異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第十話 Oh, come on up, Nils

「わははー! 宴だ宴だ! ものども盛大に飲め! 騒げー!」

 

 豪華な衣裳に身を包み、酒の入った杯をかかげるオブライアンさん。

 師匠みたいに俺達の記憶の中から引っ張ってこられたんだろうが、妖精だから歪妖精の王ってどうかと思う。悪の暴君を演じているつもりかも知れないが、悲しいほどに貫禄がない。

 

(せめてアーベルさんかラファエルさん・・・いやよそう、微妙に洒落にならない)

 

 アーベルさんだとどう考えてもマフィアのボスみたいな感じになりそうだし、ラファエルさんもいつもニコニコしてるけどニコニコしながらえげつない命令を出すヤクザの親分みたいになりそうな気がする。「仏のラファエル」とか言われそうなたぐいの。

 失礼なようなそうでもないような感想を抱きつつ、俺はその場を離れた。

 

 ・・・その後城の中をうろついてあれこれ探したのだが、宝物庫らしきものは見つからなかった。でかい顔の付いている不気味な扉はあったが、滅茶苦茶怪しくても確証がない。

 

(やっぱリタがいないとダメか)

 

 魔力の余裕がもう無い。

 俺はこれ以上の偵察を諦めて、天井を這いつつ城を脱出した。

 もちろん、帰りがけに食料庫から食糧と水を拝借することも忘れずに。

 

 

 

「わ、これおいしい!」

「妖精の焼き菓子って奴かな・・・」

 

 リタが歓声を上げる。

 適当に持ってきた袋の中に、やたら美味しいお菓子があった。

 保存食のたぐいだとは思うのだが、何の変哲もない乾パンみたいな見かけにもかかわらず、滅茶苦茶おいしい。

 日本でもこんな美味しいお菓子食べたことないぞ・・・!?

 しばらくの間、俺達は焼き菓子を夢中でむさぼり食っていた。

 

「あー、おいしかった」

「あんまり残ってないね・・・」

「これ、後に取っておこう。旅はまだ続くんだから」

 

 リタが頷くのを確認して焼き菓子の袋を背負い袋に入れる。

 その後はアバラ肉の丸ごとベーコンなどを削って口に運びつつ、潜入の相談だ。

 

「やっぱりその顔のドアがあやしいんじゃない?」

「まあそうだよな。お話ならともかくって言うところだけど・・・」

「ここお話の中だもんね」

「なんだよなあ」

 

 うーん、と二人して頭を抱える俺達。

 こうなると普段どれだけ師匠や座長やアーベルさんと言った、頭の切れる人達におんぶにだっこだったかよくわかる。リタはそりゃ子供だからしょうがないけど俺はねえ。

 

「まあそれは気にしてもしょうがない。取りあえずその扉のところまでリタをつれてって行ってみよう」

「うん、わかった。・・・でもどうやって?」

「それなんだよなあ・・・」

 

 結局リタにマイクラーンマシンを使って小人になって貰い、俺はいつもどおり透明になって潜入ということになった。魔力もつかな・・・。

 

 

 

「うわぁ・・・!」

 

 光学迷彩を張って空を飛ぶ俺。その後ろを飛んでついてくるリタ。

 正確に言えば、小さくなったリタが小鳥に頼んで運んで貰っているのだ。

 うーんファンタジー。

 

 リタが凄く嬉しそうな顔をしているのでこっちも嬉しい。

 そういえばリタが空飛んだのって火山の噴火から逃げるときだったからな。

 景色を楽しむ余裕なんか無かっただろう。

 それにその後空から落っことしちゃったから・・・ラファエルさんみたいにトラウマになってなくて何よりである。

 途中城の城壁の見張りが俺達を見上げたが、さすがに小鳥を見とがめることはせず、そのまま視線を戻した。

 まずは潜入第一段階、成功である。

 

 

 

「つ、疲れた・・・」

「お兄ちゃん大丈夫?」

 

 ここは宮殿の通路、天井近くの壁のくぼみ(アルコーヴ)の中。

 下から見えないところに這い込み、二人して一息ついて、出てきたのが上のセリフである。

 

「お兄ちゃんお水いる?」

「お願いします・・・」

 

 魔力の枯渇でごろりと転がる俺に、リタは汗をふいたりハンカチであおいだり、水を飲ませてくれたりと丁寧にお世話をしてくれる。うーむ駄目亭主。

 でもネズミ穴を通る間だけの縮小化で指一本動かせなくなった昨夜に比べれば、対象がリタ一人である事を考えても随分とマシな有様だろう。ルイスのヴィランコア様様だな。

 

「取りあえず、俺の魔力回復を待ってから動こう・・・」

「うん、わかった」

 

 なお荷物の中の霊薬(エリクサー)を使えば恐らく魔力体力も全快すると思うのだが、さすがにあれはとっておきだ。よっぽどのことがない限り使えるもんじゃない。

 ・・・これってエリクサー症候群って奴じゃないよな? 大丈夫だよな?

 

 

 

 魔力の回復を待ち、天井を這い進む。ホログラフィックミラージュを展開しながらだ。

 リタは俺の腹の上。ホログラフィックミラージュは透明化ではなく光学迷彩であるため、真下から見ればリタの体が俺の体ですっぽり隠れる形になる。

 よっぽどのことがない限りばれる事はないだろう。

 

「ここだ」

「あれだね・・・」

 

 実際、俺達はばれずに宝物庫に到着できた。

 ロケットパンチで気絶させ、ジェットシャックルで拘束。

 光学迷彩も解いて、俺達は巨大な顔の扉の前に立った。

 

 縦横3mを越す金属扉の表面に巨大な顔。

 

「さて、これどうやって開くのか・・・!?」

 

 扉の目がぎょろりと動く。ある程度想定はしてたが目の前で、しかも3m越えのでかい顔で見下ろされるとやはりぎょっとする。

 目玉が俺の頭よりでかいんだぜ・・・?

 

「~~~~~~~」

 

 扉が静かに口を開く。そこから漏れてきたのは、多分言語だと思うが意味のさっぱりわからない言葉。

 ちらりと斜め下に目をやると、リタが頷いた。

 

「~~~」

「うん、そうだよ。だから・・・」

 

 しばらくリタと扉の会話が続く。

 やがて扉が頷いた(ような気がした)。

 すると顔の中央に線が入り、ゆっくりと外開きに開いていく。

 

「おお! すごいぞリタ!」

「えへへー」

 

 頭を撫でてやるとにぱっと笑う。

 ああ~、かわいいんじゃ~。

 

「!?」

 

 今一瞬鍔鳴りの音が聞こえた気がする・・・幻聴か? 幻聴だよな?

 

「どうしたの?」

「い、いや、何でもない。急いで宝物庫の中を探そう」

「? うん、わかった」

 

 冷や汗を大量に流しつつ、俺たちは宝物庫の中に突入した。

 

 

 

「あったー!」

 

 探し回ること数十分、金貨とか宝箱とか美術品とかが山と積まれた宝物庫の中から、リタが赤いサソリの紋章の付いた丸筒を見つけ出した。卒業証書いれるようなやつ。

 中の地図を開くと、島の書かれた海図とやはり赤いサソリの紋章。

 

「よし、これだ! 急いでここを・・・」

「ご苦労。ではそれを渡して貰おうか」

「「!!」」

 

 後ろからかかった声に、二人して弾けるように振り向く。

 宝物庫の入り口。

 開いたそこに立つのは2mを遥かに超える筋骨隆々の巨漢。

 その顔には仮面。地図にあるのとよく似たサソリの意匠が施されていた。




「ニルスのふしぎな旅」大好きでしたー!

サソリマスクは大体仮面ライダーV3のヨロイ元帥かカリオストロの城の結婚衣裳覆面カリオストロ伯爵。
ヨロイ元帥みたいに「勇者はーやと」とか喋らせようと思ったけどさすがに自重した(ぉ
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