異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第七話 邪妖精の都

歪んだ妖精(ツイステッド・エルフ)・・・なんだっけ。ダークエルフみたいなもんか?」

「悪い妖精だって、ラファエルさんから聞いたことあるよ」

 

 俺とリタの会話にペトロワ師匠、もとい水晶の目の魔女が頷く。

 

「妖精は基本的に善性の存在じゃが、それでも元は人間じゃ。どうしても悪い奴は出てくる。

 そう言う奴らは大体共同体から追放されるんじゃが、妖精だけに寿命が長く、力も強い。

 人間の社会や野山に紛れて生き延びていたものが、長い時間をかけて次第次第に共同体を作り、混血して一つの種族になったんじゃ。

 長寿のエルフが中心じゃが、ドワーフやピクシー、オアンネスやバグシーもおる。

 多くはゴブリンやオーガーと言った怪物を手なずけて手下にしておるの」

 

 悪い妖精の混成種族ってことか・・・。

 

「悪い妖精だから『歪んだエルフ』なんだね」

「混血によって種族として歪んでいる、という意味もあるらしいがの」

 

 で、そいつらの村・・・国?が近くにあって、そこの王様がそれを持っていると。

 

「そう言う事じゃ。やつらは結界を張ってそこに閉じこもっておる・・・ま、隠れ里じゃな」

「・・・というか、この町も隠れ里みたいなものじゃ?」

「ほっほっほ、さてのう」

 

 この町に来るときから抱いていた疑問をぶつけてみるが、軽く笑ってかわされてしまった。

 

「ともかくその隠れ里に奴らの都、ファントマがある。その王宮の宝物庫に海図があるはずじゃ。赤いサソリの紋章が付いている筒を探すがいい」

「おばあちゃん、そこにはどう行けばいいの?」

「うむ。近くまではマッグに送らせよう。この護符を持っていれば幻に惑わされずに隠れ里への道がわかるはずじゃ」

 

 そう言って魔女は、青い宝石の目の形をしたペンダントを手渡した。

 

 

 

 女巨人が森の中を走る。

 やがて立ち止まったところで、抱きかかえられていた俺は地面に下ろされた。

 

「ここがそうなのか?」

「~~~」

 

 この頃になると俺も多少は彼女の言葉がわかるようになっていて、身振り手振りで大体意志が疎通できるようになっていた。

 すげーなオリジナル冒険者族。

 閑話休題(それはさておき)

 

「あの、リタも本当についてくるの?」

「だって私がいないと悪い妖精さんたちの言葉がわからないでしょう?」

「そうだけど・・・」

 

 二、三日くらい潜入すればわかるかもしれないが、それじゃ魔女をせっついた甲斐がないし。

 

「チュー達もついて行くでチュー!」

「お前らは来るな! 目立つんだよ!」

 

 2m越えのカラフルマッチョハムリス人間を、それも十匹もつれて歩けるか!

 カーニバルつれて歩くようなもんじゃい!

 

「私とお兄ちゃんだけなら目立たずに忍び込めるから・・・あなたたちはここで待ってて、ね?」

「チュー・・・」

 

 リタの言葉にうなだれるハムリス達。こいつら本当にリタには素直に従うよな。

 まあついていけなくて悔しいのはわかる。

 その分は俺が・・・

 

「正直ハヤトじゃ頼りにならないでチュ」

「でもチューたちが目立つのは事実でチュ」

「リタに髪の毛一本でも傷をつけたら・・・わかっていまチュね?」

 

 うぜえ! 圧迫面接してくんな!

 暑苦しいマッチョに取り囲まれるだけでストレス溜まるんだよ!

 

 

 

 お守りを首にかけて俺達は歩き出す。

 はぐれないようにリタと手を繋いで。

 

「・・・ん?」

「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

 しばらく歩いた後で立ち止まってキョロキョロする俺。

 

「何と言うか・・・あの町に行く途中で違和感感じたって話したろ」

「ああ、日陰から日なたっていう?」

「それそれ」

 

 あの時と同じような感覚を感じたのだ。

 多分これが師匠の言ってた魔力感知という奴なんだと思う。

 

「じゃあ幻を抜けたんだ?」

「多分ね。このまま、師匠の言ったとおりの道を辿っていこう」

 

 リタが頷く。そして手を繋いだまま歩く事三十分ほど。

 森を抜けてぱっと視界が開けた。

 

「うわあ・・・」

 

 リタと一緒に思わず感嘆の声を漏らす。

 そこにあったのは緑に溢れる大きな盆地。

 その一杯を占める白亜の都だった。

 

「綺麗・・」

 

 リタが夢見心地で呟く。

 白い城壁、白い町並み、奥に見える美しい白亜の城。

 歪んだ妖精の都ファントマ。全てが綺麗な白で統一された都は、神々の住むところと言われても信じそうなくらいだ。

 ただし、遠目に門番を務めているのが見える緑色の巨体の怪物――恐らくオーガーがいなければ。

 

「・・・都の中にもオーガーやゴブリンがいるな。ドワーフや小人族(バグシー)、エルフや霊猿(ヴァナラ)っぽいのもいるけど」

 

 忍者ロボ・ミストヴォルグの力を呼び出して、その超視力で都を観察する俺。

 取りあえず気付いた時点で森の木陰に隠れたけど、斜面下っていったら見張りに見つかるよなあ・・・城壁の上や見張り塔にもちゃんと兵士っぽいのがいるし。

 特にエルフや小人族(バグシー)は感覚が鋭いっていうし、下手したらここからでも見つかりかねん。

 

「お話だと夜になるのを待って忍び込む・・・とかだけど」

「妖精だったら夜でも目が見えるだろうなあ・・・オーガーやゴブリンなら尚更だ」

 

 妖精と違ってオーガーやゴブリンは本来通常の生命体ではなく、ダンジョンが生み出すモンスター、人工生命体なのだそうだ。なので倒すと魔力結晶を落とす。

 こうしてダンジョンの外にいるのは、外に出てきて野生化したやつの子孫。

 ダンジョンで生み出された純正種に比べると弱いが、それでもモンスターには違いない。

 なめてかかれる相手ではないし、真っ暗なダンジョンの中で活動する生物の子孫なんだから、当然夜目も利くはず。・・・まあ半分くらいゲームの知識だが、多分間違ってないだろう。

 

「うーむ・・・」

 

 俺一人ならミストヴォルグの光学迷彩で潜入も出来るだろうが、リタを置いていくわけにもいかないし・・・うん?

 

「チュー」

「そうなの? じゃあ・・・」

「チュチュチュー」

 

 一瞬アカフク達がついてきてたのかと思ったが、そうではなかった。

 野ネズミというかモルモットというか、普通にかわいい感じの小さなげっ歯類とリタが話している。

 

「ほんと? ありがとう!」

 

 ぱっと明るい顔になり、こちらに振り向く。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん! こっちの野ネズミさんたちがね、城壁の中にこっそり入れる場所を知っているって!」

 

 マジか!

 

 

 

「あー・・・これはちょっと無理だな・・・」

「そうだね・・・」

 

 案内されて来た城壁の下には確かに穴が開いていたが、普通にネズミサイズ。

 リタの小さな腕が肘まで入るかどうかってレベルだ。

 キュ?と不思議そうな顔をして野ネズミはこちらを見上げてるが、これ俺達が穴を通れないのが不思議なんだろうな。大きさの概念を捨てるんだ!

 

「不思議の国のアリスみたいに、食べたら小さくなるきのこがあればいいのにね」

 

 ちょっと待って、この世界不思議の国のアリスが・・・ってのも、もう今更だな。

 講談師とか作家みたいなことしてたオリジナル冒険者族が複数いるらしいし。

 しかし・・・あ、そうか! この手があった!

 

「お兄ちゃん?」

 

 ふっふっふ、まあ見ておるがよい。

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