異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四章「三大怪獣地上最大の決戦」
第二十七話 タキオンの速さで歩け


「勝った方が我々の敵になるだけです」

 

     ――「ゴジラvsビオランテ」――

 

 

 

「先生・・・いいんですか?」

「良いも何も、守りの要のミーヴ(センター)はリタイアせざるをえんし、シカリの念動魔球もお前とハヤトくん、ガイガー殿にはもはや通じん。

 一方でこちらの打撃は三回終わって9打席凡退だ。このまま続けても勝てる気はしないなあ」

 

 はははと、屈託なく笑う川分さん。

 ・・・もしかして最初からそのつもりで?

 

「おいおい、最初から負けるつもりで勝負を仕掛けるものかね。

 こちらとしては最低でもカオルと君を引き込むつもりだったさ・・・戦力計算が甘かったのは認めざるを得ないがね」

 

 チュパくんを、とは言わないんですね。

 

「一部の術師は執着していたが、戦力には余りならなそうだったからね。

 正直君たちの方が遥かに戦力としては期待できるし、実際そうなった。それだけだよ。

 ではな」

 

 そう言って身を翻す川分さん。

 

「・・・川分先生!」

 

 川分さんが立ち止まる。だが振り向かない。

 

「今の私はライゾムだ、カオル。

 儀式も行ったし、彼には手を出さない。

 しかし、私たちの本拠地に来るというなら、相応の覚悟をしておきなさい」

「・・・」

 

 無言で立ちつくすカオルくん。

 川分さん・・・『騎獣を招来するもの(コールライド)』の首領ライゾムは、そのまま振り向くことなく去っていった。

 

「・・・ほら、何辛気くさい顔してんの!

 ともかくもチュパくんはあいつらから自由になったんだから!

 それを喜びましょ!」

 

 俺とカオルくんの背中を、アルテが強く叩く。

 痛い! 痛いって!

 カオルくんも苦笑している。

 

「強すぎるよ、アルテ。・・・ありがとね」

 

 こう見えてアルテさんは気が利くし繊細なのである。

 だからカオルくんの肩を叩く二の腕がプルプル揺れているのは見なかったことにし・・・ぐはっ!?

 

「どこ見てんのよっ!?」

「君は本当に駄目な奴だなあ・・・」

 

 喉元を襲った強烈なラリアート。

 きりもみバウンドして倒れた俺に、カオルくんの憐れみを含んだお言葉。

 だってホントにプルプル震えてるんやもん・・・!

 

「まだ言うかぁっ!」

 

 瓦を割るが如くの打ち下ろしが俺の後頭部にヒットし、俺は顔面を地面にめり込ませて意識を失った。

 

 

 

 それから半月ほど興行をして、俺達は大成功を収めた。

 何せ他の旅芸人はみんな町から逃げ出してしまったのだ、独占状態という奴である。

 次はいよいよ首都ヌスタァダム。

 南西へ馬車は進む。

 

『さあ、貴様のロボに隠された反中性子爆弾を爆発させるのだ! さもなくばワシが貴様を殺す!』

 

 例によって移動中に上映しているのは「七神合体ゴッドマルス」。

 いかにも『悪の首領オブ悪の首領』みたいな声が主人公に強要する。

 ズーリ皇帝が正義だ!

 

「あのさあ、ハヤト。ちょっと疑問があるんだけど」

「奇遇だね、ボクもだよ」

「リタも」

「アタシもだ」

「きゅー」

 

 うんまあ言いたいことはわかる。

 俺も割と本気で突っ込んだからな、ここの部分。

 はい、代表してアルテさんどうぞ。

 

「従えば自爆して死ぬし、従わなければやっぱり死ぬし、なんでマルスが従うって思うの、この黒ずくめは?

 皇帝のためなら死ねます!みたいな人ならともかく、敵でしょ?

 どっちにしろ死ぬんだったら逆らって一発ぶちかましてやる!ってのが普通の考え方だと思うんだけど」

「だよねえ」

 

 うんうん、と他のメンツが頷く。

 驚くべき事にガイガーさんまで頷いていた。

 この人をして突っ込まざるを得ないレベルかー。

 

「で、どうなのよそのへん?」

 

 はっきり言ってわかりません!

 まあ支離滅裂だからこそ、宇宙征服みたいな馬鹿な事考えつくんじゃないかな!

 こいつの正体人間じゃなくて悪霊みたいなもんだし!

 

「うーん・・・結構いい加減だねえ・・・」

 

 まあ昔のアニメですから・・・アニメでなくても昔の創作って時々ご都合主義というか支離滅裂な展開になるのってあるし・・・何なら今でもドラマとかアニメとか映画とか、ツッコミ所満載! むしろツッコミ所しかねえ!って作品は良くあるし・・・

 何とは言わないが。何とは言わないが!

 

「うんまあそれは確かに否定しないけど・・・」

「『ロメオとジュリエッタ』も毒飲んで仮死状態になるくらいなら、普通に駆け落ちしろよって突っ込んだからねえ・・・」

 

 ですよねー。

 毒で仮死状態になって誤解から片方が後追い自殺するのと、逃亡中に捕縛されて殺されたり自殺したりするのだと、どっちがドラマティックだろうか?と言う問題はあるが・・・。

 

「『シンダー・エラ』の毒リンゴなんかは魔法だからまだいいけどさあ」

「地球の話だと、魔法ってご都合主義の言い訳にされてることも多いからね・・・」

「こっちの世界でもそこは余り変わらないかねえ」

 

 肩をすくめるシルヴィアさん。

 そのまま話はこの劇のあっちが良かった、こっちが良かった的な話に移行していく。

 整合性ってのは必須ではないけど、余りにアホ臭いと白けてしまうからな。

 最低限は欲しいところだ。

 ゆ●理論や「熱収縮って知ってるか?」でもないよりはマシなのである。

 

「そう言えばヌスタァダムに着いたらどうするの? 遺跡を探すの?」

 

 ペトロワ師匠も魔術だけで探すのは難しいみたいな事言ってたからなあ。

 でも多分向こうの方から接触して来るよ。

 川分さん・・・ライゾムのことだ、チュパくんには手を出さないだろうけど、多分彼にとって俺達はもう無視出来ない相手になっている。

 積極的に来るか、受けに回って誘ってくるか、直接攻撃か、搦め手でか。

 それはわからないけど、間違いなく放置はしない。

 

「先手をとるか、後の先を取ってカウンターを狙うか、そんな感じかな」

 

 多分ね。

 ヌスタァダムへの途中で仕掛けてくることもないとは言えない。

 さて、次回予告も終わった事だし、次の話の上映準備をするか。

 

「これだけ脅しておいて、のんきに"あぬめ"鑑賞続けるの?」

 

 一日中ピリピリしてても良いことはないからね。メリハリやで。

 それに師匠とガイガーさんとアーベルさんとリタの小鳥が全力で警戒してるんだ、滅多な事では不意打ちは食わないよ。

 俺もミストヴォルグのドローンとセンサー全開で周囲警戒してるし。

 

「ならいいけど・・・」

 

 さーて、次はついにアクシン星クライマックスやで!

 乞うご期待!

 

「・・・やっぱ自分が見たいだけじゃない?」

「まあ楽しみにしてる人も多いし・・・」

「警戒してるのは嘘じゃないから・・・」

「別にいいじゃん。男のちょっとした嘘を見逃してやるのもいい女の条件さね」

 

 アーアーキコエナーイ。

 

『タキオンの速さで歩け~♪』

 

 周囲の畑にゴッドマルスOPを響かせつつ、俺達の馬車は街道を進んでいった。




>悪の首領オブ悪の首領
ズール皇帝の声=ショッカー首領=デストロン首領=大首領=ネオショッカー首領=クライシス皇帝の声ですw
銭形警部やメルカッツ提督でもありますけどw

>従えば自爆して死ぬし、従わなければやっぱり死ぬ
実際作中でもそう言う訳のわからない展開です。まあ藤川桂介って結構雑な脚本書くしなあ・・・

>ズーリ皇帝が正義だ!
スパロボ64に出てきたガンダムWの五飛のセリフが元ネタ。
ズール皇帝に洗脳されてこう言うセリフを吐いたのを未だにネタにされる。

>「熱収縮って知ってるか?」
とある魔術の禁書目録の「熱膨張って知ってるか?」が元ネタ。
これももう20年くらい前のネタやなw

>タキオンの速さで歩け
ゴッドマーズOP歌詞「光の速さで歩け」が元ネタ。
これも割とツッコミ所が多いw
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