットパァァァンチッ!』
『!?』
俺の両腕から火を吐く拳が分離して宙を飛ぶ。
水竜達がぎょっとしたように身を堅くした。
こいつら、ひょっとして知能は獣並み・・・むしろ獣並みの知能がある?
一瞬そんな考えが脳裏をよぎる。
その間に空飛ぶ鉄拳は10mの巨大セイウチと、20mのシャチ(こっちも空中を泳いでいる)のこめかみを綺麗に打ち抜いた。
頭部を貫通した、と言う意味ではなくボクサー的な意味でだ。
ちっ、さすがに固い。
ウイングカッターや大回転ロケットパンチならともかく、ただのロケットパンチで対応出来る相手じゃなさそうだ。
しかしエネルギーは残り少ない・・・まあ何とかやるっきゃないな!
『ウイングカッター!』
ロケットパンチが翼状の刃を展開し、巨大セイウチと巨大シャチの首筋を切り裂く。これ自体は浅いが・・・
『ダンザイブレードッ!』
ロケットパンチを射出した後の両肘から、エネルギーの刃を生み出す。
以前、アルテを狙って来た魔法生物の成り代わり対策の時にちょっと名前の出たロボットアニメ、「破邪大聖ダンザイオー」。
その続編っぽい何かであるマイナー深夜ロボットアニメ、「破邪新星G(グレート)ダンザイオー」の主役メカ、弾罪鳳のメインウェポン、ダンザイブレードである。
正直ロケットパンチ使い捨てにして肘からレーザーブレード出して、回転して体当たりが必殺技のロボットってどうかと思うが・・・まあこの際それはいい。
格好で戦ってる訳じゃないんだ! やっぱり格好いい方がいいけど!
やけっぱちになりながら、俺は両腕のブレードを振り回して突貫した。
『ウオオオいくぞオオオ!』
さあ来いハヤト!
ご愛読ありがとうございました!
そんな幻聴を聞きながら、俺は幻刻軍団に突貫した。
『ぐおっ!』
直径10mを越す水竜の尻尾がクリーンヒットした。
100m以上を吹き飛ばされ、両手の使えない俺は受け身もできずにゴロゴロと転がる。
『のわっ?!』
間髪入れず振り下ろされる、大怪魚の足。
ゴロゴロ転がったところに一角クジラの角が突き下ろされる。
金属音。
激しい火花。
『ちっ!』
足の裏のロケットを噴射して距離を離す。
大怪魚と一角クジラが、意外に素早い動きでこちらに振り向いた。
水竜に至っては、プレシオザウルスみたいな手足のくせに、前の海亀みたいなホバー移動で素早くこちらの背面に回り込んでくる。
100mサイズの巨体があれだけ素早く動けるのって、ちょっとした恐怖だ。
真の龍でなくとも、さすがに亜竜というべきか?
水中ならあれがウォータージェットみたいな推進力になるんだな。
『豪子力ビーム!』
回り込もうとする水竜を牽制し、包囲の輪から逃れる。
これでまたエネルギー残量が減った。
両肘のビームソードで大型の三体を牽制しつつ、ウイングカッターでその他の中型を一体一体倒していく。
牙が赤熱するセイウチと歯がチェーンソーのように回転するシャチ、ジェットペリカン、鎧マンボウ、シルバー・・・もとい溶解液カツオノエボシ、超合金スピアカジキ、巻き付いて絞め殺すチンアナゴ、水流を吐く大海蛇。
それらは何とか倒したものの、最後の一体である竜巻サメにロケットパンチが捕まってしまった。
奴が巻き起こす竜巻にロケットパンチが飲まれ、離脱もサメ本体を倒すことも出来ない。
またか! またなのかこのサメ野郎!
『だっ! このっ!』
機動力の高いホバー水竜、それとうまく連動してこちらの退路を断とうとする大怪魚二号と一角クジラ。
そう言うわけで俺は現在、この三体による袋叩きを受けているわけである。
水竜と大怪魚の打撃は割と洒落にならんし、一角クジラの角も装甲の表面に傷をつける程度には鋭い。
くそう、エネルギーさえ豊富にあれば・・・魔力結晶をもっと沢山持ってきておくんだった。
『!』
再び回避する水竜のかみつきと、大怪魚の突進。
だが間合いが開いてるし、一角クジラのほうは・・・と油断したのが悪かった。
クジラの周囲を魔力が包んだかと思うと、次の瞬間ロケットのような猛烈な加速でこちらにカッ飛んでくる。
嘘ぉ!? こいつら本当に生物かよ! このままじゃ、角が腹を貫通・・・
澄んだ音がした。
超合金Σにも匹敵する硬度を持つ角が中程から叩き折られ、回転しながら地面に刺さる。
クジラ本体はその衝撃でコースを外れ、土煙を上げながら明後日の方向に転がっていく。
『・・・!?』
透明な翼。
透明な鎧。
右手には巨大な刀身を持つ大剣槍。
左手には体がすっぽり隠れる大盾。
兜をかぶった女性の顔、額と胸元には真紅の宝珠。
まるでガラスの騎士・・・いや、
俺を救ったそれが、宙に浮いて俺達を睥睨していた。
>最高速度マッハ5
実はジェットスクランダーの最高速度はマッハ3なのですが、この話では赤竜の力が加わっているのでオリジナルよりパワーアップしてる設定。
>ウルトラトラウマ怪獣ナンバーワン
ウルトラマンレオのシルバーブルーメ。
防衛隊の仲間と主人公の地球での家族みたいな人々と、その他沢山の一般人を溶かして食った、ザンボットの人間爆弾並みのトラウマ怪獣。
ウルトラセブンさえ食われて心臓以外は消化されてしまったのだから恐ろしい。
お子様の観てる番組でやる展開じゃなかろう!
なおこの悲惨な展開の原因が「製作費がきつくなってレギュラーキャラを大幅カットする」が目的だったというのだからまた別の意味で涙を禁じ得ない話である。
>破邪新星Gダンザイオー
破邪巨星Gダンガイオー。
マイナーなだけあってストーリーが割と適当で、かっこよく暴れるシーンだけ撮影して、最後は主役メカがボロボロにされたところでGダンガイオーが助けに来て投げっぱなしで終わり!な作品。
主人公以外ロボット基地は上から下まで女性ばかりってのはちょっとアレ過ぎるが、考えてみると原作も主人公以外パイロットが全員女性のハーレムものだったな!
後監督、「ダンガイオーと名の付く作品はこうなる運命かも知れませんね」とか抜かしていたが、全六話の予定が三話にされた無印はともかく、1クール貰って投げっぱなしにしたのは100%お前の責任だっ!w
・・・いやまあ、エヴァンゲリオンの影響受けまくりで、投げっぱなしが流行った時代だったのはあるけど・・・
>『ウオオオいくぞオオオ!』
>さあ来いハヤト!
>ご愛読ありがとうございました!
「ギャグマンガ日和」のなかでももっとも有名だと思われる「ソードマスターヤマト」より。
まさか令和になってあれがアニメになるとは・・・。