異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
(!)
巨大な魔力の炸裂を感じた。
僅かに遅れてアルテからの思念が届く。
(ハヤト! おばあちゃんたちがやったよ! ピカッてなってバリバリってなってドカーンってなった!)
(わかってる! わかってるけど・・・)
(どうしたの?)
根が太い!
思ったよりもしっかりと、かつ広範囲に根を張ってて、明らかに移動速度が落ちている。
もう1キロくらいのところまで来ているとは思うんだが・・・!
(!?)
根が動いた。洞窟の方に凄い速度で引っ込んでいる。
あっという間に見えなくなったそれが存在していた空間を、今までの倍くらいの速度で穿孔。
そこでアルテからの思念が来た。
(ハヤト! なんか出てきた! 山が崩れて、おっきな根っこの塊みたいなのが!)
(!)
(どうしよう! 緑のは枯れたけど、根っこの塊が村の方に向かってる!)
どうやら奴は自力で移動できたらしい。頭おかしいなこの世界の生物!
(ハヤト! こちらはもう一発は間に合うかどうかわからん! 根っこの中心を攻撃できんか!?)
(わかりました!)
そのまま俺は直上に方向転換し、地上まであっという間に穴を掘り進める。
地面から飛び出た俺はそのまま飛行上昇し、森を見下ろす高さまで到達する。
ジェッターロボは三形態全てで飛行可能なのだ。
「でかいな・・・」
ほんとにでかい根っこの塊、上から見るとネギのひげ根みたいなのが絡まってるモゾモゾ動いているように見える。
けどメインとなる根っこは一箇所、そこさえ焼いてしまえばもう動くことは出来ない。
後は地道に始末すればいい。
やむを得ないとは言え、地上に出て来たのは失敗だったな、金属ツタ!
「チェェェェェェェンジ、ジェッタァァァァァァ、ゥワンッ! スイッチ・オンッッッ!」
アニメ史に燦然とその名を輝かせる名優、
変形したのはジェッターロボ空戦形態、ジェッターI(ワン)。
三形態中最強の火力を持つそれ。
幸いにもひげ根の塊にツタほどの運動能力は無い。この巨体なら尚更だ。
俺は迎撃しようとするひげ根をかわし、本体中央上空まで移動して、全魔力を腹に込める。
「ジェッタァァァァァァビィィィィィイィィィィィムッ!」
渾身の
天から突き立った光の柱は、ひげ根の中心を完全に焼き切った。
「へのつっぱりはいらんですよ!」
俺は空中でガッツポーズを取った。
「あー、死ぬー・・・」
「死ぬ死ぬ言って死んだ奴はいないと言うぞ、若者よ! いや、よくやってくれた!」
ガッハッハと笑うのはヴァナラの戦士の人。人間ならマッチョで豪快なおっさんって感じの人で、俺達を早足の術でここまで運んできてくれたのが彼だ。アルテともう一人のヴァナラの人は苦笑している。
金属ツタの根の中心を焼ききった後、力尽きて墜落した俺を《見えない紐》で引っ張り出してもらい、動けない俺をアルテがおぶって帰還しているところだった。
「情けなくてすんません・・・」
「いいのいいの、役割分担でしょ。あいつにとどめ刺したのはハヤトなんだし」
うーん、どうなんだろう。体の中央を焼き尽くしてバラバラになったのはいいんだが、数千本のひげ根(と言っても一本一本が人間の胴体くらいある)はまだうにょうにょうごめいてるんだが。
あれくっついて再生とかしないかな?
「おばあちゃんたちもそれは心配してたみたいで、今植物を枯らす呪文を使える人達を中心に処理班がこっちに向かってるって。監視しつつ、数ヶ月がかりで全部枯らすみたいだよ」
なるほど、それなら大丈夫そうだな。
「・・・その中にあの時の植物キチガイの人も入ってるらしいけど」
ツタが出てきた時に狂喜乱舞していた学者さんを思い出して思わず真顔。
「こっそりサンプル採取したりしないように見張っとく必要があるな」
それだけで誰の事かわかったのか、ヴァナラの人達が苦笑する。
「シャラパはなあ・・・」
「普段は温厚で人当たりのいい人なんですけどねえ」
マッドサイエンティストの半分くらいは「普段は温厚で物静か」な感じなんじゃないかなあ。
もう半分? 見るからにヤバい奴だよ!
途中で処理班と行き合って、簡単な情報交換。
後からテントや野営装備を持った人達もやってくるとのこと。
ほんとご苦労様です。
「・・・」
処理班の人達と別れて先を急ぐ最中、アルテがこちらをちょろっと振り向いた。
なにか?
「ううん。今回ハヤト頑張ったよね」
「役割分担だよ、役割分担」
そう言うとアルテが笑った。
「そうだね。でもハヤトは一番頑張ったよ。だからごほうび」
体が持ち上げられる感覚。
おんぶの体勢が崩れて、頬に軽い感触。
・・・え。
ひょっとして。
今。
キスされた?
「・・・あの、その、アルテさん?」
「ごほうび! ごほうびだからね! カオルには内緒だよ!」
それっきり、アルテはずっと楽しそうな笑顔で。
ヴァナラの村に戻るまで何を言っても答えてはくれなかった。
ヴァナラの村に戻ると大歓迎を受けた。
特に族長さんは大喜びで俺達の手を一人一人握って感謝の意を伝えてくれた。
祝いの宴を張るので今晩は是非に、と言ってくれたのだがペトロワ師匠が難しい顔。
「何で断るんです? 素直に受ければいいじゃないですか」
「わたし、ヴァナラの人達の料理もっと食べたい!」
「ヴァナラ酒も侮れないのですぞ。このコクとまろみは人間どころかドワーフの酒でも中々出せぬのですぞ」
「まあボクはどちらでも・・・」
俺達三人の攻勢に微妙な顔のペトロワ師匠。
なお、ドワーフが人間から一番大量に輸入するものは「酒」だそうな。
量だけなら自分たちでまかなえる(酒造魔法を使う専門の神官までいる)が、多彩さではどうしても人間の作る酒に敵わないらしい。
「・・・まあいいじゃろ。じゃが後で後悔するなよ」
溜息をつきながらペトロワ師匠が首を縦に振る。
飲み過ぎるなって事かな? まあ俺酒は飲まないから別に大丈夫だろ。
それより《加護》限界まで使ったから・・・飯! エネルギー補給したい!
祝いの宴は俺の思ってたより数段グレードの高いものだった。
多分とっておきの食材とか大放出してくれたんだろう、とはアルテの言。
インドとか東南アジアあたりのエスニックな料理って感じ?
香辛料も余りきつくはなく、日本人の俺達の口にもよくあった。
ラファエルさんもお望み通りヴァナラの酒を存分に堪能し、あの豪快おじさんと飲み比べをしてダブルノックアウトで沈んでいた。
「楽しそうだなあ」
「見て楽しむだけにしておいた方がいいと思うよ」
「だよね」
「わしもそう思うわい」
女性陣の真顔三連打。
うんうんと頷く彼女ら三人に何も言えず、俺はただ料理を詰め込むことに専念した。
そして翌朝。
ヴァナラの皆さんの歓声と共に俺達は村を立ち、野営地に戻った。
そして鬼が待ち受けていた。
「・・・で、戻ろうと思えば戻れたのに丸半日ヴァナラの村で遊びほうけてたわけかい。こっちは残った連中で必死に回してたのに、いいご身分だねえ?」
忘れてたぁぁぁぁぁぁ!
こめかみに青筋浮かばせた座長が仁王立ちで待ち構えていた!
すいません! でもあの後ろくに動けなかったから多分戻っても働けなかったと思います!
「ええい、これで勘弁してやるよ! さっさと準備しな!」
「「「「はいー!」」」」
ペトロワ師匠を除く俺達の頭に拳骨を一発ずつ落とす座長。
俺達は声をハモらせて返事をするのだった。
予約投稿してる時点でキン肉マン完璧始祖編のキン肉マンvsピークア・ブー放映直後。
当代キン肉マンの宮野さんの声にカメハメ(先代キン肉マン)の神谷さんの声をかぶせての風林火山。
「疾きこと!」「風の如く!」
「徐かなること!」「林の如く!
「侵略すること!」「火の如く!」
「「動かざること山の如し!」」
カメハメからスグル、神谷から宮野への魂の継承!
あ~~~、クッソかっこええんじゃ~!