異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第十二話 聖なる馬頭竜

 空から調査していた俺達が戻る頃には、ヴァナラの人達も捜索隊の準備を終わらせていた。

 俺達五人とジラさんを含めたヴァナラの人達で合計12人。

 

「ドワーフの人がいるとは心強い」

「地脈のことにかけてはやはり大地の妖精に勝る専門家はおりませんからな」

「いやあ、専門というわけでもないのですが・・・微力を尽くさせて頂きますぞ」

 

 ラファエルさんは周囲をヴァナラの人に囲まれてる。

 照れてはいるが、好意的な言葉をかけられて、機嫌も結構直ったみたいだ。

 

「ドワーフってそんなに頼りになるんですか?」

「そりゃ精霊力の中でも大地の精霊力、地上や地底のそれを管理するために生み出されたのが奴らじゃからの。種族的に龍脈の異常には敏感なんじゃよ」

 

 なるほど、だから連れて来たのか。

 でもなんで大地の力を龍脈って言うんだろう。

 

「文字通り龍の血脈だからじゃよ。わしらが住んでいるこの大地はな、全ての真なる竜の祖――黄金鱗の虹竜がその姿を変じたものなのじゃ」

「ほええええ」

 

 この大陸全部が龍だったのか。どれだけでかい龍だったんだろう。

 

「創世神話では良くあるパターンですね。何らかの比喩なんでしょうか、それとも本当に巨大な龍がいたんでしょうか」

「本当に巨大な龍がおったんじゃよ。とはいえ厳密に言えば最初に龍が変じたのは8つの巨大な島じゃ。その後世界が作り替えられて、新たにこのマルガム大陸が生まれたが、それでも龍の体を土台にしておることには変わりないのじゃ」

「はー、なるほど・・・ん?」

 

 頷いたカオルくんだったが、ふと首をかしげた。

 

「そう言えばさっきまでヴァナラの人達の言う事がわからなかったけど、今会話を理解出来たよね?」

「あ、そう言えば・・・人間の言葉で話してくれてるのかな?」

「え? あたしはわからなかったよ?」

 

 アルテが驚いた顔になる。

 どゆこと?と視線で師匠に問いかけてみる。

 

「お主らオリジナル冒険者族には、どういう訳かデフォルトで翻訳の魔法がかかっておる。

 調整に時間がかかりはしたが、今それが効果を発動したのではないかの。そもそも妖精の言葉も人間の言葉も元は同じ言葉だったのはあるから、それもあるかもしれん」

 

 なまりがひどいみたいなものか。しかし便利だなあ。

 

「ずるーい。私は全然聞き取れないのに・・・」

「まあまあ、私が翻訳しますから、ね?」

 

 仲間はずれでふてくされるアルテを、ジラさんが慰めていた。

 

 

 

 未開のジャングルを進む俺達。

 何故かタイヤの跡があったり、原住民の腕に時計の跡が付いてたりしないし、何ならジャングルですらないけど本物の未開の森である。

 ヴァナラの人達は二人が護衛、五人が学者かそれに類する人達。

 学者の人達もそれなりに腕に覚えがあったり術が使えたりする人が多いので、戦力としては十分だろうとのこと。

 

「本当に何の戦いの心得もないのは私だけなんですよねー」

 

 あはは、とジラさんが笑う。動物と話したり、知らない字を読んだりする術は使えるが、戦闘に使えそうなのは全くないらしい。

 それでも身長180センチで結構がっしりした体つきをしてるから、取っ組み合いになったら多分俺じゃ勝てない。

 まあせいぜい《ロボットアニメの加護》で頑張らせて頂きますよ・・・と。

 ロボットアニメの主人公なんて、ロボットに乗ってなんぼなんだし。

 結構生身でも強い奴いる? ええいうるさい。

 

 

 

 森の中に怪しい場所が五箇所ばかりはあったのだが、初日で回れたのは三箇所だけ。

 ヴァナラの魔法で凄く早歩きして移動したのだが、流石に森は広かった。

 てきぱきと野営の用意をするヴァナラの人達。

 俺達も力仕事やたきぎ拾いはお手伝いだ。

 そして始まる料理の準備。ヴァナラから二人、こっちからはメインのアルテと助手の俺とカオルくん。

 なおジラさんはやっぱり料理が出来ない側であった。

 

「あはは・・・お母さんは料理上手なんですけど、ね?」

「そのうち結婚するんだから少しはやっとけよー」

「うるさいなあ! やってますよ! 少しは・・・」

 

 仲間のからかいにむっとするが、強くは出れないジラさん。

 

「覚えときなさい、カオル。アレが明日のあなたの姿よ」

「ううっ・・・」

 

 あ、カオルくんに流れ弾が・・・。

 

 

 

 翌日も調査は順調に進んだ。

 何もわからないと言うことがわかっただけだが。

 

「地脈の流れが異常だというのはわかったんですが、何がおかしいんです?」

 

 ペトロワ師匠やラファエルさん、ヴァナラの人達が難しい顔をしてるのでまずいことが起こってるのは確かなんだろうけど。

 

「一言で言えば不純物が混じっている、という感じかの。水源に毒が混ぜられているような」

 

 めっちゃおおごとだった。

 

「正直ドワーフには辛いのですぞ。森を歩いていても、何と言うか常に薄く悪臭が漂っているような感じで不快なのですぞ」

「それって森とか、水質とかにも・・・」

「当然影響がある。シャラパどの・・・植物の専門家じゃが、彼によれば既に森の木々や下生えに徴候が現れているそうじゃ」

「植物に影響があれば動物にも影響があります。ハムリスや鳥に聞いてみたのですが、葉っぱの味が変わった、木の実がまずくなった、虫が少なくなった、そんな話ばかりでした」

 

 ラファエルさんとジラさんも師匠の話を補強してくれる。

 

「・・・これってやっぱりあの吸血鬼のせいでしょうか?」

「否定はできぬ。霊脈に混じる不純なものも、死霊の匂いがするんじゃよなあ・・・」

「そのへんに長けた方がいらっしゃったんですが、少し前にお年を召して精霊のもとにお帰りになりましたから・・・」

 

 老衰じゃしょうがないなあ。

 ちなみに魂を呼び出したり会話したりする術を霊術という。幽体離脱とかもできるそうだ。

 ただ素質を持つ人間(妖精も)が少なく、治癒術師が簡単な霊体治療をすることはあっても、高度な霊術師というのは極めて少ないとのこと。

 特に人間の間だとアンデッドを作る術として認識してる人もいるし。

 

 ちなみにペトロワ師匠がポンポン使ってくれているので感覚が麻痺しているが、治癒の術も実はそうゴロゴロ使い手がいるものではないそうな。

 怪我したり病気にかかったりしても、簡単に魔法で治してもらうって訳にはいかないんだな・・・応急処置の術くらいはさっと習得してしまったカオルくんみたいなのもいるが、全力で見なかったことにしよう。

 

 

 

 そして最後の五つめ。

 洞窟の中に俺達は入っていく。

 ヴァナラの人達も真っ暗闇では見えないので、魔法の明かりをつけて中に入っていく。

 

「ここは結構大きい洞窟なんですよ。足元に気を付けて・・・きゃあっ!?」

 

 お約束あざーっす。

 コケかけたジラさんをカオルくんが支えて、ジラさんがちょっと恥じらってる。

 くそう、イケメンめ。

 

「まだ先ですか?」

「"匂い"が漂ってくるのはこの先じゃな・・・」

「この洞窟全体から大地の精霊力を感じますが、確かに下に行くほどよどみが大きくなってくるのですぞ」

 

 そんなことを話していると、広い場所に出た。

 

「気を付けろ! 何かいるぞ!」

 

 ヴァナラの護衛の人が叫び、緊張が走る。

 アルテやカオルくんたちが武器を、俺達も術や《加護》の発動準備。

 俺にはよく見えないが、洞窟の奥に何か人影が複数あるように思えた。

 

 ・・・しばらく時間が流れた。

 何も起きない。

 

「・・・」

 

 ヴァナラの護衛、この探索隊のチームリーダーの人がジェスチャーで前進を指示する。

 

「・・・何だこりゃ?」

「うえ・・・」

 

 広い空間の奥。

 洞窟の壁にもたれかかって座り込んでいたのは人間であろう十数人の何か。

 言葉も発さず、俺達に何の反応も示さず、虚ろな表情で宙をぼんやりと眺める、不気味な生きたオブジェの群れだった。




馬頭竜は虚無戦記シリーズに出てくる宇宙船。
これの上に土がつもって日本列島になったというトンデモスペースシップですw
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