異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四十五話 スピンストーム秘密(にしておきたい)の兵器

『ディバイディング・スコッパァァァァァッ!』

 

 スコップの剣先が砂浜に刺さる。

 光の直線が走り、空間が歪んで直径数キロの戦闘フィールドが形成される。

 巨大な穴・・・観客のいない闘技場へ、鋼鉄の巨人とガラスの女神は静かに着地した。

 

『・・・』

『・・・』

 

 彼我の距離は100m。

 俺は拳を構えたファイティングポーズ。

 レヴィータさんは大盾に半身を隠し、大剣槍の切っ先をこちらに向けて待ち受ける構え。

 

『・・・合図はどうします』

『もう始まっている、と言うことでよろしいのでは』

 

 言葉が途切れた。

 互いに構えは変わらない。

 

 静かに時間が過ぎる。

 俺が右腕を引く。

 ガラス・アテナが同様に槍を手元に引き付けた。

 

 張り詰めた空気。

 一瞬の『機』が、それをガラスのように打ち砕く。

 

『ロケットパーンチ!』

シシリーの槍(シケリアン・ドーリー)!』

 

 空飛ぶ拳。

 槍の先端から放たれる白色の光線。

 両者は空中でぶつかり合い、相殺される。

 

『豪子力ビーム!』

 

 間髪入れずに目からビームを放つ。

 ガラス・アテナは反撃の光線を放たず、大盾でそれを止める。

 元が幻刻だからなのか、チャージには時間がかかるのかもしれない。

 なら、一気呵成に攻め立てる!

 

『ミサイルラッシュ! ミサイルドリル! 豪子力ビーム! ブレストヴォルケイノ! ビームフリーザー!』

 

 実体弾とエネルギー兵器の乱射。

 エネルギー兵器は盾で受け、実体弾は華麗な空中起動で滑るようにかわすガラスの戦女神。

 先ほどの水竜との機動戦もそうだったが、こんな時でなければ見とれてしまうほどに流麗で美しい。

 

 元々クリオネというのは、ゆらゆら浮いているだけに見えて機動性の高い生物だ。

 長距離走は苦手だが、近接距離での動きは目を見張るものがある。

 水族館で野生化してた人喰いクリオネみたいに、透明化能力が無いだけまだマシかな!

 

『っと! ヘキサクロスト・ナイフ!』

 

 時折放たれる白い光線をかわしつつ、翼から放たれる超合金Σ製の六方手裏剣もプラスする。

 くそう、かなり広い範囲にバラマキしてんのに全然当たんねえ!

 「蝶のように舞い」という形容がこれほど似合う動きもそうはあるまい。

 あるいはバレリーナかフィギュアスケーターみたいなと言うべきか!

 

 だがこれに対抗する手段も、既にある!

 しかしそれを実行する前に!

 

『エスパーアイ・透視光線!』

 

 腹からのミサイルラッシュと、左肘からの貫通弾、翼からの六方手裏剣(上に射出して、ランダム軌道でばらまいているのだ)を維持しつつ、スコップから刀に戻したムラマサの、柄元の宝玉を覗き見る。

 姫様本体は・・・頭部か。顔の奥の赤い宝玉の中っぽいな。

 何か凄い魔力を放つ、黒い優美なフルプレートを装備している。

 重装備パイロットスーツのように見えなくもないが、多分さっき言ってた、幻刻発生装置の力を組み合わせたアーティファクトがこれだな。

 ともかくも居場所はわかった! なら頭部だけ残して跡形もなく消し飛ばしてやる!

 フィードバックが来るかも知れないが、それくらいは我慢して貰おう!

 

『スロットセット! 鋼身ジークフリートぉ!』

 

 デモゴディの全身を覆う豪子力の輝きに磁力の稲妻が加わる。

 同時にドラゴニック・スクランダーの出力をトップに叩き込み、突貫する。

 ガラス・アテナや水竜が機動力特化なら、デモゴディは直線番長。

 機動性では負けていても、直線飛行速度では圧倒している!

 

 そしてスロットに入れたのはマグネットロボシリーズ第一作、『鋼身ジークフリート』。

 全般的に命中率の低い武器だらけの中、圧倒的な命中率と決まり手率を誇るこの必殺技!

 

『マグネティック・フォース・オンッ!』

 

 稲妻のような光がガラスの女神を捉え、こちらに引き寄せられていく。

 元よりパワーではこちらが圧倒的に上! 捕まえてしまえばこちらのものだ!

 ガラス・アテナを両腕で抱え、固定!

 

『ジークフリートブリーカーッ! 死ね・・・』

『いやぁん、ハヤトさまのえっち(はぁと)』

 

 ブッフォォォォォォォ!?

 

『いきなり何を言いやがる!?』

『ごめん遊ばせ。いっぺん言ってみたかったんですの』

 

 思わず拘束が緩んだ隙に、デモゴディの腕を振り払うレヴィータさん。くすくすと笑いながら距離をとろうとするが、させるか!

 

『ブレストヴォルケイノ! 豪子力ビーム!』

 

 三万度の熱線。

 豪子力の閃光。

 至近距離から放たれたそれを、さすがのガラス・アテナも回避することは出来なかったが、両方を左の大盾でほとんど完全に防いでしまう。

 くそう、さすがレヴィータさんだ。女神像のスペック以上に中の人の戦闘力が高い!

 

 しかし反射的に使い慣れたデモゴディの武器を使ってしまったが、マグネティック・フォースを再発動しときゃよかったな!

 そうすれば・・・なんだ? ガラス・アテナが翼を広げて舞い上がった。

 

『色々教えて頂きましたし、わたくしの方からも説明をしないと片手落ちですね。

 先ほども申し上げた通り、このガラス・アテナは魔法装置で作った幻刻に、今私がまとっております遺物(アーティファクト)、「剣の女王(クイーン・オブ・ザ・スペード)」の機能を組み込んで作られております。

 今から使うのはその機能の一つ。吸収した魔力をそのまま相手に撃ち返すものですわ』

 

 その言葉と共に、大剣槍が黒く変色する。

 同時に胸の赤い宝玉から、同色の輝きが十三、飛び出して周囲を旋回し始める。

 ヤバい! 

 

『月よ、穿(うが)て』

 

 大剣槍から黒い閃光が放たれる。

 同時に周囲の光球からも赤い閃光が。

 回避する暇もなく、俺は巨大な爆発に巻き込まれた。




>全般的に命中率の低い
「鋼鉄ジーグ」が元ネタ。射撃武器が割と役に立たないロボットである。
例えば腹から直線状の磁力ビームを打ち出すスピンストームはブレストファイヤーやゲッタービームに相当する必殺武器のような位置づけのはずなのだが、全45話で命中したのがたった5回。しかもそのうち1回はサポートメカであるビッグシューターへの誤射。
完全に直撃したのに良くヒロイン死ななかったな!
逆にジーグブリーカーやダイナマイトキック、マッハドリルと言った近接技、突貫技は命中率も決め技率も非常に高い。
やっぱり近接格闘はスーパーロボットの華なのだろうかw
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