その天使はハッピーエンドしか認めない   作:苦闘点

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 1日だけアンケートを取りましたが、やはり女先生は人気ですね。実を言うとまだ迷ってます。

 


悲劇の運命は止まらない

 

 

 ……いつもと何も変わらない日、だったはずだ。

 

 ちょうど、アズサが高一の範囲に追いついた日の翌日のことだ。

 

 

『やったな、アズサ! これで中学範囲終了だぞ! 頑張ったな!』

 

『……うん。ありがとう、ルカ』

 

『ん、どうした? アズサ』

 

『……ううん、何でもない。ルカ、私に教えてくれて、ありがとう』

 

 

 思えばあの時、もっと深く聞いておけばよかった。顔を上げたアズサは笑っていたから大丈夫だと高を括るべきではなかった。

 それもこれも、俺がアズサに対し深入りしないようにしていたからだ。アズサが言いたくないことであれば、聞くべきではないと思っていたからだ。

 

 けれど、この時は聞くべきだった。

 聞いていたら、話してくれたかもしれない。

 聞いていたら、アリウスの真の思惑に気づけたかもしれない。

 

 ……俺が選択を誤っていなければ、悲劇は起こらなかったかもしれないんだ。

 

 

 

 

‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎

 

 

 

 

 セイアが所有するセーフハウス、限られた者しか知らない秘密の部屋。

 そこに、招かれざる客が来訪した。

 

 

「───無事に来れたようだね」

 

「……百合園セイア?」

 

「そうだよ、アリウス分校所属の白洲アズサ。こうして会うのは初めてだね。もっとも、私は書類上で君を知っているがね」

 

 

 招かれざる客、アズサはその落ち着いた様子に困惑していた。明らかな侵入者を目の前にして、何故こんなにも落ち着いているのかと。

 

 

「私が驚いていないのが不思議かい? それもそうだね。何と言えばいいか……私には予知夢とでも呼ぶべき力があってね。言ってしまえば、『知っていたから』だよ。君がここを訪れる事を」

 

「……じゃあ、私が今から何をするつもりなのかも?」

 

「あぁ、私の『ヘイローを壊しに』来たんだろう?」

 

「……分かってたなら、どうして逃げなかった? どうしてそんなに落ち着いてるの?」

 

 

 キヴォトスにおいて、『死』とは見えにくいものだ。

 そこに存在する者は、生徒も市民も銃弾では痛み程度しか感じず、爆発が直撃しても軽い気絶で済む。

 

 それでも『生きている』のだから、いつか『死ぬ』ことは必定である。

 

 セイアは予知夢により、この未来を知っていた。今宵、アズサが此処に訪れる事を。アズサが自分のヘイローを壊し(命を消し)に来ることを。誰かが自分の死を願っていることを。

 

 

「……私は予知夢により、()()()このシーンを見た。そのおかげでこの未来……いや今この瞬間が、避けられない絶対のルートであると悟った。ここでの結末も、おそらく私が見たものとそう変わりはしないだろうね」

 

 

 セイアの予知夢にも正誤はある。見た夢はほぼ確実に訪れるとはいえ、それまでの過去が大幅に変わればその予知が外れる事だって稀にある。

 しかし、夢に見る回数が増えれば、それだけその未来の運命が強いということ。つまり、避けられない運命にあるということになる。

 

 セイアは以前、そのバッドエンドの未来を見て絶望し、未来を諦めた。避けられない運命に対し、足掻くことを諦めた。

 

 ……以前は、だ。

 

 

「…………けれどね。ここでの結末が変わらなくても、今後の未来は分からない」

 

「えっ……」

 

「私は、ここでの顛末は『必要な過程』であると認識した。これから起こる未来……ハッピーエンドに必要な過程だと」

 

 

 彼を信じるようになったセイアは、その絶望の乗り越え方を知っている。

 たとえ今が暗くても、その先のハッピーエンド(楽園)を信じた彼女は、足掻くことを諦めていない。

 

 

「ここまで来たたいうことは、君は私を確実に殺す何らかの手段を持っているのだろう?」

 

「……あぁ、この特殊な爆弾を使えば、『ヘイローは破壊される』」

 

「成程、『ヘイローを破壊する爆弾』か。アリウスではそんな物まで作っているのかい。ルカが知れば、製造工場ごと跡形もなく消し飛ばすだろうね」

 

 

 アズサが真実を言っている事は、セイアは百も承知だ。それでも尚、その声音は変わらない。

 それは、セイアがアズサに見たものを知っているから。

 

 

「……でも、君は『人殺し』になるのを恐れている。違うかい?」

 

「っ……!?」

 

「すまない。少し意地悪をしたね。私は君が人殺しを恐れていることも、予知により知っている」

 

 

 降りしきる雨の中、蹲るアズサの姿。

 人を殺した彼女を。その絶望、後悔、無力感に苛まれる彼女も、セイアはこの先起こりうる未来として見ていた。

 

 

「『Vanitas Vanitatam』……全ては虚しいものである。アリウスが大好きな言葉だったね。この信条に身を委ねて私を殺すことも、確かに存在する君の未来だ。

 

 ……しかし、私はこの事も知っている。君がこの言葉にある意味では同意し、ある意味では否定している事も」

 

 

 それは、アズサ自身がルカに言った事だ。

 

『たとえ全てが虚しいものだとしても、それは私が諦める理由にはならない』

 

 これが、アズサの根幹。アリウスの歪んだ教育に晒されながらも、決して曲がらなかった彼女の信条。

 

 

「全てが虚しくても、足掻くことを諦めてはいけない……その通りだと思うよ。だからこそ、私は此処に君を()()()

 

「……私を?」

 

「実のところ、君は私を殺しに来たのではないんだろう?

 ……大方、ルカに言われたことが理解出来ない、あたりじゃないかい? 」

 

 

 そう言うセイアに対し、アズサはポツリと話し始めた。

 

 

「……ルカは私に、自分が描きたいハッピーエンドが分かれば、自ずと足掻き方は分かると言ってくれた」

 

「またあの子は……この子にはなんの解決にもなってないじゃないか。だから安易にそういうことを言わないよう釘を刺しているというのに……」

 

「ううん。ルカは答えを示してくれた。後は私が自分のハッピーエンドを見つければいいって教えてくれた」

 

「……では、君が私に聞きたいことは何だい?」

 

 

 セイア自身、ルカに教わったハッピーエンドというものを、まだ全て理解している訳では無い。

 けれど、目の前にいる昔の自分のように答えを求める少女を、セイアは助けてやりたかった。

 

 自分を救ってくれた、彼のように。

 

 

 

「……私は──────」

 

 

 

 

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 俺は今日も今日とて深夜のトリニティ自治区を徘徊していた。

 少し考え事をしていたのだ。

 

 

(ここ1週間、カタコンベに行けどもサオリが来ない……とうとう出禁? ウザ絡みにならないようにはしてたけど……何かまずったかなぁ)

 

 

 と、冷や汗をかきながら考えていた。

 サオリとはアズサの話を聞かせてから、一度も会っていない。あれから2日に1回は行ってるのに誰も来ない。サオリ以外の生徒もだ。

 おかげで持ってきた差し入れも処分先に困っている。お菓子類は積極的に回収してくれる部活が最近出来てたので問題ないが、弁当類は厳しくなっている。

 

 

(もうカタコンベの先に行くか? ワンチャン侵入者として撃退されるが、もう無理やりにでもアリウスに乗り込んだ方が……)

 

 

 そうやって考えてるうちに、随分歩いていた。

 一度思考を止め、周りの景色を見てみる。

 

 

「ここは確か、セイアのセーフハウスの近くか。……いっそのことセイアに聞いてみるのも手か? アズサの事を知ったら手を貸してくれるかも……でもそしたらナギサにも言わないと拗ねるなぁ……」

 

 

 立ち止まって考えること数秒、俺はセイアに話すことにした。もうアズサの転校は終わったことだし、カミングアウトしてしまっても問題ないだろう。ナギサについてはミカと相談ってことで。

 そして、セイアのセーフハウスに歩を進めた。

 

 その時だった。

 

 

 ドガアァァン!!!

 

 

 目指していたセイアの部屋から、爆炎が噴き上げた。

 

 

 

「……なっ…………セイアッ!!」

 

 

 一瞬思考が吹き飛んだが、すぐに正気を取り戻して走り出した。

 

 キヴォトスでは爆発など日常茶飯事。俺も深夜にこんな事が起きても、普段ならここまで取り乱すことは無い。

 けれど、今爆発したのは親しいセイアの部屋。さらにセイアは体が弱く、耐久力は俺やミカには言うに及ばずナギサにすら数段劣る。

 今の爆発を見るに、死にはしないがセイアなら大怪我を負っていてもおかしくない。

 

 俺は高く跳躍し、障害物を無視して最短ルートを走る。穿撃針のワイヤーも使い、十数秒でセイアの部屋の窓まで辿り着いた。

 

 

「セイアッ! 無事かっ!?」

 

 

 焼け焦げるような臭いと煙のせいで、その部屋にいる者の気配は正確には分からない。辛うじて誰かがいることは分かるが……。

 

 そこで俺は、床に倒れ伏した人影を見つけた。

 

 

「─── ゲホッ……来た、ようだね。ルカ」

 

「セイアッ! 怪我は……少しあるな。応急処置はしておく。今救護騎士団と正実を呼ぶから……」

 

「いや、呼ぶのはミネだけでいい」

 

 

 セイアはゆっくり体を起こしながら、強い口調でそう言った。

 それに対し、俺は応急処置の手も止めて呆けてしまった。

 

 

「はっ……? 何言ってんだ! あの爆発じゃ、お前だと最悪死んでた! 命を狙われたんだぞ!」

 

「だからこそだよ。……いいかい、ルカ。今から私が言うことを必ず守ってくれ」

 

 

 セイアは俺の襟首を掴み、顔を引き寄せた。触れてしまいそうな距離にまで近づいたセイアの顔色は悪く、今にも倒れそうだ。

 

 

「一つ……私はここで、ヘイローを壊されたことにして欲しい。私が生きていることが知れれば、他のティーパーティーにも被害が広がる。それは避けなくてはならない」

 

「ヘイローって……そんな事知ったら、ミカやナギサは……!」

 

「……すまない。二人にも、もちろんルカにも酷なことを言っているのは分かっている。けれど、これは必要な事なんだ。分かってくれ」

 

「っ……! …………分かった。でも、二人の精神が不安定になりそうなら、行方不明と伝える。いいな?」

 

「……仕方ない、か。一度言って問題がありそうならそれでいい。頼んだよ」

 

 

 セイアのヘイローが壊された……つまり殺されたなんて事をミカとナギサが知れば、その精神状態がどうなるかは想像に難くない。

 エデン条約も佳境な大事な時期というのもあるが、二人にそんな辛い思いはしてほしくない。

 行方不明でもだいぶキツイと思うが……セイアはこれ以上譲歩してくれそうにない。

 

 

「二つ目だ。今から此処にミネを呼んで、私の護衛についてもらう。その手配とミネに説明を頼みたい」

 

「それはいいが……何でミネなんだ?」

 

「君と同じく、中立的な立場だからだよ。……救護騎士団へのフォローも任せてしまうが、いいかい?」

 

「……一つ目もコレも、予知夢で見たものに対してのお前の足掻きだろ? それなら断ることは無いよ」

 

「……フフ、お見通しか」

 

 

 セイアがここまで切羽詰まったように強引にことを進める……それはつまり、予知夢に何かしらの動きがあったという事だろう。

 セイアが見るバッドエンドの未来。おそらくこの世界(物語)はその路線に乗ったのだ。

 だからセイアからのこれらの頼みは、それに対するセイアの抵抗。俺が知るセイアならば、そのつもりのはずだ。

 

 

「……君が思っている通り、来てしまった。バッドエンドのプロローグが。これから先、物語は動いてしまう。最悪のバッドエンドに向かって……」

 

「けど、セイアは足掻いたろ。ならそのバッドエンドはもう変わり始めてる。お前の足掻きは、俺が無駄にさせない」

 

「……あぁ、頼んだ、よ……」

 

 

 セイアの声が段々と弱くなっていく。ヘイローの光もチカチカと点滅してきた。

 俺が此処に来た時点で、セイアの体力はほとんど限界に近かった。その状態でこれだけ喋ったのだ。途中で気を失わなかったのが奇跡だ。

 

 

「最後、に……君だけに伝えておく……」

 

「俺に……?」

 

 

 

「─── 君は()()、アリウスに手を出してはいけない」

 

「なっ……セイア、お前知って……」

 

「……カタコンベにも近づくべきじゃない。……君の身が、危険だ。……最悪、前の二つは守らなくていい。……だがこれだけは守ってくれ…………お願いだ」

 

 

 息も絶え絶えにたりながら前よりも一層強く、辛いだろうに制服をギュッと握りしめ、セイアは俺の胸に顔を埋めて懇願するようにそう言った。

 

 

 

「……君が、白洲アズサや……他のアリウスの生徒のことを気にかけていることは、知っている。……けど、それは今じゃない。……いいかい、ルカ……」

 

「それは……何で……」

 

「……すま、ない。君にとって……1番辛いことを、言っているのは、重々承知している。……でも、君の、為には…………これ……しか…………」

 

 

「……セイア? セイアッ!!」

 

 

 そこでとうとう、セイアのヘイローは消え完全に意識を失ってしまった。

 

 俺は倒れ込んだセイアを抱え、色々整理出来ないことはあれど行動に移ることにした。

 

 

「……もしもし、ミネか。遅くに悪いが、今から言う場所に一人で来てくれ。今すぐにだ」

 

『……分かりました。救護ですね』

 

「あぁ。頼む」

 

 

 この部屋の近くに人の気配は無い。爆破の犯人はもう逃亡した後だろう。

 俺はこの場を離れるべく、セイアを抱っこして窓から出た。

 ミネに言った場所へ向かいながら、俺はセイアの言葉を反芻していた。

 

 

『─── 君はまだ、アリウスに手を出してはいけない』

 

 

 その言葉の意味は、何なのだろうか。

 この襲撃は、アリウスによるものなのか? セイアは俺がアリウスと接触していることを知っていた?

 ならば手を出してはいけないのは、ミカも同じじゃないのか?

 

 セイアは言った。『これから先、物語は動いてしまう』と。動くのはアリウスか、ゲヘナか、トリニティか……はたまた別の要因か。

 

 いずれにせよ、これからが正念場になる。セイアに託されたこの布石を、絶対に無駄にする訳にはいかない。

 

 

「……俺は必ずハッピーエンドを作ってみせる。……だから、早く目を覚ましてくれよ、セイア」

 

 

 俺も、ミカにもナギサにも、ハッピーエンドにはお前が必要なんだから。

 

 

 

 

‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎ ‪✝︎

 

 

 

 

「─── で、では、セイアさんは生きていると!?」

 

「あぁ。……ごめん。セイアの生存が襲撃犯に知れれば、俺たちもそうだがセイアの命がまた狙われる可能性があった。……俺のことは許さなくていい。でもセイアの気持ちは尊重してやって欲しい」

 

 

 俺はミカとナギサにセイアのヘイローが壊されたと伝えた後、二人の顔を見て速攻で訂正した。

 セイアには悪いと思うが、さっきまでの二人の顔は見てられなかった。

 

 二人には一瞬でも辛い思いをさせたが、それを実際にやったのは俺。だからセイアは許してやってほしいと頭を下げる俺に、先程まで茫然自失としていたミカは俺の頬を両手で掴んで持ち上げた。

 

 

「……馬鹿だなぁ、ルカ君は。ルカ君もすごく辛かったでしょ? ルカ君だけ許さないなんて事、絶対ないよ」

 

「……えぇ。それにセイアさんも、何かしら考えがあっての事でしょう。……我々の中で、1番聡明な方ですから」

 

「それはそれとして、セイアちゃんは帰ってきたらグーパンだけどね! 私たちにもルカ君にもこんな思いさせたんだから!」

 

 

 そう言う二人に、無理して言っている感じは見られない。本心から言ってくれているのが分かる。

 

 ……どうやら、二人は俺が思っていたよりもずっと強いようだ。どこか二人を自分より年下のように思っていたが……これなら心配はいらなそうだ。

 

 

 …………けど、やはりフォローはしなければな。

 

 

「わっ!? る、ルカ君?」

 

「ど、どうされましたか?」

 

 

 俺は二人の手を引き、自分の方に抱き寄せた。普段なら絶対しない距離感だけど、今回ばかりは許して欲しい。

 

 

「……強がってないのは分かるし、もう切り替えてることも分かってる。けど、無理に抑え込んでもいつか爆発するだけだ。ここで発散しとけ」

 

 

 二人がセイアの死を知った時の気持ちは、俺には計り知れない。けれど、想像も出来ないような深い悲しみと恐怖であったことくらいは分かってるつもりだ。

 

 だから、今健全にその気持ちを出させて踏ん切りをつかせておきたかった。一人で泣くよりも、誰かにケアしてもらいながら泣いた方が良いだろうし。

 

 

 俺の言葉を受けた二人は、数秒後にはそれはもうすんごく泣いた。セイアがいなくなる恐怖や、失ったという悲しみを思う存分ぶち撒けた。

 

 二人は各分派首長として抑圧される立場であり、こうも人前で弱みを見せることは無いに等しい。だから二人とも、俺が訂正したら直ぐに切り替えてくれたのだろう。

 だからこそ、俺の前でくらいは弱みを見せて欲しいという、俺のワガママも少しだけある。本人たちは気付いてないが。

 

 ……目が覚めたら、セイアにも必ずやってやる。

 

 

「……セイアは足掻いてる。だから俺たちも、俺たちにできる事をやってやろう。俺たちのハッピーエンドの為に」

 

「……うん! / はい!」

 

 

 

 これから先、どう物語が動こうと、どうバッドエンドに向かおうと。

 俺が、俺たちがその未来を捻じ曲げてやる。

 

 俺のハッピーエンドを作る物語も、これから動き出す。






 一つ、聖園ミカは熾宮ルカにより、ナギサもセイアも大好きなことを確りと自覚している。襲撃犯についての心当たりは……

 一つ、桐藤ナギサは熾宮ルカにより、彼の前でならある程度の弱みを見せることが出来ている。セイアが襲われた理由については……

 一つ、百合園セイアは熾宮ルカにより、予知夢の先を恐れることは無くなっている。まだハッピーエンドの未来は見えないが、足掻く事は諦めない。

 一つ、熾宮ルカの存在により、物語は既に本来の路線を外れている。しかし、その先がハッピーエンドである保証は無い。
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