異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四章「ニュー・ワールド・オーダー」
第三十話 クリエ・オウンド


「来るべき理想社会について語ろう」

 

     ――パラゴン、ザイバツシャドーギルド・グランドマスター――

 

 

「うわー・・・」

「すっごい・・・」

 

 アルテ達が言葉を無くしている。

 ゲマイの首都クリエ・オウンド。

 滅茶苦茶でかい。広い。丘の上からでも果てが見えない。

 実際に中に入ってみればとにかく人、人、人。

 休日の新宿や渋谷でもここまで人口密度高くないぞ。

 俺やカオルくんみたいな日本人はともかく、こっちの世界の人からしたら見たこともないような巨大都市なんだろうな。

 ちなみに師匠の話によると人口は百万越えてるらしい。すげえ。

 

 そしてゲマイに足を踏み入れたときにも感じた熱い空気とスパイスの香り、熱い人いきれと雑踏の匂い。文字通り空気が違う。

 凄いというとあれだ・・・丘の上に建ってる、あの四角いでかい顔みたいのなに?

 

「あれは魔導宮グラン・ゾントですぞ。魔導君主たちによる合議が開かれ、他の様々な政務が行われる・・・まあこの国の王宮ですなですぞ。

 近くまで行ったことがありますが、話によると高さ500mはあるそうですぞ」

 

 すげえな。何のために作ったんだそんなもの。

 

「元は古代に魔道具を作成する工房として作られたものじゃ・・・と聞いておる。極めて頑丈であったし、種々の設備もあったので、代々の王朝で王宮として用いられたんじゃな」

 

 なるほどなあ。

 ・・・あれ、ひょっとして地面の下に巨大な体が埋まってたりしません?

 

「何を馬鹿な。小僧のロボットアニメでもあるまいに」

 

 ですよねー。HAHAHAHA。

 

「ははははは」

 

 まあ頭だけ出してるのはどっちかと言うとポ○モンネタだが閑話休題(それはさておき)

 俺達は例によってテント張りますけど、ヴィナさんとトラコさんはどうします?

 

「私は・・・差し支えなければ君たちのところに泊まらせて貰ってもいいだろうか。

 無論滞在費は支払わせて貰う」

「私もそうしたいところだが一応公務だからな。官舎に泊まることになる。バンタラ街にあるから、何かあったらそこに」

「まあ、食費出してくれるなら別にかまやしないけどねえ」

 

 ヴィナさんがこちらに来たのは魔導君主ダー・シ・シャディー・クレモントの様子を探るため。そのためには狙われてる俺達と一緒にいるのが一番効率がいい。

 一方トラコさんも公務とは言いつつ、「出来ればそうしたい」などと言っているあたり実際の目的が透けて見える。

 やる事が同じならどうせなら一緒に行動すればいいと思うのだが、この辺は縦割り行政の弊害って奴か。

 そんなことを考えていると、例によって表情で察したのか二人が苦笑する。

 

「まあそれはあれだ」

「大人の事情という奴でな」

 

 宮仕えはつろうおますな。

 二人は苦笑するだけで何も言わなかった。

 

 

 

 さて、魔導君主の様子を探ると言っても、身分のあるヴィナさんトラコさんはともかくしがない芸人に出来るのは町の噂を集める事くらいである。

 それもアーベルさんだよりとなると、俺達はあっちがちょっかいかけてくるのを待つしかない。

 例によってシルヴィアさんが元締めのところに挨拶に行き、俺はテントを高速設営。

 その後は馬車に乗って興行のご挨拶と行きたいところだが、この町では禁止されてるので呼び込みで何とかする。

 

「ご当地初お目見え、ハスキー一座! ハスキー一座をよろしく!」

 

 アーベルさんやシルヴィアさんが話を聞きに出ている間、アルテやカオルくん、リタやアーナと一緒にテントの前で呼び込みをして、ちょっとした芸もする。

 そこに現れたのは意外な客だった。

 

「久しぶりだな、ハヤト殿。さすがに様になっているものだ」

 

 え? この声は・・・?

 

「えっ?」

「この人・・・」

 

 振り向くと、そこにいたのは黒ずくめに眼帯の長身、短く刈り込んだ黒髪、腰には長剣。

 ゼンティルのスノスレスで会った決闘クラブの大立て者、冒険者族にしてファーレンの貴族、さすらいの武芸者ロウブさんだった。

 ちょっと待って、ゼンティルでお姫様といい空気吸ってるはずのあんたが何で!?

 

「まあ色々あってな。ハヤト殿、この後時間はあるか? 少し話をしたいのだが」

 

 何か猛烈に悪い予感がするのう~~~~~っ!

 じゃなくて、あんた俺より先に話すべき相手がいるでしょうが!

 ファーレンの実家には顔を出したんですか!

 

「む? それがしの出自を知っているのか。まあそちらの方は気にしないでくれ。

 それがしは既に家を飛び出た天涯浪々の身。後で元気にやっていることだけ知らせればよかろう。妹もそれがしの選択を祝福してくれるはずだ」

 

 笑顔のロウブさんだが・・・あっ。

 

「あっ」

「あ・・・」

 

 ロウブさんの後ろを見て固まる俺達。

 

「なら祝福してやる、このクソ兄貴が!」

「う゛ぉごぉっ?!」

 

 ほお桁にクリーンヒットしたトラコさんの拳が、ロウブさんの体を景気よく吹っ飛ばした。

 

 

 

 昏倒したロウブさんにとどめを刺そうとするのをヴィナさんが必死で押しとどめて、テントの中で取りあえずお茶を出す。

 

「久しぶりに会う兄に対して、随分とご挨拶ではないか、トラコよ」

「自分の胸に手を当てて考えてみられるがよろしかろう」

「さすがにここまでされる謂われは無いと思うのだがな・・・」

 

 あ、トラコさんが凄い笑顔になった。こめかみに血管が浮かんでる。

 笑うという行為は本来攻撃的なものであり(ry

 

「将来を嘱望されていた嫡子のくせに、何も言わずに姿を消したのが怒る理由にならないと?

 しかも結婚式の当日に、花嫁と式をすっぽかして、両家を大混乱に陥れたことに?

 父上と母上、チム家のおじ様とおば様がどれだけ苦労したか分かっているのですか!?

 ましてや置いていかれた花嫁(チャンヘ)の気持ちを!」

 

 文字通り虎の咆哮のような怒濤の口撃。

 あのロウブさんが冷や汗をかいて何も口を挟めない。

 そしてトラコさんの熱量に反比例するように、俺達の視線は絶対零度にまで低下していた。

 

「ま、まあ待て。少なくともチャンへに関しては理由がある」

「くだらない理由だったらこの場で首をかっ切って、父上と母上には頓死したと報告します」

 

 やべえ、目が全く笑ってねえ。

 ヴィナさんも今度ばかりは止める気はなさそう。

 

「だから話を聞け!

 あいつには好きな男がいたんだ! 家の都合で俺と婚約させられてはいたが!」

「!? では、出奔はチャンへのために?」

「いや、それはついででな。元から家の跡継ぎは放り出して逃げるつもりだったから丁度良いタイミング・・・」

 

 最後まで言わせず、再びトラコさんの拳が彼の顔にめり込んだ。




>頭だけ出してるポ○モンネタ
ポケモンのディグダ。
穴から首だけ出してるデザインのため、地面の下の下半身がよくネタになっている。
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