異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十二話 平安京エイリアンの術

 リーヴィル(大)たちが消えた闇を、シルヴィアさんは睨みつけている。

 

「ばあさん」

「なんじゃ」

「見たものなら追いかけられる、だったね?」

「既にやっとるわい。北の方に向かっておる」

「ライゾムの本拠地のほうだな」

 

 口を挟んだのはアーベルさん。

 

「リーヴィルが止まったら探りにいっとくれ。

 こっちからカチコミだ」

 

 まー、しょーがないっすねー。

 どのみち最初からそのつもりというか、そうなるとは思ってたけど。

 

「まあそうなるのですぞ」

「荒事は苦手なんだけどなあ」

 

 溜息をつく(比較的)平和主義者二人。まあ今回は諦めて貰おう。

 

「例の、リタ達が聞いた心の声の主もそこにいるのかな? 先生、どうでしょう?」

「なんともなあ。まあ可能性としてはありうるの」

「それはないよ。あれがいるのは南東の森だもの。ほら、オズさんが逃げてきたって施設の更に地下だと思う」

 

 視線がアルテに集中した。

 

「え、え、何?」

「・・・アルテ。何故そんなことが分かるんじゃ?」

「え・・・あー。なんでだろう。でも多分そうだって思ったの」

 

 ふむう。まさかと思うけど、カオルくんにあのクソ女帝ハルギアが取り付いた時みたいになってるとかあります?

 

「ありえなくはないのう。アルテ、ちょっとそこに立て」

「そう言うのじゃないとは思うけど・・・あ、でもそうしたら取り付いてる幽霊のせいってことでハヤトに迫れるかも?」

 

 アルテの妄言にぎろりと光る六つの目。

 

「ちょいと、アルテ?」

「アルテちゃん?」

「先生、霊体を斬る剣とかあります? 除霊するついでにアルテの肉もちょっと削ったりしちゃうかもしれませんが、些細な犠牲ですよね?」

「や、やだなあ、冗談だって、あはははは・・・というかカオルにだけは言われたくない!

 ハルギアのせいにしてさんざんいい思いしたくせに!」

「あ、あれは本当にハルギアが・・・」

「動くなと言っておろう!」

「痛い!」

「痛っ!」

 

 炸裂する師匠の杖。

 あー、被害範囲外にいるのって素晴らしい。

 

「まあよいわ。取りあえず問題はないぞ。霊のたぐいは憑依しておらん」

 

 じゃあなんでアルテがそんなこと知ってるんだ?

 

「わかんない・・・何となくわかったって言うか・・・今にして思えば、頭が痛いのもそいつの声だった気がするのよね。今でも時々聞こえてるし」

 

 師匠とリタが頷く。

 考え込むシルヴィアさん。

 

「ふむ・・・まあそれはおいとこう。

 ばあさん、ガキの方のリーヴィルの居場所はわかるよな? 顔見てたはずだろ」

「わかるはずじゃがわからん。つまり、わしの術を阻害するような場所にいるか、何らかの処置が取られていると言うことになるのう」

 

 例えば遺跡研究所の中とか?

 

「そう言う事じゃ。まあ結界に放り込まれてる可能性もゼロとは言えん」

「じゃあやっぱり確認は必要だね。アーベルとばあさん、ハヤトが関係各所を探ってガキの方のリーヴィルが見つかったら、あるいは見つからなかったら行動開始だ」

 

 うっす。

 

 

 

 あれから数日。

 出番以外は透明化してあちこちのお屋敷やヤクザの別邸を探し回る日々。

 なおこの間に、師匠の脳みそクチュクチュによって問題の遺跡の詳細な地図が完成した。

 無茶しやがって・・・と思ったら意外と元気で、ちょっと辛そうではあるけど普通に夕飯を食べていた。何で!?

 

「オズ殿は日常的に脳を使っておるからの。小僧とはここの鍛え方が違うんじゃよ」

 

 などと、師匠の杖でオデコをコンコンと叩かれてしまった。

 ぐぬぬぬぬ。

 まあ閑話休題(それはさておき)

 

「やっぱり街中にはいないか」

「結界みたいなものが張られてるなら逆にその魔力が感知できると思いますけど、ミストライカとミストソーカル・・・あー、分身みたいなものを放っても見つかりませんでしたので、まあ多分そうじゃないかと」

 

 前にも使ったミストヴォルグの強化パーツ、猟犬と鷹型のドローンである。

 センサーは本体同様、光学迷彩も発動可能で、探索にはもってこいだ。

 科学によって作られたマシンなのに魔力感知機能があるのはどういう事だと思うが、異星のオーバーテクノロジーを導入しているからその辺も適応しているんだろう、まあ多分ね。

 

「よし、それじゃ行動開始だ。まずアンタが街中で組織に関係ある建物を全部ぶっ壊す。

 その間にあたしらは本命の遺跡にカチ込んで、リーヴィルのガキを奪還してチュパを元の世界に戻す――いいね、リタ?」

「・・・うん」

 

 リタがチュパくんをぎゅっと抱きしめる。

 

「きゅー」

 

 リタの気持ちを感じとったのか、チュパくんが彼女の頭を撫でた。

 いい子やなあ。

 というか何気に俺が無茶ぶりされてるんですけど!

 ヤーさんとしての根拠地だけでも大小十軒以上あるから、かなり時間かかりますよ?

 

「構わないさ。陽動でやられちゃ話にならないからね。何だったら途中で切り上げてもいい」

 

 うす。

 実は捜索中、ミストライカとミストソーカルも、何回か光学迷彩を見破られてる。

 そのうち二回は一瞬で破壊された。

 音も姿も隠してたのに、気配だけで察知するんだもんなー。

 さすが一国の王都を仕切る巨大組織、質の方も半端ない。

 

 調べてみたがこいつら、なんと下水道にまで見張り立ててやがった。

 油断がなさ過ぎる。

 ・・・が、それならそれでやりようはあるというものだ。

 

「ハヤトが悪い顔してる」

「こう言う顔してる時のこいつは当てになるよ。さ、そろそろ行こうぜ」

 

 日が暮れると同時に、俺達は全員姿を隠して野営地を出た。

 

 

 

「たまんねえな。誰も彼もピリピリしてやがる」

「ったりめーだろ、馬鹿」

「てっ」

 

 ライゾム一家の門前、見張りに立つヤクザ達。愚痴をこぼした舎弟を、兄貴分がこづく。

 

「ライゾムさんと互角にやりあう剣士がいて、タマ遊びたぁ言え幹部のお歴々を繰り出して負けてんだぞ。むしろオメェがのんきすぎるんだよ」

「マジッすか!? でもそれなら結構ヤバいんじゃ・・・」

「馬ぁ鹿」

「いてっ」

 

 兄貴分がもう一度舎弟をこづく。

 

「互角っつったって、あの人が本気出したら誰も勝てねえよ。それにタマ遊びつったろ。本物のタマのやりとりとはワケが・・・」

 

 兄貴分の声が途切れた。

 

「今、揺れなかったか?」

「へ、へぇ」

 

 地盤の安定したメリゴアのあたりで地震は珍しい。

 不慣れな経験に、ヤクザ者達が不安そうに左右を見渡す。

 これはもう少し活を入れてやらにゃならんな、と兄貴分は声を張り上げた。

 

「てめぇら、何をおたおた・・・」

 

 言葉が途切れた。

 

「うわ、うわああああああああああああああああああああ!」

 

 響く悲鳴。地面が崩壊する。

 上に乗っていた建物、人間全てまとめて。

 敷地が綺麗に抜けて、残ったのは周囲の塀と巨大な大穴だけ。

 門の外に立っていたヤクザと舎弟達は、それを呆然と見下ろすしかなかった。

 

 

 

 あー疲れた。

 天命踏破・紅蓮羅漢のサークルバースト。

 これで穴を開けて陥没させること自体は前にゼンティルの遺跡でやったが、今回はヤクザの敷地だけ綺麗にくりぬかんといかんかったからな。

 空から接近すると、ミストソーカルみたいに迎撃撃墜されるし、下水道は見張りがいるし、今回はその更に下から接近して、振動センサーで地上構造物を確認しつつ穴を掘った。

 墓穴掘っても掘り抜けて、突き抜けたなら俺の勝ち!

 

 まあ後10軒ほどやらなきゃならんのでさっさと移動しよう。地中を。

 いくら強者揃いとは言え、地中を感知・攻撃できる使い手は早々おらんからな。

 

 時間かかるだろうって?

 ハッ、ジェッターII(ツー)の後継機体、ジェッターロウコなら地中を時速800kmで移動できるのさ! 1キロ離れた別邸だって、4.5秒で掘り抜けるぜ!

 

 ・・・いや、昭和のロボって時々ホントに頭おかしい設定してるよな・・・

 俺は頭を振ってとりとめなくなった思考を追い払い、次の目的地に向かった。




ロードランナーの術ともいう(古い)

> 天命踏破・紅蓮羅漢のサークルバースト。
グレンラガンのトロイデルバースト。

>ジェッターロウコ
ゲッターライガー。資料によってはマジで時速800kmで地中移動できますw
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