異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第二十話 今のお前に足りないものがある。コネだよ

 家宝って・・・これどうなるんでしょ?

 

「んなもん俺が知るわけねえだろ。けど、家宝ってくらいなんだからやっぱり盗まれたらマズイんじゃねえか?」

「だよなあ」

「お姫様と結婚決まってたのに、カドフィスって兄ちゃんも運がねえなあ」

「代わりに俺と結婚してくれないかな」

「ハハッ、てめえのツラじゃ場末の娼婦だってお断りだよ!」

「なんだとこの野郎」

「いいからなんて書いてあるんだよ、誰か教えてくれよ!」

 

 うーんカオス。

 勝手なことを言う人混みから離れて肩をすくめる。

 と、後ろからかかる声。

 

「すまない、そこの人。ハスキー一座のテントを知らないか?」

 

 ああ、ウチに御用で・・・おや?

 

「おや」

 

 一瞬言葉が途切れる。

 粗末なマントにフードをかぶって俺とお見合いしているのは、昨日会ったばかりのヴィナさんのお兄さん、ファーレンでも三番目か四番目というお家の嫡子にして魔導君主家のお姫様の元婚約者になりそうなクジュラさんだった。

 

「はっはっは。容赦ないねえ。まあその通りなんだけどさ」

 

 などと、思わず口に出していた超失礼な言葉もさらりと受け流すクジュラさんである。器がでかい。

 それでウチに何の御用です?

 

「まあ大体わかるんじゃない?」

 

 くいっと、立て札を親指で指してクジュラさん。

 そうじゃないかとは思ってましたが(溜息)。

 

 

 

「そりゃまあ、こっちも世話になりましたから手伝うのはやぶさかじゃないですが・・・何をお望みで?」

「話に聞いたアーティファクトの狼と、そちらの術師殿のお力を借りたいと思ってね。

 出来ればそちらのお嬢さんの破魔の剣と、リタちゃんの動物と会話する力も」

 

 ・・・ウチの事情に偉くお詳しいですね?

 

「魔導君主家に名を連ねるものとして、情報収集は欠かせないからねえ。

 まあタネを明かすとワイデストの王様が王子の頃にゲマイを表敬訪問したことがあってね」

 

 あー、アントン座長に誘拐されて魔力を引き出す鍵になったあの人。

 何となくビッグバンパンチ使いそうな。

 

「何の話だい? ともかくその時にお相手役として選ばれたのがぼくなのさ。

 それ以来やりとりをしていて、この前の事件のことも聞いてるんだ。

 君たちのことも結構詳しく書いてあってね」

 

 そこかー!

 意外なところに情報源があったもんだ。

 

「人脈は誰にとっても最高の資産の一つさ。

 互いに役に立っているんだからWIN-WINってものだよ」

 

 うーんコミュ強の論理。

 と、そこでクジュラさんは僅かに眼を細めた。

 

「どうも随分大変だったみたいで、色々書いてはいたけど、古代王国の巨大兵器をどうやって倒したかだけはぼかしてあったんだよね・・・ひょっとしてそれも君たちじゃないかな、なんて思っているんだけどこれはぼくの妄想かな?」

 

 眼を細めて笑みを浮かべるクジュラさん。

 やべえ怖いわこの人。人のよさげな兄ちゃんだから油断してたが、魔導君主の娘婿になるくらいの切れ者だってのは本当だなこれ。

 

「・・・うんまあ、君たちも話したくないことがあるだろうし、この話はここまでにしておこうか! 君たちが腕が立つことだけ分かってれば、ぼくとしては十分なわけだし!」

 

 しかしどうすべきか・・・なんて思ってたら向こうの方から話を切り上げてきた。

 それも輝くような笑顔で。

 これこっちに遠慮したわけじゃなくて、多分俺の表情から確信得ただけだよな・・・

 

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

 俺の顔に集中する視線。

 サーセン。

 

 

 

「ハヤト!? アルテたちまで! 何をやっているんです兄上!」

 

 カドフィス家につくと、物凄い勢いでヴィナさんが迫ってきた。

 それはもう、クジュラさんがのけぞるくらいに。

 

「だってしょうがないじゃないか。本当に我が家の浮沈がかかってるんだよ?

 なりふり構っていられない」

「ほお。なりふり構わないなら、私の友人に迷惑をかけてもいいと?」

 

 あ、口調が変わった。

 さすがのクジュラさんが冷や汗かいてる。

 まあまあ、俺達としても友達が困っているなら助けたいとは思う訳で。

 

「・・・その気持ちはありがたいが、しかし魔導君主家の厄介ごとに一般人を・・・」

「そうやってぐちぐちと悩んで行動に移さないのがヴィナの悪い癖だよ。

 利用し合ってこその友人さ。互いに得意分野が違うんだから、そこは頼りあうべきだよ」

「・・・」

 

 ヴィナさんが黙り込む。

 この口のうまさよ。

 ちょっと同情しちゃうなあ。

 

「だろう? いつもこんな感じでな・・・まあ、相談無しに話を進めたことについては後で話しあいましょうか、兄上」

「アッハイ」

 

 再び冷や汗をかきはじめたクジュラさんと共に、俺達は屋敷の奥に向かった。

 

「それで、盗まれた家宝とはなんじゃ?」

「魔導君主家の魔宝玉(ゲーナー)です。ご存じかも知れませんが、剣と鏡と共に、魔導君主の証となるものでして」

 

 剣と宝玉と鏡? まるで三種の神器だな。と思ったら、後で師匠が三千年くらい前のオリジナル冒険者族の仕業だと耳打ちしてくれた。国学かぶれの人だったのかなー。

 しかしお殿様から預かってた宝って事でしょ? それ盗まれたら、確かに手打ちになってもおかしくない。

 

「そうなのだ。即座に死罪と言う事はないにせよ、財産没収、お家断絶でも文句は言えない。なので君達が来てくれたのは確かにありがたい。期待させてくれ」

 

 もちろん。任せてくださいよ。

 しかし師匠。俺とカオルくんとリタはまあわかります。ガイガーさんも。アーナも離れたがらないし、リタの護衛としては頼りになるからいいとして、アルテ連れて来たのは何故です?

 やっぱ、かしこいアルテさんに期待して?

 

「うむ。《加護》の力も最近ますます増大しておるからの。

 うまく行けばその片鱗が見られるかもしれん」

 

 なるほどー。

 そんな会話をしつつ、俺達は宝物庫に向かった。

 

「・・・これはまた凄いの。とんでもなく値が張ったろう」

「主家の宝を預かるのだからこれくらいは、と祖父が気合いを入れたそうです」

 

 中央の台座以外、何もないがらんどうの部屋を前に、謎の会話をする二人。

 なんだろう? ミストヴォルグセンサーにも何も感じないというか・・・何もなさ過ぎる?

 

「だと思うよ。この部屋、全く魔素(マナ)を感じない。多分魔素を除去してあるんだ」

「正解じゃ。この部屋とその周囲の壁にまで《魔力断絶(マナ・イレイズ)》の呪文で魔素(マナ)を除去してある。つまり、魔法を使ってこの部屋とその周囲に干渉することは不可能ということじゃの」

 

 で、その部屋の中から宝物が盗まれたと。

 この前は密室で今回は不可能犯罪ですかー!?

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