異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
ダン・ハヤト 現代日本からの転移者。16才。《ロボットアニメの加護》を持つ。父親の教育でロボットアニメが好き。
アルテ ヒロイン。16才。《怪力の加護》を持つ力持ち少女。ハスキー一座の怪力芸とおさんどん担当。駄肉。
タチバナ・カオル ヒロイン。16才。ハヤトと同じ転移者で《魔剣の加護》を持つ。美形で天才で善良で馬鹿正直。家事全般がバツ技能。
リタ ヒロイン。7才。動物と話せる《会話の加護》を持つ。一座の動物使い。
シルヴィア ヒロイン? 28才。一座の座長で歌姫のあだっぽい美人。腕っ節も強く気っぷもいい。眼帯巨乳。
ペトロワ 魔女で一座の知恵袋。主人公とカオルの魔術の師匠でもある。
ガイガー リタの父。剣とコマ芸の達人。ヒゲモジャで無愛想。不機嫌なときには鍔を鳴らす(主にハヤトの女関係)。
アーベル 経歴不詳の小人族。軽業と道化芸と忍び技の名人。顔が濃いラテン系。
ラファエル ドワーフの吟遊詩人。ヒゲモジャだけどイケメン。笑うと歯が光る。
オブライアン 魚人妖精(オアンネス)の学者。好奇心旺盛。多少の魔術の心得がある。
デモゴディΣ(シグマ) 元祖巨大ロボットにしてハヤトの最推し。ハヤトは感情が高ぶるとこれに変身巨大化できる。
第一話 四年経ったらまた会いましょと
「ハスキー一座当地初お目見えでございます! ハスキー一座!
ニホンより来たりしオリジナル冒険者族による驚愕の大魔術!
軽業に道化芸、空に舞う虹、絶世の美姫による心をとろかす歌!
顎が外れるほどの大爆笑! 世界一の達人による絶技! ハムリス達のラインダンス!
そしてイレマーレの三百年ダンジョンで起こった事件を劇にしてお見せいたします!
全てが実話! 全てが真実! 龍と巨神が入り乱れる、勇者の大冒険をお目にかけましょう!」
メリゴアの隣国、ワイデスト。
その国境の町であるセントルで設営を終えた後、俺達は客寄せをやっていた。
幌を取った馬車を飾り付け、町中を練り歩く。
男装の麗剣士カオルくんや、いかにも魔法使いの師匠、仮面の歌姫姿のシルヴィアさんなんかも目立つのだが、やはり目立つのは
いつも見てるから感覚が麻痺しそうになるが、やっぱり妖精ってのは人間社会じゃ稀少な存在だ。そこにいるだけで目を引くというのは、芸人にとって大きな武器だろう。
シルヴィアさんが昔いたところでも、魔法使いの
とはいえうちの妖精連中はみんな男ばかりなのが玉に瑕で、せめて綺麗なエルフの美少女がいれば・・・あいたっ!?
カオルくんとシルヴィアさんに同時に足を踏まれた!
「馬鹿め。隠せないなら考えるでないわ」
そうは申しましてもねえ師匠! 男のサガな訳でして! しかもエルフと言ったらファンタジーの花形・・・いだいっ!?
やめて、グリグリやめて!
「ハスキー一座! ハスキー一座をよろしく!」
「お暇なら是非!」
なおシルヴィアさんとカオルくんの二人は俺の足を踏みにじりつつ、通行人の皆様に笑顔を振りまいてるのであった・・・女こええ。
「~~~~♪」
お?
「あん?」
「うわぁ・・・」
唐突にもの凄く綺麗な歌声が聞こえて来た。
シルヴィアさんのそれとおもむきは違うが、正直甲乙つけがたい。
シルヴィアさんの歌が力強く生命力に溢れた歌とするなら、これは遥かな水底から響いてくるような、妖しくも狂おしい何かをかき立てるような歌だ。
向こうから来る馬車の上から響いてくるそれは、恐らく俺達と同じ芸人の・・・ファーッ?!
オブライアンさん! ちょっとオブライアンさん!
「え、何?」
馬車! 向こうから来る馬車の上!
「うーん・・・ええええええええええええええええええええええええ!?」
「おい、あいつ!?」
「え、ちょっとあんたまさか?」
そう、そうですよ、そのまさかです!
オブライアンさんの妹のタウハウシンさんなんですよ!
こちらに近づいてくる馬車の上、露出度の高いドレスを着た魚人妖精の歌姫。
歌が一瞬途切れ、タウハウシンさんが目を丸くしてこちらを見る。
再開した歌と共に、彼女は微笑んで一礼した。
宣伝中にタウさんと言葉を交わすわけにもいかず、そのまま野営地に帰る俺達。
何故かあの後もう一度踏みにじられた足の甲がしくしく痛む。
師匠ー。足が痛いんですよ。治療呪文かけて下さいよー。
骨にヒビ位入ってるかも。これじゃ芸に差し支えますよー。
「別に跳んだり跳ねたりするわけでもあるまいし、かまうまい。お前の罪の重みだと思え」
そこまで言われるようなことかなあ!?
師匠に抗議してると今度はシルヴィアさんがやってきた。
「よし、あんたしばらく女装して手品やりな」
ナズェ!?
「そりゃもちろん客引きだよ。あんたが言ってただろ、男のサガだって。
だったら女が多い方が客が寄ってくるに決まってるじゃないか!」
悪い顔でニヤニヤするシルヴィアさん。くっ、反論できない・・・!
こうして俺は久しぶりに女装して手品をやる羽目になったのであった。
「いったい何があったの?」
「まあ・・・想像はつくんじゃない?」
「お兄ちゃんのばか」
そして鳴り響く剣の鍔。
これ俺が悪いの!?
それはそれとして、問題はタウさんだよ。
なんで地上で歌姫やってんの?
「え、タウさんって・・・オブライアンの妹のタウさん?」
「ロンドで助けた人だよね?」
「奴隷商人に捕まっていたひとだよ」
居残り組のアルテ、リタ、ガイガーさんに話をする。
「むう」
ガイガーさんが唸った。
リタは留守番だったから面識はないが、アルテとガイガーさんは当時ちらりと顔を合わせている。人間の目から見ても結構美人だし、印象には残ってるだろう。
そんなことを考えているとアルテからプニプニとほっぺたをつつかれた。
「ハヤトがまたえっちな顔してる」
い、いえ、神掛けてその様な事はっ!(うわずる声)
「タウハウシンさんって、ボクは面識ないけど美人さんなんだよね?」
「かなりね。奴隷商人のバカ息子が執着してたし、あの時だらしない顔してたからキスかなんかされたんでしょ・・・ほら、当たりだわ」
「お兄ちゃんのえっち」
「まあ童貞男が女にキスされて浮かれるなとは言わないけどねえ・・・」
「つくづく節操のないやつじゃ」
女性陣による冷たい視線の五連撃。
だからっ! 人の心を読まないで頂きたい!
後童貞は言わんでよろしい! アンタだって・・・いえ何でもないです(敗北者)。
ともかく、手早く昼飯を食ってからタウハウシンさんを訪ねてみることにした。
行くのはオブライアンさんと俺、後アルテとシルヴィアさん、ペトロワ師匠。
場所? ぐぐれさんマップならぬ師匠マップで一発よ。本当に便利な人である。
逆に師匠の術でわからないと言うことは、ほぼイコールで厄介ごとに巻き込まれていると言う事なので、そうでなくて何よりだ。
「すいませーん。
妹のタウハウシンがこちらでお世話になってると聞いたのですが・・・」
「ははあ、少々お待ち下さい」
「偉大なるアントン一座」と書かれた垂れ幕の下、オブライアンさんが団員の人と話している。結構礼儀正しい感じやな。芸人でも割と荒っぽい人は多いのに。お金持ちとかにも呼ばれるような、割と上級の一座ってことか。
実際テントもウチの二倍位あるし、お客さんも結構入ってる感じだな。
少し待っているとタウハウシンさんが来た。
一緒にいるのはシュッとした感じの渋いハンサム中年。
燕尾服にシルクハットの紳士スタイル、つまり今の俺と同じ格好だ。
むむ、もしやこの人は・・・。
「まあ、兄さん! ハヤトさん! 皆さんも! あの時は大変お世話に・・・あら、どうしたんですか?」
「・・・」
・・・。
じっと視線をぶつけ合う俺と座長らしき人。
「ふむ・・・どうやら
「そのようですね」
穏やかな言葉の裏にバチバチと散る火花。
視線を先に外したのは座長さんの方だった。
「いや、このへんにしておこう。タウとお兄さんの再会を邪魔するのも野暮だからね」
「そうしますか」
互いにはっはっは、と笑って握手する。
ライバル認定されたかな。
しかし、マジシャンとして負けるわけにはいかんのだ。たとえタウさんがお世話になってる一座の座長さんでもな!
(何がマジシャンとして、じゃ。《加護》頼りのくせに何を偉そうに)
脳内に聞こえて来た師匠のツッコミは聞き流しておこう。
タイトルは三波春夫のオリンピック音頭。
巻タイトルは古いマリリン・モンローの映画です。