異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
「サンダァァァァァァァスウォォォォォォォォォドッッッ!」
裂帛の気合いと共に放たれた破魔の大雷光。
それが魔獣の全身を覆い尽くし、ツタが痙攣する。
「GWOOOOOOOOO!」
怒りの咆哮を上げる獅子の頭。
だがそれも雷光が続くと共に弱々しくなっていき、ずるり、と頭が落ちる。
いつの間にか足元にわだかまる、ブクブクした泡。
その中でバラバラになったツタが痙攣し、獅子の頭がぐずりと崩れていく。
腐ったムースのようになった獅子の頭をかき分けるシルヴィアだが、手応えはない。
「リーヴィル! リーヴィルはどこだいばあさん!
カオル、あんたリーヴィルごと焼いちまったんじゃないだろうね!?」
「ええい、ちょっと待て!」
「は、破魔の効果だけで通常の稲妻は乗せてませんよ! 肉は焼けてないでしょう!?」
「リーヴィルくんは頭の中にはいないわよ。首の付け根のあたり、頭の下にいる」
視線が一斉にアルテの方を向いた。
「ばあさん?」
「・・・本当じゃ。その辺りにおる」
「レジェーロ!
「え? うす!」
レジェーロと呼ばれた大男がむん、と力を入れると体がぼやけ、馬鋤(馬に引かせる農機具)のような姿になる。通常のそれとは違い、後ろに人が握る取っ手。
「ガイガー殿、手を貸してくれ」
頷いたガイガーの後ろからアルテが顔を出す。
「あ、私も手伝います! 《怪力の加護》なので!」
「そうか、よろしく頼むよお嬢さん」
そう言うとライゾムは馬鋤の取っ手に手をかけた。
力の強い三人で、ぐずぐずに崩れた獅子の頭の残骸をゆっくりかき分ける。
「この辺・・・止めて。シルヴィア、その辺だから手を貸して」
「あ、ああ・・・?」
後ろの何人かが顔を見合わせるが、腐ったムースを半信半疑でかき分けていたシルヴィアの目に光が灯る。
「いた! いたよ! ばあさん!」
「わかっとる! ここに連れてこい!」
掘り出されたリーヴィルが、誰かの敷いたマントの上に横たえられる。
身体の各部が僅かに変色・変形してはいるが、概ね人間の姿をとどめていた。
「ちょっと、呼吸してないんだよばあさん!」
「少し黙っておれ!」
ペトロワが両手でリーヴィルの胸を強く押すと、口から緑色の粘液が吐き出され呼吸が再開する。
それからしばらく様々な処置をするとリーヴィルの呼吸は安定し、寝顔も目立って穏やかなものになった。
「よし。とりあえずはこれで大丈夫じゃ」
「体が変になってるとことかはいいのかい?」
「それはこの後、少し時間がかかるが・・・まあそのままでも命に別状はないわい」
「そうかい」
「感謝する、ペトロワ師」
安堵の息をつくシルヴィア。
ライゾムが深々と礼をする。
「気にするな。わしとて放っておく選択肢はないよ――もっと気になる事もあるでな」
「え、わたし?」
ちょっと怯えたような顔でアルテが後ずさる。集中する視線。
「当然じゃ。わしが術を使うより先にこの小僧の場所を言い当ておったし、あれの声も聞いておった。こうなると《加護》の力が強くなったのも偶然とは思えん。
そもそもお前の《加護》は本当に《怪力の加護》なのか・・・それも考えねばならん」
「う、うーん・・・」
この世界では大体五歳位で
このとき、基本的に魔法などは使わず、収集した資料から《加護》を判別する。
(そもそもそうした高度な魔法を使える司祭が少ないと言う事もある)
《加護》にもブレや個人差はあり、「剣の覚えが早いなら《剣の加護》」「動物の特徴や親和性があるなら《獣の加護》」「際だった特徴がないなら取りあえずは《健康の加護》」くらいの判断基準で決められる。
なので、成長して《加護》が修正されるのもそれなりにはあることなのだ。
「まああたしらとしては、これ以上やりあうつもりがあるのかどうかってのが問題になるけどね。そのへんどうだい?」
「こうなってしまってはメンツも何もなかろうな。
送還の陣もあったはずだし、そちらの子を元の世界に返してからお引き取り願おう」
苦笑するライゾムさん。
それなら最初から施設使わせて欲しかったけどなー。
まあ一応ヤクザ屋さんだし、メンツ潰されたら黙ってはいられないか。
めんどくさい世界やで。
「まあ、できればその前にチュパくんのお別れ会とかしたいところだけどね。
ハヤトはどう思う?」
えっ。
「えっ?」
何言ってんだこいつ、というみんなの視線。
思わずアルテに集中した後、こちらに向かうガイガーさん、師匠、アーベルさん、川分さんの視線。
「・・・何で分かったの?」
「!?」
「え・・・え? ハヤト!?」
俺が光学迷彩を解くとどよめきが起き、アルテが目を丸くした。
「・・・やはり、一度詳しく調べてみる必要があるかのう」
「ボクだって気付かなかったのに」
「アタシもだよ」
多分カオルくんは単純に俺の光学迷彩に気付かなかっただけだが、シルヴィアさんが気付かなかったのは彼女に視線を向けてなかったからだろう。
前にも視線のことを言ってたし敏感なんじゃないかな。アレでも一応女性だし。
そんなことを考えた瞬間、俺の顔面にシルヴィアさんの
いってえな!? 何も言ってないだろう!?
「目は口ほどにものを言うんだよ!」
横暴な!
「ハヤトが悪い」
「ハヤトくんが悪いね、例によって」
「小僧が悪いの」
「まあ・・・これはフォローできないかな」
川分さんまで!