異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
『ガオオオオオオオオオオオオオオオン!』
『ガアアアアアアアアアアアア!』
ツタを放り出し、直上に咆哮するデモゴディ。
それを見下ろして威嚇するように吼えるリーヴィル・・・いや、ゴッドジラ映画のライバル怪獣になぞらえて「バラランテ」とでも呼ぶべきか。いや、ライオン要素が入ってるから「リオランテ」だな。
ともかくこちらは18m、相手は300m。サイズで言えば今まで戦った中でも最大級だ。
サイドカメラで確認すると、師匠の呪文かそれとも誰かの《加護》か、みんなは川分さんたち含めて透明になって高速で離脱するところだった。
取りあえず完全に離脱するまでは俺が時間を稼がないとな。
『くそっ、どこへ行きやがった! 殺してやる! 殺してやるぞライゾム!』
ちっ、俺のことより川分さんにご執心か!
だがさせん! みんなも一緒にいるし、森のどこかにリタやチュパくんたちもいるんだからな!
『ドラゴニック・スクランダーッ!』
『む・・・?』
空の彼方に赤く輝く星一つ。
それと同時に俺は足の裏からロケットを噴射し、垂直に飛び上がる。
『ぐおっ?!』
すかさず俺を捕らえようとした数本のツタを切り裂く紅の翼。
『ドラグランダー・クロスッ!』
赤い稲妻が散る。
赤龍の力を宿す翼と合体し、俺は今大空の覇者となった。
『スクランダー・カァット!』
『ギャギャギャギャギャギャ!?』
俺を押し包んで圧殺しようと迫り来る触手を切り裂き、それは垂直に上昇する。
マッハ5を叩き出す推力は、10mの太さを持つリオランテのツタを次々と切り裂き、紫色の体液と切り裂かれたツタの破片が地上に落ちていく。
『邪魔・・・むがっ!?』
『プラズマクラァァァァッチ!』
何か言おうとしていたリーヴィルの巨大な顔面をわしづかみにする。
手から疾る稲妻によって、直径数十メートルの顔はしっかりと俺の手に固定された。
ラオライガーのホールド技、プラズマクラッチ。本来なら離れた距離の敵の動きをを封じて振り回したり叩き付ける技だが、今は固定してそのまま上昇する。
丁度鼻と唇の辺りを抑えたので、奴は満足に言葉を発せない。まあ聞きたくもないが!
『む、むがあああ!?』
驚愕のうなり声。
そりゃ驚くだろうよ。300mのお前からしたら小人にしか見えないデモゴディが、お前を体ごと持ち上げているんだからな!
取りあえず河岸を変えようや、ウルトラ●ン!
「お、おおおおおおおおおお・・・!」
ペトロワの術で全員を透明化・飛行させた上で、風を操るライゾムの部下の力で加速して森から離脱しようとしていた一同。
声を上げているのはライゾムだけで、彼の部下は全員呆然として声もない。
対照的にハスキー一座の面々は、全員が笑みを浮かべている。
「こりゃ若いの! 風に力を入れぬか!」
「は、はい!」
思わず風の力を止めてしまっていた男を、ペトロワが叱責する。
落ちていた速度が再び上昇した。
「まさにスーパーロボットだな・・・」
畏怖と、幾ばくかの憧れを交えて川分が空を仰ぐ。
森全て、空全てを覆い尽くしたリオランテの巨体が、今は視界の一隅を占める程の大きさでしかない。
「ええ。ハヤトくんはボクらのヒーローですから」
誇らしげなカオル。
「・・・でも、今のハヤトでもあれは厳しい。
おばあちゃん、急いで野営地に戻って。
『あれ』が必要なの」
「お前・・・いや、分かった。急ぐぞ! 若いの、根性見せろ!」
「は、はいいいいい!」
必死の声と共に、更に一行の速度が上がる。
「それにしてもアルテ・・・お前一体」
ペトロワのつぶやきは、轟々と鳴る風に流されて消えた。
『どぉぉぉりゃあああああああああああああっ!』
地上三千メートルまで一気に上昇してからの、投げっぱなしボディスラム!
これぞハイパー・メテオ・ドライヴァー!
上昇時より更に短く、僅か数秒で地表に落下するリオランテ。それを追って俺も降下。
場所はヌスタァダムの北、遠くに山脈の見える平地だ!
冬の今は作物もなく、人もほとんどいない!
俺達が戦うには絶好の場所だぜ!
そしてっ!
『ディバイディング! スコッパァァァァッ!』
地面に突き刺したスコップが大地を割り、クレーターに埋まる巨獣を地の底のバトルフィールドに引きずり込んだ。
『ガァァァ!』
うおっ!? 飛び降りる途中でツタ叩き付けて来やがった!
まだ全然元気だな! 3000mから加速つけて叩き付けたのに!
なら植物らしく、焚き付けにしてやるぜ!
『ブレストヴォルケイノ!』
『ガアッ!ガアッ!ガアアアアアッ!』
くそっ! 激しく動くツタが邪魔で、本体の顔に届かん!
ツタ自体もダメージは与えているが、高速で動いて入れ替わるから焼き尽くすまでに至らない!
そこでぴんときた。
300mの巨体にブレストヴォルケイノじゃ範囲が狭い。なら、丸ごとこんがりローストしてやろうじゃないか!
『プラズマクラァァァァッチ!』
再びのホールド技で相手の体の中心・・・つまり顔面を掴み、そのまま上昇する。
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
『ファガッ! ガアアアア!』
地上五千メートル。
なおも上昇しようとする俺。
もがき、外そうとするリオランテ。
巨体を揺らしながらも、稲妻を帯びた鋼鉄の手は外れない。
地上一万メートル。
空気は薄くなり、気温も零下に下がる。
リオランテの体と葉から吹き出す水蒸気が、瞬時に凍結してキラキラときらめく。
こんな時に何だが綺麗なもんだ。
高度二万。
まだロックは外れない。
高度三万。
『ファガセ・・・離せぇぇぇえ!』
『いいぜ、ほら』
『え・・・』
上下を反転させる。
浮遊感を感じるか?
それ、落下が始まるぞ。
『ま、待て・・・』
わがままな奴だな。
離せって言ったから離してやったんじゃないか。
けど寂しいなら付き合ってやるぜ! ほれ!
『が、ガアアアアアアア!?』
今度は上から押さえ込んで急降下。
三万メートルまで一気に上がれる推力を、今度は直下に向けて解放する。
『ぎゃあああああああああああああああ!』
悲鳴を上げるリーヴィル/リオランテ。
大気の圧縮が始まり、赤いフィールドめいた断層が巨獣の周囲に形成される。
生体組織の焼ける匂いがセンサーに感じられた。
もがくリオランテ。
それでも俺が全力を込めたプラズマクラッチを切ることは出来ない。
これが大気圏突入奥義・メテオ落としじゃああああああ!
ヌスタァダムの北に広がる大山脈。
真っ白に雪をかぶったそれに、一直線に落ちてくる流星を誰もが見る。
その日、アラチア山脈の最高峰チェルミー山はクレーターとなって消滅した。
「そんなに急いでるんだったらライゾムや鳥人間は自分で移動しろよ!」と言われそうですが、別れて行動するとペトロワの透明の術の範囲から出てしまうのでできません。
>マジンガーZ対ビオランテ
ビオランテは作中では北欧の精霊とされていますが、実際には「秋の日の ヴィオロンの ためいきの」という有名な詩の「ヴィオロン」をもじった名前だとか。
本来は枯葉とかそう言うニュアンスだそうで。
>河岸を変えようウルトラマン
「シン・ウルトラマン」の三浦メフィラス義村・・・もといメフィラス星人のセリフ。
紛れもなく悪役であり侵略宇宙人なのだが、こう言う言い回しといい、飲み代が足りなくて割り勘にしようと言い出したり、どこか憎めない悪役である。
中の人は仮面ライダーゼロワンではかっこいいお父ちゃん(ライダー変身もする)を演じてたのに、これ以降異常にうさんくさい役が多くなった気がするw
ちなみにラファエルさんの元キャラに声当ててたのもこの人という意外な繋がりがw
>ハイパー・メテオ・ドライヴァー
超級地弾降龍砕(ハイパーメテオドライバー)。
「召喚教師リアルバウトハイスクール」の作者がファンタジア文庫に入選した1000ページ越え作品「龍炎使いの牙(ドラグナーズ・ファング)」の必殺技の一つ。
平たく言うと昇竜拳が効かない相手の為に編み出した投げ技。
>三万メートル
マジンガーZの限界高度がその辺。すげえな成層圏だぞw
この話のデモゴディは、スクランダーに真龍要素が混じってるのでもう少し行けますが、これ以上はさすがに速度も鈍るし、さほど変わらんだろうと言うことで。
>メテオ落とし
当然元ネタはカムイ外伝のイズナ落とし。
より直接にはガンダム忍者漫画「Gの影忍」の大気圏突入奥義・イズナ落とし。