異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
『ディバイディング・スコッパァァァァァッ!』
スコップの剣先が砂浜に刺さる。
光の直線が走り、空間が歪んで直径数キロの戦闘フィールドが形成される。
巨大な穴・・・観客のいない闘技場へ、鋼鉄の巨人とガラスの女神は静かに着地した。
『・・・』
『・・・』
彼我の距離は100m。
俺は拳を構えたファイティングポーズ。
レヴィータさんは大盾に半身を隠し、大剣槍の切っ先をこちらに向けて待ち受ける構え。
『・・・合図はどうします』
『もう始まっている、と言うことでよろしいのでは』
言葉が途切れた。
互いに構えは変わらない。
静かに時間が過ぎる。
俺が右腕を引く。
ガラス・アテナが同様に槍を手元に引き付けた。
張り詰めた空気。
一瞬の『機』が、それをガラスのように打ち砕く。
『ロケットパーンチ!』
『
空飛ぶ拳。
槍の先端から放たれる白色の光線。
両者は空中でぶつかり合い、相殺される。
『豪子力ビーム!』
間髪入れずに目からビームを放つ。
ガラス・アテナは反撃の光線を放たず、大盾でそれを止める。
元が幻刻だからなのか、チャージには時間がかかるのかもしれない。
なら、一気呵成に攻め立てる!
『ミサイルラッシュ! ミサイルドリル! 豪子力ビーム! ブレストヴォルケイノ! ビームフリーザー!』
実体弾とエネルギー兵器の乱射。
エネルギー兵器は盾で受け、実体弾は華麗な空中起動で滑るようにかわすガラスの戦女神。
先ほどの水竜との機動戦もそうだったが、こんな時でなければ見とれてしまうほどに流麗で美しい。
元々クリオネというのは、ゆらゆら浮いているだけに見えて機動性の高い生物だ。
長距離走は苦手だが、近接距離での動きは目を見張るものがある。
水族館で野生化してた人喰いクリオネみたいに、透明化能力が無いだけまだマシかな!
『っと! ヘキサクロスト・ナイフ!』
時折放たれる白い光線をかわしつつ、翼から放たれる超合金Σ製の六方手裏剣もプラスする。
くそう、かなり広い範囲にバラマキしてんのに全然当たんねえ!
「蝶のように舞い」という形容がこれほど似合う動きもそうはあるまい。
あるいはバレリーナかフィギュアスケーターみたいなと言うべきか!
だがこれに対抗する手段も、既にある!
しかしそれを実行する前に!
『エスパーアイ・透視光線!』
腹からのミサイルラッシュと、左肘からの貫通弾、翼からの六方手裏剣(上に射出して、ランダム軌道でばらまいているのだ)を維持しつつ、スコップから刀に戻したムラマサの、柄元の宝玉を覗き見る。
姫様本体は・・・頭部か。顔の奥の赤い宝玉の中っぽいな。
何か凄い魔力を放つ、黒い優美なフルプレートを装備している。
重装備パイロットスーツのように見えなくもないが、多分さっき言ってた、幻刻発生装置の力を組み合わせたアーティファクトがこれだな。
ともかくも居場所はわかった! なら頭部だけ残して跡形もなく消し飛ばしてやる!
フィードバックが来るかも知れないが、それくらいは我慢して貰おう!
『スロットセット! 鋼身ジークフリートぉ!』
デモゴディの全身を覆う豪子力の輝きに磁力の稲妻が加わる。
同時にドラゴニック・スクランダーの出力をトップに叩き込み、突貫する。
ガラス・アテナや水竜が機動力特化なら、デモゴディは直線番長。
機動性では負けていても、直線飛行速度では圧倒している!
そしてスロットに入れたのはマグネットロボシリーズ第一作、『鋼身ジークフリート』。
全般的に命中率の低い武器だらけの中、圧倒的な命中率と決まり手率を誇るこの必殺技!
『マグネティック・フォース・オンッ!』
稲妻のような光がガラスの女神を捉え、こちらに引き寄せられていく。
元よりパワーではこちらが圧倒的に上! 捕まえてしまえばこちらのものだ!
ガラス・アテナを両腕で抱え、固定!
『ジークフリートブリーカーッ! 死ね・・・』
『いやぁん、ハヤトさまのえっち(はぁと)』
ブッフォォォォォォォ!?
『いきなり何を言いやがる!?』
『ごめん遊ばせ。いっぺん言ってみたかったんですの』
思わず拘束が緩んだ隙に、デモゴディの腕を振り払うレヴィータさん。くすくすと笑いながら距離をとろうとするが、させるか!
『ブレストヴォルケイノ! 豪子力ビーム!』
三万度の熱線。
豪子力の閃光。
至近距離から放たれたそれを、さすがのガラス・アテナも回避することは出来なかったが、両方を左の大盾でほとんど完全に防いでしまう。
くそう、さすがレヴィータさんだ。女神像のスペック以上に中の人の戦闘力が高い!
しかし反射的に使い慣れたデモゴディの武器を使ってしまったが、マグネティック・フォースを再発動しときゃよかったな!
そうすれば・・・なんだ? ガラス・アテナが翼を広げて舞い上がった。
『色々教えて頂きましたし、わたくしの方からも説明をしないと片手落ちですね。
先ほども申し上げた通り、このガラス・アテナは魔法装置で作った幻刻に、今私がまとっております
今から使うのはその機能の一つ。吸収した魔力をそのまま相手に撃ち返すものですわ』
その言葉と共に、大剣槍が黒く変色する。
同時に胸の赤い宝玉から、同色の輝きが十三、飛び出して周囲を旋回し始める。
ヤバい!
『月よ、
大剣槍から黒い閃光が放たれる。
同時に周囲の光球からも赤い閃光が。
回避する暇もなく、俺は巨大な爆発に巻き込まれた。
>全般的に命中率の低い
「鋼鉄ジーグ」が元ネタ。射撃武器が割と役に立たないロボットである。
例えば腹から直線状の磁力ビームを打ち出すスピンストームはブレストファイヤーやゲッタービームに相当する必殺武器のような位置づけのはずなのだが、全45話で命中したのがたった5回。しかもそのうち1回はサポートメカであるビッグシューターへの誤射。
完全に直撃したのに良くヒロイン死ななかったな!
逆にジーグブリーカーやダイナマイトキック、マッハドリルと言った近接技、突貫技は命中率も決め技率も非常に高い。
やっぱり近接格闘はスーパーロボットの華なのだろうかw