異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第五十六話 白き神の戦士

『ガーディアンサークル! 豪子力バリアー!』

 

 三日月を描く七体の指揮官機。

 魔法陣が光を放つのと、俺が最大級の防御態勢を整えるのがほぼ同時。

 次の瞬間視界が閃光に染まり、今までの比ではない強烈な衝撃が来た。

 

 くそ、ラオライガーの力が使えれば!

 あれのプロテクションシェードはエネルギー系攻撃には滅法強いのに!

 どうもグラン・ゾントを変形させた時点で巨大化デモゴディも発現しているらしく、グラン・ゾントはデモゴディのサブスロットで起動させている扱いらしい。

 

 そんな事を頭の片隅で考えながら俺はひたすら衝撃に耐える。

 一瞬か、それとも数時間くらい耐えたか。

 引き延ばされた時間感覚。

 それが終了した瞬間、俺は自然と叫んでいた。

 

『ソル・クラウン!』

『!?』

 

 指揮官機から伝わる動揺。

 彼らの放ったそれとは違う、神聖さすら感じられる閃光の中で、巨人兵士(ギガント)達の放っていた念動術が途切れた。

 閃光の中から現れたのは、建築物形態・・・巨大な顔に戻ったグラン・ゾント。

 中空から現れた巨大な白銀の王冠がその頭に乗せられ、黒青のボディはたちまち白と赤のそれに変じる。

 再び巨神となったその姿は、まさに光り輝く勇者。

 伝説の王冠、ソル・クラウンによるパワーアップ形態スーパーアースゾート。

 いや、スーパーグラン・ゾントと呼ぶべきか。

 

『ゼーマ・バー・ガリーズ! ハイパーフレイムクロウラー!』

 

 俺の呪文とともに再び炎の波が大地を走る。

 だが先ほどのそれとは違い、今度の炎の波は全方位に広がった。

 炎に飲まれた巨人兵士(ギガント)たちは内部構造を焼き尽くされ、次々と爆発四散する。

 指揮官機が再び陣を組み直し、儀式魔法を発動させようとするが、一手遅い。

 

『ゼーマ・アス・ドラーゴ! 出でよアースドラゴン!』

 

 大地から現れる土と石の竜。

 グラン・ゾントに似つかわしい大きさのそれは、頭だけでも500mはあるだろう。

 その頭に乗り、空中の指揮官機たちに向かって突撃する。

 

『ジーク・バー・ブリーズ! 来たれフランカイザー!』

 

 巨人兵士達を焼き尽くし、大地に広がっていた炎が俺の手に集まる。

 それは次の瞬間、赤い金属で鍛え上げられた輝く剣となる。

 炎の力を秘めた魔法剣・フランカイザー。

 大地の竜と炎の剣。

 アースゾートが司る一撃殲滅の力は、この二つの融合をもって真に顕現する――!

 

『一刀両断! フランカイザー!』

 

 牙を剥くアースドラゴン。

 燃えさかる業火となったフランカイザー。

 1kmを越える巨大な炎の剣の渾身の一振りが、七機の指揮官機をまとめて爆砕した。

 

 

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」

 

 歓声が上がる。

 百万のクリエ・オウンド市民が拳を突き上げる。

 魔力を拠出した疲労を、興奮が埋め合わせている。

 攻めてきた巨人兵士をクリエ・オウンドの守護神が打ち砕いた。

 それを全ての市民が目撃した。

 

 竜が大地に戻り、巨神が炎の剣を一振りするとそれは跡形もなく消えた。

 巨神が拳を天に突き上げる。

 歓声が一段と高くなる。

 それは永遠に続くかとも思えた、と後に市民たちは漏らしていたそうだ。

 

『やったな、アルテ』

『お疲れ、ハヤト』

 

 通信機を介してアルテと言葉を交わす。

 目の前にいたらハイタッチかグータッチをしてたと思う。

 拳突き合わせるあれな。

 

『エネルギー残量20%・・・結構やばかったわね』

 

 まあギガント五百体くらいはブッ飛ばして、指揮官機にも最大威力で必殺技ぶつけたからな。

 それでも百万人の市民を生贄にしようだなんて言うとんでもない計画は阻止した。

 首謀者のダー・シもたぶんやっつけた。

 これでめでたしめでたし・・・

 

「おい。あれはなんだ?」

 

 そんな中、誰かが声を漏らした。

 ざわめき、とまどいの声。

 それらが徐々に歓声を塗り替えていく。

 

 吹き飛ばされ、焼かれ、破砕され、爆砕されたギガント達のむくろ。

 それらから立ちのぼる鬼火のように、中空に炎の球が浮かび上がる。

 

『驚いたワネ・・・よくもやってくれたものダワ』

 

 通信機器から流れ出す、抑揚のないダー・シの声。

 アルテ、いつの間に繋いだ!?

 

『し、知らない! 勝手に受信したの!』

 

 まさかハッキングされてるのか!?

 

『意外なところで無知なお嬢ちゃんネエ。

 この時代の通信機器は、一度繋がれば簡単に再接続出来るノヨ。

 ともかく、アナタたちはワタシの悲願をまたしても打ち砕いてくれタ。

 さすがに堪忍袋の緒が切れたワ。勿体ないケド、アナタたちはここで潰ス。

 生きてたら実験材料として未来永劫利用させて貰うワ』

 

 お前に次はない。

 沢山の生贄と引き替えに天に昇って神になるなんて計画は潰す。

 大体巨人兵士(ギガント)たちを潰されたお前に、何ができるっていうんだ。

 

『キャハハハハハハ! 何か勘違いシテナァイ?

 天に昇るのと、神になるのとはまた別の事ヨ?

 今天に昇ってもワタシは人間のママ。

 神にならなきゃ意味がないノヨ』

 

 ・・・おい、まさか。

 

『ソウヨ。天に昇る手段がなくなっただけで、神になる手段は別に用意してアル。

 そのためのリソースを集めるのに五百年かかったケド・・・どのみちアナタたちがいる限り、計画は実行に移せない。

 ならアナタ達をここで潰して、また五百年かけてリソースを集めまショウ』

 

 !?

 

『魔力反応! ・・・何この術式!? 見た事も聞いたことも無い!』

 

 鬼火が巨大な炎の柱になった。

 周囲の巨人兵士の残骸が宙に浮き、渦巻く炎の柱に吸い込まれる。

 なんだ、炎の中に・・・ダー・シだ! ダー・シが炎の中にいる!

 炎を吸い込むように見る見る肉塊が巨大化する。シーターシステムでも使ってんのかこの野郎!

 巨大化するのはウルドラマンだけでいいってんだよ!

 だが今なら奴の変化を邪魔出来るかも知れない。

 アルテ! アースドラゴンもう一撃行けるか!

 

『・・・けっこーギリギリ! さっきの炎の剣同時召喚は難しいけど!』

 

 よし!

 ありったけつぎ込むぞ!

 

『了解!』

『ゼーマ・アス・ドラーゴ! 出でよアースドラゴン!』

 

 召喚された大地の竜が炎の柱に突撃する。

 激突の直前、巨大化したダー・シがニマリと笑った気がした。

 

 大地の竜が激突した瞬間、炎の柱が爆発的に膨張する。

 衝撃波と熱風。

 両腕をクロスさせてガードする。

 アルテ、何か分かるか!

 

『ちょっと待って! ・・・嘘』

 

 一瞬呆然とした後、何やら数値を読み上げるアルテ。

 だが俺の耳には入っていなかった。

 圧倒的な魔力密度の塊。そこに存在するだけで受ける、抗いがたいプレッシャー。

 神に匹敵する魔力量と、地脈のエネルギー。

 ダー・シの術式によって制御され、巨人兵士(ギガント)たちを再構成した肉体。

 アースドラゴンすら取り込んで自らの一部としたそれは、白き翼を持つ美しき人の姿をしていた。




>アースドラゴン
>フランカイザー
ガイアドラゴンとエルディカイザー。
いずれもグランゾート(スーパーグランゾート)の必殺技。

>シーターシステム
ベーターシステム。
「シン・ウルトラマン」において宇宙人が巨大化するためのもの。
同作中においてはウルトラマンの持つベーターカプセルもそれ。

>白い天使
イメージ的にはウルトラマンガイアの根源破滅天使ゾグ第一形態あたり。
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