異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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エピローグ 怒れガラスのサイボーグ

『・・・』

 

 俺のボディから豪子力の光が消えた。

 同じく光の消えた両拳が戻ってきて、俺の肘にドッキングする。

 

(・・・師匠、奴は?)

(ああ。反応が消えたよ。今度こそ奴の最期じゃ)

(そうですか)

 

 爆煙の薄れつつある空の彼方を見上げる。

 突然生まれ故郷から理不尽に追放され、無理矢理新しい世界に転生させられた男。

 近くに寄っただけで人が死ぬ恐ろしい力を押しつけられた男。

 

 俺にはカオルくんがいたし、アルテや一座のみんなもいた。

 あいつの犯した悪事は擁護できないけど、もし奴にもそう言う相手がいたら真っ当に生きられたのだろうか?

 道を踏み外さないでも済んだのだろうか?

 答えの出ない問題を考えるのをやめて、俺は首を振った。

 

(あんたねえ・・・ひたってないであたし達に言う事あるんじゃない・・・?)

(えっ?)

 

 腕から伝わって来た思念に気付く。

 ・・・そう言えば両腕に乗ってたままだったな。完全に忘れて大回転ロケットパンチ飛ばしてた。

 

(か、勝手に・・・飛ばすな・・・がくっ)

 

 サーセンwwww

 

 

 

 その後、結構後片付けが大変だった。

 とは言っても俺はぶっ倒れてて後から聞いた話だが。

 

 まずピラミッドの中の魅了された兵士達と召使いたち、それに魔力を搾り取る装置に入れられてた人達を助けた。

 何とあれだけ振り回したのに、ピラミッドの中には慣性制御装置みたいなものがあって、ほとんど怪我した人はいなかったらしい。古代技術パねえ。

 

 メインコントロールルームはルイスと一緒に爆発四散してしまったが、ピラミッド中ほどにあったサブコントロールルームを師匠が見つけ出し、宮殿を再び浮かせて元の位置に戻した。

 ターゲイの町自体ピラミッドの食料と水の生産力によって維持されてるので一時はどうなることかと思ったが、マデリーンさんとヘレンさんの手を借りて魔力認証を突破し、今まで通りの供給を行えるようになるとのこと。

 供給の管理は"太陽を殺す者(グヮン・レー)"の人達、代表してジャルネイオさんがやるそうだ。既に新しい王様に彼を推戴しようとする動きがあって、本人は必死で抵抗しているが順当に押し切られそうだとか。

 

「俺はなあ、えらそうな奴ってのが大嫌いなんだよ。組織のリーダーだって嫌々やってたのに王様だと? これが献身に対する報償ってわけかよ、くそったれめ」

「まあまあ・・・」

 

 ピラミッドで開かれた宴で思いっきり愚痴られた俺である。師匠はもちろん、座長やカオルやアルテまで俺に押しつけて逃げやがって、ちくしょう。

 

「いやまあ、今回ハヤトくんがヒーローだったし」

「だよねー」

 

 うるせえ! これが献身に対する報償ってわけかよ!

 ジャルネイオさんの気持ちが! 「言葉」でなく「心」で理解できたっ!

 

「でだ、聞いてるか? やりたくねぇって言ってんのに回り全員が押しつけて来やがって、裏切者どもが・・・!」

 

 うん、聞いてるよ! 理解出来る! 共感も出来る!

 けどうっとうしいからどっか行ってくんないかな!

 そんな俺達を周囲は生暖かい視線で遠巻きに囲んでいた。

 ちくしょういつか泣かしてやる。

 

 

 

 で、ピラミッドのシステムと例の「鍵」を利用して、一座のみんなが待ってるトワウの町に帰ろうとしたところで、とんでもない事実が発覚した。

 あの後行方不明で消滅したのかと思っていたルイスのヴィラン・コアが、何と俺の体の中にあるのが判明したのだ。

 冗談じゃないぞ!? 下手すりゃ一座のみんなや周囲の人間みんな死んじゃうじゃないか!

 

「落ち着け。そうしないために今処置をしとんのじゃ。少なくとも吸血鬼化したり無意識に発動させんようにな」

 

 そう言う師匠に伴われて、今俺はピラミッドの手術室みたいな部屋で処置を受けている。

 もちろん師匠以外は立ち入り禁止で、100メートル以内に近づくのも禁止。

 と言うか体の中に何やら埋め込まれてるこのビジュアル、悪の組織に改造される仮面ライダーみたいな感じなんですが。

 やめろジャッカー、ぶっとばすぞう!

 

「意味のわからん事をくっちゃべるな。うるさいから静かにしておれ」

 

 サーセン。

 でも取り出したり出来ないんですか?

 

「あの時小僧の魔力が非常に活発化していたせいもあって、かなり癒着しておるからのう・・・。

 処置の拍子に心臓が一緒に取り出されてもいいならやってみるが」

「今の路線でお願いします!」

 

 そういうことになった。

 

 

 

「まあそう難しく考えることもない。少なくとも吸血鬼になることはないし、練習すれば奴のように制御することも出来る。後単純に強力な魔力源としても利用できるぞ」

 

 つまりそれは自由自在にデモゴディを呼び出す俺の夢に一歩近づくって事で・・・

 

「やります! 師匠、俺こいつを制御して見せますよ!」

「チョロいやつじゃのう・・・」

 

 溜息をつかれたが、男のロマンは全てに優先するのだ。だからこれも仕方がないことなんだ。

 

 

 

「ストロングなんだ♪ ビッグなんだ♪ ぼくらの デモゴディなんだ~♪」

 

 街道に流れるデモゴディのエンディングテーマ。

 町に戻って合流した俺達ハスキー一座は、再び西への旅を再開していた。

 例によって流れるのはデモゴディのアニメ。

 

 あの後、マデリーンさんたちの屋敷に帰り着いたときは大変だった。

 オブライアンさんが泣くわ、ラファエルさんがバイオリンをかき鳴らしっぱなしになるわ、それでもガイガーさんがリタを抱きしめたときは静かにしていたが。

 

「それで、ヴィラン・コアが体の中に入っちゃって大丈夫なの?」

 

 並んでデモゴディを見ながら、カオルくんがこちらに視線。ちなみに反対側にはアルテ、あぐらをかいた足の上にはリタ。

 何かこれが移動するときの定位置になっちゃってる。

 ガイガーさん! 娘さんに何も言えないからって俺を睨むのやめて!

 閑話休題(それはさておき)

 

「少なくとも身体の不調とかは感じないな。むしろ凄く調子がいいよ。後単純に魔力量が増えてるみたいでさ。今までより色々できそう」

「吸血鬼になったりはしないの?」

 

 やや不安そうにアルテ。

 その首筋にはシミ一つ残っていないが、自分がそうなりかけただけに心配してくれてるのだろう。

 

「そこは師匠を信じるしかないかな。ピラミッドの魔道器を使って処置してくれたし、まあ大丈夫でしょ」

「ならいいんだけど・・・」

「ボクはハヤトくんが吸血鬼になっても大丈夫だよ。なんなら血を吸ってくれてもいいし」

 

 不安を隠し切れないアルテとは対照的に、最近伸ばし始めた髪をかきあげて、うなじを見せるカオルくん。

 う、やばい、流し目が色っぽい・・・! カオルくん、いつの間にこんな色気を・・・!

 

「ちょっと! ハヤトにだったらわたしだって!」

「お兄ちゃんなら私も!」

 

 え、これ何なの。みんな俺に吸血鬼になってほしいの?

 そして御者席から鳴り響く鍔鳴りの音。やべえガイガーさん割とマジで怒ってる!

 

「三つの心が~響くのだ~♪ 正義と~平和と~愛情と~♪」

 

 平和が! 切実に平和が欲しい!

 デモゴディのEDが流れる中、俺達は街道を辿っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところであのヴァンパイア・スポーン二人がどうしたかというと。

 

「この化粧水もダメだったわねえ」

「ライタイムでシワを埋めてくれる魔法のクリームがあるらしいのよ。今度はそれを取り寄せてみましょうか」

「いいわねそれ!」

 

 実はまだ、トワウの町にいるのです。




つげよしはるは天才やでぇ・・・(ぉ

「勝手に飛ばすな!」は有人ロケットパンチこと破邪大星ダンガイオーのブーストナックルで中の人が上げる悲鳴。
正直巨大吸血鬼を倒す手段、ヘルアンドヘブンかダンガイオーのスパイラルナックルかで結構迷いましたw


後投下日時の設定ミスりました、すいません。
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