異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十八話 グリッターダスト

 ・・・ぶはあっ!

 ギリギリで離脱したつもりが、さすがに加速を殺しきれなかった!

 背中のスクランダーを全力で吹かし、めり込んだツタの山から俺は脱出する。

 まあ着地したのがリオランテの上だし、追加ダメージにはなったろう。

 

 高度100m程まで上昇し、周囲を確認する・・・いや、ひどいことになってんな?

 やったの俺だけど!

 

 3000m級の山々が連なる山脈の真ん中に、ドでかいクレーターができている。

 落ちてくる時に、人の住んでないあたりを狙って落下させたのだが・・・多分富士山級の山が丸々一個消えた感じだ。

 険しい雪山だったし人はいなかったと思うが、野生動物その他はすまん。

 

 そして、そのクレーターの中央に半ば炭化したリオランテの残骸があった。

 大気圏突入奥義メテオ落とし。

 名前の通り大気圏突入の圧縮熱で敵を焼き尽くし、自らは敵を熱遮蔽とすることで耐える。

 加えて地面に激突した時の衝撃で炭化した敵は粉砕されるのだ。

 

 とは言え、技のかかり具合はどうやら完璧ではなかった。

 半分以上が熱で燃え衝撃で四散したとは言え、まだかなりの部分が原形を保っている。

 あの不気味なリーヴィルの顔は焼き尽くされたようだが、ツタがまだうねって動いている。

 オーケー、ならとどめだ。

 

『ブレストヴォルケイノ!』

 

 両腕を大きくガッツポーズに構え、胸の放熱板から三万度の熱線を放つ。

 ツタの本数も激減し、動けもしないならこれで・・・なんだ!?

 ブレストヴォルケイノが紙一重で奴の体に届いていない。

 センサーで拡大する。

 なんだ? 奴が発生させるキラキラした何かが直撃を防いでる!

 

 そう思った瞬間、キラキラが爆発的に吹き出した。

 光る粉末がリオランテの姿を覆い尽くし、クレーターに充満する。

 俺は反射的に急上昇。

 ちっ、ミストヴォルグセンサーでも中が見通せん。

 

『ミサイルラッシュ! ミサイルドリル! ヘキサクロスト・ナイフ!』

 

 腹部ミサイル、肘貫通弾、翼の六方手裏剣をクレーター全体に満遍なくばらまく。

 クレーター内部に着弾した音が観測できた。

 腐食とかの効果はなさそうだが・・・ミサイルが爆発した気配がない。

 

 くそ、何なんだこのキラキラの粉末。チャフか? 金色のアルミホイルなのか?

 こんな時、アニメとか特撮なら基地のオペレーターや科学者が、分かったような事言って解析してくれるんだがなあ!

 

 ペトロワ師匠は・・・ダメか。まだ離脱中だ。それ以前にちょっと遠すぎるか。

 上空からだから師匠たちが見えたが、あっちから見たらリオランテは地平線の向こう側だ。

 こうなればミストヴォルグのドローン二体を突入させて確かめるか?

 そんなことを考えていると向こうが先手をとった。

 

『######################!』

 

 頭部を破壊されたせいか、もはや言葉どころか吠え声ですらない、耳障りな雑音を放つリオランテ。

 かと思うと大気が渦を巻き、視界が一気に金色のチリに覆われた。

 

(やば・・・)

 

 離脱しようとするより一瞬早く、俺の体中にツタが巻き付く。

 しまった、と思う間もなく俺は地上に引きずり下ろされた。

 

 衝撃。

 巻き付いていたツタがクッションになって地べたとキスをすることは免れたが、それでも結構なダメージだ。

 

『ブレストヴォルケイノ!』

『ウイングカッター!』

『ルイントルネード!』

 

 胸部からの熱線、腕に生やした刃、口からの溶解液。

 くそ、やっぱりブレストヴォルケイノは黄金のチリに阻まれて効きが悪い!

 対してウイングカッターによる斬撃と溶解液は通常通りの効果を発揮している。

 

 恐らくはエネルギー攻撃を吸収ないし拡散させる効果があるのだろう。

 ルイントルネードもある程度相殺されてはいるものの、ブレストヴォルケイノほどではないし、風自体でチリが吹き払われている様子もある。

 しかしルイントルネードでは一息に溶かすとは行かず、ウイングカッターも10mのツタを切り裂くには単純に刃渡りが足りない。

 

 だが、そうと分かれば対抗策はある。

 呼び出すのはいつも奇術で使っているあいつ。

 生身では何度か戦いに使っているが、デモゴディと組み合わせるのは初めてだ。

 そしてこの技も戦闘で使うのは多分初めて・・・

 日本アニメ史に残るその技は!

 

『セイウンザー! 超常スラッシュ!』

 

 金色のチリの向こうから動揺の気配。

 まあ右腕がいきなり電動丸ノコになりゃそりゃ驚くだろうな! しかもすぱすぱと、明らかに丸ノコの数倍の太さがあるツタをぶった切っている!

 電動丸ノコが必殺技の巨大ロボ! そりゃトンデモ方面で歴史に残るってもんよ! だが木材を切断するなら丸ノコに限るぜリオランテさんよ! 物理法則については目をつぶって欲しい!

 上半身に絡みつくツタ、そして下半身のそれを伐採して俺は上空に脱出する。

 ええい、視界が利かん! 上下前後左右から来る触手を超常スラッシュで切り払う。

 手当たり次第にバッサバサしてるんだが、マジでキリがない。

 

 必死でツタに対応しつつ、俺は次の手を考える。

 手段として今有効なのは斬撃。そうでなかったらあの金色のチリを何とかせにゃならん。

 ルイントルネードの風は明らかに影響を与えていたから、巨大な風を起こせば何とかなる・・・かもしれない。

 マシンロイド剣龍の真空竜巻でもいいが、もっと大規模な・・・よし、これだ!

 

 呼び出すのは「強装計画(プロジェクト)ゼロガイマー」。

 その主役ロボである「日輪のゼロガイマー」・・・ではない。

 日・月・火・水・木・金・土・羅侯・計都の九つの星の力を得た九体の九曜ロボ。

 その一つ、風を操る「木」のザンスター。

 大気を自在に操るその力は、大地を削り天をも穿つ――!

 

『ドラゴン・デッド・トルネェェェェェドッ!』

 

 四つ、即ち「死」の竜巻が俺の周囲に立つ。

 竜巻は天から地へと降り立ち、山をも削り取る。

 本来ならこの四つの竜巻で敵を囲み一気にすり潰す技だが、今の目的は違う。

 金色のチリ全部を吸い上げて、本体をぶったたく!

 

 

 

「あのツタの魔獣は未だに元の世界との繋がりを保っている。

 そして、そこからいくらでも力を引き出せるの。

 ちぎれた触手にすらその力が行き渡っていて、あっという間に再生してしまうし、新しく小さな魔獣も生まれてしまうかも。

 それを断ち切るには、高度な魔術か、あるいは別口の召喚術、さもなければ異界と繋がった別のものをぶつけるしかないの」

「サンダースウォードは?」

「単純な解呪じゃ無理なのよ。次元間の引っかかりを引きはがさないと」

 

 一座の野営地。

 ペトロワがこわばった顔でアルテを見る。

 

「・・・次元断層同士をぶつけて相殺しようというのか。お前、どこでそんな魔術理論を学んだ」

「わかんないよ! わかんないけどわかるの! だからおばあちゃん、これを持ってラデルアに跳んで。大雑把でいいから結節点にそれを仕掛けるの」

「それは・・・ラデルアに送ったやつか?」

 

 ライゾムが目を見張る。

 アルテが差し出したのは、ラデルアで見つけた召喚のアーティファクト。

 無数のルーンを刻んだ円盤中央の宝石には炎のようなエネルギーがゆらゆらと揺らめいている。

 

「跳べってお前のう・・・」

「使えるんでしょ、《瞬間転移(テレポート)》」

 

 周囲がざわめいた。

 大陸中探しても使い手は数十人しかいないと言われる転移の術。

 一座の人間はまだしも、ライゾム達からは畏怖の視線が集中する。

 

「全く・・・そう言う事を大声で言うな、馬鹿者め。

 まあやりたいことは分かった。手助けしてやる。他には何かあるか」

「あっちでリンクだけ作って来てくれたらいい。

 その後こっちに持ち帰ってきて」

「わかった」

 

 頷き、アーティファクトを手にしてペトロワの姿が消えた。

 




グリッターダストはD&Dの呪文。
透明な敵に吹き付けて、姿を現させる術です。
グリッターティガのグリッター(キラキラ)と同じ。

>木材を切断するなら丸ノコに限るぜリオランテさんよ! 
薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん!
元ネタはゴジラに抗核バクテリア弾を打ち込んだ、ゴジラvsビオランテの権藤一佐。

>「強装計画(プロジェクト)ゼロガイマー」
>九曜ロボ
>木のザンスター
>ドラゴンデッドトルネード
冥王計画(プロジェクト)ゼオライマー」。同じ原作者の「強殖装甲ガイバー」を混ぜてもじった。
ゼオライマーは高次次元のエネルギーを吸い出す「次元連結システム」によって破格の性能を誇るが、ガイバーの強化形態ガイバー・ギガンティックも同様に高次次元からエネルギーを吸い出している設定があるので。
九曜ロボ=八卦ロボ、
木のザンスター=風のランスター、
ドラゴンデッドトルネード=ランスターの必殺技デッド・ロンフーン(多分漢字で死龍風)から。
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