異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三話 ハヤト、大地に立つ!(自活的な意味で)

 みんなで車座になって焚き火を囲みながら、ワイワイと楽しくお食事をしている。

 メニューは具のたっぷり入った穀物がゆ? 雑炊? みたいなのと、マスタードみたいな奴の付いたソーセージ、ゆで卵、ナッツにドライフルーツ、ビスケット。生野菜のサラダもある。

 

「結構豪華だね」

王都(プルフィールド)で仕入れたばかりだからね。新鮮な食材は今のうちに食べないと傷んじゃうんだよお兄ちゃん」

「なるほど」

 

 やっぱこの世界冷蔵庫とかないんやな。

 ちなみにリタちゃんは赤、青、黄、緑と10匹ほどのカラフルなハムリスに話しかけながらエサをやっていた。

 小動物の鳴き声にいちいち頷いたり応えて上げたりしているのを微笑ましく思いながらモリモリと飯を食う。

 助けて貰った上に御馳走になって少しは遠慮しろと我ながら思わないでもないのだが、死ぬほど腹が減っていた。

 昼飯食ってないのとあれかな、デモゴディになって修道院を・・・

 

「そう言えば山のてっぺんの修道院が吹っ飛んだの、凄かったな」

「ブーッ!?」

 

 アーベルさんの何気ない一言に思わず吹き出す俺。口の中にほとんど料理が残ってなくて助かった・・・じゃなくて!

 

「ど、どういう事? 吹っ飛んだ?」

「あー、ボウズは川流れしてたころだからそりゃ知らんか。王都の城は山の麓にあるんだが、その山のてっぺんに王族専用の修道院があるんだ。

 山の上で大きくて真っ白な建物だから結構遠くからも見える。王都の周りだと道に迷ったときに目印にするくらいでな。

 で、俺達が勇者の出陣パレード見物して王都を発った半日くらい後にスゲえ音がして、振り返ってみたらもの凄い煙というか雲が巻き起こって、それが晴れたら修道院が丸ごと吹っ飛んでた・・・ん、どした、大丈夫か」

「ハハ、イエ、ダイジョウブデス」

 

 冷や汗をダラダラ流して不審者めいた反応をする俺。

 そうだよなあ! やっぱそうなるよなあ!

 と、そこであのクソ国王の言ってた事を思い出す。

 

「あれ、その勇者って確かオアンネスの人達と・・・魔族とか言ってたけど」

 

 それを口に出した途端、一気に雰囲気が暗くなった。

 あれ、オレ何かしちゃいました? いや聞くまでもなく、しちゃったよなあこれ!

 溜息をついて座長さんが話し始める。

 

「まあそうだね。この国は長いこと東の海のオアンネスと仲良くやってきたんだけど、今の王様になってからオアンネスの海の漁場を狙って緊張状態にあるんだよ。

 魔族なんて言い始めたのも今の王様さ。

 そんで王様も喧嘩を売ったは良いけど、そりゃ水の上で魚人妖精に勝てるわけないだろ?

 それで勇者――オリジナル冒険者族を呼んでどうにかしようってハラだろうさ」

 

 オリジナル冒険者族というのは、まあ要するに異世界召喚勇者みたいなものらしい。大体黒目黒髪って言うから日本人っぽくて、その人達の子孫も冒険者族って総称されてるそうな。

 

「・・・僕達は仲良くしたいんですけどね」

「・・・」

 

 ぽつりと言ったオブライアンさんに、俺は語る言葉を持たなかった。

 

 

 

「そ、そう言えば料理美味しいですね! アルテさんが作ってるの?」

「アルテでいいってば」

 

 アルテが苦笑する。いたたまれない俺による露骨な話題転換に苦笑の気配が漏れ、再びシルヴィアさんが話題に乗ってくれた。

 

「まあね。この子はウチで一番の料理上手だから」

「一番食べるのもアルテちゃんだけどねー!」

「ングッ!」

 

 リタの付け足しに、アルテが雑炊を喉につまらせ、周りから笑いが起こる。

 

「リタ! 余計な事は言わなくていいの!」

「だって本当の事じゃない!」

 

 焚き火に照らされたその顔が心なしか赤い。

 

「あんたらも笑うな! 笑った奴には柱立て手伝わせるよ!」

 

 周囲の男どもをじろりと睨むと、アーベルさん、ラファエルさん、オブライアンさんがさっと目をそらす。

 ちなみにペトロワさんとシルヴィアさんも笑っていたが、ガイガーさんだけは我関せず黙々と雑炊を腹に詰め込んでいた。無愛想にもほどがあるなこの人・・・。

 

「え? 柱立てって力仕事だよね? アルテさん・・・アルテがやってるの? 男手あるのに」

「まあ、私力持ちだからね」

「アルテちゃんの《加護》は《怪力の加護》なの! すっごい力持ちなんだよ!」

 

 前にも言ったが《加護》はこの世界の人間なら誰でも持っているギフトとかスキルみたいなもので、俺やカオルみたいなオリジナル冒険者族は特に強力な《加護》を持つらしい。

 ちなみに一番多い《加護》は《健康の加護》だとか。

 

「なるほどそれで・・・」

 

 鉄鍋や料理を軽々と運んでいた姿を思い出して頷く。

 

「沢山動くぶん沢山おなかが空くだけだから! 大食いな訳じゃないんだからね!」

「アッハイ」

 

 赤い顔で睨みつけてくる彼女に対し、俺はコクコクと頷く以外にすべを持たなかった。

 

 

 

 食後、テントの中に呼ばれる。中にはシルヴィアさんとペトロワさんだけだ。

 お二人が何やら話した後に、この一座に置いて貰えることになった。当たり前だが行く当ても頼る当てもないので非常にありがたい。・・・多分国に追われてるだろうし・・・

 

「それで? 置いてやるとは言ったけど、あんた何か出来るかい?」

 

 ついに手酌どころか、瓶からグビグビ飲み始めたシルヴィアさん。

 

「えーと・・・読み書き計算なら」

「それだけじゃ売りにはならないねえ。この一座で読み書きできないのなんざ、リタくらいだよ」

「マジスカ」

 

 目を丸くする俺。

 普通こう言う世界ってもっと識字率低いもんじゃないの?

 どれだけ教育普及してるんだよ。

 

「まあこの一座は勉強している奴が多いが、そうでなくてもオリジナル冒険者族には妙に教育熱心なのが多いからの。四千年近い地道な努力の成果と言えるか」

 

 ほっほっほ、と笑う魔女のペトロワおばあちゃん。

 

「へー・・・」

 

 まあ確かに日本人ならそう言うことするかなあ・・・。

 って、今聞き捨てならないことが聞こえたんですけど。

 

「四千年? そんな前からオリジナル冒険者族が?」

 

 縄文時代やぞ。森で毛皮着て狩猟採集活動してたころやぞ。

 

「向こうの世界・・・ニホンとこのサイモックは時間の流れにズレがあるらしくての。ニホンとこちらで十倍の差があるらしいんじゃ」

「ああそれで・・・」

 

 頷く俺。

 四百年前なら関ヶ原の頃か。

 明治時代から来たとしてもこっちだと1000年以上前だし、近代的な教育を受けた人達が流れ着いてきたんだろうなと納得する。

 そんな俺に眼を細めるペトロワおばあちゃん。

 

「・・・で。小僧は何故四千年という数字に驚いたのかの?」

「ファッ!?」

 

 一瞬にして顔から血の気が引き、全身に冷や汗が吹き出す。

 そりゃそうだ! 日本の歴史知らなきゃ違和感覚えるわけがない!

 

「・・・」

 

 にこにこと笑うペトロワおばあちゃん。

 わかってるのかわかってないのか、酒をラッパ飲みしてあははと笑う座長さん。

 結局俺は洗いざらい白状させられることになった。

 多分アニメならデフォルメされたマスコットが画面を横切って場面転換する奴だ。

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