異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第九話 ムルカッタ

(その建物の広い部分! あの中に小娘がおる!)

(ハヤトくん、ボクの魔剣も感知した! あの建物の真ん中少し右くらいにいる!

 

 ナイス師匠ぉ! ナイスカオルくん!

 突っ込むぞ!

 リタは衝撃に備えて! カオルくんは突入したらあれ頼む!

 

(うん!)

(わかった!)

 

「チェインジ、ジェッターII(ツー)! スイッチ、オンッ!」

 

 唸るドリルの回転と共に俺は石造りの屋根を貫通し、道場みたいなところに降り立つ。

 

「アーナ! 無事かあっ!」

 

 目を丸くしているアーナの姿を確認。

 よし、目立った負傷はしていない。

 カオルくん!

 

「舞え、桜吹雪!」

 

 飛び出したカオルくんの幻夢剣が発動した。

 

「!?」

 

 暗殺教団の連中の動揺する気配。

 一面に舞う濃密な花びらの幻影。

 

「カオルくん、アーナ、伏せて!」

 

 実のところアーナはちっちゃいし、伏せて貰わなくてもいいんだがまあそれはどうでもいい。

 重要なのは周囲を敵に囲まれている状況で最適な武装を俺が持っているということ。

 俺の両手にいきなり出現するSFチックな巨大ライフル。

 この時点でようやく教団の暗殺者たちが我に返ったか、ナイフが飛んでくる気配。

 だが一手遅い。こっちはくるりと回転するだけ。

 

 二丁一組の超強力なビームライフル、ツインスターライフル。

 それを分割して両手持ちする。

 一本一本が、直径数キロのスペースコロニーを撃ち抜いて崩壊させるレベルのそれをだ。

 

「ローリングスターライフル!」

 

 ライフルから発射される荷電粒子が周囲を薙ぎ払い、投げナイフが光の中に消える。

 桜吹雪が晴れた後、残ったのは焼き尽くされた暗殺者たちだけ。

 

「また、首折れなかった」

 

 アーナがぽつりと独りごちた。

 

 

 

 ほとんど骨組だけになった道場の壁。

 ・・・ん? 道場の壁?

 ビシッ!と致命的な亀裂が走る音。

 上を見上げると、俺が開けた穴の周囲に走る無数のヒビ。

 

「ハヤトくんやり過ぎー!?」

 

 そんなことを申されましてもですねー!?

 次の瞬間、道場は音を立てて崩壊した。

 

 

 

「ふう、危ないところだったぜ」

 

 額の汗をぬぐう(ふりをする)俺。

 あの後間一髪でカオルくんとアーナを腹に吸い込み飛行形態に変身、さっき開けた穴から上空に離脱して事なきを得たのである。

 

(けっこー考えなしだよね、君)

(・・・(こくこく))

(こ、今回はしょうがなかったから・・・)

 

 ちょっと白い目のカオルくんと、それに同調して頷くアーナ。

 何とかフォローを入れようとしてくれるリタだけが救いだ。

 閑話休題(それはさておき)

 

「アーナ、これで終わりか?」

 

(・・・)

 

 一瞬「ヤベッ、カオルくんに話して貰うべきだったか?」と思ったが、一拍置いた後、腹の中でアーナがフルフルと首を横に振った。

 

(祭司長と大半の信徒は死んだと思うけど、まだ祭司と信徒は残ってる。そいつらも一網打尽にしないとまた襲ってくる)

 

 そうか・・・しょうがないな。

 取りあえずここの連中片付けてから帰るか。

 

(ボクを外に出して。隠れていても大体わかるから。隠し扉とかあったら、アーナ頼むね)

(うん)

 

 こくこくとアーナが頷く。

 知覚魔剣『見通すもの(センサリー)』を手にしたカオルくんとアーナを外に出し、二人を道案内にして俺は暗殺教団のアジトに踏み込んだ。

 

 

 

 割とあっさりと掃討は終わった。

 既にアーナが倒した分もあったし、大半は俺が修練場で片付けていた。

 ガイガーさんや別行動だったアーベルさんたちも駆けつけてきてくれたし、リタの友達のフクロウが周囲を見張ってくれていたし、地下道は真っ先に潰したので多分討ち漏らしはないはず。

 

「これで全部でしょうか?」

「そっちの剣に感知されないならそうなんじゃねえかな」

 

 戦闘能力を持たない下働きや事務方っぽい人達はひとまとめに拘束。

 トリモチランチャー便利です。

 この連中はどうします?

 

「さすがにばあさんに記憶消して貰うにも数が多いしな。まあ、適当に通報すりゃあ・・・」

「お兄ちゃんたち! 外のフクロウさんが、さっきの女の人が来たって!」

 

 思わず俺達は顔を見合わせた。

 

 

 

 あの後、全員を腹の中に収めてジェッターIIで地中から離脱。

 光学迷彩をかけて空からでも良かったが、さすがに完全無音で飛ぶのは難しいし、気配だけでこっちの存在を感知するやつがいないとも限らない。

 結構人数がいたしヴィナさんも腕が立ちそうだし、用心に越したことはないのである。

 そう言うわけで下水道に入り、アーナの案内でテントの近くまで移動。

 俺達は何とか全員無事に野営地まで帰還した。

 

 

 

「ああ、アーナちゃん!」

「くるしい」

 

 感極まったタウさんが、アーナを強く抱きしめる。

 アーナも抗議はしているけど満更ではない。

 

「よく戻って来おったの」

「うん・・・ただいま」

 

 次は笑顔のペトロワ師匠。この人がこんな優しい顔するところなんて初めて見たかも。

 今度はアーナの方から師匠に抱きつき、師匠もその頭を撫でている。

 うーん祖母と孫の構図。

 

「あいたっ!」

「この程度で済んでありがたいと思いな、この家出娘が。

 みんなあんたを心配して走り回ったんだからね。

 礼を言っておきな」

「うん・・・ありがとう」

 

 拳骨を落とされた頭をさすりながら、アーナがみんなに頭を下げる。

 こう言うところはええ子やなー。俺には見せてくれないけど。

 

「・・・」

 

 ほら、目が合ったらすぐにカオルくんの後ろに隠れてしまった。ふふ、いいさ、もう慣れたから・・・山猫を馴らすには時間がかかる、まずは警戒心を解かないとな・・・

 

「ハヤトがたそがれてる」

「うんまあしょうがないと言えばしょうがないけど・・・」

「アーナちゃん、それはちょっとひどいよ」

「ですね。ちゃんとお兄ちゃんにもお礼を言わないといけませんよ」

「・・・」

 

 リタとタウさんのフォローに、おずおずとアーナが顔を出してこちらを見る。

 

「・・・」

「・・・」

 

 近づいてくるアーナ。じっと見つめ合う二人。恋が芽生えそう。

 

「・・・むん」

 

 !?

 待って、ちょっと待って!?

 今俺キスされたの!?

 

「ちょ、ちょっとアーナ、何してるの!?」

「ムルカッタはこう言う事されると喜ぶと聞いた。お礼」

 

 誰から聞いたんだよそんなこと!?

 

「アルテとカオルとシルヴィアとタウとアーベルとラファとオブ」

「貴様ら子供に何を吹き込んでおるんじゃ!?」

「し、知らないわよ!?」

「覚えがありません!」

「二人ともハヤトにキスして喜んで貰えたってじまんしてた。シルヴィアとタウも」

「おのれらぁ!」

「痛い!」

 

 師匠の杖を頭に受けて悶絶する女性陣。

 あ、逃げようとしたアーベルさんとラファエルさんが師匠の《かゆみ(イッチ)》の呪文食らって悶え転がってる。

 ひたすら体がかゆいだけの呪文だが、きついんだよなあれ・・・そして鳴る剣の鍔。

 今回も俺悪くないですよね!?




>ローリングスターライフル
ウイングガンダムゼロのローリングバスターライフル。
一時期これのバンクばかりやたら流してたせいもあって結構印象が強い。
平面に回転するだけなのに、使ってたのは宇宙ばかり。
上下から攻撃されたらどうなんだろうとも思うのだが、作中ではそう言うツッコミは入らなかった(ぉ
まあデチューンしたウイングガンダムのバスターライフルですら光線の周囲150mは焼き尽くすそうだから、近づいただけでもアウトなのかも知らんけど。
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