異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十七話 光の龍

「こんなところに乗るのはもちろん初めてだけど、思ったよりしっくり来るな」

 

 そうなんです?

 

「ひょっとしたら俺も前世でこんな巨人に乗ってたのかも知れないね」

 

 ははは、と笑う王様。

 だとしたら前世はオリジナル冒険者族か何かかな。

 古代文明の巨大ロボのパイロットだったかもしれない。

 

 そう、今デモゴディのサブシートには王様が乗っているのである。

 また前世の記憶だか霊に憑依されただかのアルテの指示だ。

 

(あの光の龍は天界は分からないけど、多分幻夢界との次元の壁を破る力はある。

 でもまだ完全に生まれきってはいない。へその緒のついた赤ちゃんみたいな状態。

 それまでが勝負よ)

(俺が必要だって言うのはどういう事なんだ?)

(さっきは龍脈から力を引き出すための鍵になったでしょ?

 それと同じ事をもう一度やってもらうの)

 

 そして今俺達はワウムの残骸を漁っている。

 魔力炉と装甲以外の構造物にはほとんど傷をつけていないから、多分・・・あった!

 

「それが・・・?」

 

 ええ。

 あなたが囚われていた部屋です。

 

 廻りの構造物を雑にちぎって、腹の中に入れるイメージ。

 すると部屋がすっと消えて、うわあ、俺の中に何かデータじみたものが入ってきた。

 覚醒アルテと師匠によればブロイザーの腹の中に入れると同時に、腹の中に仕込んだ術式が自動的に接続してデータリンクし、頭部のサブシートと部屋を繋ぐ・・・とか。

 つまり、部屋と王様と龍脈を繋いで無限の魔力を得ようって事だ。

 

(なるほど、それでどうするんだ?)

(後はハヤトに任せる)

(えっ)

(あの龍をどうにかする術式を今、生身で組むのはさすがに無理。

 それができるだけの器は今、ハヤトのデモゴディしかいないのよ・・・無理?)

 

 無理なもんか。

 いや、無理と言われるほど燃えてくる。

 

「ふふ、燃えてるじゃないか」

 

 後ろで笑みを浮かべる王様。

 まあね。

 この状況をどうにか出来るのがあなただけ、なんて言われて燃えない奴は男じゃない。

 

「そうだね。俺も役目を果たさないとな」

 

 ニヤリと笑った気配。

 俺は拳を後ろの席に伸ばす。

 王様が手を伸ばし、こつん、と拳をぶつけ合った。

 さあ、気合い入れて下さいよ!

 一緒に世界を救いましょう!

 

「おうっ!」

 

 デモゴディΣが空中に飛び上がる。

 短い飛行の後に降り立ったのは、数十分前までワウムがいた場所。

 つまり、龍脈溜まりから魔力を吸い上げるための、古の魔法陣のある場所だ。

 

(それじゃ接続するよ)

(特に何をする必要もないが、何があってもずんと構えておれ)

 

 腹の中で待機していたアルテと師匠。

 二人の詠唱が始まってすぐ、デモゴディのボディの中から熱がわき上がってきた。

 よくへそに力を入れるとか、フィクションなら丹田に気を集めるとか言うが、そんな感じで下腹から膨大な魔力があふれ出してくる。

 

「うおおおお!」

 

 気合いを入れてデモゴディを制御する。

 魔力が体から逃げ出さないように体内に封じ込める。

 こりゃすげえ。見る見るうちに体に魔力が溜まっていく。

 もっとだ、もっとよこせ大地の悪魔(バルバトス)――!

 

 天を目指して駆け上がっていた龍の動きがふと変わった。

 首をもたげてこちらを見下ろす光の龍。

 既にその高さは数キロ、太さも数百メートルに達している。

 自分に比べれば豆粒のようなデモゴディに、しかしその目はハッキリと焦点を当てている。

 

(来たか・・・! すぐに襲いかかってくるかどうかはわからんが・・・小僧、まだか?)

 

 もう少し魔力を貰いたいところですね、あれをブッ飛ばすには。

 それに、世界に穴を開けられるよりはこっちに集中して貰った方がまだしもマシです。

 

(まあそうかもしれないけど。体はもつの? いくらハヤトの鉄巨人でもこれだけの魔力だと・・・)

 

 あいつを倒すにはまだ足りないって直感がささやいてる。

 それに・・・。

 

(それに?)

 

 これだけお膳立てして貰って自爆しましたじゃ、かっこわるすぎるからな。

 勝つさ、絶対に。

 

(うん。信じてるから)

 

 サンキューな、アルテ。

 

(っ・・・バカ、こんなときだけ素直なんだから!)

 

 俺はいつも素直だよ。

 さて。

 

『・・・』

 

 無言のまま俺を見下ろす巨大な光の龍。

 俺はそれを見上げる。

 正面からぶつかる視線。

 単なる術式なのか、それとも明確な意識を持っているのか。

 それでも光の龍の両目には、意志を感じさせる何か――それも執念とか、渇望とか、そう言うものが宿っているように思えた。

 

 その間にもどんどん俺の体には魔力が蓄積されていく。

 意志の力で必死にデモゴディのボディに押しとどめてはいるが、それももう限界か。

 体は魔力で自然に発光し、装甲はきしみ、関節部がミシミシ言っている。

 

(ハヤト、もうこっちも限界!)

(このままだと腹の中で爆発が起きるぞ!)

「・・・」

 

 後ろの王様は何も言わないが、それでもかなりきつそうだ。

 だが待たせたな! もうチャージは終わった!

 

『###################!』

 

 音波ではない、魔力波での鳴き声を上げながら光の龍が降下してくる。

 噛みつかれたり、前足の爪で叩き潰される以前に、ただ地面に降りるだけで俺や岩陰のみんなをまとめて潰せただろう。

 俺のチャージが終わる前ならな。

 

『エネルギー充填56億7000万パーセントっ! 豪子力オーバーロード! 来たれ! 可能性の魔神よ!』

 

 光っていたデモゴディが更に光を強め、直視出来ないほどの輝きを発する。

 一瞬遅れて光の龍が大地と激突した。

 

「・・・!?」

 

 岩陰で見ていたものたち全員が言葉を失った。

 まばゆい光の巨人。

 だがその身の丈は、先ほどまでの数十倍。

 恐らくは一キロ近く。

 文字通り山ほどもある光の龍に比しても見劣りしないサイズ。

 それが、大地に叩き付けられようとしていた光の龍の上あごと下あごを掴んで押しとどめている。

 

『####################ッ!』

 

 怒りの魔力咆哮。

 咄嗟にガイガーが娘をかばい、青等級以下の人間は頭を押さえてうずくまる。

 

『ガオオオオオオオオオオオオオオオンッ!』

 

 それに対抗するように光のデモゴディが吼えた。

 口をこじ開けて引き裂こうとする巨人。

 必死に抗う巨龍。

 龍が身をくねらせて反動をつけ、巨人の両手から脱出する。

 ほとんど同時に巨人が飛んだ。その背中にはいつの間にか翼。大地から生えた龍の「根元」に吶喊し、脇に抱え、そのまま急上昇。

 

『!”#$%&’()~~~~!?』

 

 龍が初めて苦悶の声を上げた。

 その絶叫が唐突に途切れる。

 ごくあっさりと、龍の胴体が地面からちぎれた。

 デモゴディが龍から離れて地面に着地。

 

『`+`?{{P'&%$%#$!!!』

 

 怒り狂い泣き叫ぶ龍が、血のような光の粒をまき散らしながら急降下する。

 こいつだけは許さぬと、世界を滅ぼす前にお前だけは殺すと。

 だが天空より迫る龍に対し、巨人は右の拳を構える。

 

「・・・え?」

 

 誰かが唖然とした声を上げる。

 左手で支える右腕、肘から先の腕が倍のサイズに大きくなった。

 更に倍。更に倍。

 

「嘘だろ・・・」

 

 今やデモゴディ本体をも凌ぐサイズになったそれは、ピタリと龍に狙いを定めている。

 龍は止まらない。止められない。憎しみと怒りと、そして慣性の法則がその体を縛っている。

 

『超強化! 豪子力ロケットパァァァァァァァァァァァァァンチッ!』

 

 輝く流星が地上より天に昇っていく。

 それがただの光点になったころ、空の彼方でまばゆい新星が輝いた。

 やがて掲げたままの右腕に、元のサイズになって戻ってきたロケットパンチが再合体する。

 それはあたかも、勝利の拳を天に突き上げているかのようだった。




>「ひょっとしたら俺も前世でこんな巨人に乗ってたのかも知れないね」
王様のモデルがバネPなのは前述ですが、中の人の赤羽根さんは真マジンガーで甲児君をやっていました。
そういう意味ではビッグバンパンチを披露した前話でやりたかった展開w

>もっとよこせバルバトス
「鉄血のオルフェンズ」で有名なセリフ。
今だと半分FGO関連w

>巨大化、超光子力ロケットパンチ
いずれも2018年の映画「マジンガーINFINITY」より。
「強化」はゲームでも余り採用されないマジンガーZ一発きりの必殺兵器「強化型ロケットパンチ」を混ぜてみたかった。
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