私はエレクトリアの紅蓮。
蜘蛛膜下出血でマスターが急逝した。
マスターの孫のアイリスに引き取られる事になったのは運が良かったと思う。
マスターの急逝によって野良エレクトリアとして放り出されるのは珍しくは無い。
私自身、過去にエレクトリアバトルて活躍していた事もあってかそこそこ有名だった。
……そう『有名だった』だ。
更に言えば私は最初期モデルのエレクトリアで最新型に比べると色々と劣ってしまうのだ。
だからアイリス、早速とエレクトリアバトルに駆り出すのはどうかと思う。
ガヤガヤと周りの歓声が聞こえてくる。
「……やれやれ」
エレクトリシティ・ファイトの舞台であるリングに上がる。
周りを見渡すと観客達が此方を見ている。
その視線を受け止めながら自分の状態を確認する。
装備している武器はリアの居合刀とマルチレーザーライフル。
ボディはモノノフノヨロイ。
ヘッドはリボン。
バックパックにデモンズウィング。
レッグはメカニクルレッグ。
サブにディフィレクトリング。
左装備にディフレクトリング。
サブにフルチューンのランチャーとガードのエクステンダー。
最後に出力強化ユニットと非常良い装備だし、チップの組み上げも攻撃系、防御系、回避と速度系が言う事無い程とても纏まった射格型だ。
私が前述の最初期型のエレクトリアと言う事で無ければ……‼︎
「さぁ!本日のメインバトルが始まります!」
司会の声と共に観客席から声が上がる。
「先ずは赤コーナーより!『炎帝』ことアリシアー!!」
入場してきた相手エレクトリアの方は炎系デバフダメージ戦法が得意な方だった筈だ。
「続いて青コーナーより!『閃光』こと紅蓮!!それでは試合開始です!」
試合開始のブザーが鳴り響くと同時に相手エレクトリアに居合刀の一閃を放つ。
「……先手必勝!」
相手が何かを言う前に素早く距離を詰める。
そして抜刀する様に居合斬りを放つ。
「ッ!?……やるわね」
相手に当たり付いたものの決定打とはならない。
予測ダメージよりずっと低いな。
向こうは最新型エレクトリアと言う事もあるが、与えるダメージフィードバックが弱い。
装備群が良くとも最初期型のこの身では格差があるか。
ならば……。
「っ!?」
相手のヒートグレードを刀で弾きつつ距離を取る。
「どうしたのかしら?」
相手は不思議そうな顔をしている。
「いえ?ただ貴方の攻撃を避けるのに集中しようと思いまして……」
相手を挑発しつつバックステップし、後ろへ下がる。
そのまま後ろに下がり続け、ある程度距離を取ったら一気に加速して相手の後ろに回り込む。
「なっ!?」
相手に接近すると同時、相手の背後でデモンズウィングを大きく展開させる。
同時にマルチレーザーライフルを手に取り構えると同時引き金を引きながらショットガンモードで連射しながら居合一閃を繰り出した。
「ぐぅ!?」
大技故にモーションが大きく隙が大きい。
しかし隙だらけでも当てれば効果はある様だ。
私の放った斬撃と銃撃による衝撃により相手は大きく怯む。
「まだまだ行くぞ!」
だが、ふすっとブースト切れしてしまった。
しまった!?EN管理を怠っていた!
「くそっ!」
急いでマルチレーザーライフルの残弾を確認しつつ射撃を行う。
幸いにもまだ残弾には余裕があった。
マルチレーザーライフルの残り残弾が無くなるまで撃ち続けると即座に後退しリロードを行う。
それと同時に今までいた場所に熱線が通り過ぎて行く。
「アレはボディのカイゼルバーストか。後退してなければ危なかったな」
カイゼルバーストは同名ボディ装備胸部に装備されている高出力ビーム砲である。
火力は高いが反動も大きい。
「成る程、そう言う事なら……」
今度は此方が攻勢に出る番だ。
『おぉーっと!?紅蓮選手、突然後退し始めたと思ったら物凄い勢いで突っ込んで行きましたよ!?』
実況の声を聞きながらバックパックのデモンズウィングを最大展開する。同時にディフレクトリングを起動させ空中に足場を作る。
ディフレクトリングのお陰で空歩を使いながら変則高速移動が可能になったのだ。
『なんと紅蓮選手、3次元に飛び始めたァ!』
「何ィ!?」
驚く相手の上を取り、急降下しながら居合一閃を繰り出す。
「チィッ!」
相手はそれを紙一重で避けると此方に銃口を向ける。
「くっ⁉︎」
相手のヒートグレードの直撃を受けてしまった!
『ここで紅蓮選手のHPが1割削られた!!』
今の一撃でディフレクトリングの耐久値が尽きてしまい、足場が消えてしまう。
「今だ!」
相手は此方の着地際を狙い撃つつもりらしい。
だけど甘い!
「んな!?」
こちらにはアクロバティックアプローチがある!
しかし回避途中で機動が止まってしまった。
出力不足からメモリ負荷だ。
古い機種のエレクトリアは最新のチップと兼ね合いが悪く動作不良しやすいのだが……。
よりによってこの局面で出るか!仕方がない。
「ディフレクトリング再生成!」
左手首に付いているディフレクトリングを再生成する。
そして再び足元に再展開した。
「嘘!?」
流石は最新型の装備。
あの一瞬で再生成される。
リングの力場も本来ならば常時展開されてダメージ軽減してくれる代物だが、これも兼ね合いのせいで起動型扱いの上プロトビームシールド大の力場を生成にとどまっているが、コレはこれで使えるな!
「さぁ、反撃開始だ!」
相手との距離が近い、ショットモードで追撃だ!
「くっ!」
相手は此方に向けてヒートグレードを放ってくるがそんなものは効かない。
「うおおおっ!!」
私は更に加速し相手と距離を詰めていく。
「なにぃ!?」
「これで終わりだ!」
マルチレーザーライフルの引き金を引く。
「……っ!?」
『紅蓮選手の勝利です!! 最後は高速接近からの射撃で決着だー!」
「……ふぅ」
「あ〜負けた〜」
「……強かったな」
「……ありがとうございます」
バトルを終えた私達は互いに握手を交わした。
「良いバトルだったわ」
「……ああ、とても有意義だった」
「また機会があれば戦いましょう」
「そうだね」
こうしてアイリスとの始めてのバトルは終わった。
その後、バトル後の反省会を軽く済ませ、フレンド登録をしてから別れた。
ああ、何故こうなったのか。
まずは出会いを振り返り打開を考えよう。
紅蓮さん、Twitterでは振り回す側だから、小説では振り回される側ね?
紅蓮さん「どうして」(っ´•̥ω•̥`c )