異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第十三話 第一の殺人

「状況を整理しよう」

 

 それは前回やりました。

 

「何の話だ? まあとにかく従業員その他への事情聴取によれば、マガラマチシは前日から泊まっていた。

 昨夜は随分酒を飲んでいたらしい。『起こすな』の札を扉にかけていたので今朝はそのまま朝食も運ばなかったが、パーティが始まるので呼びに行ったら鍵のかかった部屋の中で死んでいた」

 

 ホテルの一室である。俺達以外はヴィナさんの個人的従者しかいない。

 死因は?

 

「短刀で心臓を一突き」

「自殺の可能性はあるのですかですぞ?」

「背中からだから、まあちょっと難しいだろうな」

 

 念動の魔法使うとか背中に短刀当てて床に倒れ込むとか、不可能ではないだろうけどまあ取りあえず他殺の方面でしょうね。

 

「それと奇妙なことなのだが・・・背中、短刀の脇にこのような紋様が刻み込まれていた」

 

 なんだろう、魔法的なマーク?

 

「うむ。ゲマイ九曜術で火星を意味する神聖文字じゃな。内臓では骨髄、ないしは心臓に当たる」

 

 ・・・ひょっとして魔法儀式的な殺人? この後他の星のマークの付いた死体がどんどん出たり?

 

「可能性はある」

「そうしないためにも早く事件を解決しなくてはな」

 

 それで、部屋の状況は?

 

「内側から鍵がかかっていた。ガエドヴァール叔父が『叩き起こしてこい』と言ったので合い鍵で開けたら、全裸のマガラマチシが床に転がっていたそうだ。

 ベッド脇にキセルとタバコ入れ、女性用の髪飾りがあった」

 

 ・・・昨夜は女性と一緒だった?

 

「女癖は悪い奴だったから・・・可能性はある」

 

 女をとっかえひっかえしてたってことか。

 よし、恨みを持った女性による正当な犯行! これにて一件落着!

 

「するな! いや、その可能性もなくはないが犯人は捕らえないといけないだろう」

 

 せやかて工藤、女をもてあそぶ男なんて万死に値するやで!

 そう言ったら後ろから凄く冷たい声がした。

 

「へーえ」

「それならハヤトくんはまず真っ先に死ぬべきだと思うんだけど」

「お兄ちゃん、いっつもふらふらしてるよねー」

「自覚がないのはちょっとねえ・・・」

「こういうの『ぶーめらん』って言うんでしたっけ」

 

 そして高鳴る鍔鳴りの音。

 いやっ、そう言う事ではなくてですね!?

 

「まあ君が女性にだらしないのは分かった。しかも無自覚で無節操で無差別に」

 

 ヴィナさんまで!

 

「痴話ゲンカは時と場合を考えて欲しいですぞ。

 それでヴィナ嬢、殺されたマガラマチシ氏はどのような人為(ひととなり)だったのかですぞ? 女性に恨まれるタイプのプレイボーイでしたかですぞ?」

「そうだな・・・まあ大体そんな感じだ。

 名家の生まれで本人もそれなりの術師だが、公職にはついていなくてな。

 有名な劇場づきの脚本家、兼小説家として生計を立てていた。

 かなりの売れっ子で、文才を鼻にかけて人を小馬鹿にするところがある。

 傲岸不遜で無礼。女に手を出しては捨てて、時には何又もかけて修羅場になったそうだ。

 ただ、それでもひっきりなしに女にはもてたらしいな」

「なるほど。一つ間違えればハヤトの未来の姿なのですぞ」

 

 ラファエルさん、それはひどいと思います!

 

「気を付ければいいことよ。取りあえず周囲の女の子にちゃんと向き合うとか」

 

 向き合ってる・・・と、思うんですけど・・・認識が違うんですねはい。

 そこ(アーベルさん)、ニヤニヤするな。

 

「さてね。それでばあさん、《過去視(ポスコグ)》の呪文なりなんなりで、何が起きたかパッとわからねえのかい?」

「無茶を言うな。あんなもん神から授かるか、本物の真なる魔術師でもなくば使えんわい。

 まあそのキセルや短刀、髪飾りの持ち主くらいはわかるかの。

 それと小僧、その部屋の匂いを嗅いでおけ」

 

 ゲマイは香水多いから鼻がバカになるんですけどねえ・・・

 

「だからじゃろうが。香水の匂いが残っていれば、誰が部屋にいたかは一目瞭然じゃ」

 

 へーい。

 

「そう言えば君たちのところにはアーティファクトの猟犬がいたな。

 それか?」

 

 まあそれなんですけど・・・ご内密にお願いしますね。

 

「?」

 

 メタモルフォーム!

 ギガゴゴゴと音は鳴らないが。

 

「おお・・・」

 

 ヴィナさんと従者の人が目を丸くする。

 この前も使ったメカ狼、ミストヴォルグ六変化の一形態だ。

 これで匂いを嗅ぐわけですよ。

 

「なるほどな。獣術師とも違うようだし興味深い。

 しかし女にだらしない・・・なるほどダケンか」

 

 アメコミの爪男の不肖の息子みたいな言い方やめて!

 ともかくマガラ・・・ええと、長いからマガと呼ぶが、部屋には六人の匂いがあった。

 まずマガ本人の香水の匂い。ちなみにタバコ入れとキセルも本人のものだった。短刀はホテルの壁に飾ってあったものらしく、手掛かりにはならなそう。

 ホテルの従業員の匂いが二つ。これは第一発見者と、遺体を運び出す手伝いをした人。

 ヴィナさんの香水の匂い。

 そしてそれらとは明らかに異なる香水の匂いが二つ。

 香水付けているからって女性確定ではないんですよね?

 

「ゲマイの上流階級だと香水はごく普通のたしなみだからな。

 体臭を誤魔化す以外にも、健康増進や魔除けなど、様々な意味がある。

 オーダーメイドであることも多いから、そうなら話が随分楽になるのだがな・・・」

 

 まあ取りあえず該当者を捜してみましょうか。

 

「うむ。悪いが、しばらくそのままでいてくれ」

 

 え、人間のままでも匂いはかげますけど。

 

「・・・なら、どうして変身したんだ?」

 

 人間のままで匂いかいだら、みんな一斉に引くからですよ!

 こっちは大まじめにアーナの行方を捜してたっていうのに!

 

「ご、ごめん」

「でもあの絵面は・・・ちょっとね・・・」

 

 複雑な表情でヴィナさんが頷く。

 

「まあ想像は付く・・・済まないがやはりそのままでいてくれないか?

 犬に匂いを嗅がれるのと、人間に匂いを嗅がれるのとでは、特に女性相手の場合に色々とだな・・・」

「いいですね。犬のままなら女性にちょっかいかけることもないでしょうし」

 

 わおーん!(悲しみの遠吠え)




>爪男の不肖の息子
ウルヴァリンの息子のダケン。ウルヴァリンのコスプレして悪のアベンジャーズに入っていた。
マジで日本語の「駄犬」がネーミングもとらしい。
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