妹とお兄ちゃん   作:あーえんず

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第1話

1話

 

どんどんどんどん

ガチャ

 

「お兄ちゃん!、 朝だよぅ、起きて起きて!」

 

「うぅ・・・」

 

「あぁー!、また二度寝する気だなぁ、今日こそは起こしてやる!」

 

「・・・まだ間に合」

バサぁっと布団をめくられ、突然の温度差に耐え切れず寒くて縮こまる。

妹は縮こまった俺の上に容赦無くヒップドロップを繰り出す。横になって寝ていたので横腹にHitした。

妹は俺を起こす際の有効な必殺技だと思っているが、その小さく柔らかでふんわりしたヒップドロップでは俺にとってダメージからご褒美に変換されている。

今日もいい日になりそうだ。

 

「こらぁ、起きろ起きろぉ!」

 

しかし、俺はまだ満足はしていない

この先の展開を待っているのだ。

「お兄ちゃん・・・まだ起きないな・・・

ちょっとだけならいいよね・・・早く起きないと・・妹に・・・童貞取られちゃうよ?」

的なやつ。

 

「まーたニヤニヤし始めたよ、妹に椅子にされて喜んでるよ変態め!」

 

妹が生まれてから10年近く経つが

1度もこの状況になったことはない。

澄み切った心を持っているのは

兄として嬉しい限りだが寂しい悲しい。

もっと妹とイチャイチャラブラブしたいのに。残念。

 

「っていうか、起きてるよね!?

早く準備しなよ、この!この!」

 

横になっている俺の横腹に座り込み、

踵で背中を蹴ってくる。

今日もあの展開にはならなかったが

可愛いからしばらくこのままでいよう・・・・幸せ・・・・

二度寝のふりをするのも悪くないな・・・

 

「8時10分だよ!」

 

「やっべ!」

 

妹を吹っ飛ばしながら時計を確認する。

6時22分。お、俺の誕生日やん。

いや、起こすの早すぎだろ妹よ。

 

「いてて、あぁそれお兄ちゃんの誕生日に合わせておいたよ!」

 

「小癪な真似を!」

 

大慌てで下の階に降りて行く。

実際に8時10分なら完全に遅刻コースだ、今日遅刻するのはまずい。

今日から新しい環境で学校が始まる

 

今日は始業式だ。

 

 

 

下の階の時計は

6時22分を指していた。

 

「まさか・・・」

 

 

とんとんとんとん

 

階段から妹が頬を赤らめながら降りてくる

「えへへ、うちの時計全部6時22分だね☆」

 

「ありがとう☆誕生日覚えててくれたんだね!2度とやらないでね!」

 

「そうだよ、お兄ちゃんの事は何でも知ってるもん。あ、そうだ、今の時間知りたーい?」

 

「知りたーい」

 

「教えなーい」

 

腕を組んでいる妹の腕には可愛らしいが漫画の付録のようなしょぼい腕時計をしているのがわかる。

 

「時間教えーてくださーい」

 

「いいよ」

 

「いいのかよ!早く教えて」

 

「その代わりにある条件を呑んで」

 

「わかった」

 

最近このセリフをよく俺に使ってくる。

この前はじゃがりこがひとつしかない中、お互いそれを独り占めしたくて俺がだだこねてたら

「その代わりにある条件を呑んで」

「わかった」

「口渡しで一本頂戴」

「半年早い、今日は早く寝ろ」ジャガジャガリコリコ

 

漫画に影響されたのか

妹がたまに凄い事言い出すから

焦ってその場をやり過ごそうとする俺はへっぴり腰だとつくづく思う。

本当はポッキーゲームならぬじゃがじゃがゲームしたかったけど。

 

 

するするする

 

突然妹がパジャマの下を脱ぎ始めた

 

水玉ストライプのパンツが恥ずかしそうに

おはようと顔をちらつかせ、

俺の頭が予期せぬ事態に対応出来ず

キャパシティオーバーを起こす。

 

「お、おま何やってんだよん!」

 

「さっき条件呑むって言ったよね」

 

「いやいや言ったかな言いました」

 

「今日ってここに来て初めての登校になるでしょ?そして始業式だし学校に行きたくないの。」

 

「どうしてさ?そして早くパンツ脱げって!あ、なんでもない!」

「ズボン履けって!」

 

「そんなに焦らなくても、今日は好きにしていいよ・・いつも我慢してるんでしょ?」

 

「そんな事はある」

 

「ベッドの下のエッチな本見ちゃったんだ、出てた人、私と同い年くらいだしほんとは私と・・・・」

 

「!!!」

「嘘だ、あの金庫は32桁の暗唱番号と

鍵が16本無ければ開かないはず!俺ですらメモ無しでは開けられないし鍵は無くすから挿しっぱなし開けっ放しなんだぞ!・・・・あ」

 

「開いてたよ」

 

「ああああ俺馬鹿じゃああん。な、中見たの?」

 

「熟読して実践した」

 

「ああああごめんよお母さああん。いや、そんなことは今はいいや、それよりなんで学校に行きたく無いなんて言い出すんだよ」

 

「またいじめられるから・・・」

 

「そ、そんな事無いって、だって前の学校は・・」

 

「わかってる!わかってるよ・・」

「でも・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

つづく

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