異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四十五話 かしこいアルテさんのひみつ

 ・・・はい? ナジャラーガ?

 おかあさんの実家の遠いご先祖様の、えらい魔法使い?

 あの杖作った人?

 

「ええ。まあ実際に作ったのは父さん(交流神)で、私はそれをいじっただけだけど。

 まさか神の力を呼び降ろすための道具として使われるとは思ってもみなかったわ」

 

 溜息をつくメガネのお姉さん、本人の言うことを信じるなら私のご先祖様。

 それで、私どうしてこんなところに呼ばれたんですか?

 ここ天界って奴?

 

「ああ、違う違う。私お父さんやお母さんと違って神様になれるような術師じゃないし」

 

 ぱたぱたと腕を振るご先祖様。

 なんか「えらい魔法使い」ってイメージから外れるな・・・そう言うと苦笑された。

 

「魔術師、今で言うと真なる魔術師?だって別に元から神様だったわけじゃないのよ。

 《祭壇》様がお父さん達を神位に引き上げたから誤解されてるけど、基本はただの人。

 そりゃもう女神様みたいな凄い美女もいればいかにも大魔術師な白髭のおじいちゃんもいたし、普通のおじさんも勇者みたいな人もコミュ障もオカマさんもいたのよ」

 

 い、いたんだ・・・でもじゃあここは何なの? 魔法使いの秘密の隠れ家?

 

「ある意味ではそうだけど、ここはあなたの中。私はあなたの中にいる情報体。

 かつての『ナジャラーガ』の知識と経験を再現した存在というのが一番近いかしらね」

 

 ・・・??????

 まるっきり理解出来ない。

 それが顔に出ていたのだろう、また苦笑された。

 

「まあ知らないとわからないわよね。戻ったらええと、ペトロワさんかハヤトくんかカオルちゃんに聞いてみなさい。多分説明して貰えると思うわ。

 今は先祖の魂があなたの中にいるんだと思っておいて」

 

 はあ。

 それで、なんでご先祖様の魂がわたしの中に? それにどうして今になって?

 

「あなたが本当の意味で《加護》の力に目覚め始めたからよ。

 私はね、あなたの《加護》なの。

 言うなれば《ナジャラーガの加護》ってとこかしら?」

 

 え・・・えええええええええええええ!?

 私の《加護》って、《怪力の加護》じゃなかったの!?

 

「あなたの精神と肉体がそれに向いていたってことでしょうね。

 魔力を操る能力が、筋力強化に集中して発現したんだと思う。

 極めて珍しいことだけど、私が生きていた間にも術師の先祖の魂が子孫の中に降臨した例があったのよ。

 その時もまず魔術や知識じゃなくて、手先の器用さとして発現してたわ。《加護》を使いこなせるようになった後でも、結局術師じゃなくて職人になってたから、その辺は本当に当人次第でしょうね」

 

 うーん。

 じゃあ私はこのまま?

 

「それが自然でしょうね。もちろん私の知識と技術を全てものに出来たら、それだけで大魔術師になれると思うけど・・・あ、そうか。今まで目覚めなかったのは肉体と精神の防御反応って可能性もあるわね。

 自我が未発達な子供の頃から私の経験や知識を無制限に伝えていたら、私の経験を自分の物と勘違いして、私のコピーみたいな人間になっていた可能性もあるし。

 そうなるとあなたが私の魂に乗っ取られたみたいな形になっちゃったでしょうね」

 

 け、結構怖いのね・・・あれ、でもこれ生まれ変わりとは違うんだ?

 

「便宜上魂って言ったけど、別物だからね。

 それともあなたが私の生まれ変わった姿ってこと?

 魂は輪廻転生するものだから、ないとは言えないかな。

 でも証明する手段はないし、私とあなたは互いを別人として認識している。

 まあ、別人って事でいいんじゃない?」

 

 うーん。ともかくここのところ、色々私に教えてくれてたのはあなたってことでいいのね?

 

「ええ。私はあくまで持ち主の意志に応じて知識とか技術を適宜伝達するだけ。

 オリジナル冒険者族の言い方で言えば『だうんろーど』ね」

 

 それで色々お婆ちゃんと話したり、術を使えたりしたわけね・・・。

 ねえ、ちょっと待って。

 さっき思わずハヤトに対してその、しなだれかかったり指で喉元をくすぐったりしたのは・・・

 

「私からの技術提供よ」

 

 あっさり言いやがったこの女。

 なんてことしてくれんのよ!? まわりから変な風に思われちゃったじゃない!

 

「だって、あの時あなたが『どうにかしてハヤトにご褒美貰えないかなあ』なんて考えたからこうなったのよ!? 私悪くない!」

 

 やり方ってもんがあるでしょう!

 

「聞こえますか・・・我が遠い子孫よ・・・

 既成事実です・・・既成事実を作ってしまえば男は逃げられません・・・

 どんな手段でも最後の一線を越えてしまえば勝ちです・・・」

 

 何いきなり遠い目をして神託風になってるの!

 あれじゃハヤトにだってドン引きされるでしょ!?

 ・・・まさかあなた、生前もそうやって結婚・・・

 

「いやその」

 

 何がいやそのなのよ。事と次第によってはブッ飛ばすわよ。

 出来るかどうかは別として、わたしが本気である事は伝わったらしい。

 

「・・・」

 

 黙り込んでんじゃないわよ。何か言いなさいよ!

 そうしたら、目をそらしながらぼそぼそと口を開いた。

 

「その、母さんもそれで父さんをゲットしたと・・・」

 

 ダメだこの《百神》早く何とかしないと!

 大昔の神様は、何でこんな人達を神様にしたの!?

 

 

 

 頭を抱える私。

 作り笑いを顔に貼り付けるご先祖さま。

 まあさっき言ってた、真なる魔術師も元はただの人間ってのはよーく理解出来たわ。頭ではなく魂でね。

 

「それはよかったわね」

 

 よくないわよ(ドスの利いた声)。

 まあいいわ。よくないけど。よくないけど。

 こんな時に話しかけてくるんだから、何か重要な事があるのよね?

 

「・・・」

 

 なかったら潰すぞ、という意志を視線に乗せると、ご先祖様が目をそらした。

 

「いやまあその・・・こうしてあなたとちゃんと話をすること自体重要な事だと思わない?」

 

 まあ・・・それはそうね。特に今の状況では。

 今まで出たり引っ込んだりしてたけど、これからは自由にあなたの知識を使わせて貰えるって事?

 

「大体そう言う理解でいいと思う。こうして『私』と直接話せるようになったのは、あなたと《加護》、つまり私とのリンクが確立されたと言う事だろうから」

 

 そう。じゃあ頼りにさせてもらうわ。

 

「ええ、もちろん。

 でもひとつだけ。私は所詮過去に生きていた誰かの影に過ぎないわ。

 《加護》を生かすも殺すも、今を生きるあなた次第。

 それだけは忘れないでね」

 

 最後に微笑んだ彼女。

 その時だけはこの親しみやすいお姉さんが、永い刻を生きた偉大な魔術師に見えた。




《ナジャラーガの加護》はエブリンガーの後に一本書いた没小説のネタの再利用。
その作品では主人公コンビの片割れの加護で、それをうまく使えないヒロインと、それを引き出せる主人公のバディものという感じでした。
なお主人公はハムリス。ヒロインの頭の上にパイルダーオン。

>先祖の魂が~
書いてて思ったけどちょっと「風よ、龍に届いているか」の転生システムっぽいw
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