異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
ダン・ハヤト 現代日本からの転移者。16才。《ロボットアニメの加護》を持つ。父親の教育でロボットアニメが好き。
アルテ ヒロイン。16才。《怪力の加護》を持つ力持ち少女。ハスキー一座の怪力芸とおさんどん担当。駄肉。
タチバナ・カオル ヒロイン。16才。ハヤトと同じ転移者で《魔剣の加護》を持つ。美形で天才で善良で馬鹿正直。家事全般がバツ技能。
リタ ヒロイン。7才。動物と話せる《会話の加護》を持つ。一座の動物使い。
シルヴィア ヒロイン? 28才。一座の座長で歌姫のあだっぽい美人。腕っ節も強く気っぷもいい。眼帯巨乳。
ペトロワ 魔女で一座の知恵袋。主人公とカオルの魔術の師匠でもある。
ガイガー リタの父。剣とコマ芸の達人。ヒゲモジャで無愛想。不機嫌なときには鍔を鳴らす(主にハヤトの女関係)。
アーベル 経歴不詳の小人族。軽業と道化芸と忍び技の名人。顔が濃いラテン系。
ラファエル ドワーフの吟遊詩人。ヒゲモジャだけどイケメン。笑うと歯が光る。
オブライアン 魚人妖精(オアンネス)の学者。好奇心旺盛。多少の魔術の心得がある。
デモゴディΣ(シグマ) 元祖巨大ロボットにしてハヤトの最推し。ハヤトは感情が高ぶるとこれに変身巨大化できる。
第一話 戦国自衛隊
だんだんだんだだだーん だんだんだだだーん だっだだだっだだだっだだだーん♪
どんよりした暗い空。雪がちらつく中、勇壮なマーチを響かせながら「それ」が地響きを立てて俺の目の前を通過していく。
何と言うか、もの凄く聞き覚えがあるし見覚えがある。
なんすかね、これ。
アルテさんや、ちょっとわたしのほっぺたをつねって下さいませんか。
ひょっとしたら夢かも知れないあいだだだだだだだだ!
「ご、ごめん大丈夫?!」
うん大丈夫、目がさめた。
これで消えてくれないって事は夢じゃないな。
「ボクにも同じものが見えているだろうから、夢じゃないと思うよ・・・多分」
俺同様に呆然と目の前の光景を見ているカオルくん。
余りの衝撃ゆえか、その顔にはどんな表情も浮かんでいない。
ごめんなさい、こう言う時どういう顔すれば分からないの。
口あんぐりしてれば良いと思うよ・・・
ぱぱぱぱ ぱーぱーぱーぱぱ ぱーぱぱぱーぱぱ ぱーぱーぱーぱぱ~♪
「ふむ、中々良い曲ですな。お二方が反応していると言う事はニホンの音楽ですか。
察するところ『あれ』もニホンのものですぞ? 随分と驚かれているようですがですぞ」
トレードマークのバイオリンも止めて耳を傾けるラファエルさん。
アーベルさんやシルヴィアさんも気に入ったのか、指や足で調子をとっている。
目を丸くするリタ、キラキラさせるオブライアンさん、鋭く眼を細める師匠。
ガイガーさんだけはいつもの調子だが、それでも「それ」を注視している。
いや、そりゃ驚くよ。なんで・・・
「なんで・・・」
「「なんで戦車がこの世界にあるんだーっ!?」」
声を揃えて絶叫する俺達の前で、自衛隊制式第三世代主力戦車、90式の集団が地響きを上げて通過していく。
キャタピラきゅらきゅらすっとんとん。
ぱぱぱぱ ぱーぱーぱーぱぱ ぱーぱぱぱーぱぱ ぱーぱーぱーぱぱ~♪
流れ続ける音楽、途切れない戦車の列。
戦車も驚きだがこれも驚きだよ!
「え、ハヤトくんこの音楽知ってるの?」
まあおたくなら間違いなく耳にしたことはあるだろう曲だが・・・カオルくんもひょっとしたら聞いたことくらいはあるんじゃないの?
「有名な曲? うん、言われてみると確かにどこかで聞いたような気はしないでもなかったんだけど・・・」
怪獣映画好きな人なら100%、一般人でも高確率で知ってる曲やで。
業怒児雷の有名なテーマ曲や。ただし自衛隊の。
「業怒児雷の!?」
業怒児雷。「ゴッドジラ」と読む。
「怪獣」という概念を打ち立てた、日本が世界に誇るキャラクター、怪獣王ゴッドジラ。
いわゆる伊覆部マーチとして知られる劇伴の中でも特に有名なものの一つ。
それが今大音量で流れている「怪獣大闘争のマーチ」だ。
良く訓練されたおたくなら、これを聞くだけで戦車やパラボラ状のメーサー戦車が怪獣に攻撃を仕掛けているシーンが思い浮かぶだろう。
「あー、それかなあ。小さい時に見た映画で聞いたかも。バラの怪物が出てくる奴」
多分それだ。
あれに出てくるマッドサイエンティスト、ホント頭おかしかったよな。
死んだ娘の細胞を採取して薔薇とのキメラ作るわ、業怒児雷細胞の研究ダメ絶対とか言いながら細胞盗んでその薔薇に組み込むわ、それで怪獣が生まれたのに反省ぽい事一切言わない上に、「科学など政治の道具だよ」「本当の怪獣は人間です」などと人類全体に責任転嫁して自分の責任を一切認めない、清々しいほどのクソ野郎であった。
「うん、ボクも『そこで謝らないの!?』って強烈に覚えてる。あれはないよねえ・・・」
だよなあ・・・ラストで暗殺されたのだがあれ、観客は悲しんだ人より「よくやったっ!」って人の方が多かったんじゃなかろうか?
そんなことを話していると、頭をコンコンと杖で叩かれた。
「こりゃこりゃ。盛上がるのはいいが、わしらを置いてけぼりにするでない。
結局あれは何なんじゃ? わしの知る限り、あれはニホンの兵器なんじゃが」
はいその通りです。と言うかホントよく知ってるなこの人!?
戦車なんてどこで見たんだ。もしかして戦車召喚する奴とかいたのか?
「いや、オリジナル冒険者の持ち込んだ書物をな。
既に天寿を全うしたが、それらの本を手本に、そやつに新しいニホン語の読み書きも教えてもろうた」
新しい?
「ほれ、ニホン語も古いものだと書き方が随分違うじゃろ? そうでもないのか?」
ああ、古文みたいな奴に比べればそうか。江戸時代から来てるんだもんな。
二葉亭四迷先生! 夏目漱石先生! 新文語の力お借りします!
と言うか師匠、日本語の先生が既に天寿を全うしたって、マジでおいくつなんです。
「女に年齢と体重の話題は禁句じゃぞ」
ニヤリと笑う師匠。まあ突っ込んで五千才とか言われても怖いからなあ。
この話題は流しておこうそうしよう。
「それで、なんで戦車がここにあるんです? ひょっとして、日本人やその持ち物が大規模に召喚されたとか有り得ます?」
既に通り過ぎた戦車の列を見送りながら俺。
戦車のハッチは固く閉ざされていて、中に誰がいるかは分からない。
まさかとは思うが自衛隊の戦車部隊が丸ごと召喚されたとか、「戦国防衛軍」みたいな状況だったりするのか・・・?
「わしにわかるわけなかろう・・・小僧。もしそちらの軍隊が丸ごと召喚されたとしたら、どう動くと思う?」
・・・難しいところですね。
「戦国防衛軍」では最初この時代には関与しない路線だったが、色々あって結局現代兵器で蹂躙方向に舵を切り、最後には歴史を修復不能なまでに変えた挙句全滅する。
創作だとそのまま大人しくしてたら話にならないから、というところがあるとはいえ・・・五分五分、ってとこでしょうか。
「五分五分、か」
厳しい視線を戦車の隊列に向ける師匠。
俺も実際不安を感じずにはいられない。
ガイガーさんみたいな規格外が存在するとはいえ、この世界の人間も大半はあちらの世界の人間と大差ない。
戦車や近代銃器があれば、小さな国くらいは攻め落とせるだろう。
ましてや操縦者は全員オリジナル冒険者族だ。鍛えれば兵器無しでも国一つくらい攻め落とせる。下手すれば世界征服も・・・
『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!』
ビリビリ、と腹に響く咆哮が俺の思考を中断させる。
これゴッドジラの吠え声だーっ!?
>業怒児雷
人間の業から生まれた怒りの落とし児が雷鳴の如く世界を闊歩する云々。
「ゴッドジラ」はゴジラの英語表記「godzilla」と、エメリッヒゴジラ(マグロ食ってる奴)が本家(ファイナルウォーズ)に出た時に「あれはパチモンだから、本家から『GOD』を取って『Zilla』でいいだろ」という理由で名前が決まったというエピソードから。
なお作中でエメゴジがシドニーのオペラハウスと一緒に爆砕されたため、作者はシヴィライゼーションで世界遺産オペラハウスを建てるたびに「あ、マグロ野郎と一緒に爆砕されたやつ」と思い出してしまう。
>怪獣大闘争のマーチ
怪獣大戦争のマーチ。
平成以降のゴジラ映画見てる人なら、多分どこかで聞いたことはあるはず。
https://www.youtube.com/watch?v=sjN7RNOv6hw
>清々しいほどのクソ野郎
「ゴジラ対ビオランテ」の白神源一郎。あやまれよ! 一言くらい!
>二葉亭四迷先生! 夏目漱石先生! 新文語の力お借りします!
言文一致体とも言う。要するに今我々が読んだり書いたりしてるような文章。
逆に江戸時代までのいわゆる古文に相当する物を文語体という。
明治時代にこうした話し言葉をそのまま文章にする運動を開始したのが二葉亭四迷や夏目漱石。
現在の日本語のかなりの部分はこう言う人達が作った。
なおこのセリフ自体はウルトラマンオーブのパロ。
最終回のマンとティガの力お借りします変身は最高やった・・・!
>戦国防衛軍
戦国自衛隊。
異世界転生俺TUEEEの日本におけるパイオニア(ぉ