異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第四十八話 口先三寸

「キャハハハハ! ご明察ッ!

 その通り、この戦場では、誰でもみんなとってもガンバっちゃうノ!

 仕掛けるのにモノすごぉ~~~~く、手間がかかっタんダカラ!」

 

 やっぱりこの丘の周囲に軍勢が集まっていたのまで含めてアンタの仕業か。

 なんのため・・・

 ダー・シが集めた軍勢。沢山の人間。

 施設の外側から来てる膨大な魔力。

 

 そこまで考えたところで気付いた。

 戦場の死体から血が流れていない。

 それどころか、ミイラみたいに干からびてる。戦闘開始からせいぜい一時間くらいだってのに。

 まさか・・・

 ダー・シの口が大きく裂けて笑みの形を作る。牙のような歯がずらりと並んでいるのが見えた。

 

「イイわね。ハヤトくん、あなたホント鋭いわ。ビンビン来チャウ。

 ほぼ正解ダト言っておくワ」

 

 その言葉の意味が広がるにつれ、みんなの表情がこわばっていく。

 つまりこいつはこう言ってるのだ。

 十万からの人間を生贄に捧げて、この施設を動かす動力にしたと。命や精気、あるいは怨念とかそう言うものも吸い込んでいるのかも知れない。

 

「この施設の周囲の仕掛けは手間だったケド、他の魔導君主家を動かすのはさほどでもなかったワ。

 チョッカイかけてバレちゃったから、そこを逆手にとってファーレンをつついタラ簡単に乗ってきてくれタシ、魔導君主家筆頭が動いたら他もネ?」

「・・・!」

 

 ヴィナさんの手が怒りに震える。

 家から離れたロウブさんですら厳しい表情。

 他のみんなも怒りを顔に出してる。

 

 俺も怒ってる。だがそれ以上に恐ろしい。

 こいつ、口先三寸でゲマイを丸ごと内戦に叩き込みやがった。

 

 もちろん魔導君主の一人ってこともあるが、それでも普通、自分の戦力全損させてまで破滅させようとは思わない。

 他の魔導君主はそこを突かれた。

 陰謀家として名高いダー・シが、なりふり構わず軍を動かす。

 何がなんでも確保しようと考える遺跡がある、そう考えてしまった。

 

 そして実際そうした遺跡がこの世界にはいくつもある。

 彼らには動かない選択肢がなかった。

 その結果がこれだ。まんまと一トンデブの術中に落ち、半分以上の兵力をすり減らした。

 

「・・・ざっと見た感じ、多分全部で4万は切ってると思う」

 

 全体を映したモニターを見ながらカオルくん。

 彼女バードウォッチングをしてたことがあって、コツを知ってれば大体の数は瞬時に分かるんだそうだ。アーベルさんも頷いてるから多分正しいんだろう。

 最初に軍勢を十二万と見積もったのもカオルくんである。

 しかしそれが今四万ってことは・・・

 

(うっ、ああっ!?)

 

 リタ!?

 

(リタさん! 『聞かないで』!)

(リタ! 『~~~~』!)

 

 突然上がったリタの悲鳴。

 アルテたちと一緒に俺の背中のサブコクピットで待機していた彼女が、頭を押さえて絶叫する。

 咄嗟に抱きかかえたタウさんが声で暗示を与え、アルテが呪文を唱えて恐らく精神障壁らしきものを張る。

 荒い息をつきながらも絶叫は収まったが・・・大丈夫なのか、アルテ?

 まさか死んでいく人達の声を聞いた?

 

(だと思う。外を認識して、無意識に耳を傾けちゃったんでしょうね)

 

 この野郎・・・八才の子供に何見せてんだ。

 

「アラ、ゴメンナサイ。さすがに鉄火場に連れてくるトハ・・・いえ、そうでもないカ」

 

 そうだよ、お前の刺客やら何やらが怖いから留守番させてほっとくわけにも行かなかったんだよ!

 どうせダールミークみたいな組織がまだあるんだろうが?

 

「マアネ。もう狙うつもりはなかったケド、そんなこと言われても信じられないデショウシ。

 お詫びは申し上げておくワ」

 

 アーナにあんな仕打ちをしたお前が今更謝罪するのか?

 くそくらえだな。

 大体詫びるなら俺よりガイガーさんへの方が先だろうが。

 そのガイガーさんは一瞬にしてガチモードである。シルヴィアさんやアーベルさん、ロウブさんと言ったあたりですら冷や汗を流している。

 俺たちが小便漏らしてないのは、周囲に殺気をまき散らす並の一流と違い、殺気を正確にダー・シだけに絞って叩き付けているからに過ぎない。

 そしてその殺気を叩き付けられたダー・シはそれを受け流して軽く肩をすくめた。

 

「ゴモットモ。親御サンには改めてお詫びいたしマスワ。

 でもネ、これでもワタシ子供は好きなのヨ? アーナちゃんタチにだって、出来る限りの良い暮らしはさせて上げてたンダカラ。

 オリジナルのアナタには分からないかも知れないケド、屋根があるところで寝られて、三食おなかイッパイ食べられて、読み書き計算教えて貰える生活って、結構貴重なのヨ?」

 

 それは・・・まあ、認めざるを得ないが。

 だとしてもお前はブッ飛ばす。

 

「キャハハハハ! ダカラそう慌てないデ! せっかく悪の親玉ガ悪だくみの説明をペラペラ喋ろうトしてるノヨ?

 最後まで聞くのが礼儀ってもんじゃナァイ?」

「むう、それは賛同せざるを得ないのですぞ」

「オイこらラファエル」

 

 複数のツッコミが入り、ラファエルさんも苦笑せざるをえない。

 まあ気持ちは分かる。

 何かヒントをベラベラ喋ってくれるかもしれないしな。

 

「何かヒントをベラベラ喋ってくれるかもしれない、って顔してるワネ」

(ハヤト・・・)

「ハヤトくん・・・」

「あんたねえ・・・」

(素直なのはハヤトくんのいいところですよ?)

「ハヤト殿・・・」

「お前なあ・・・」

「ハヤトくんはこれだから・・・」

 

 一斉に向けられる呆れの視線にさらされる俺である。

 なんでやワシだと決まったわけでもないやろ!

 後あざといさすがタウさんあざとい。

 

(そんなひどい・・・よよよ・・・)

(そう言う所があざといって言ってんのよ)

 

 ボハボハボハ、という笑い声。呆れ顔の連中が一斉に視線を戻す。

 

「あなたタチ、本ッ当~~~に面白いワネッ!

 アナタたちの日常ヲ演劇にシタラ、それダケでお客呼べるンジャナイ?」

「それは確かにいい線いっているのですぞ。というか今構想を練っているところでしてですぞ」

 

 何してくれてんだこのクソドワーフ!

 

「じ、実際ハヤトまわりが面白すぎるのが悪いのですぞ!?」

 

 またボハボハ。

 よほどツボに入ったらしく、ダー・シが爆笑している。

 

「マアせっかくダシ? ご期待に答えテ、ヒントを上げましょうカ。

 その前に質問だけど、アナタたちここがどういう場所かは分かっテル?」

 

 何かの工場なんだろ。巨大なアーティファクトを作っていたという。

 

「ソウソウ。そして作っていたノハ・・・コレヨ!」

 

 部屋の左側、壁と思っていた部分がシャッターのように上がり、そこには窓。

 外の空間には暗闇の中に浮かび上がる・・・!?

 パチン、と奴が指を鳴らすと暗闇に明かりが灯る。

 

「・・・・・・・・!?」

 

 全員が絶句する。

 そこにあったのは10mを超える巨大な顔、顔、顔・・・

 推定100mを越えるだろう、古代の機械戦士達だった。

 




わかる人はわかるでしょうが、今回出て来たのは前作「毎日戦隊エブリンガー」第一巻で出て来た巨人兵器ギガントです。
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