異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

410 / 415
第五十八話 滅びの使者(カルキ)

 白き天使(カルキ)と対峙する、紅の翼のデモゴディ。 

 サブスロットにもデモゴディを挿入して、手札の数よりスペックを優先。

 

「豪子力ビーム!」

 

 シャウトとともに発せられる目からのビーム。

 

『ふっ』

 

 気迫を込めることもなく、無造作に手から放たれた光線。

 両者がぶつかり合い、一瞬だけ拮抗したかと思うと豪子力ビームが押し負ける。

 爆発。

 がつん、と衝撃が来て体勢が崩れる。

 

 そう、ガツンと来て体勢が崩れた、それだけだ。

 腕が吹っ飛んではいないし、胴体に大穴が空いてもいない。

 多分理由は二つ。

 デモゴディとグラン・ゾントのサイズ差と、デモゴディの全身を覆う超合金Σの存在だ。

 800mのグラン・ゾントは巨大すぎて全身に防御のための魔力が行き渡らなかった。

 そしてデモゴディの超合金Σは無敵の防御力をこの肉体に与えている。

 この際重要なのは、実際にそうであるかではなく、「そう言う設定があるかどうか」だ。

 そう言う設定があり、「固いのが当然」と思っているからこそ実際に固くなる。

 師匠によれば魔術も《加護》もそういうものらしい。

 

 よくはわからないけど、重要なのはあいつの攻撃に耐えられるってこと。

 なら、攻撃を続けてブッ飛ばすまでだ!

 

「ルイントルネード!」

 

 滅びの風が口から放たれる。

 

BAR(バー)

 

 それに対してカルキは笑みを浮かべたまま、一言呟いた。

 背中の翼が広がり、大きく羽ばたいたかと思うとそれは時速900kmを越える烈風と化した。

 ただの烈風じゃない。周辺数キロの空気がまとめてぶつかってくる。

 風速だけなら恐らく互角。

 だが質量が圧倒的!

 

「ちっ!」

 

 ルイントルネードを打ち切り、身を翻して回避する。

 それでも戻ってきた強酸を完全には回避しきれず、ボディから煙が上がる。

 

『フフフ・・・それだけで十分かしら? それ!』

 

 風向きが変わった!?

 戻ってきた強酸が正確にデモゴディを目指して襲ってくる!

 

「豪子力バリアー!」

 

 張った瞬間、ニヤリと笑う奴の口元が見えた。

 しまった!

 両手から光線が放たれ、デモゴディのバリアーを貫く。

 それがガラスのように破片となって砕け散ると、デモゴディのボディを自らの吐いた強酸が直撃する。

 

「ちいっ!」

 

 クロスガードして頭部は守るが、全身にルストトルネードの強酸が襲いかかる。

 装甲が腐食し、嫌な煙が上がる。

 

「豪子力ビーム! ブレストヴォルケイノ! ヘキサクロストナイフ! ミサイルラッシュ! ミサイルドリル!」

 

 ブロックしながら全力斉射。

 

『うおっ、と!』

 

 とどめとばかりに光線を放とうとしていたカルキが一瞬怯んだ。

 

「ビームフリーザー!」

 

 放たれた光線を回避して、冷凍光線が白い天使を直撃した。

 

 

 

「・・・おい、見ろよ。まだ戦ってるぞ」

「よく見えないけど、何かちっこいのがいるな」

「あれ、さっきグラン・ゾントから飛び出した奴じゃないか!?」

 

 一方その頃、クリエ・オウンドでも流れが変わっていた。

 グラン・ゾントを瞬殺した白い天使と、何かが戦っている。

 それに気付くものが増えだしていた。

 

「鉄の巨人だ!」

星巨人(スーラジ)だ!」

 

 神話で神に挑んだ鉄の巨人。

 本来悪の存在であるそれが、今クリエ・オウンドを、彼らを守っている。

 

「スーラジ!」

 

 クリエ・オウンドの片隅で声が上がる。

 

「スーラジ!」

「スーラジ!」

「スーラジ!」

 

 それが再びクリエ・オウンド全体に熱気をもたらすのに、それほど時間はかからなかった。

 

 

 

「ウイングカッター!」

「ミサイルドリル!」

「ブレストヴォルケイノ!」

「ビームフリーザー!」

「スクランダースラッシュ!」

「豪子力ビーム!」

「ミサイルラッシュ!」

「ヘキサクロストナイフ!」

 

 高速飛行しながら矢継ぎ早に武装を繰り出す。

 正面からでは競り負ける。

 なら機動力で勝負だ。

 牽制でも何でも、とにかく相手をかく乱しながら攻撃を続ける。

 

『まったく、鬱陶しいわねえ!』

 

 そう言いつつ、奴は動かない。こちらの攻撃を防ぎ、例の光線を連打するだけ。

 舐めプしてるのかも知れないが、今はそれが付け目だ。

 

『いい加減飽きて来たわね。そろそろ・・・』

 

 しびれを切らしたのか、奴が印を結ぼうとする。

 だが一手遅い。

 こちらのチャージは既に完了している!

 

『!? しまっ・・・』

 

 豪子力の光に全身が輝く。

 武器を使いながらだからチャージに時間がかかったが、食らえマシンフォース!

 

「大回転ロケットパンチッ!」

 

 光り輝く二条の矢が白い天使の体を完全に捉えた。

 

 

 

 まばゆい光の爆発。

 こちらの視界がホワイトアウトする。

 デモゴディのセンサーすらダウンする光量の中、咄嗟にキャノピーがブラックアウトし、俺達の視界を守った。

 後ろのアルテが心配だが、振り向いてる暇はない!

 ブレスト・・・

 その瞬間、デモゴディの腹を光り輝く何かが貫いた。

 

『つ・か・ま・え・た』

 

 遮光モードが解除された、キャノピーの目の前に白き天使(カルキ)の顔。

 その手首からはレイピアのような細く長い剣。それがデモゴディの腹を貫いている。

 くそっ! 無傷かよ!

 

『さすがにあれを食らって無傷とはいかないわ。でもこいつには特殊な防御が施してあるの。現代の言葉に直すと衝撃光変換システムってところかしらね』

 

 理屈はわからないが、大回転ロケットパンチの威力を光として放出したのか。

 

『そゆこと。あなたたちは・・・』

 

 そのタイミングでロケットパンチが戻ってきた。

 

『おなかに刺さったものを抜かせるとでも!?』

 

 抜かせるさ! 無理矢理にでもな!

 

『!?』

 

 それと同時に二発のロケットパンチが命中する。

 デモゴディの胸と腰にだ。

 その勢いで剣は抜け、両拳が再び俺の腕に戻る。

 ウイング・・・

 

『遅いわ』

 

 掲げた両腕のうち、右腕が拳から肩まで切り裂かれた。

 胸に刃が食い込み、胸の放熱板が外れる。

 

「豪子力バリアー!」

 

 返す刀で左足が落ちた。

 もちろんバリアなんか気休めにもなりはしない。

 

「ドラグランダー・・・」

『遅いって言ったでしょ』

 

 両腕の剣が同時に振り下ろされる。

 赤竜の翼は、双方共に半ばから断たれた。

 

 墜落する。

 土煙と地響き。

 見上げる俺達のところに、断罪の白い天使が降りてくる。

 

『終わりよ』

 

 それはまさに神の使いのように、神々しく、絶対的で、それでいて美しかった。

 




現在デモゴディと一体化しているのではなく、コクピットに座っている状態なので、シャウトは「 」。

> 腕が吹っ飛んではいないし、胴体に大穴が空いてもいない。
実のところマジンガーZとグランゾートを比べると、手足が吹っ飛んだり腹に穴が開いたりする頻度は前者が圧倒的に高いのだが(グランゾートが低年齢向けなのもあるが、むしろマジンガーZがダイナミックプロ原作なのが理由かも知れない)、まあ装甲自慢してるのはマジンガーのほうなので・・・w
でも当時の児童誌では「グレートマジンガーよりゲッターロボGのほうが装甲は固い」とか言われてたりする。いいかげんなもんである。

>スーラジ
十年ほど前に作られた、インド版「巨人の星」リメイクの主人公の名前。
「巨人」なのでw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。