異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

352 / 415
エピローグ 道の終わりへ

 鉄の巨人が岩陰に向かって歩いてくる。

 すぐ手前に来るとその姿は消え、ちょっとしたお屋敷くらいの構造物と、こちらに歩いてくるハヤトたち四人の姿になった。

 岩陰の面々が歓声とともに走り出す。

 ハヤトと国王が手を上げてそれに応えた。

 

 

 

 えー、今から?

 

「今すぐじゃないと意味がないじゃろうが。

 むしろ黒幕との戦闘になるのを覚悟していかなきゃならん」

 

 まあ確かに、アントンさ・・・アントンも言ってた通り黒幕がいるのは確定。

 多分あの龍が出てきたところが古代の研究施設で、そこで何かやってるんだとは思うけど。

 

「そう言う事じゃ。逃げた可能性もあるが、ここで倒せるものなら倒してしまいたい」

「確かにそうだ」

 

 王様が頷く。

 

「国王として新たなクエスト、新たな命令を下す。

 彼らに協力して事の黒幕を討ってくれ。報酬は別に出す」

「御意」

「別件で報酬を出して頂けるなら、断る理由はありませんな。だろう?」

 

 一斉に籠手で胸鎧を叩く騎士の礼を取る騎士たち。

 一方冒険者たちも、リーダー格の言葉に全員が頷く。

 

「よし、話は決まった。じゃあ行こうかい?」

 

 あの、その前に師匠に治療して貰っていいですかね?

 メチャクチャな魔力体に取り込んだから、正直立ってるのも辛いんですが。

 

「締まらんのう、お主は」

 

 師匠が溜息をついて《再生(リジェネレイト)》の呪文を詠唱し始めた。

 

 

 

 遺跡には誰もいなかった。

 師匠曰く、少し前まで誰かがいた形跡はあったのだが、恐ろしく周到に痕跡を消していったので、遺跡のあれこれを調べても、魔力の残存反応を調べてもそれが何者かはわからないとのこと。

 すみずみまで調べて何も見つからなかった時は、緊張の余り崩れ落ちるかと思ったもんだ。

 

「ロックもかけておくが念のため、中枢部をぶっ壊しておいたほうがいいのう」

 

 いいんですか? 貴重な遺跡でしょう?

 

「真なる魔術師がゴロゴロいた時代ならまだしも、現代では危険にもほどがある。

 いずれ新たに魔術が進歩して、自らの手で次元の壁を破れるようになるまではお預けじゃ」

 

 まあそうだな。

 そのほうがいいかもしれん。

 拾ったものを使うと大変な事になるのはミクロスとかブランジェリオンでさんざん見てきてるしな。

 

「ブレストヴォルケイノ!」

 

 俺の胸から放たれた熱線で、遺跡のコア部分がドロドロに溶解し、原形をとどめないまでに破壊される。

 もったいないあーもったいない。

 

 

 

 その後はみんなを俺の腹に入れて王都に帰還。

 王宮では騎士の皆さんや冒険者の人達共々盛大な宴。

 そしてお褒めのお言葉とか爵位とかご褒美の財宝とか。

 

 爵位とか領地は気ままな旅芸人には重いんでいらんと断ったが、その分宝石とか魔力結晶とかマジックアイテムとか色をつけて貰ってほくほくである。

 特に稀少な霊薬(エリクサー)を10本ばかりも貰ったのはありがたい。

 マジックアイテムの中にも便利そうなものがいくつか。

 まあこんなものが役に立つ状況にならなければそれが一番いいのだが、そうはならんよなあ(溜息)。

 

 

 

『ロケットパァァァァァンチッッッッッ!』

『ぐ、ぐおおおおおおおおおおおおおお!?』

 

 世界中の光を集めて巨大化したデモゴディΣが、右手から渾身のロケットパンチを放つ。

 古代文明で作られ、悪の科学者によって乗っ取られた、世界を改変する力を持つデモゴディ、デモゴディ∞(インフィニット)はそれをまともに受け、第一宇宙速度を超えて宇宙の彼方に消える。

 やがて宇宙空間で起きる巨大な爆発。

 ここに世界は守られたのだ。

 

「はー、これが元ネタだったんですねえ」

 

 まあ大体俺の能力ってこれらをコピーしてるだけなんで。

 ちなみにデモゴディシリーズ最新作「デモゴディ∞(インフィニット)」である。

 オリジナルのデモゴディを徹底的にリスペクトした、ある意味正統続編と言える作品であり、長い事シリーズに関わってきた歌手・永木一郎アニキの最後の作品ともなった。

 映画館でオヤジと見て「うおおおおお!」と興奮したのはいい思い出である。

 

 がたごとがたごと。

 あれから更に半月ほどの興行を経て、馬車は西へ街道を進んでいた。

 

「でもこれってずっと見てたのと、絵の描き方が違いますよね?

 ちょっと顔が硬い感じ」

 

 ああ、ずっと見てた奴はセルアニメっていって平面に描いた絵のパラパラ漫画なんだけど、これは3DCGって言って、立体的な形を作って、それを操り人形みたいに操った奴をこうして映像にしているんだよ。

 

「うーん、よくわかりません。

 ・・・今夜、もっと良く教えて貰えません?」

 

 そう言って右斜め後ろからもたれ掛かってくる、体温を伴った重みと柔らかい感触。

 

「ちょっとタウ!」

「もしもし?」

「タウさん!」

「あんたねえ、あざといのもいい加減にしなよ?!」

 

 そして鳴り響く鍔鳴りの音。

 なんでやワシ悪くないやろ!

 

 そう、あれから俺達はアントンさんを失って再出発する元アントン一座と別れて西へ向かったのだが・・・何故かタウさんがこっちに居ついてしまったのだ。

 笑顔でそれを告げられて、副座長さんが崩れ落ちた瞬間を俺は忘れない。

 もの凄く恨みがましい目で見られたが、これ俺悪くないよね!?

 

 とは言えあれこれの問題が完全に解決したわけではない。

 アントンさんの言った事が本当なら、俺やカオルくんはロンドで召喚されて以来ずっと監視されてたわけだし、色々な事件を意図的に引き起こして力を試されてた。

 まるでケージの中のモルモットのように。

 実働部隊だったアントンさんたちは今回の件で一掃されたらしいが(アントンさん以外は騎士団や冒険者の人達に倒されたそうだ。そうでなくてもワウムのあれこれで生きてはいないだろう)、黒幕はまだ残っている。

 黒幕がトップらしい「王に叛くもの(アンティゴネー)」もだ。

 五大国の一つ、東のディテクから南のゲマイまでを繋げる大陸六街道の一つ、南東の隊商道。

 俺達がロンドからずっと辿って来たその道も、次のゲマイで終わる。

 

 ゲマイ。

 五大国の一つにして、現存する最古の文明を残す魔導の国。

 そこが俺達の旅の、一つの終着点であるように俺は思えた。

 

「ストロングなんだ♪ ビッグなんだ♪ ぼくらの デモゴディなんだ~♪」

 

 エンディングテーマを流しながら、俺達は街道を南西へ下っていった。




体の負傷→普通の治療呪文でおk
身体欠損、骨折や重度の筋疲労、筋繊維断裂、脳への負荷によるダメージ→肉体再生呪文が必要

こんなイメージ。

>「デモゴディ∞(インフィニット)」
無論2018年のマジンガーINFINITY。
リアル通りなら年代的にハヤトくんは知らないのだがそこは全力で見逃せ。

次巻、最終エピソード。
・・・なんですが執筆が難航しておりまして、今年いっぱいはお休みとさせて下さい。(Vドゲザー)
年明けにはなんとか再開出来ると思いますので。
大体戴冠戦と採集決戦が悪いんや。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。