遊戯王 in shadow   作:繋ガレシ世界ノ月神

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前日譚 決闘者の王国
決闘者の王国 予選最終戦


「なにぃ!どういうことだ!」

 

 ペガサス城の前で城之内の声が響いた。

 城之内のデュエリストグローブにはすでに10個のスターチップが収められている。それはこの場にいる残り2人の決闘者(デュエリスト)、遊戯と舞も同様だった。

 

「やいテメェ!俺たちはちゃんとスターチップを10個集めてるんだぜ、それなのに入れねぇっつーのはどういうことだ!」

 

「聞いて分からなかったのか?すでに予選を通過し、決勝トーナメントに進んだものが2人いる。つまり、お前たち3人のうち誰がここで脱落するかを決めない限り、この扉が開くことは無い」

 

 城之内に詰められたインダストリアル・イリュージョン社の黒服はバカにしたようにして返した。

 

「なん、だと……」

 

 決勝トーナメントへと駒を進められるのは残り2人、武藤遊戯、城之内克也、孔雀舞、この3人のうち誰かが先に進むのを諦めなければいけない。

 

「マジかよ」

「そんな……なんとかならないの」

 

 日没というタイムリミットが迫る中で城之内が口を開いた。

 

「……舞、俺とデュエルしてくれ」

「城之内君⁉」

「城之内……」

 

 その言葉に驚いたのは他でもない遊戯と舞の二人だった。

 

「舞、お前も遊戯が決勝トーナメントに行くのは文句ねぇだろ。なら残った俺とお前、どっちがこの先に進むか、デュエルで決着つけようぜ」

「……いいわ。そのデュエル、受けてあげる」

 

 舞は驚いた表情から一転、好戦的な笑みを浮かべて城之内からのデュエルの申し込みを受けた。

 

「そういう訳だ遊戯、先に行っててくれ」

「遊戯、あんたとの決着は先に取っておくわ」

 

「城之内君、舞さん……ありがとう。どっちが勝ち上って来ても、その時は全力で戦うよ」

 

「おう!」

「ええ」

 

「……よし、そうと決まればデュエルリングを探さねぇとな」

「その必要は無いわ」

 

 そう言うと舞は先ほどの黒服に近づいた。

 

「ねぇあんた、どうせこの城にもデュエルリングはあるんでしょ」

「当然あるが……ま、まさか貴様!」

「さっきの話は聞いてたんでしょ。そのデュエルリング使わせてもらえないかしら」

「だ、だめだだめだ。この扉を通れるのは決勝トーナメントに出場が決まった者だけだ」

 

「問題アリマセーン、私と海馬ボーイのデュエルの前に一つ余興を行うだけのことデース」

 

 2人が言い争っている場に現れたのは、城の主であるペガサスだった。

 

 ♢ ♢ ♢

 

 城之内勝也と孔雀舞、その決着はペガサス城で行われるフィールドパワーソース*1が存在しない決闘(デュエル)だ。

 序盤は《炎の剣士》などの《ハーピィ・レディ》に相性の良いカードを持つ城之内が優勢に進めていた。

 しかし舞が永続罠(えいぞくトラップ)、《銀幕(ぎんまく)鏡壁(ミラーウォール)》を発動してからは一転、うかつに攻撃できなくなった城之内が追いつめられる形となった。

 

「《ハーピィ・レディ》で《ガルーザス》を攻撃、爪牙砕断(スクラッチ・クラッシュ)

「よっしゃあ!(トラップ)カード《鎖付きブーメラン》」

 

 《ハーピィ・レディ》が《鎖付きブーメラン》によって捕獲される。

 この時、舞は一つの事実に気が付いた。そう、《ハーピィ・レディ》が《銀幕の鏡壁》を飛び越えてしまっていることに!

 

「上手い!これなら《銀幕の鏡壁》は発動しない!」

「さらに、《鎖付きブーメラン》のもう一つの効果で《ガルーザス》の攻撃力は500ポイントアップ!《ハーピィ・レディ》を返り討ちにしろ《ガルーザス》」

 

《ガルーザス》ATK/1800→2300 VS 《ハーピィ・レディ》ATK/2100*2

 

舞 LP/1300→1100

 

「ふふ、やるわね城之内、でもこのカードは倒せるかしら?《ハーピィズペット(ドラゴン)》攻撃表示!」

「《ハーピィズペット(ドラゴン)》はフィールドの《ハーピィ》ちゃんの数だけ攻撃力をアップする。つまり今の攻撃力は……」

 

《ハーピィズペット竜》ATK/2000→2300

 

「ターンエンドよ」

「俺のターン、ドロー、俺はカードを伏せて終了だ」

「私のターンドロー!(これは……《ハーピィ》ちゃんじゃないけど、城之内のモンスターを倒すには十分ね)魔法カード発動《ハーピィの羽根箒》!」

 

 《ハーピィ・レディ》から新しく生えた2対の羽根が巻き起こした()()によって、城之内のフィールドから《鎖付きブーメラン》が、舞のフィールドから《銀幕の鏡壁》が消滅した。

 

《ガルーザス》ATK/2300→1800

 

「なっ!?」

「へっへっへ、舞!お前がそいつを使ってくれて助かったぜ!」

 

 城之内は前のターンに伏せたカードを公開した。

 それは《ものマネ幻想師》、相手のカードをコピーするカード、これでコピーした《ハーピィの羽根箒》により城之内を悩ませていた《銀幕の鏡壁》は消滅したのだ。

 しかしそれでも《ガルーザス》の攻撃力が下がったのは事実である。《ハーピィズペット竜》の攻撃で《ガルーザス》は爆散した。

 

城之内 LP/1400→900

 

「ドローッ!……頼むぜ《時の魔術師》!」

 

 城之内が場に出したのは《ベビードラゴン》と《時の魔術師》、狙っているのは初めて舞とデュエルした時の成長と老化による攻撃力逆転コンボ!

 

「タイムルーレット!」

 

 城之内の宣言によって《時の魔術師》の杖先についているルーレットが回転を始めた。

 

 タイムルーレットが成功した場合、老化した《ハーピィズペット竜》では《千年竜(サウザンド・ドラゴン)》には太刀打ちできず、舞のライフは尽きる。

 逆に失敗した場合、その効果で城之内のモンスターは全滅し、攻撃力の合計の半分が城之内のライフから引かれ、城之内のライフは尽きる。

 

 つまり、勝敗はこのルーレットの結果に託された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ルーレットが止まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果は

 

城之内 LP/900→0

 

失敗(ハズレ)だった。

 

「勝者!孔雀舞!」

*1
決闘者の王国の島全域で行われた予選ではフィールドに適した種族のモンスターはステータスが30%上昇し、魔法耐性が付与されるというヤバイルールがあった

*2
《サイバー・ボンテージ》と《薔薇の鞭》を装備




遂に揃った4人のデュエリスト達、舞さんに遊戯、私達を閉じ込めたキース、そして黒ずくめの少年、海に落ちていた《エクゾディア》を拾ってくれた彼はいったい何者なの?
え?城之内の道は途絶えていないってどう言うこと⁉︎
次回「夜明けの前哨戦(ラストチャンス) キース VS 城之内」
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