異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
第四十二話 ハヤト吶喊します
「戦って、戦って、それでもかなわぬ時は、マジンガーZと共に死ぬだけです!」
――兜甲児――
目指すはミュケーナイの丘。
十万を超える軍勢の大戦闘を横目に、ステルスモードで丘の中央、古代遺跡に突入。
ゲマイの軍隊だから透明化を見破れる術者も沢山いるだろうが、戦闘中にそこまで気付く奴は多くはないだろうし、気付いても即座には動けないはず。
ステルスをかけたまま丘の頂上に。
黒い光沢の、前衛芸術のストーンヘンジみたいな遺跡群の中央に着地する。
出入り口めいたものは見えないが・・・師匠、わかります?
(少し待て。この丘、元はこれ自体が巨大な建造物だった・・・ようじゃな。
どこかに上向きの入口があるはずじゃ)
なるほど、古墳みたいなもんか。
あれも作った当時はピラミッドみたいな人工建築物バリバリだったそうだし。
師匠が呪文を唱える間、石柱の影に隠れて待つ。遠くから戦争の音。
(土に埋もれておるが・・・小僧、穴を掘れ。30mほど下に入口がある。
もう少し東、あの三角柱の南側あたりじゃ)
うーむ便利だな師匠ナビ。
それでは教えて貰ったし、現場担当は穴を掘りますか。
チェンジジェッターII(ツー)! スイッチ・オンッ!
ナビの表示通り、指定ポイントのほぼ直下にメンテハッチのようなものがあった。
師匠が腹の中から魔力錠を外し、ハッチを開けると中に滑り込む。
掘った穴は一応塞いである。魔力錠を閉め直せば外から簡単に入ってくることはできまい。
あくまで雑兵は、だけど。
そんなことを考えつつ、俺は下の通路に飛び降りた。
遺跡の中は何度も見た未来的無機質空間。
いや、遺跡じゃなくてこれ生きてるか?
少なくとも明かりは灯っているし、壁や床もぴかぴかだ。
もっとも、そうでない真魔法文明時代の遺跡というのにはお目にかかったことがない。
(どうします? ボクたちも外に出た方が?)
(いや、しばらくは腹の中の方が都合が良かろう。小僧、わしらをいつでも吐き出せるようにしておけ)
うっす。
それで、どっち行きます?
(正直どこに何があるかわからん。まず案内板を見つけるんじゃ)
了解です。
幸い、走り回ると案内板はすぐに見つかった。
この辺はありがたいが不安にもなる。当時の対テロ対策とかどうなってるんだ?
いや日本でも原子力発電所とか、内部に案内板を設置しないとかはありえないか。実際に使う人が不便すぎるもんな。
(ふむ・・・この階は飛ばしてよさそうじゃな。
非常階段から一階下に回れ)
エレベーターは罠を仕掛けられるからですか?
(まあそういうことじゃな。階段も狭いがエレベーターの穴よりは動きやすかろう)
(中にまだ生きてる何かがいないとも限らないしね。
なるべく密かにチャッチャと行こう)
シルヴィアさんの言葉に頷きかけた瞬間、赤いランプが灯り警報が鳴り響く。
周囲からガシャガシャと、機械の駆動音。
・・・・・・・・・。
(・・・)
(・・・・・・)
(・・・・・・・・・)
(な、何見てんだよ! あたしのせいじゃないだろ!?)
周囲からじとっとした視線を向けられて、うろたえる人が約一名。
師匠やアーベルさんが言ったならともかくシルヴィアさんですからねえ。
(シルヴィアさん・・・)
(ギャンブルの負け犬女王だものねえ)
(言葉にしたら本当になると言うことはあるが、お前の言霊には悪い意味で力があるからのう)
師匠をはじめとして、一斉に深い溜息が漏れる。
(うるさいね!? 入るときに姿消してないハヤトが悪いんだろ!)
シルヴィアさんかて何も言わへんかったやないですか!
(ええい騒ぐな! 小僧、わしらを外に出せ! それとも行けるか!)
行けるところまでは行ってみます!
通路の向こうから、後ろから、姿を現す四足歩行の魔導機械。
狼のような体躯、足の下には車輪がついて、高速走行も可能になっているようだ。
いかにも高速移動に適してますって形状で、背中には魔導砲らしきもの。
ほぼZ●IDSだな!
だがこちらにもこちらの武器があると教えてやろう!
ジェッターヴィジョン!
『!?』
感情のない魔導機械の瞳に、確かに一瞬困惑の色が浮かんだ。
俺の姿が無数に分身したからだ。
ジェッターヴィジョン。
高速戦闘を得意とするジェッターII(ツー)及び同系統機に装備されている機能。
超高速で移動し、残像で分身を作り出す荒技。
ゲームでは確率回避能力として再現されていることが多いが、実際には敵のかく乱やフェイントに使うことが多い。
今、オオカミZ●IDSもどきをそうしているように。
そして当然、回避にもこれは有効だ。
『GWON?!』
『VOW! VOW!』
機械の狼たちの吠え声がこだまし、魔力弾が乱れ飛ぶ。
だが光の弾丸は俺の残像をすり抜け、何発かは味方のメカ狼に命中する。
ばかめ、挟撃するなら射線を外すのは常識だ!
『GYAIN!』
『GAVVVV!』
機械の悲鳴が上がる。
脇をすり抜けざま、行きがけの駄賃にドリルやペンチアームで体をえぐられた個体のものだ。
直後、そうして体勢を崩したメカ狼の魔力弾が、隣の同族に命中して頭を吹き飛ばした。
脇をすり抜け、頭を飛び越え、軽業師のように天井や壁を蹴ってメカ狼の群れを抜ける。
振り向きざまに腕からミサイルを連射。
「ジェッターミサイル!」
どれだけの被害を与えたかも確認せず、俺は階下への階段を駆け下りた。
「ジェッターヴィジョン!」
非常階段を下りた俺は、待ち構えていた敵の攻撃を華麗にかわしつつ案内板へ。
一方、俺の体内でも悲鳴が上がっている。
(ぐええええ!)
(うえっぷ!)
(外を見るなと言っておろうが!)
どういう理屈か知らないが、俺の腹の中にいればある程度Gは無視出来るらしい。
が、無視出来ないのが外の景色である。
人間は体が動いてなくても、景色が動いてるだけで酔ってしまう生き物だ。
外を注視していた連中は、軒並み超音速の視界移動を目の当たりにしてダメージを食らっている。
特にダメージの大きいのが好奇心に負けたラファエルさんとオブライアンさん、意外なことにアーベルさん。
小人族はこの辺強そうだと思ったんだけど、どうも視界と三半規管の感覚のずれがきついようである。感覚が鋭いのも良し悪しやな。
ともかく案内板を一瞬ちらりと見た俺は、その映像を体内に映す。
それを見た師匠のナビで制御室らしい一室に飛び込む俺。
腹からみんなを吐き出す。
「扉を閉めろ! 小僧、なんかして扉を塞いでおれ! わしらは施設のことを探る!」
なんかってそんな適当な。まあ何とかしますけどね!
みんなで戦うよりは俺が塞いだ方が消耗は少ないし。
外からガンガンと体当たりする音、魔導砲を撃ち込む音。
さしもの魔法文明製素材もその暴力には勝てず、徐々に歪んでいくが。
「レクスカイザー! リペアビーム!」
俺の手から放たれる光線によってその都度修復される。
うーん便利。一撃で壊せる火力の奴が出てこない限りは大丈夫やで。
胸を張って振り向こうとした瞬間である。
「えっ」
「あ」
「お」
みんなの驚きの声。
目の前に跳躍したアーナの顔。
その目は、ガラス玉のように色が無かった。
>ZOIDS
もうそろそろ新作アニメ見たいなあ。
>「レクスカイザー! リペアビーム!」
勇者エクスカイザーのフォーミングビーム。非生物ならダムでも修復出来る。