異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第六話 すーはーすーはーくんかくんか

「何があった」

 

 丁度良いタイミングで駆けつけてくれた師匠の治療でアーナは事なきを得た。

 なおオブライアンさんはいまだにのんきに寝たままだった。

 シルヴィアさんにケツを蹴り上げられて悲鳴を上げていたが些細なことである。

 閑話休題(それはさておき)

 

「ばあさん、魔法で追跡されないようなあれこれはしてるんだよね?」

「無論じゃ」

「先生に言われましたから、テントの外にもなるべく出さないように気を付けてはいます」

「前の黒ずくめどもも、気を失ったまま町の隅に捨ててきましたから、ここの場所がばれる気遣いはないはずですぞですぞ」

 

 姿形は術で変えているから、テントの外に出たのを見てもそう気付くもんじゃない。

 

「つまり、わしの防御術を抜いて魔法か何かでヤツの存在を感知したんじゃろう」

「ばあさんに術比べで勝つとはとんでもねえな・・・いや、ゲマイならありうるのか」

 

 ゲマイは五大国の中でも随一の古い国であり、それはイコールで古代魔法文明の遺産も多く残っていると言う事。アーティファクトや魔法装置に限らず、魔法技術そのものにおいても大陸一の魔導大国だということだ。

 

「探せばわし以上の術師もあるいはおろうし、そうでなくても古代のアーティファクトなどを使われたら少々分が悪い。小娘の体はざっと調べただけじゃったが、あるいは何か埋め込まれている可能性もなくはないの」

 

 師匠でもざっと調べただけじゃ分からないのか・・・この前の黒ずくめを魔法で追跡しよう作戦も結果は出せなかったんだよな。

 「失敗には死を」とばかりに抹殺されたのか、師匠の術を妨害するほどの結界や術式があるのかはわからない。

 

「こうなりゃ、取れる手は逃げるか、相手をブッ飛ばすかのどっちかしかないね」

「こっちのことは完全に知られてしまってるわけですからね」

 

 とは言え逃げるにしても当てがない、ブッ飛ばすにしても相手がどこにいるか分からない。

 みんなで頭をひねってると、血相を変えたリタがテントに駆け込んできた。

 

「大変だよ! アーナがいなくなっちゃったの!」

 

 なんですと!

 

 

 

『いままでありがとう ごはんすこしもらいます みんなだいすき』

 

 つたない筆跡で残された置き手紙の内容はそれだけだった。

 アルテやカオルくんは顔を歪め、リタは今にも泣きそう。

 ・・・で、どうすんですシルヴィアさん。

 

「どうするもこうするもないだろ。大体あんただって今にも飛び出しそうなツラしてるくせにさ」

 

 ニヤリと笑うシルヴィアさん。

 こう言う時にはサトラレも便利なもんだ。説明の手間が省ける。

 

「それはともかくばあさん、アーベル、リタ、ハヤト。

 何とかしてあの子を探し出しな。世話して逃げられたじゃ、一座の沽券にも関わる」

 

 俺達が頷くなか、アーベルさんだけは大仰に嘆くポーズ。

 

「勘弁してくれよシルヴィア。ばあさんたちはともかく、俺には魔法もなにもないんだぜ。

 この夜中に聞き回ることもできないのに、足で探せとでも言うつもりかい」

「なら足で探しな。小人族だ、走るのはお手のもんだろ」

「へいへい」

 

 満更でもなさそうにニヤリと笑って肩をすくめる。

 素直じゃないおっさんである。

 

「ああそうそう、ハヤト」

 

 ?

 

「あんたは追っかけるにしてもアルテ達と一緒にいきな。

 また泣かれて逃げられたら困るからね」

 

 うるせーよ。

 アーベルさんと目が合い、俺達は再び肩をすくめた。

 

 

 

「~~~~」

 

 まずは師匠の魔法。

 さっと呪文を唱えて術を発動したが、すぐにしかめて首を横に振った。

 

「なにがしかの妨害が働いておる。これはちょっとした儀式を行う必要があるの。

 念話の術は繋げておくからそっちはそっちで勝手にやれ。オブライアン、タウ、手伝え」

「は、はい」

「わかりましたペトロワさん」

 

 そう言うと師匠は二人を連れてテントに入っていってしまった。

 

「あれ、ハヤトくんはどこいくの?」

 

 ちょっとカオルくんたちのテントにね。

 ところでこう言う事に使える魔剣とかはないの?

 

「さっき先生に聞いてみたけどないみたいだね。『見通すもの(センサリー)』はせいぜい範囲50メートルくらいだし」

 

 あの知覚魔剣か。範囲内なら壁の向こうでもある程度察知出来るんだからそれはそれで優秀だけどね。

 ではちょっと失礼しますよっと・・・

 

「・・・ハヤト、あんた」

「ハヤトくん、何してるの?」

 

 そりゃ山猫娘を捜すための下準備ですよ。

 そう言いつつ、俺はテントの中の寝床に鼻を近づけて匂いをかぎ始める。

 ミストヴォルグセンサーのひとつ、嗅覚センサーでアーナの匂いを感知して、警察犬の様に痕跡を追うのだ。

 こっちはアルテ、こっちはカオルくんだな。この花のような香りはリタか。

 あ、これだな。嗅ぎ覚えのない匂いだから、たぶんこれがアーナのだ。

 ・・・ん? なんだろう。背後からの視線が妙に冷たいような・・・。

 

「・・・ハヤト。あんたそう言う趣味があったのかい?」

 

 え? どういう事ですシルヴィアさ・・・いえっ!? 違うんです! これはアーナの匂いを追うためにっ!

 ラファエルさんやアーベルさんまでマジ顔でこっちに冷たい視線を向けている。

 そして高らかに鳴る剣の鍔。

 今回ばかりは俺本当に悪くないですよねぇぇぇぇぇぇ!?

 

 リタがハムリスどもやフクロウとお話ししていてこっちにいなかったのは幸いだった。

 この上でリタにまで冷たい目をされてたら心が完全に死ぬところだよ・・・。

 

 

 

「このまえ、お兄ちゃんのおなかの中からでもアカフク達と話せたから、多分大丈夫」

 

 リタの《加護》もいつの間にか成長していたらしい。そう言うわけでリタはミストヴォルグのサブコクピットに収まって貰い、アルテ、カオルくん、ガイガーさんは腹の中に入らずついてきて貰う。

 アルテもいつの間にか《加護》が成長していたみたいで、いまや身体能力に関してはカオルくんをも凌ぐほどだ。

 それじゃ行きますよ。

 

「!?」

 

 周囲から驚きの気配。そう言えばこれは初披露だったか?

 ミストヴォルグ六変化の一つ、メカ狼の姿に変身して俺は走り出した。

 

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