異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第五十四話 胸の高まり

『フレイムクロウラー!』

 

 オープニングヒットは俺から。

 這い回るもの(クロウラー)の名前の通り、大地を炎が這い、波のように巨人戦士・・・ギガントたちに襲いかかる。

 何しろあっちは100m、こっちは800m。

 俺にとってスネ程度の波でも、奴らにとっては全身を飲み込む津波。

 敵が小さく見えるってことは、俺が勝つって事だ!

 

 炎が炸裂し、巨人戦士(ギガント)達を飲み込む。

 波が退いた後には、関節部から煙を上げるギガント達。さすがに一撃ってわけにはいかないか。アースゾートは一撃殲滅の力を司る、攻撃の魔働機士なんだがなあ!

 炎の波が消えるのと同時、巨人戦士達の胸の宝珠から青白い光がほとばしる。

 五百を超える青白い光線。

 それがグラン・ゾントの巨体に集中した。

 

『防御魔働力! ロックシールド!』

 

 グラン・ゾントの全身を岩が覆い・・・ぐおおおおおおおお!?

 こいつら、洒落にならん! 防御魔術抜いてダメージ与えてくる!

 さすがに古代魔法文明の遺失兵器か! なら・・・!

 

『エクスプロード・ライザー!』

 

 拳を大地に打ち付ける。

 大地が爆発し、盛上がる。

 その上にいた巨人戦士(ギガント)達は吹き飛ばされ、小山のように盛上がった岩の塊が青白い光線を防ぐ。

 ・・・と、思ったら僅かな時間で貫通して来やがった!

 やっぱり出力パネエなこいつら!

 ええい、それなら上位バージョンのコレだ!

 

『ガーディアンサークル!』

 

 燃え上がる炎の魔法陣が出現し、青白い光線とぶつかり合う。

 おまけの豪子力バリアー! 

 光り輝く障壁が重なって防御が強化され、敵の光線は完全に防ぎ止めたものの、ぐう、かなりきつい!

 

『ハヤト、魔力がどんどん減ってる! このままじゃまずいわよ!』

 

 わかってる! けど! ・・・お? これは?

 

『魔力の減少が・・・止まった? 流れ込む魔力が・・・でもどうして』

 

 アルテは首をかしげていたが、俺にはわかっていた。

 魔力にはそれを発した人間の意志というか、思念の色のようなものが混じる。

 機器を通して計測しているアルテには分からず、直接それを感じる俺だからわかること。

 

「がんばれー!」

「負けるなグラン・ゾント!」

「クリエ・オウンドを、俺達の町を守ってくれ!」

 

 老若男女、商人も戦士も盗賊も、庶民も貧民も貴族も、魔導君主家の人間まで。

 全てのクリエ・オウンドの人々が俺達を応援してくれていた。

 

 一人一人から流れる魔力は小さくても、百万のそれから生まれるそれは莫大な量になる。

 ましてや魔力は心の力でもある。

 感情を高ぶらせて俺達を応援してくれる人達の魔力は僅かながらも高まり、百万倍されることでそれはまた巨大な魔力になる。

 そしてそれを感じる俺もまた、感情を高ぶらせて更なる魔力を生み出す。

 胸のヴィラン・コアが全力を越えた全力で回転する。

 

 心が魔法に変わる。生命が魔法で光る。

 炎を生み出す胸の高まり。

 

 流れ込む魔力が、あふれ出す感情が、グラン・ゾントの手足に、そして炎の魔法陣に注ぎ込まれる。

 ならば俺は、負けるわけにはいかないじゃないか!

 

『!』

 

 光線を放ち続ける巨人戦士(ギガント)達が、動揺するように身じろぎした。

 炎の魔法陣が光を放つ。

 閃光と衝撃波が戦場を駆け抜ける。

 巨人戦士(ギガント)の群れが、藁くずのように吹き飛ばされた。

 

『おおおおおお!』

 

 大技の後の虚脱感を気力でねじ伏せ、咆哮を上げる。

 前衛の巨人戦士(ギガント)たち百体ほどはバラバラになって吹き飛んだが、中衛以降は多少の損傷に留まり、後衛はほぼ無傷。

 それでも大半は吹き飛ばされて地面に転がっている。

 五百を超えた巨人戦士(ギガント)たちの中に、一際巨大な、指揮官ないし王の意匠を施された隊長機らしいのが八機ほどいるが、恐らくそのどれかにダー・シが乗っている。

 アルテ、わかるか?

 

『ごめん、無理。思念で操ってるわけじゃなくて、あの巨人自体が互いに念話を発して、それを繋げてるような感じで、どこから指令が出てるか分からないの・・・ネットワークって言ってわかる?』

 

 わかる。

 しかしそうなると厄介だな。

 まあともかく当てずっぽうで!

 

『サラマンダーインフェルノ!』

 

 二匹の炎の竜が長い体をくねらせ、八機の指揮官機の一体に飛ぶ。

 立ち上がろうとしていた指揮官機に命中し、爆発。

 指揮官機は上下バラバラになって吹き飛んだ。

 どうだ?

 

『ネットワークを形成する念話は一部途切れたけど、まだ維持中!』

 

 ちっ、八分の一を運良く引き当てるとはいかなかったか!

 シルヴィアさんでなくてもこれはきついな!

 

『もう、またシルヴィアにはたかれても知らないよ?』

 

 笑みを含んだアルテの声。

 こちらも笑みを浮かべて返す。

 なぁに、さすがの地獄耳も聞いてやしないさ。告げ口はするなよ?

 

『そんなことしなくたって、ハヤトの場合顔でばれるでしょ』

 

 はは、違いない!

 そんな軽口を交わしつつも、俺達は次の武器をチャージする。

 同時に向こうの巨人戦士(ギガント)たちも体勢を立て直し、こちらに殺到して来た。

 アルテ! こいつらクリエ・オウンドに向かうつもりなのか!?

 

『ええと・・・多分ない! 全部こっちを目指してる!』

 

 よし! 良くないけど良し!

 なんだ? 一斉に手を伸ばして・・・!? 全身に何かが絡みつく感覚!

 

『念動術! 一体一体の出力はそこまででもないけど、数百体となったら・・・!』

 

 魔力視覚に集中すると、おぼろげながら念動の魔力の線が見える。あっというまにそれはグラン・ゾントの全身を縛り、身動きを封じた。

 小人達に囚われたガリバーってところだな!

 身じろぎ程度はできるが、動きはほぼ封じられている。

 しかし魔術の発動は封じられない・・・とそこまで考えて気付いた。

 ダー・シがそんなことに気付かないわけがない。

 と言うことは・・・

 

『ガーディアンサークル! 豪子力バリアー!』

 

 先ほどと同じ全力防御の構え。

 空に七体の指揮官機が円・・・いや、一機が失われて三日月を描くように浮かんでいる。

 七体の間に複雑な紋様の魔法陣が描かれた次の瞬間、俺の視界は真っ白な光に染まった。

 




グラン・ゾントの武器はいずれもグランゾートの武装から。

>敵が小さく見えるってことは、アタシが勝つって事だ!
フラグ。
元ネタはダンバインのハイパージェリル。
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